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【墓】 ユスティ「勘違いか。 仮にされてしまったら 謝りはするけど断るよ。 ボクもあまり暇じゃないから。 きっと寂しい思いをさせてしまう。」 (+22) 2023/10/01(Sun) 8:54:32 |
【墓】 ユスティその意図を知ってしまえば 断るのも違うような気がして 素直にホットサンドを受け取る。 周りに誤解されるかもしれないが どうせ誰もいやしないだろう。 ホットサンドの暖かな味わいが 口の中に広がっていく。 これを食べ終わったら今度こそ寮へと帰ろう。 食べながら思い出したように指先を振り カバンの中に入っていた紙とペンを中に浮かせると すらすらと遠隔で文字を書き始める。 しばらくして書き終えた紙に魔法をかけると まるで生きた鳥のようになって空へと飛んでいく。 (+28) 2023/10/01(Sun) 8:57:43 |
【墓】 ユスティこればっかりは分からないが 扱いが問題児ということもあって 他人の宿題を丸写ししたとか そういう中傷を受けても不思議じゃない。 しかし今回に関しては彼女の努力は本物だ。 努力は笑われずに報われるべき 彼は己の信条にいつも従っていた。* (+30) 2023/10/01(Sun) 8:59:48 |
【人】 教師 モモイエウロパの悲鳴が上がるその頃 先生のモモイは生徒の名簿を見て眉をひそめた。 まさか自分のスカウトした少女が 魔力の制御を困難としていたなどと。 持って生まれてしまった彼女を 力を正しく扱えるように導くことが 私の責任であり役割なのだと ずっとそう信じていたのに 適任がいることを知ってしまったのだ。 (1) 2023/10/01(Sun) 23:51:09 |
【人】 教師 モモイユスティとエウロパの推薦は 学内でも大きな話題となっていた。 ユスティの磨かれた腕を評し 彼を推薦すべきだと主張する派閥と 魔力がある者こそ相応しいと エウロパを推薦すべきだと主張する派閥。 結局のところ学園長や理事達の圧力により 力を秘めたエウロパの推薦が決まった。 (2) 2023/10/01(Sun) 23:52:51 |
【人】 教師 モモイ彼女にも、彼にも、罪はない。 だが私はどうだろうか。 今の私は本人たちの意思と無関係に 上の指示に従うだけの傀儡人だ。 いつか向き合わなければならない。 そんなことを考えているときだ。 その問題が起きてしまったのは。 (3) 2023/10/01(Sun) 23:54:43 |
【人】 教師 モモイ恐れていたことが起きた。 エウロパの魔力の暴走とは 実態を知る者にとってはそれ程に重い。 モモイは走り出した。 彼女を守らねばならない、と。 しかしそこでモモイが見たものは……。 (4) 2023/10/01(Sun) 23:55:15 |
【人】 教師 モモイ「皆さん、ここは私が処理します。 皆さんはこの事が他生徒の不安を煽らぬように 各位、クラスの子たちへの配慮をお願いします。」 (5) 2023/10/01(Sun) 23:56:12 |
【人】 教師 モモイ集まっていた教師たちも モモイなら大丈夫だろうと ぞろぞろとその場を後にする。 そして教室には三人。 エウロパとユスティとモモイのみ。 しかしエウロパまでもがその場を離れてしまった。 ユスティがエウロパをその場から 離そうとするのはきっと そっとしてあげるべきだと分かっているからだろう。 言い方がやけに刺々しいのは頂けないけども。 (6) 2023/10/01(Sun) 23:57:31 |
【墓】 エウロパ そして。 君が私から距離を置き続ける限り。 私が過去の成功を失敗だったと思い続ける限り。 魔力制御を覚えることはできない。 (+32) 2023/10/02(Mon) 0:39:44 |
【墓】 エウロパ勘違いさせてしまったら断る、って聞いて。 安心してしまったんだ。 そうだよね、ユスティならそうするよね。 ……仮に勘違いされたって相手は選ぶよね。 どんな子を選ぶのかは…… その先は考えたく、ない。 (+33) 2023/10/02(Mon) 0:45:53 |
【墓】 エウロパ 友達はほとんどいないし 先生には多分あまりよく思われてない。 同級生には基本関わりあいになりたくないと そう思われている私だけれど。 購買にいる店員さんは優しい。 私の境遇を知ってか知らずか。 時々これもどうぞ、ってサービスしてくれる。 その言葉に甘えて、よく買い食いしてるんだ。 むしろ人望なんてない方なんだけどな。 嫉妬されてるとも知らずに 無邪気に差し出したホットサンドの意図は ちゃんと伝わったのか、受け取ってもらえて。 受け取るまで私は引かないけどね? (+35) 2023/10/02(Mon) 0:48:14 |
【墓】 エウロパ「コロッケも貰っちゃったし、 宿題はユスティのおかげでばっちりだし! ここのホットサンド美味しいんだよー!」 にこにこしながらユスティが食べるのを見つつ 自分も一口二口と食べて。 あっという間になくなった。 (+36) 2023/10/02(Mon) 0:49:23 |
【墓】 エウロパユスティが食べ終わるのを見ていよう、 そんなつもりでいたら。 宙に浮く紙とペン。 何を書いてるのかな、って首をかしげていれば 答えをすぐに教えてくれた。 (+37) 2023/10/02(Mon) 0:49:42 |
【墓】 エウロパユスティの想像は起こりうることだと思う。 普段の私は、宿題も遅延提出が多い問題児。 誰かの宿題を写させてもらった、程度なら まだいいけれど、盗んで写したんじゃないかとか。 それくらい言われても不思議じゃないと思ってる。 私の努力かと言われると かなり手伝ってもらったから ちょっと自信はないんだけど。 ズルを疑われないように、という ユスティの優しさが嬉しかったんだ。 (+39) 2023/10/02(Mon) 0:51:10 |
【墓】 ユスティいつか聞いてみてもいいかもしれない。 なにか魔法を扱うことに抵抗があるのか それともなにか心残りがあるのか。 やや踏み込んだことかもしれないけれど エウロパのために必要かもしれないから。 (+42) 2023/10/03(Tue) 1:03:54 |
【墓】 ユスティ飛んでいく鳥を眺めながら ユスティはエウロパに答える。 意図して彼女に優しくするなど とうの昔に過去の氷花として砕け散った。 エウロパにとっては今も優しさに見えるのだろうか 自分の信条に従っただけで自分の為でしかないが 解釈の違いを正すことに意味などない事は知っている。 「ただボクは正しくあろうと 努力した人は報われるべきだと思う。 それだけのことだ。」 ユスティはホットサンドを食べる傍ら 汚すまいホットサンドを持っていなかった手を エウロパへと伸ばすと、優しく頭を撫でた。 (+45) 2023/10/03(Tue) 1:06:50 |