人狼物語 三日月国


114 【半突発R-18】Snow white Festival【飛び入り歓迎】

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【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ねえ、テレベルム
    飲み物なにが、―――― …… 」


 オムレットの乗った皿を持ち、部屋に戻りながら
 魔術師は呑気に飲み物の好みを尋ねようとして。
 >>151 ノートを開き、何事かを思案する彼の姿を見捉え
 続くはずだった言葉を宙へ溶かした。


  「 ………… それ仕舞うの、忘れてたな。 」


 全容を理解出来ている、とは思わないけれど
 全てを読み解けないようには、書いていない。
 
 
(157) 2021/12/12(Sun) 21:20:13

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 下手に触れれば余計な墓穴を掘りかねない気がして、
 女は静かに息を零した。
 机の上へ皿を置き、椅子にゆっくりと腰掛ける。


  「 ――― … 安心してよ。
    それ、人魚のなにかが必要な魔術でも無いし…。
    ………… …… 、  」


 そこまでを揶揄うように紡いで、結局言葉が消える。
 彼が考えていることは
 今更そんな心配事などではないことくらい、
 流石に理解っているつもりだった。

 耳がぺたりと垂れて、女の視線も迷子のように彷徨い
 ―― それから視線を上げ、彼の顔を見詰める。*
 
(158) 2021/12/12(Sun) 21:21:33

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 紅茶やココアを淹れるのは、もう少し先になりそうだ。
 ―――― ノートを手に思案顔を浮かべていた彼が、
 殆ど反射のように謝罪を紡いだのを聞けば>>161
 女はふるふると頭を横へ動かした。
 元はと言えば、机などに放置していた自分が悪い。

 彼が信頼していると言ってくれるのなら
 安堵したように肩から僅か力を抜いた。>>162
 それから続けられた言葉には、眉を下げ。


  「 ………… それは、だめ。
    私がほしいって言うことがあっても……。 」


 ぽつりとそう返そう。
 
(195) 2021/12/12(Sun) 22:52:27

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 人魚の血肉や涙は、人を一夜で王に変えかねない。
 そんなものに興味が無い相手だろうと
 易々と渡すなんて 死期を早めるようなものだ。
 人も人外も欲深いと、身を持って今日識っただろうに。


  「 ………… なぁに 」


 名前を呼ばれれば、びく、と身体を揺らし
 女のことを見つめ返す海色へ、視線を交わらせる。
 椅子ごと女に近寄った彼が腕を伸ばせば
 叱られる直前の子どものようにぎゅうと目を閉じて。

 
(196) 2021/12/12(Sun) 22:52:36

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 馬鹿なことをするなと言われるのだろうか。
 それとも魔術師である女を恐れて消えるだろうか。
 ―――― 最悪の想定を覚悟した女に訪ったのは、
 ふわりと頭を抱き込まれる感触だった。


  「 ―――― … 、? 」


 月の色を閉じ込めたような瞳を見開いて、
 何も言えないまま、彼の問いが耳に入る。>>164
 耳へ触れないようにする気遣いひとつが痛くて、
 …… 女はローブに隠れた掌を握り締めた。

 
(197) 2021/12/12(Sun) 22:52:42

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ……………… 人間、なら …… 」


 ようやく紡いだ声は、寒くもないのに震えていた。
 誰にも踏み入らせなかった境界線。
 言ってしまえば、言わなかった頃には帰れないのに
 女はそれでも、言葉を発してしまったのだ。


  「 こんな耳だからって、独りになることも
    魔力が多い兎は面倒だって言われることも、
    …… なんにもないと思ったの … 」


 彼だってきっと、見たことくらいはあるだろう。
 兎族は殆どが真っ直ぐな耳で、
 女のように垂れた耳の持ち主はいないことも。
 
(198) 2021/12/12(Sun) 22:52:47

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 彼への問いに返したものはどれもが夢見事で、
 ―――― 必ず約束されるとは限らないことばかり。


