人狼物語 三日月国


97 【R18ペア村】Decision【完全RP】

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【人】 紅柱石 アンドレアス

―ラバン山脈―

だけど、あの砂漠に泊まったのは君とが初めてだよ。
何度か通りはしたけどね。

[>>76すごい、との言葉には微笑みと共にそう返す。
別の国の砂漠でテント泊をした事は何度かあるが、あの砂漠は移動の過程で通り過ぎる場所だった。
だから、“初めて”は探せばきっとまだ沢山あるのだろう。
それを彼と体験できるなら、幸せだろうと思う。

深呼吸する彼に倣うようにして、青年ももう一度息を吸い込んだ。
彼の誓いを聞いたなら、自分こそ頑張らねばと笑うだろう。]

うん、もうちょっとだけ見てから進もう。

[鏡池はとても気になるが、此処の景色も美しいもの。
他には周辺の自生植物を見たりと、暫くその場で過ごしてから歩き出した。*]
(82) 2021/10/07(Thu) 0:44:51

【人】 紅柱石 アンドレアス

―鏡池―

わぁ……。

[>>77登山道より少し下の、開けた場所に池はあった。
道行く人々も、皆、池を囲むように池の水面を覗いている。
透明度が高いのだろう、確かにこれは鏡のようだ。
まるでそこにもう一つ空があるように見える。]

うん、見事だ……。

[池を囲む観光客の集まる場所が山脈を映すという本命の場所なのだろう。
行こう、というガラーシャに頷き、そちらへと向かう。
期待感から、自然と歩調は速まっていた。]
(83) 2021/10/07(Thu) 0:45:45

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>78山脈を映す池を覗けば、一枚の風景画のような美しい光景が映っていた。
白冠を残す山の緑に、抜けるような青空、淡く山脈にかかる靄。
まるで、池の向こう側にも同じ光景があるかのよう。
全て、想像を上回っている。
隣の彼も言葉が出ないようだった。]

……?

[行ってみたい、という彼の視線の先にはまだ泉があったか。
彼の心は何処に向いているのだろう。]
(84) 2021/10/07(Thu) 0:46:47

【人】 学生 ガラーシャ

― 鏡池 ―

[行ってみたい、と誰にともなく呟いたその一言を、隣の彼に拾われた。>>*5
その答えは、本当に、願ったままのものだった。
この山を越えて別の国に行くのにも、グラジアを越えてずっと東に行くのにも、彼がこんな風に隣に居てくれるとしたら。
きっととても楽しいし、同時に深い安らぎを覚えることができるだろう。
ちょうど、今この時のように。]


ありがとう、ございま…す。


[微笑んで答えた。
しかしそのあとの無言の彼の微笑みは、何かを感じさせた。
たまには勘の良さを発揮することもあるのだ…]


そういえば、アンディさんの故郷は、山が近いんです…か?
自分も、そんなにのんびり登っているつもりもなかった…んですが、かなり身軽そうに歩いていた、ので…

…そちらには、精霊が、普通にいる、とか、ないです…よね?


[論文纏めに使いたい。
でも、変に詳しく書いてしまうとジェムの友人がいることがばればれだ。
いや、そもそも論文を置いておいて、精霊がいるなら会ってみたい…
色々な葛藤の中、最後は通り過ぎる観光客たちに聞こえないよう、少し小声で彼に身を寄せ話を聞いていた。]*
(85) 2021/10/07(Thu) 20:35:46

【人】 紅柱石 アンドレアス

―鏡池―

[>>85知っている場所なら彼と共に行く事で思い出が増えるし、知らない場所なら二人ではじめてを経験する。
きっとこんなに楽しい事はない。
青年は未来への希望にに胸を膨らませた。]

どういたしまして。

[感謝を告げる言葉には笑んで応じてみせて。
そうして帰り道。]

うん、私の故郷はもっと西北の国の国境を隔てる山脈の中にあるんだ。
このラバン山脈のように山道は整えられていないし、結界で囲まれているから人間が見つけるのは無理かな。

……残念ながら、ね。
宝石人間(ジェム)の郷には必ず光る泉があるものだけど、あれは魔力によるものなのかな。

[身を寄せて聞いてくる彼に、普段から淡く輝いているが、成熟期を迎えた宝石人間(ジェム)が身を沈めていると一際明るく光るのだと伝えた。]*
(86) 2021/10/07(Thu) 21:18:42

