【人】 天原 珠月……! ……ご、ごめんなさい。 [眼鏡をとった姿を急に直視してしまうとあまりに少し前の『彼』に似ていて、瓜二つで、意識が引っ張られる。 急に気恥ずかしがる少女のような反応をしてしまい、その自覚もあって、更に慌てたようにして謝った。 きっと頬が桃色になってしまっている。] (4) 2023/03/08(Wed) 22:57:56 |
【人】 天原 珠月[必死のスーツ着用タイムが終了し――この状況で着るのを手伝って貰うわけにはいかない――次のステップに進む。 またまたマスクの登場である。 先日の朝の白いマスクとは逆に目と鼻を覆うらしく、だから眼鏡を外したのだと納得した。] ん、んん……なかなか難しい……。 [シュノーケルをくわえるのが慣れなくて戸惑う。 呼吸の仕方の練習で気合いを入れすぎて、さっきとは違う意味で顔を赤くしながら頑張って。 どうにかなりそうと言ってもらえれば終了だろうか。] ガクの説明は丁寧で分かりやすいわね。 [ミツキにもそうして色々教えてきたのかもしれない。 了解しました、とお世話される姉は素直に返事をするのだ。] (6) 2023/03/08(Wed) 23:26:25 |
【人】 天原 珠月儀式の時は湖や川も多かったのだけど……。 こうして潜るっていうのは初めてかもしれないわ。 [着慣れないウェットスーツに最初は羞恥が湧いていたが、水に入るとなるとそちらに意識が向いてくれる。 長い髪は邪魔にならないようきちんと結んでいるが、こちらはガクに手伝って貰ったかもしれない。] ほんのり、冷たい? このスーツを着ていると水温をあまり感じないのね。 [潜ったことがないとはいえ、水に浸かるのは空を飛ぶことの次に馴染みのあることくらいのものだ。 何より自分の力は水との親和性が高い。 異世界の水であっても変わらないのか、スーツ越しでない素肌に触れる水は優しく、顔を浸けるのも何なく出来て。] わぁっ、湖の中がよく見えるわ。 [浅い場所だから、陽の光が水底まで届いてきらめいている。 透明度の高い水に明るい緑の水草がそよぐ様子はゆったりとしていて、同じ波に自分の身体も揺れるのが心地良い。 楽しげに声を弾ませ、練習を終えることだろう。] (7) 2023/03/08(Wed) 23:26:33 |
【人】 天原 珠月……ええ、そうしましょう。 [ガク>>83が手を差し出している。 水に濡れた髪は、髪型の違いも癖の付き方の違いも曖昧にさせ、手をとるのを一瞬、躊躇わせた。 心臓が痛くて、目の奥は熱い。] ありがとう、ガク。 [大丈夫、今なら髪から落ちる滴がある。 湖に浸かるとさらに自らの力が安定してくるのが分かる。 ここの辺りに感じる不可思議ななにかは自分の世界の力とは違うと思うが、反発もしていないようだった。] 何も見つからなくても、この湖で儀式をするのが良さそう。 [ということを説明を交えて伝え、繋いだ手をそっと見遣る。 声は震えていなかった、はずだ。*] (8) 2023/03/08(Wed) 23:36:27 |
【人】 天原 珠月本当だ、時の流れを感じるわね。 [水底には、過去には森に立っていたであろう木が横たわり、地面を離れた後も水の中で姿を保っていた。 沈木の褪せて変化した色と滑らかになった表面はこの土地の過去を感じさせ、この世界も時を重ねてきたと語りかけるようだ。 この世界はどうやってできたのだろう。 どのようにしてこの地にこの湖は生まれたのだろう。] ……! [どこかしんみりと、心を静かにしていたら。 ガク>>11が水草をそっとかきわける仕草。 こちらと示されるままに覗き込めば、小さな生き物たちがこっそりと過ごしていて、ふふっと笑みに瞳が細まった。 穏やかな水に育まれている命たち。 ガクと目を合うと嬉しそうに繋いだ手を握る。] (13) 2023/03/09(Thu) 1:04:01 |
【人】 天原 珠月[雲が風に吹かれ太陽が覗いたのか。 ふいに陽光がまっすぐに青の空間に差し込んでいく。 ゆらめく光が青をさまざまな濃さに変えている。 思わず繋いでいないほうの手をまばゆい水面へと差し伸べた。 空とは違う世界、恐らく自分に合う世界。 急にマリングローブを外して。 愛おしげに素の手のひらに光の泡をのせると、片方はガクの手を握ったまま、心の中で祈りの言葉を紡ぐ。] ……。 [ガク、と聞こえないだろうけれど呼びながら隣を見たら、ちょうどこちらを向く群青の瞳>>12があった。 ガクの瞳はこの湖の深い神秘的な色も似合う。 導くように今度はこちらが手を引いて。 彼の空いた方の手のひらを出してもらうと、そこに小さな何かを握らせ、微笑みながら頷く。 水面から出て確認するなら、そこには小さな真珠が一粒。*] (16) 2023/03/09(Thu) 1:32:39 |
