エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
【墓】 充実 バレンタイン『124ページ目、「太陽には烏、月には兎─── ……“センセイ”もそうだったのかな』 少し考え事をすれば、 独り言みたいに頭のてっぺんから声が出る。 これだけは余計なお世話だな、とさらに独り言ちて。 さらに遡り、自分の両親のことも考える。 彼らだっていつか愛のもとに集まったはずなのに、 傷だらけになったり、いなくなったりするものだから。 『…… ─── ───』 バレンタインは、睡眠そのものはあまり好きじゃない。 けれど、夢を見るのは好きだった。 大抵は叶わないものだということを知っているからこそ、 それを不安に思う必要も、何も無いから。 (+12) 2022/05/07(Sat) 21:05:29 |
バレンタインは、でも、叶うかもしれない、と信じることくらいはしてみようと思った。 (c12) 2022/05/07(Sat) 21:08:41 |
バレンタインは、それで不安になっても、表現するものがないから、いっそ。 (c13) 2022/05/07(Sat) 21:08:53 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【墓】 充実 バレンタイン>>14 エルナト 『124と125ページの間…… の、どこかまでは忘れちまったから、 その頭から読んでくれたら大丈夫。──ありがとう』 君が離れてから身体は微動だもしていない。 肉声も、表情すらもないけれど、 内側には気持ちが色々、沢山籠っている。 それを伝える手段がないのが心惜しいだけ。 『動けるようになったら……すぐに、── いやすぐには保証できないな。ともかく、 ずっとこのままなわけじゃねえし。 筋肉が衰えないようにと起こされた時に、 身体が大丈夫そうだったら戻しに行くよ』 車椅子を進めて、ちょっとだけ距離を詰める。 『あ』と短く声をあげれば、少しの沈黙が挟まれて。 『……読み切ったら、でいいかな。 もっと時間がかかるかもしれないけど』 (+13) 2022/05/07(Sat) 21:48:42 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
バレンタインは、反応を返すことはできないが。目はずっと本の文字を追っていた。 (c14) 2022/05/07(Sat) 22:21:22 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
イシュカは、全然動物に見えなくて無言になった。ラピスのを見て更に悲しくなった。 (c15) 2022/05/07(Sat) 23:47:16 |
アオツキは、イシュカのパンをみて、お花には見えますよと励ましの言葉を送った。 (a32) 2022/05/07(Sat) 23:53:31 |
【墓】 充実 バレンタイン夕暮れ。物語を反芻する。 特別なものはなにもない、 愛が成就する、普通の結末を。 きっとそういうものだ。 夢みたいなものなのは、愛それ自体であって、 普通の幸せを得ることはそれほど難しいことじゃない。 不安の病を患っていても、同じことだ。 ましてやどんでん返しで不幸になることなんて、 そうそうあるはずもない。なるべくしてなるもの。 僕のこの身体も、彼の語った恋の結末も。 『僕たちは、──望み過ぎたんですよ。 もっと普通でいいんです、センセイ。 身の丈に合った幸せと向き合わなくちゃ─── それ以上は手に入らないだけだったんだ』 誰かに話しかけるように。 手紙もまた認めなくっちゃな。 (+15) 2022/05/08(Sun) 0:04:06 |
リアンは、今日は昼食以降、表で姿が見えなかっただろう。 (a33) 2022/05/08(Sun) 0:07:54 |
イシュカは、「咲く」ってか。嬉しくないやい。 (c16) 2022/05/08(Sun) 0:22:46 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
ラピスは、アオツキの励ましの言葉にうんうんと頷いていた。 (a34) 2022/05/08(Sun) 0:28:11 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
バレンタインは、冗談言うなよ……とげんなりした。それが本気であるとは露知らず。 (c17) 2022/05/08(Sun) 2:01:33 |
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