【人】 金緑石 アレクシア

―宿屋―

「それなら、帰らないでくれ。」

[気が付けば、立ち上がった青年に左手を取られていた。]

「俺にはまだ君を迎えるだけの財産がないけど、必ず稼ぐから。
 その時には君を妻に迎えたい。」

[少女は色の異なる瞳を見開いた。
どうか、聞き間違いでないようにと願う。
目の前の青年はじっとターコイズブルーにレモンイエローの瞳をこちらに向けている。
その真剣な表情は、発した言葉が偽りでない事を感じさせて。]
(87) 2021/10/07(Thu) 21:25:50

【人】 金緑石 アレクシア

[──夕方、少女は姿を見せなかった。
従兄はじっと彼女を見つけた場所で待っていた。
陽が落ちて、夜になっても。


その後、従兄は少女を探し回ったが、既に二人はサラハドを発った後だった。*]
(88) 2021/10/07(Thu) 21:28:27

【人】 学生 ガラーシャ

― 帰り道 ―


かなりの辺境から、出てきたんです…ね。
戻るのも一苦労…だ。

でも、それならやっぱり、もう籠ってしまうなんて、勿体…ないです。
だっていつでも、帰れるんですよ、ね?


[成熟期になっても戻らないとどうなるか、などは良く知らない。
やっぱり、引き留めて良かった。
そんな気持ちで笑って言った。]


もう、百年以上も生きたんで…しょう。
あと三十年か四十年、僕のそばに居るくらい、些細なことです…よ。
 
(89) 2021/10/07(Thu) 21:45:44

【人】 学生 ガラーシャ

[そして光る泉のことを聞けば、ふむ、と考えつつ、呟いた。]


昔砂漠で見たあの光。
それも、砂漠で一夜を過ごしていたジェムが、気まぐれに遊ばせていた光の粒だった、という可能性も、あるの…かもしれない。
単純に、あの光に何らかの、意識が介在していることは、嬉しい…です。

それに、精霊の正体、「魔力説」は、そんなに見ない気がするから、ある程度は、新視点の論文として、書ける…かな。
実際に実在する宝石人間というところからの発想だから、あまりに荒唐無稽、でも、ないような…
あ、泉の、光の色、は、どんな感じです…?


[何とかして後顧の憂いをなくさなければ。
何事かをぶつぶつと呟きつつ、たまに隣の彼に質問しながら下山していっただろう。]*
(90) 2021/10/07(Thu) 21:46:56

【人】 学生 ガラーシャ

― サルハド・昼下がり ―


[ジェム。人間とは違う人。より精霊に近いひと。
存在を意識していなかった今まで、彼らはあの人の多いグラジアですら、全く目に入ってこなかった。
しかし、そういう人が居ると分かれば、気が付けば、ごくたまにすれ違う彼らの姿を見る事が出てきた。
そうだ、今、質素なショールを被りながら自分の横を通り過ぎたのも…]


…落としました、よ。


[焦っていたのだろうか。
彼女が落とした小銭入れを屈みこんで拾うと、振り返り戻ってきた彼女のその白く透き通った手に手渡した。
屈みこんだまま彼女の顔を見上げる。
その瞳は、左右色違いの不思議な色合いをしていた。

心配しないで、というように小さく微笑んだ。
彼女の瞳は、アンドレアスがまだ自分に何もかもを打ち明けていない頃の、揺れるアンバーの瞳にどこか似ていたからだ。

しかし一度立ち上がれば、もう彼女の姿は振り返らず、そのまま自分の宿へと向かって歩き去る。
自分は彼女には何もできない。
けれども、きっと、彼女のあの瞳を綺麗に輝かせることができる、そんな人がいるはずだ。
それだけ祈って歩き続けた。]*
(91) 2021/10/07(Thu) 21:50:16

【人】 金緑石 アレクシア

―選択の結果―

[少女達は東へと向かった。
人が多い場所に紛れた方がよいだろうという判断だった。
彼の商売を手伝いながら、少女は喜びを噛み締めていた。
家族には申し訳ないが、彼と共にいられる事の方が心の多くを占めていたのだ。

あれから彼には自分の身体の事を話したが、子供が出来なくても構わないと言ってくれた。
懸念事項は、この先も自分が年を取らない為に定住出来ない事。
けれど彼はこのまま旅暮らしでもいいと言ってくれた。
嬉しかった。
好きな人に受け入れて貰えた事、そうして自分と同じ心を返して貰える事が。]
(92) 2021/10/07(Thu) 21:54:07

【人】 金緑石 アレクシア

え、あれ……?