【人】 天原 珠月[ガク>>17と湖を潜るのは楽しい時間だった。 初めての発見に心が躍る瞬間もあれば、穏やかな水に身体を委ね、身を清めるのとは違う心の安らぎがあった。 手を引かれ>>18て光がきらめく湖面へ上がる。] ……は、……っ [澄んだ森の空気を肺いっぱいに吸い込む。] それは、正確には真珠のようなもの、ね。 私の力を集めて形にさせたもので……前にいた世界では、巫女の役目の前に、力が足りないときのための備えとして、日々作って貯めていたのよ。 保存食みたいな感じ? [最後は悪戯っぽく例えて。 ガクに持っていてというように微笑む。] 湖には特にそれらしいものはなかったわね。 でもやっぱり、何か、不思議な感じはするけれど……私の力と反発する感じではないみたい。 [元々水と親和性があるおかげかもしれないと説明し、ガクを見上げ、そっと手袋を外したままの手を伸ばす。 額に濡れてはりついた髪をずらしてあげ、表情を緩めた。] (24) 2023/03/09(Thu) 18:27:48 |
【人】 天原 珠月湖を潜るの、とても素敵だった。 それだけではなくて、身体の中に戻ってきていた力が安定してきてくれた感じがするの。 [まだ薄い青の広がる空を仰ぐ。] 私がここに来た日が新月だったから……。 明日の夜は三日月ね。 その辺りには儀式をしましょうか。 ガクとミツキの旅行から帰る日も迫っているものね。 [ミツキが無事にここに戻ってくるならば、当然、自分もここを去り、ガクとはお別れとなる。 その後はスーツを悪戦苦闘しながら脱ぎ、シャワーを浴びて、紅茶を飲みながら楽しかったと語り合うことだろう。] ね、あの動画……海の中にも鳥がいたでしょう。 あの子はなんていう名前なの? [なんて、やっぱり海にもまだ興味津々で。 ペンギンと教えて貰えば、楽しげに何度も繰り返した。**] (25) 2023/03/09(Thu) 18:28:12 |
【人】 天原 珠月[結果的に入れ替わり事件となった夜から時は過ぎ。 3回目を迎えた朝のご飯は――目覚めて今日の朝食は何かしらと考える時点でガクの料理の虜になっている――昨日動画というもので見つめた魚も含まれた炭火焼きだった。 なんでもバーベキューというらしい。] 川魚とはまた違う柔らかさがあるわね。 あ、この油で揚げたの、サクサクしていて美味しい。 [朝昼兼用みたいなものだが、かなり豪勢である。] 私の居た世界に海がないのが悔やまれるわ。 ああでも、空に浮かんだ島でないと、あんな風に飛ぶ技術は発達しなかったかしら……。 あ、お味噌汁というのもコクがあって良い味ね。 [ここでロケットで月に行く話なんてされたら腰を抜かしてしまいそうだが、料理の時間は和やかに過ぎる。 ガク>>27の料理上手さを実感することになった。] (28) 2023/03/09(Thu) 22:57:37 |
【人】 天原 珠月あら、そんな風に考えてくれていたの? [たこ焼き器は不思議そうにまじまじと見つめて。 ああ、これは型なのね、と工場の方を思い浮かべたりして。 牛乳に卵、小麦粉。前にいた世界にもある材料。 それらで作り上げる甘い甘い香りに表情が華やぐ。 蜂蜜で甘くしても良いの?なんて聞いたり、跳ねるポップコーンに最初驚いてガクの後ろに隠れたりもした。] 私があの世界に作り方を伝えられれば良いのだけれど……。 [ガクはミツキと入れ替わりに自分が元の世界に戻れると思っているのだろう、と改めて感じる。 言うべきか言わないべきか、迷う。 言えば優しいガクは思い悩みそうな気もして。 呟きは料理の音に紛れていたのか、どうか。*] (29) 2023/03/09(Thu) 22:57:42 |