 この魔力と魔術で、
 かつて自分を突き飛ばした子らを殺すことなんて
 赤子の手をひねるよりも簡単だった。
 夢を夢見るより、
 全てを壊してしまえる力があった。

     …… 街で見かけた幸せそうな子達のように
     笑って生きていきたかった。

 
(199) 2021/12/12(Sun) 22:53:08

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 


  「 ………… この魔術、大嘘なの
    私でもきっと使えない。

    人間を作るところまでは可能でも
    きっと、魂を移すところで失敗して
    …… そのまま死んじゃうから 」


 そう。――だから、私の願いは
 最初から叶うはずなんて、無かったのだ。

 それで良かった。死んでしまっても。
 彼が妹を探すためにこの家を出て行ってしまって以来
 …… 私はもう、ひとりぼっちを耐えられなかったから。*

 
(200) 2021/12/12(Sun) 22:53:14
魔術師 ラヴァンドラは、メモを貼った。
(a39) 2021/12/12(Sun) 23:56:02

魔術師 ラヴァンドラは、メモを貼った。
(a41) 2021/12/13(Mon) 0:00:14

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 きっと女は彼の痛切な覚悟の話を聞いたとしても>>215
 それでも、首を縦に振ることなんて永劫に無いのだ。
 唯一の肉親を探すため、陸へ上がった人魚の彼に
 欲の犠牲になれなんて ―― とてもではないけれど。

 例えば拾った人魚が、もっと女に優しくなくて
 魔力全てを使ってでも妹を探せ … だとか
 そんな者であれば、女だって躊躇いはしない。
 けれど実際彼はどこまでも女に甘いのだ。
 ―――― だからこそ、 ……


 
(258) 2021/12/13(Mon) 11:05:02

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 彼は名前を一度呼ぶだけで、女の言葉を聞いていた。>>217
 拙いばかりだっただろう独白めいた願いを、
 遮ることも ――――窘めることもせず。
 この願いが本当の意味で叶わないことを識っていて、
 だから女はあの日、友人の正解を誤魔化した。


  「 ………… ばかだって、言ってもいいのに。 」


 手向けられる優しさに、女は苦く笑おうとして
 結局目を伏せた。>>218
 人の欲などないだろう綺麗な世界の生き物に、
 女の馬鹿げた空想を知られた苦さが胸中を占めて。
 …… 友達がいて、人に求められる力もある。
 ―――― けれそれは、きっと唯一では、ない。

 
(259) 2021/12/13(Mon) 11:05:41

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ―――――― 、 
       ………… ……  ぇ、 」


 無意識に零れ落ちた言葉は、宙に溶けた。>>221
 女の耳へ届いた彼の優しさどれもが嬉しくて、
 だからこそ手を離してあげようと思っていたのに。

 >>224 彼の腕が少しばかり緩めば、
 俯いたままだった女も漸く頭を上げた。
 綯い交ぜになった感情ゆえに、涙で潤んだ双眸が
 彼の曇り一点もないような海色を見つめて。

 
(260) 2021/12/13(Mon) 11:05:47

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… でも、……。
    妹のこと探しに、ここまで来たんでしょ … ? 」


 その使命と、女の願い。
 ―――― 彼にとって釣り合いが取れると思えずに
 女は耳をぱたりと揺らした。

 探し探されるような肉親もいない自分には、
 縁の遠い話だ、と思っていたけれど。
 彼はその為に危険を犯し、身を削っていたのではないか。

 ―― ここを出て行った理由など識らぬ女は>>165
 迷子の子どもめいた仕草と躊躇いで、
 男の服を きゅぅ、と握った。
 
(261) 2021/12/13(Mon) 11:06:00

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 ふるりと睫毛が震え、少しだけ目を伏せる。
 対価さえあれば願いが叶う場所で
 ―――― …  欲することが罪ではないのなら、


  「 もう、どこにもいかないなら
    …… テレベルムに、あげる。

    だから … ひとりにしないで……。 」


 彼の行動や心を縛るつもりなんて欠片もない。
 ただ、最後に帰ってくる場所がここであるならば
 其れで良いと、女は思ってしまったから。*

 
(262) 2021/12/13(Mon) 11:06:18

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 
         ―――― 夕刻/自宅 ――――



 魔術師の家を知る者は、少数の友人と人魚しかいない。
 故にそれ以外の訪問者といえば大抵が、
 何らかの企みを抱えた招かれざる客人だ。


  「 ………… 誰? 」


 窓の外は、空色が陽色に傾き始める頃合い。
 ノックの音と、友人のものではない声に>>238
 魔術師は雰囲気を尖らせ、扉を開いた。

 
(270) 2021/12/13(Mon) 11:41:33

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 夕刻ともなれば、人魚の彼は家にいたか。
 何処かへ出掛けるというのなら、女は過保護を表に出し
 ローブに防御魔術を掛けて与えただろうけれど。
 そうでないのなら、奥へ下がるように言い含めて。