[変調が起きたのは、それから一年後の事。

朝から熱っぽいとは思っていたが、昼時に強い眩暈がしたのだ。
立っていられずにその場に倒れ込む。

すぐに床に手をついて起き上がろうとしたが、身体に力が入らなかった。
魔法で身体を冷やす為の水を引き寄せようとしても上手く出来ない。]
(93) 2021/10/07(Thu) 21:54:51

【人】 金緑石 アレクシア

[熱い。身体が震える。
火が身体の中を駆け巡っているみたい。
身体が燃えてしまいそう。

──家族を大切にしなかった罰が当たったのだろうか。
頭にそんな考えが過る。]
(94) 2021/10/07(Thu) 21:55:16

【人】 金緑石 アレクシア

「アレクシア!」

[青年が宿の部屋に戻って来た時、少女は息も絶え絶えな状態だった。
慌てて抱きかかえられてベッドに寝かされる。

熱は収まる気配がなかった。
けれど人間の医者に見せるわけにもいかず、青年は彼女の身体を氷嚢や濡らした布で根気強く冷やすしかなかった。
彼は時々譫言のように名前を呼んでくる彼女の手を握り、大丈夫だと励ました。
その熱は五日続いた。]
(95) 2021/10/07(Thu) 21:58:35

【人】 金緑石 アレクシア

[少女が目を覚ました時、彼女の髪の色はすっかり抜け落ちていた。
火が燃え尽きた後の灰にも似たパールグレー。


かつて青年に綺麗だと言ってくれた色と引き換えに、少女は人間になったのだ。*]
(96) 2021/10/07(Thu) 21:59:14

【人】 紅柱石 アンドレアス

―帰り道―

うん、そうだね。
半月くらいはかかる予定だった。

[>>89サラハドから故郷までの旅程はそれなりに長いものとなる。
それを最後の旅とする予定だった。]

そこは五十年、六十年と言ってくれないかい。
長生きをしてよ。
百年だって私は構わないんだから。

[未来に不安を残す形ではあるが、この時は自身の身に起きる事など想像もできておらず。
彼を看取ってから故郷に戻る心算でいた。
家族にはしこたま怒られるだろうと、笑ってさえ。]
(97) 2021/10/07(Thu) 22:25:48

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>90光る泉の話をすれば、彼の関心を引いたようで。
新しい視点の論文になりそうだという。]

精霊の正体が、宝石人間(ジェム)だった可能性、か。
砂漠に一人きりだったら、するかも……?
もしくは、君達に希望を与えようとしていたのかもしれないね。

光の色は……、そうだな。アイスグリーン?
普通の水の色よりも少し緑がかった感じかな……。

[彼から投げられる質問にのんびりと答えながら、危うげなく下山をしていった。]*
(98) 2021/10/07(Thu) 22:26:38

【人】 金緑石 アレクシア

―サルハド・昼下がり―

[>>91掛けられた声に振り返れば、学生らしき人間が小銭入れを持っていた。
青年の手に収まる程の大きさのそれは、ジルがくれたものだった。
少女は慌てて引き返す。]

……え?あっ。

あの、ありがとうございます。

[顔を見られ、足が竦む。
もしや見破られただろうか。
背中に冷や汗が伝うのを感じ、無意識に被ったショールを引き寄せる。
けれど、存外優しげな顔で彼は微笑んで、立ち上がると雑踏の中に戻っていった。
少女は彼の背中に向かって頭を下げると、自分の帰る場所へ向かって歩いて行った。]*
(99) 2021/10/07(Thu) 22:29:42