神経質 フィウクス(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 5:55:40 |
トットは、昼過ぎ。急に現れては、なんでもなかったようにいつも通り。 (c18) 2022/05/08(Sun) 9:05:34 |
トットは、頭の花飾りは無くなって、代わりに右眼に花が咲いていた。 (c19) 2022/05/08(Sun) 9:06:48 |
トットは、夢でも見てるかのように、ずっとふわふわと幸せそうに笑っている。 (c20) 2022/05/08(Sun) 9:09:22 |
【墓】 はなわずらいの トット「んふ ふふふ えへ またそだったねえ」 「がんばってえらいねえ ふふ」 園芸部の受け持つ畑に、ゆらゆらと揺れながら屈んで作物を見ている。 傍らに置かれたジョウロは空。 鼻歌を歌いながら、誰に向けるでもなく話していた。 「いーなー おれたちもかってにさきたいね」 「おれのナイフとられちゃったもんなー」 「どんなきもちなんだろーな」 「いたくもないしきもちよくもないのかな」 ふしぎだなあ、と浮かされたような声音で呟く。 自分の病気は嫌いじゃなかった。人の為になれると思って。 ホントに治ってしまったら、自分なんて何のために在るのかわからない。 おれ、なにされたんだろ。なおったのかな。 よくわかんないけど。 でも、なんだか しあわせ だからいっか。ずっとこのままでもいーや。 (+17) 2022/05/08(Sun) 16:33:35 |
【置】 神経質 フィウクスこの施設にも体裁というものがある。 きっと自分だけを特別扱いする事はできない。 つまりは、この要望さえ通ってしまえば、或いは。 この場所で生きていく為の選択肢を、 この場所の中に居るままに選ぶ事ができるようになる。 大人達がそれを棄却する理由が少ない事を知っている。 それがいつの事になるかはわからないけれど。 誰もがとはいかないかもしれないけれど。 それでもきっと、今よりはずっと望みがある。 (L2) 2022/05/08(Sun) 16:43:27 公開: 2022/05/08(Sun) 17:00:00 |
【置】 神経質 フィウクス病気が治らずとも、病気を治さずとも。 自分達にはあまりにも生きづらい外の世界へと 強引に放り出される事なく、『普通』になれない事で 目に見えない圧力にじわりじわりと絞め殺される事も無く。 生きていく事だけなら、ほんの少しだけ楽になる。 現状維持ができる。 その後にどうするかはそれぞれの決める事。 ここでさえ生きづらいのであれば、変えていくしかない。 紛れもない自分達の手で。 内部から、音も無く、少しずつ。 広すぎる外の世界よりは、ここはきっと変えやすい。 (L3) 2022/05/08(Sun) 16:44:05 公開: 2022/05/08(Sun) 17:00:00 |
神経質 フィウクス(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 16:44:29 |
シャルロッテは、廊下に赤い線を引き、当て所なく歩く。 (a40) 2022/05/08(Sun) 18:45:54 |
シャルロッテは、そのうちに、医務室へと運ばれるだろう。 (a41) 2022/05/08(Sun) 18:46:11 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
フィウクスは、あなたがそう思うなら、きっとあなたの友人だ。 (a42) 2022/05/08(Sun) 19:50:36 |
【置】 形容矛盾 フィウクスおかしくたって、それでいい。 これが自分の在り方だ。 そんな自分の、自分達の居場所を作ると。 あの時確かにそう約束したのだ。 (L6) 2022/05/08(Sun) 19:54:04 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 形容矛盾 フィウクスきっと途方も無い時間が掛かる事だろう。 望む全てが手に入るとも限らないだろう。 けれど行動を起こさなければ何も始まらない。 その場に留まり続けるには歩き続けなければならない。 この場所の在り方が気に食わないから望む形に作り変える。 患う病を自己の一部と受け入れるような人間を否定しない。 一人でも多くの誰かが暗い顔をせずに済むような。 いつかそんな場所になるように。 (L7) 2022/05/08(Sun) 19:54:38 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 悲憤慷慨 フィウクスこの病がある限り、心折れる事は無いけれど。 