【人】 天原 珠月急にぽんって弾けるんだもの。 さすがに驚くわ。 [可笑しそうに笑われた気配に、もう、と眉を寄せて。 すぐにこちらもつられて笑みが零れだした。] 塩はシンプルで美味しい。 きゃらめる? あまくて、しょっぱい? [まだ熱々のポップコーンをふーふーしてから口に入れる。 初めての味わいに瞳を丸くしてから。 ガク>>30の提案に、こくりと飲み込んで。] ……言おうかどうか迷っていたのだけれどね。 私は、元の世界には、きっと帰れないの。 [うまく微笑んだつもりの顔に、痛みと切なさが過った。 メモをとまで元の世界に戻ってからを考えてくれるガクの優しさに、隠し通すことができなかった。] (31) 2023/03/10(Fri) 0:10:42 |
【人】 天原 珠月あちらでは、巫女は力を使い果たすと消えてしまうという逸話があるの。 そして、私はその通りになった。 儀式の最中に、身体の感覚がなくなって……。 そうしてミツキと出会った場所に来たのよ。 ……だから、この入れ替わりが終わったら、私はまたそこに戻るのだと思う。 [それすらも確定ではない。 今度こそ本当にすべて消えてしまう可能性だってあると、心の奥底では覚悟し――どうか『彼』が逢いに来てくれるまではと強く強く願っている。] 大丈夫、愛する人とまた逢えるって。 ちゃんと約束しているから。 [自分に言い聞かせるように聞こえたかもしれないけれど、自分も相手をも信じる力がこもっていた。*] (32) 2023/03/10(Fri) 0:14:27 |
【人】 天原 珠月[なんで、という声に眉を下げる。>>33 ガクの素直な感情が隠されずに乗った声だった。] そうでしょうね。 [驚くのも無理はないだろう。>>34 敢えてガクの誤解を解かなかったのだから。 短い間でもガクと様々な話をした。 ミツキとの微笑ましい過去、自分と『彼』の話、この世界の文化に突然朝から始まった美容談義に、料理のことをたくさん。 カレーもサンドイッチもバーベキューも、数え切れないくらいの甘い物も美味しくて、一緒に笑いながら食べた。 屋根裏でひとり寝た次の日はコタツでともに寝落ちて。 海の動画を見ては質問責めにして困らせ、湖の中では、ガクが深い青に満ちた新たな世界を教えてくれた。] ……ええ。 [本当に、また生きているみたいだった。 消えたはずなのに、この薄い色の瞳はさまざまなものを見て、この手は色んなものに触れてあたたかさを得た。] (37) 2023/03/10(Fri) 2:34:10 |
【人】 天原 珠月…………。 ………………それ、は……、 [ミツキの居る場所と入れ替わる。 それはあの世界へと帰るということだ。 今ミツキのそばにいるだろう『彼』の元へ帰るということだ。 ガクがそれがあってこそ自分を信じられたのは当然だった。 互いの、帰りたいと、連れ戻したいと願う気持ち。 いくらこちらが言葉を尽くすよりも、ガクを説得して安心させるための材料になっていたことだろう。 分かっていて、分かっていながら明かさなかった自分は、ガクより少し年上のずるい大人でもあった。 でも、今は、そのガクが。>>35 何より強い眼差しをレンズ越しに向けて、語りかける。] (38) 2023/03/10(Fri) 2:35:14 |
【人】 天原 珠月…………後悔、しない……。 [淡くなった瞳が。 あの頃はもっと濃い紫だった瞳が見開かれる。] 後悔しないように……そば、に……っ [いつか消えるならもう別れようと、離れようとした自分を引き留めた声が、『彼』の声が被って頭の中に響く。 水の粒が堪えきれず、ひとつ頬をつたって顎から落ちた。 湖の中でも雨が降っているのでもなかった。 ガクと『彼』は面立ちがとても似ていた。 そして、時に仕草や言葉が、記憶を呼び起こす。 そんな台詞までガクに教えていないのに。 後悔しないと思う、とその声で言う。 願うような響きが、溢れてしまう想いを許してくれる。] (39) 2023/03/10(Fri) 2:35:48 |
【人】 天原 珠月[――――逢いたい。会いたい。 あなたが生を全うするまでなんて、本当は待ちきれない。 水の中を潜って、空を鳥のように飛んで、巫女でなくなったただのペルラならば、私があなたの――アスルの元へと。] ……願っても、いいのかな。 世界の理に反してしまったとしても……わたし、は、 [ミツキを戻すためにとガクが言う。 強い意志が同時に自分の背も押す。 ワガママではないかと、どうせ無理ではないかと諦めたがる臆病な心をかき消して追い出していく。 ミツキを想う気持ちが、アスルを想う気持ちに勇気をくれた。 窓枠から足を踏み出す前の、勢いを思い出して。] (40) 2023/03/10(Fri) 2:38:45 |