【人】 学生 ガラーシャ

― サラハドの最後の夜 ―

[とうとう、明日は、また二泊の馬車旅を経て、グラジアへと帰る日だ。
数日間過ごしただけなのに、サラハドは随分と馴染の街になった感覚がある。

街の温泉巡りをした結果、街はずれの少し僻地にある温泉が、午前中は人気が少ないことに気づいたため、アンドレアスと一緒にのんびり浸かった。
山から戻った後、改めて登山レベルの高い山の情報を冊子や地図で見て、感嘆した。
宿で、この街周辺の広域地図を広げ、アンドレアスの旅の話や、故郷への道の話を聞き、自分の子どもの頃の旅の話をした。
路地裏に並ぶ職人町で、祖父へのお土産を探した。
そして、最初の日に行った酒場で、最後の夜も夕食を食べた。
この日は最初から馬乳酒で乾杯した。

そして今、酒場からほどほどに酔っぱらって戻り、もう自分の家ほどになじんできた宿屋のベッドで、横になって、外の、段々収まってきた喧騒を厚い煉瓦越しに聞いている。]


もう、旅も終わりです…ね。


[目を閉じて、街から聞こえる音を聞いた。]


明日には、もう、ここを出るのが、嘘みたい、です。


[そのままぽつりと呟いた。]


貴方とここに来て良かった。

 
(100) 2021/10/07(Thu) 22:50:11

【人】 学生 ガラーシャ

[そしてくるりと寝返り、横になったまま、アンドレアスを見て言った。]


百年だってかまわないって、ほんとです…か。


[そして、自分でも何故だかわからないが、勝手に少し火照った顔で、はにかんだ。]


僕も、それでかまわない…です。


[そのまま、顔を軽く隠すように、上掛けを被る。]
(101) 2021/10/07(Thu) 22:51:08

【人】 学生 ガラーシャ

 

寝ま、しょう。
明日は、もう、時間に合わせて動かなくちゃ、いけないから。

楽しかった。
いつかまた、ここに、戻って来ましょ、う。
ずっと、先でも…
一緒に。


[ずっと先。
そのころ自分たちはどうなっているだろうか。
いつまでも変わらない彼と、今はまだ全く想像できないが、祖父のように老いて行く自分。
それでも、そんなときまでも、一緒にいろんな場所を歩いていくことが出来たなら、自分はその時も、今と同じくらいに幸せなんだろうと、そう思った。]**
(102) 2021/10/07(Thu) 22:51:44

【人】 紅柱石 アンドレアス

―サラハドの最後の夜―

[>>100ラバン山脈からサラハドへ戻り、翌朝になればまた馬車旅が始まる。
それまでに、時間を惜しむようにして彼方此方を巡った。

街外れにある温泉が、午前は人気が少ない事にガラーシャが気付いてくれて、一緒に浸かった。
楽しくてついつい話し込んでしまい、うっかり湯あたりしそうになった。
地図で崖のようになった山の等高線を見、登山ルートの険しさに驚かされたし、
二人で広域地図を広げながら、互いの旅の話をした。

祖父への土産を探すガラーシャの傍らで、青年は手紙用の紙を買い求めた。
商人伝いにはなるが、彼らの横のつながりは馬鹿に出来ない。
宝石商人の手に渡るように駄賃を渡し、手紙を渡した。]
(103) 2021/10/07(Thu) 23:40:00

【置】 紅柱石 アンドレアス

親愛なる家族へ

帰りが遅くなってすまない。
最後の旅はもう少し長くなりそうだ。

離れたくない人が出来てしまった。
だから、まだ帰れない。
勝手をして本当にごめん。

遠い地から皆が元気で過ごせるように、祈っているよ。
(L0) 2021/10/07(Thu) 23:40:21
公開: 2021/10/07(Thu) 23:50:00

【人】 紅柱石 アンドレアス

[陽が落ちれば、初日にガラーシャと行った酒場へ夕食を食べに行った。
馬乳酒での乾杯は、初日に来た時と全く気分が違っていた。
心が痛む事も、隠し事もない。
気が抜けたのか、青年の方もそれなりに酔っぱらっていた。

宿屋についてベッドに腰を下ろす。
ベッドに横になったガラーシャも今晩はいい酔い方で終えられたようだ。]