どうせ一人でも為すのなら、誰の手を取ったっていいだろう。 さあ、これから新しく始めよう。 誰かが生きていく為のこの場所を。 (L8) 2022/05/08(Sun) 19:55:15 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【置】 悲憤慷慨 フィウクス宵の明星が上る頃。 それを見上げる者の姿は何処にも無く。 今はただ崩れ行くこの星と共に行こう。 「──この病に治療は必要ありません。」 「病を自らの一部と受け入れ生きて行く事も一つの道でしょう。」 「その代わりに、 約束通り 」「これから先もこの場所に留め置いてくださるなら、それで──」 (L10) 2022/05/08(Sun) 19:56:17 公開: 2022/05/08(Sun) 20:30:00 |
悲憤慷慨 フィウクスは、メモを貼った。 (a43) 2022/05/08(Sun) 20:03:45 |
【置】 月鏡 アオツキ『どうしましたか〜 クロツキくん』 ■■ は僕に優しくしてくれた。『笑顔でいるのがいいですよ、この口調ですか〜? こうしたほうが生徒がよく話を聞いてくれるんです』 ■■ は僕にたくさんの事を教えてくれた。『パンをこねてみますか? 必要ないなんて言わないで下さい。 やってみないとよさはわかりませんよ』 ■■ は先生になりたいのだといった。 (L11) 2022/05/08(Sun) 20:04:14 公開: 2022/05/08(Sun) 20:05:00 |
【置】 月鏡 アオツキ『先生になったら、少しでも生徒達の為の規律を作れます。 だから私は先生になるんですよ。 そのためにはいくら苦しくて辛いことも耐えられるんです』 『だからクロツキくん、君は私の手で幸せになって下さい』 ■■ のことが、僕は好きだった。好きだった、はずだ、だって。 貴方のことしか考えられなかったから。 (L12) 2022/05/08(Sun) 20:04:51 公開: 2022/05/08(Sun) 20:05:00 |
月鏡 アオツキ(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 20:05:36 |
月鏡 アオツキ(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/08(Sun) 20:06:10 |
【置】 月鏡 アオツキ■■ 、今日貴方から教わったところが出たんだ。ちゃんと先生の言うこと聞いて、子供達を連れて行ったよ。 僕は貴方が褒めてくれるなら幸せだ。 だってこんな気持ち初めてだから。 不意に口づけを交わした。 あれ、その後の貴方の顔を思い出せない。 卒業をしても一緒に居て欲しいと願った。 だってこんなにも、 ■■ の事が好きだから。死ぬまで一緒に居たいと思った。 どうして、いなくなったの? どうして、どうして僕の前から消えてしまったの? 一緒にいてくれるって言ったのに、いなくなるわけがない。 いなくなるわけがない、ねえ。 (L13) 2022/05/08(Sun) 20:07:44 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
【置】 月鏡 アオツキ『クロツキ、将来の夢はできましたか? 私と一緒に先生をしませんか!』 先生になる為に通うと決めた学校も、モノクロに見える。 応援してくれる先生はもういない。 何のために通えばいいのかわからない。 ただ一人、笑顔で声をかけてきた誰かは言った。 『貴方の髪の青色、綺麗だね! 好きな色だったりするの?』 あお、貴方の名前の色だった。 「――『ええ、好きですよ青色。その髪の色素敵』 ってよく言われるんです〜」 (L14) 2022/05/08(Sun) 20:09:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
【置】 月鏡 アオツキ先生になろう、■■が目指した先生に。 そうすれば貴方は褒めてくれるでしょう。 僕がいなくなれば良かったんだ。 本物の先生になるべきだったのは■■だ。 僕がいなければ、僕さえいなかったら■■は先生になれていた! だから、僕は死なないといけない。 僕は僕を殺して、先生になる。 そうすれば、私は、生徒を幸せに出来るようになる。 先生と一緒に居られる。 ――僕が先生になれたら、誰かは褒めてくれますか。 (L15) 2022/05/08(Sun) 20:09:44 公開: 2022/05/08(Sun) 20:10:00 |
月鏡 アオツキは、メモを貼った。 (a44) 2022/05/08(Sun) 20:10:09 |