 扉を開ければそこには、
 予想とは真逆の、可愛らしい少女が立っていた。


  「 ――――  ぁ、れ
    貴方確か、パイ屋で会った……? 」


 女は思わずといった様子で小首を傾ぎ、
 それから少し悩む素振りの後、彼女を招き入れる。
 人魚の在り処が漏れたとは考え辛い。
 ならば恐らく、目的は女の方だろうから。
 
(271) 2021/12/13(Mon) 11:41:53

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 少女には背を向けないまま椅子を勧めてみるけれど、
 彼女は素直に従ったかどうか ――――
 どちらにせよ女は、一見すれば柔らかな笑みを浮かべ。


  「 …… それで、どうしたの?
    誰かに言われてここに来たのかな。 」


 まさか迷子というわけでもないだろう。
 入り組んでいる場所ではないし、
 賑やかな喧騒を辿れば 祭りの間はすぐ表へ出られる。
 目的と ―― 依頼主の正体を探るように
 女は問いを投げた。*

 
(272) 2021/12/13(Mon) 11:42:03
魔術師 ラヴァンドラは、メモを貼った。
(a45) 2021/12/13(Mon) 11:44:10

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 ―― 彼の言葉を信じていない訳ではないけれど>>292
 触れたことのない温もりへ戸惑っていたのは、本当だ。
 聞き飽きるまで言って欲しいと女が乞えば
 恐らく彼は、その通りにしてくれるのだろうが ――
 ふるりと女は首を横に振り、小さく唇を開き。


  「 … テレベルムに、好きって言われると
    心臓がどきどきする、から…… 」


 散々彼に理路整然と陸の世界を説いてきた口は、
 子どものような言葉しか紡げなかった。
 本当に言葉通りにされては心臓が壊れてしまいそうで、
 
(310) 2021/12/13(Mon) 21:02:45

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 〜〜〜 … ッ、!? 」


 泣いてない、と強がろうとした女は
 息も言葉も詰まらせ、耳を大きくぱたん!と揺らした。
 涙を拭った温もりの正体が指先などではなく、
 彼の唇であることに気付いたからだ。

 はくり、と幾度か口を開いては閉じ。
 結局頬を真っ赤に染めた兎は言葉を飲み込んで
 それから男のローブを掴んだのだ。

 
(311) 2021/12/13(Mon) 21:02:52

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 ―――― 人魚には掟があると彼は言う。>>294
 生態を知られてはならない。
 それが掟というのなら、恐らく彼は女へ正体を告げた時点で
 禁忌の棘を踏んでしまっているのではないか。


  「 ………… …… 」


 人間になった妹を殺し。
 同族殺しの咎を背負って男も死ぬのが使命だと、
 … …… 女は唇を噛んで俯いた。

 
(312) 2021/12/13(Mon) 21:02:58

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 獣人には獣人の決まりがあるように、
 人魚にも人魚の掟があるのは当然とも言える。
 だからといって、それが個人の幸福や未来そのものを
 奪って良い理由にはならないだろう。

 彼が女の話をただ静かに聞いてくれたのと同じように
 女も黙して、彼が紡ぐ言葉を聴いていた。>>296
 家族と呼べるような存在を疾うに失った自分には
 …… 同じ使命を持たぬ一介の兎では、
 全て打ち明けた彼を抱き締めることしか出来ない。

 
(313) 2021/12/13(Mon) 21:03:02

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 合わさった頬の感触に、どうしてか泣きたいような。
 ぽん、と背を撫でられれば
 女は本物の兎さながらに、すり、と彼へ頬ずりをして。


  「 旅……? 」


 そうして投げられた提案へ、首を傾ぐ。
 この街から出たことのない女には
 想像もあまり出来ないような言葉だったからだ。

 
(314) 2021/12/13(Mon) 21:03:07

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… 私、ここから出たことも無いし
    こんな体質だから ……
    迷惑、かけちゃうかもしれない、けど。