そうだね、私も。
君と此処に来られて良かったよ。

[にっこりと微笑んでみせる。]
(104) 2021/10/07(Thu) 23:41:18

【人】 紅柱石 アンドレアス

[>>101不意に、ガラーシャが寝返りを打つ。
問われた内容に、青年はしっかりと頷いてみせた。]

勿論さ。
君は私が帰りたいと言っても何度でも引き留めようとしてくれるんだろう?
だったら、君がこの世からいなくなるまで一緒にいるさ。

[彼を失う時の事は考えないようにしていた。
別れが訪れる時はきっとずっと先の事なのだから、今はそれでいい。]

良かった。

[ガラーシャは顔を隠すように上掛けを被ってしまった。
それが少しだけ微笑ましくて、つい笑みが浮かんでしまう。]
(105) 2021/10/07(Thu) 23:41:53

【人】 紅柱石 アンドレアス

そうだね、明日からまた馬車旅だ。

ふふ、それもいいね。
年を重ねれば、きっと感じるものも違うだろう。
君の足腰が弱らないうちに。

[>>102青年も明かりを落としてベッドに横になる。
上掛けを掛けながら、少しだけ想像する。いつかの事を。

年の離れた二人旅を見て、周囲はどういう関係かと思うかもしれない。
けれども、周囲の事は気にしない。
ガラーシャは老いない青年を受け入れてくれると言ってくれたから。
理解してくれる人がいれば、きっとずっと先も、青年は幸せなのだ。]*
(106) 2021/10/07(Thu) 23:42:46

【人】 人間 アンドレアス

―n年後・グラジア―

[カーテンの隙間から朝陽が差し込む。
青年は起き上がると、天井に向かって伸びをした。

昨日は少し飲み過ぎてしまった。
この身体は年を重ねるたび、無理はきかなくなっていくというのに、未だに昔の感覚が抜けきらない。
顔を洗いに洗面所に行き、家主と顔を合わせれば、青年は微笑んで。]

やぁ、おはよう。ガラーシャ。
君は二日酔い、大丈夫かい?

[昨夜は昔の旅の話で盛り上がったものだから、ついつい酒が過ぎてしまい。
部屋に戻ろうとした以降の記憶が飛んでいた。
彼に迷惑をかけていないと良いのだが。]
(107) 2021/10/07(Thu) 23:44:18

【人】 人間 アンドレアス

[あの旅から二年後に人間になってしまい、お互いに混乱や葛藤があった。
けれど数年経った今ではそれも解消されたと信じている。
今ではサラハド行きの話を、酒を飲みながら話せるようになったのだから。

青年はこれまでの経験を生かして紀行文を書き、アンダルシア名義で幾つか本を出している。
けれどそれだけでは生活の糧としては危ういので、翻訳や通訳の仕事などを請け負っていた。

青年は人間になる際に視力が落ちた。
眼鏡がないと日常生活が危うい程。
けれど人間の技術とは素晴らしいもので、眼鏡も改良されて使いやすくなっている。
故に、生じた代償も幾分かは負荷が小さくなっていた。]
(108) 2021/10/07(Thu) 23:45:49

【人】 人間 アンドレアス


ねぇ、君の仕事が落ち着いた頃でいいから、またサラハドに行かないかい?

[アンバー色の瞳を細めてそう問いかける青年のかたちは、人間になってから重ねた年月を感じさせるものだった。]**
(109) 2021/10/07(Thu) 23:46:44

【人】 学生 ガラーシャ

―n年後・グラジア―


ああ、おはよ…う。
アンディ


[洗面所に彼が起きてきたころ、自分は既に朝食を済ませていた。
自分の方が朝が早い。
今は祖父の仕事…クリーニング屋を継いでいる。
けして屑掃除ではない。
人の多いグラジアや、この周辺への街へのお届けサービスもやっていると、結構仕事は多く舞い込んでくるものなのである。
自分と変わらず年を取る、彼の言葉に笑って答えた。]


ああ、お互い、馬車に二日も乗っていられるうちに、行っておこう。


[あの頃は、二人とも、随分と若かった。
今は全てが懐かしい。
けれども、また、今行けば、きっと、違う楽しみがあるのだろう。
色々変わったこと、変わらなかったこと。
全てを持って、また彼と一緒にあの街を訪れてみたい。
そう思った。]**
(110) 2021/10/07(Thu) 23:59:31