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【人】 灰原 詩桜─花火大会─ [最初、背の高い──見慣れない色合いの男の人に 男の子は驚いたようだったけれど、 その優しい声と申し出にこくりと頷いてくれた。>>375 手拭いを取り出して涙を拭いてあげながら 私もほっと胸をなで下ろす。] 探しながら、案内所に行きましょうか。 すれ違いも防げると思いますし。ね? お名前は? ……そう、ヒロくん。 ヒロくん、お姉ちゃんたちと お母さんたち探そうね? [そうやって笑いかけると、うん!と 大きく頷いてくれたから。 智詞さんがそう申し出てくれたなら>>375 男の子自身に聞いてみる。 一緒に手を繋ぐ? それとも、お兄さんに肩車してもらって 高いところから探す?って。 そうしたら、「上から探す」って言うから。] (379) 2020/08/03(Mon) 20:15:35 |
【人】 灰原 詩桜智詞さん、大丈夫? [ヒロくんの履物を預かって、私は彼らの隣に並ぶ。 人混みから飛び出て高い場所からの眺めに ヒロくんは少し気が晴れたのか、もう泣いてはいない。 頭の上にはまだ大輪の花が咲く。 それと、男の子と、智詞さんと。 祭りの喧騒の中を案内所に向けて歩きながら。] ……智詞さん、良いお父さんになりそうですね? [なんだか微笑ましくてそんなことを言いつつ。 まだ少し緊張した面持ちのヒロくんに 大丈夫だよー、なんて話しかけていた。]* (380) 2020/08/03(Mon) 20:15:55 |
【人】 灰原 詩桜………智詞さんとずっと一緒なの、ずるい。 [普段はそんなこと言わない。 だけど、成瀬さんに他の好きな人がいると知ってても いいなぁーって気持ちが出てきてしまったのは 曲がりなりにも元同級生だから。 全然知らない女の人だったから こんな事きっと思わないんだけど。 ある日、お酒を飲んだ私は そんなことを言って相手に絡んでいたことでしょう。] わたしも、いつか、役に立つかな?って 不動産関連の資格の他にも 簿記とか、経理とか、秘書検定とか、 勉強頑張ってるのに……。 お料理とか。……家事、も。 [若しかしたら智詞さんと一緒にお店をやるのかも。 その可能性もゼロじゃないかなって 勉強も、家事も、頑張っているところだ。 今のところ他での就職をメインに考えているけれど そのお仕事で一緒にいられる、なんて。 就活、頑張ったんだとは思うよ、けどね!] (384) 2020/08/03(Mon) 20:51:28 |
【人】 灰原 詩桜智詞さんと一緒にいられるの、 羨ましい………………。 [ぐでーん、と。 テーブルに突っ伏しつつ どうしようもない管を巻くのでした。]* (385) 2020/08/03(Mon) 20:51:46 |
【人】 灰原 詩桜─花火大会─ ええ、そうですよ。 この子も落ち着いてくれましたし……ねえ? [ヒロくんはだいぶ落ち着いたみたいだし、 小さな子を自分から肩車してあげるなんて なかなか出来ないことに思える。 小さい子の扱いは怖いと言う人もいれば 汚くするから嫌だ、と言う人も。 もちろんそう言う人たちだけではないって 目の前の智詞さんが証明してくれているけれど。 でも、悪戯っぽいその笑みには>>388 ちょっとどきりとしてしまって ふい、とそらしたわたしの耳が赤くなった。 やがて、案内所につけば状況を説明して その場から離れようとしたけれど。] (394) 2020/08/03(Mon) 21:32:40 |