【人】 天原 珠月[儀式を行う夜がやってくる。 三日月は昼間の青い空にも見える月で、夕暮れ時には姿を明るくしていき、藍色の空にはくっきりと浮かんでいた。] ガク、服を乾かしておいてくれてありがとう。 この衣装、ワンピースを頂いていくわね。 [ここに来たときの巫女装束。 考えた結果、完全には着替えなかった。 ガクが用意してくれた小花柄の、あの世界の花畑を思わせたワンピースに、青に銀のきらめくローブを重ねた。 自分には巫女であった過去があるけれど、もう今はただのペルラであるという意志の形だった。 ワンピースのポケットには丁寧に書き連ねられたメモに、ちゃっかり傍らにはお菓子の包みまで。>>43 静かな湖畔の桟橋へとふたりで向かう。 広い湖であるし、近くに人の気配はちょうどなかった。 街灯が湖面を照らしている。 風のない夜だった。 波ひとつ立っておらず、水面は鏡のようだ。 昼間の太陽の下とは違う静けさと底の見えない恐ろしさがあるけれど、潜った経験がそれを和らげるだろう。] (49) 2023/03/10(Fri) 4:01:43 |
【人】 天原 珠月ガク、あの耳飾りをあなたの手の中に。 [祈ってくれとは言わない。 ガクならば何も頼まずともミツキを願うと知っている。] 今から儀式を始めるわ。 ……絶対に、成功させましょう。 [目を見合わせれば、笑い合えただろうか。 決意に満ちた視線が交わっただろうか。] (50) 2023/03/10(Fri) 4:02:02 |
【人】 天原 珠月[桟橋に膝をつき、湖面へと手を差し伸べて。 音もなく水へと浸して温度を通い合わせる。 そうして引き上げた両手を組むと、瞼を伏せ、ここまでの想いをすべて音に乗せるようにして、細くも途切れぬ響きで。 巫女時代とはまったく違う、願いの詩を紡いでいく。 いつしか銀に近づいた長い髪が、三日月と踊る星たちの輝きを吸い込んだかのように淡く光を帯びる。 満ちて外へ溢れ出す力に、瞼を薄く開ければ、風を待ち望む空色の瞳がきらめいていた。] どうか、会わせて。 [湖から、パシャン、と音が響いた。 真珠が落ちたような、涙が落ちたような、誰かの意志が働いたかのような、誰かが足を踏み出したかのような音。 そうして次に音もなく波紋が広がり、煌めく光が水面に散った後には、灯籠が浮かぶようにふわふわと灯がともっていく。 優しくあたたかな光だった。 熱く消えない光でもあった。 それらは自分だけでなく、ガクの想いの温度だろうか。] (51) 2023/03/10(Fri) 4:02:15 |
【人】 天原 珠月[意識が潜り、飛び、願いが世界の壁を越える。 頭の中に映る光景が、鏡のような水面にも映り、きっとガクにも遠見のときよりも鮮明に見えるだろうか。] ……見つけた。 [大きな湖。簡素な小屋。 見覚えのある風景。 水上に停められた飛行機に――ふたりの姿。] ……っ、 [見えているのに。 力を届かせ、まずはミツキを引き上げなければいけないのに。 ミツキ。気付いて、こちらに。 額に汗が滲み、願う唇が時折噛みしめられる。 急激に身体が重くなり、ふいに意識が途切れそうになった。 慣れない儀式の影響がすでに表れ始めていた。*] (52) 2023/03/10(Fri) 4:02:35 |
【人】 天原 珠月これまで、たくさんありがとう。ガク。 ミツキと一緒に、元気でね。 あなたたちの幸せをずっと願っているわ。 [ガクの頭をふわりと撫でて。 感謝の言葉とともに、柔らかな笑みで彼らの今後を願う。 そうして真っ直ぐに立つと。 光に満ちた湖へ足を踏み出し――桟橋から飛び降りた。*] (66) 2023/03/10(Fri) 21:20:34 |
【人】 天原 珠月雅空兄ぃ、ただいま! [消えたときと同じように唐突にふわりと現れたなら。 3日間見られなかった顔を見て、目が合って、ぱぁっと笑みが浮かんで、名前を呼んで。 えっ、これ宙に浮いてるじゃん!となって。] わぁぁぁっ! 落ちるー! [それなのに笑顔で幼馴染の元へ、両手を広げた。*] (69) 2023/03/10(Fri) 21:54:09 |
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