    ―――― それでも、いい? 」


 頭には、友人の顔が浮かんでいたけれど。
 そう遠い旅にはならないと彼が言うのなら、
 …… それが彼の願いに繋がるのであれば。
 頷かない程、女はひどい兎ではない。

 魔力量の多い兎族なんて、旅には一番向かない上に
 ―――― 見知った場所を少しでも離れることも
 彼の邪魔になるかもしれないことだって、
 怖いことは幾らでも浮かぶ …… けれど。

 
(315) 2021/12/13(Mon) 21:03:13

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 彼が頷いてくれるのならば、
 女はそっと彼を見上げ、―――― それから。


  「 私のこと見捨てないって、
    …… 約束のキス、して。 」


 へにゃりと眉を下げ、そう強請った。*


 
(316) 2021/12/13(Mon) 21:05:23

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

 すき、は心臓にわるいとは言ったけれど。>>320
 だからと言ってその囁きは、
 実質的な意味とはそんなに変わらないのではないか。
 ―――― なんて言う余裕など何処にも無く。

 用意した朝食は、後で温めてしまおう。
 …… 女の魔術なら一振りでそれが出来るのだし。
 今何よりも気にして優先するべきは
 目の前の彼だけだと、思うから。


     不意に耳へ唇を寄せ、ちいさく囁く。

 
(341) 2021/12/13(Mon) 22:44:50

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 
 そうして彼が、女の厄介さも全て
 構わないと受け入れてくれるのならば。>>321
 女もこの魔力と魔術を
 彼の夢の為に使ってみせよう。


  「 …… ふふ。
    ありがと、―― 私も頑張る。

    迷惑は …… 掛けちゃうけど
    妹に会えるように。
    幸せになれるように、支える、から。 」


 旅は、片方が支えて貰うばかりのものではないだろう。
 果たして魔術が幾ら有用かは分からないけれど、
 出来ることなら何でもしてあげたいのは、此方も同じ。
 
(342) 2021/12/13(Mon) 22:45:01

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ………… ぅ。
    そういうわけじゃ、なぃ けど……。」


 浮かべるのは、些かばつの悪そうな顔。
 伸ばされた指先が、恭しく輪郭を撫ぜるのを
 静かに受け入れて。


 
(343) 2021/12/13(Mon) 22:45:05

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 
         ―――― 夕刻/自宅 ――――



 お茶を淹れようと言う彼を案じはしたものの、
 この少女が危害を加える予感もしないから
 女はやや躊躇った後、「お願い」と答えた。>>302

 そうして座った少女からは敵意も無く。
 依頼をしにきた、という言葉を聴けば>>331
 黙して続く内容を聴いていた。


  「 ―――― 呪い? 」


 そうして、柔和に保っていた筈の微笑みを
 苦いものを食べたように、くしゃりと歪める。

 
(347) 2021/12/13(Mon) 23:04:36

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 ………… 知ってるか知らないかで言えば、
    答えはイエス。

    使ったことなんかはないけど、…… 」


 魔術師が扱うのは、魔術のみというわけではない。
 何かを切欠にしてしまえば
 その力を悪用する為に奮う者も存在する。

 けれど女の知識は、所詮知識止まりでしかなく
 理論の構築や応用の説明などは出来ても
 実行することは難しい。
 ―――― なによりも、呪いというのは ……

 
(348) 2021/12/13(Mon) 23:04:43

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 

  「 …… 呪って欲しい人でもいるの?
    それともその逆で、
    呪いを解いて欲しいとか?

    基本的に、魔術の呪いなんていうのは
    ―――― 手を出すと碌なことがないよ 」


 魔術の反動で死ぬ魔術師がいるように。
 呪いなんてものを使ってしまえば
 術者がどうなるかなど …… 。

 女はそこで言葉を区切り、少女を見詰めた。
 その頃には人魚の彼が
 温かい飲み物でも、出してくれていただろうけれど。

 
(349) 2021/12/13(Mon) 23:04:54

【人】 魔術師 ラヴァンドラ

 


  「 ――――― 貴方の目的は、何? 」


 以降の話はまず、
 それを確認してから始めよう。*


 
(350) 2021/12/13(Mon) 23:06:39
魔術師 ラヴァンドラは、メモを貼った。
(a58) 2021/12/13(Mon) 23:08:21

魔術師 ラヴァンドラは、メモを貼った。
(a62) 2021/12/13(Mon) 23:41:06