【人】 灰原 詩桜……え? [じゃあね、と離れようとしたけど きゅ、っと指先を握りしめられてしまった。 どうしよう、と智詞さんを見たなら ヒロくんのもう片方の手が智詞さんに伸びる。 …心細いよね。うん、わかる。] じゃあ、もうちょっとだけ。 直ぐにお母さんたち来てくれるよ。 [そんな風に笑いかけて、 ヒロくんを手遊び歌に誘う。 とんとんとんとん、ひげじいさん。 なんてやったら、今時はアソパソマソなんだって。 えー、って笑いながら、少し時間を潰してるうちに ヒロくんのご両親が来た。 ぱあっと顔を綻ばせた瞬間のひろくん、可愛かったな。] (395) 2020/08/03(Mon) 21:33:02 |
【人】 灰原 詩桜良かったね、ヒロくん。 それに智詞さんも、ありがとう。 [一緒に迷子の子にお付き合いしてくれて。] 嬉しかった。 [あなたがそんな、優しい人で。]* (396) 2020/08/03(Mon) 21:33:24 |
【人】 灰原 詩桜─ある日の酔っ払いは、語る─ ……………………。 [まだ。それは結婚する前。 甘党の智詞さんと一緒に行ったスイーツバイキング。 その後で事は起こったのでした。 ラムの香りたっぷりのモンブラン。 ブランデーの香りがする生チョコ。 オレンジのクレープシュゼットもお酒の香り。 そんなものを、知らずに食べていた私は すっかり良い気分…………………では、なくて。] (422) 2020/08/03(Mon) 22:18:33 |
【人】 灰原 詩桜………………………ずるい。 私だって、頑張ってるのに。 [資格の勉強をいろいろしている事は 智詞さんには別の機会に話していた筈。 でも酔っ払った頭では そんな事は今うまく伝えられない。 うーんと。えっと。 お店の途中から言葉少なになって、 やっと出てきた言葉がズルイ、なのは、 我ながら意味不明かもしれないけど ズルイと思うのはズルイと思ったんです。 赤い顔で、拗ねた顔で。 顔は向けないくせに、手はギュッと握りしめたまま。] 私だって、働いてるときも、 智詞さんと、一緒にいたい………。 [なのにまだ学生で、卒業だけはしろと言われてたし。 学生結婚は認めても、そこだけは譲れないって。 こんなつまらない焼き餅、 焼いても仕方ないってわかってるけど。でも。] (423) 2020/08/03(Mon) 22:18:54 |
【人】 灰原 詩桜成瀬さん、いいなぁーって…………。 [うん? ここはどこだって? どこだったかな。酔っ払いには分かりません。 ただそこまで言うとぎうぎうと 智詞さんに背中側から抱きついて 頭をぐりぐり、擦り付けてた。 成瀬さんが従業員になったと知ったとき 高校のクラスメイトで、 いろいろあった人だから良かったって 私も喜んだの、智詞さんも知ってる筈だけど。 それでも焼き餅焼いちゃったの。 ちゃんと気持ちを落ち着ける声はできるだろうから もう少し、時間をくださいね?]* (424) 2020/08/03(Mon) 22:19:14 |
【人】 灰原 詩桜─花火大会─ [良いお母さん。>>409 その言葉にほんのり頬を染めていたら ヒロくんに「結婚してるの?」なんて聞かれて 「ま、まだ!」なんて慌てて答えてしまったり。 じゃあね、と手を振って嬉しそうに帰る様子と 頭を下げながらもほっとしていた 親子3人に目を細めたり。] ……智詞さんもいてくれたから、良かった。 私じゃ肩車は難しいし もし智詞さんに出会えてなかったら ここに居なかったと思うし……。 [またドン、と大きな音と光の華。 少しさっきよりも遠いけれど 私は彼に寄り添って微笑む。 そして少しだけ背伸びして、 唇を重ねようとした。] (432) 2020/08/03(Mon) 22:40:18 |
【人】 灰原 詩桜いつか、お父さんとお母さんになれたら嬉しい。 …….けど。 [ふふ、と私は悪戯っぽく笑って。] 詩桜。 ……って呼んで欲しいです。 [なんて、そんなおねだりを。]* (433) 2020/08/03(Mon) 22:40:45 |