月鏡 アオツキは、メモを貼った。 (a45) 2022/05/08(Sun) 20:11:24 |
バラニは、そんな未来は認められないから。 (a46) 2022/05/08(Sun) 20:11:34 |
リアンは、フィウクスの手を借りて歩いていく。 (a47) 2022/05/08(Sun) 20:15:58 |
リアンは、これからも共にある、大切な友人だと思う。 (a48) 2022/05/08(Sun) 20:16:58 |
【置】 年相応の リアンリアン・モーリスは、小国の王族だ。 正確には、王の座を継承するはずだった第一王子 だった 。美を第一とする国王一族の中で、良い教育を受け育てられたが、第二王子により、隠していた病気による痣や傷を目敏く発見し、家族に吹聴される。 王の座を欲していた第二王子は、自身を愛していた母を利用して兄を追放させる。 風評を広めると同時に、厄介払いの為ギムナジウムにその身を送られることとなる。 13歳の頃である。 (L16) 2022/05/08(Sun) 20:44:19 公開: 2022/05/08(Sun) 21:50:00 |
ラピスは、人気のない廊下で教師に呼び止められた。 (a49) 2022/05/08(Sun) 20:49:19 |
【置】 王として リアンリアン・モーリスの病気は"対行病"と称されるものである。 善行を積むほど、体は醜く変化し 悪行を積むほど、体は美しくなっていく病気。 既に彼の身体は、ほとんどが痣と傷 そして瘤で埋め尽くされている。 化粧で誤魔化しているものの、右半分の顔面は痣で覆われ 右の眼球は腐りきって失明している。 リアンが悪行を積まなかったのは、善き王である事を目標としており 自身のポリシーと反する為であるとされている。 (L17) 2022/05/08(Sun) 20:50:49 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
ラピスは、空き教室で、問診票への記入を指示された。 (a50) 2022/05/08(Sun) 20:51:21 |
ラピスは、事務的に記入を進めていった。 (a51) 2022/05/08(Sun) 20:52:08 |
【置】 童心 クロノ──急性老若化症。 心因的なものにより身体年齢が変化する奇病。 臓器まで老化・若化を短時間で起こすために 身体的負担が大きく、寿命が著しく短縮される病気だ。 クロノの場合は、喜や楽といった好感情で老化し、 哀や不安、恐怖といった負感情で若化する傾向がある。 それ以外については判明していない事が多く、 20代程度の「弱老化」も多く観測されている。 発症率のごく少ないその病気に、 正しい治療法は見付かっていない。 この『病気』を治す最も簡単な方法は。 年齢を操作する『感情』そのものを喪ってしまえばいい。 『心』を壊してしまえばいい。 そう、ギムナジウムの大人達は判断した。 ──他の症例が無いからこそ、そう判断する他無かった。 尤もこの奇病は、サンプル数も少ない。 ただ治すだけでは、勿体ない。 幾らかの施行実験の後、サンプリングの後、 そういった『治療』を施される。 だから、次の日。クロノの姿は無い。 (L18) 2022/05/08(Sun) 20:52:35 公開: 2022/05/08(Sun) 21:00:00 |
ラピスは、ある言葉を教師に掛けられた。耳を疑った。 (a52) 2022/05/08(Sun) 20:53:23 |
ラピスは、その言葉がどうしても許せないと思って、 (a53) 2022/05/08(Sun) 20:55:27 |
ラピスは、そのまま腕を振りかぶって、 (a54) 2022/05/08(Sun) 20:56:05 |
ラピスは、初めて、怒りのままに人を殴りつけた。 (a55) 2022/05/08(Sun) 20:56:11 |
ラピスは、初めて、ギムナジウムの大人に反抗した。 (a56) 2022/05/08(Sun) 20:56:32 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
【置】 王として リアン外に振り撒かれた風評と、この病のせいで。 まともに社会には出られないことが分かっている。 だから、大人に貰った特権を使って。 "自ら"治療を受ける事で。大人達に取り入る心算でいる。 ここで生きていくために。 その時王に目を向けたもの、手を取ったものを巻き込んで。 崩れかけの星は未来に向かって歩いていく。 (L19) 2022/05/08(Sun) 20:59:29 公開: 2022/05/08(Sun) 21:00:00 |