【人】 灰原 詩桜いとせめて 恋 しき時は むば玉の夜の衣を かへしてぞきる (恋しくてたまらない時は夜着を裏返して寝ると 夢で会えるというおまじないをして、 あなたの夢を見ようとします。) [ぽつ、ぽつり。 智詞さんが昔の歌で返すなら>>450 私もそこから引用する。 本当に裏返しにしてたりはしないけど、 会えなかったらやっぱりそれだけ寂しいし もっと一緒に居たいな、と思っちゃうから。 でも、そんな我儘も優しく受け入れてくれて>>451 振り返った気配に顔を上げると ……ほら、ズルイ。>>-803 こんなタイミングで言うものだから真っ赤になって ぺしぺし、背中を叩いて降ろしてって。] (483) 2020/08/04(Tue) 8:44:04 |
【人】 灰原 詩桜私だって、智詞さんだけだもん………。 [降ろしてもらったら、前側から抱きついて ぐりぐり、また胸元に頭を擦り付ける。 ちゃんと分かってるよ!って、しがみついて 後日、大丈夫だよって マカロンを焼いてお店に届けた、そんな後日談。 だって、成瀬さんにはより良い環境で働いて欲しいし 智詞さんだって、安心して働いて欲しいからね。 ……それからもごく稀に 良いなあー、って気持ちは出るけれど 本当にごくごく稀、になった。 それから更に経った頃。] (484) 2020/08/04(Tue) 8:44:39 |
【人】 薄氷 詩桜─大学4年、秋頃─ [結婚してから一年と少しが経ったころ。 平和に過ごしていたし、 資格の勉強も頑張っていくつか取得していたし、 家事もこなしていた……と思いたい私だけど。 就活のストレスからか ぐったりすることが多くなってきていた。 卒論の方はどうにかなる見通しだけれど なんだか最近、眠くて、眠くて。 朝に起きれない。 昼間も眠くてたまらない。 暇があればこんこんと眠ってしまう。 そんな日々が続いていた。]** (486) 2020/08/04(Tue) 8:46:39 |
【人】 薄氷 詩桜─花火大会─ [そうね、恋人同士の時間を大切にしたいとも思う。 だけど、恋人同士だからこそこんな語らいができると思う。 それに、今もまだずっと恋人同士みたいな両親もいるから きっとずっと私は智詞さんに恋をしたまま。 それは次第に形を変えていくかもしれないけれど あなたが一番大好き、と言う気持ちはきっと変わらない。 …子供ができたらその種類も変わるのかな? なんて。それもまだ想像の世界。 でも男の子を肩車する背中がとても広く見えて、 なんだかとても頼もしくて。 …昨日の今日でなんだけど、 なんか惚れ直しちゃった、なんて。] (500) 2020/08/04(Tue) 20:11:28 |
【人】 薄氷 詩桜─実りの季節─ [わたしも、まだ恋人気分でも良かったと思う。 だけど友達や、主に母さんから色々話されて 一年経った頃に「自然に任せようか」と提案した。 それは、やっぱり智詞さんが10年上だったことと 私自身の就職と卒業のタイミングがある。 子供が欲しいと言ったとき、直ぐに授かるとは限らない。 仕事が順調になってから…とのんびりしていて わたしが30の時でも智詞さんは40。 子供が成人式の時に智詞さんが還暦。 ……と聞くと、成る程確かに早めが良いかもと 還暦の父を持つ友人からの話は説得力があった。 それにそうやってタイムリミットがあると思うと わたしが働き始めて直ぐに妊娠………も、 雇う側からしたらどうなのか。 少なくとも計画を練れ、と言うのなら 働き始めて数年は仕事に専念……、 なんてやっていると時間はどんどん過ぎていく。 あの夏祭りの日以来、子供がいたらなと思っていた。 わたしは一人っ子だったから 兄弟がいたら良いなと詞葉さんを見ても思ってて。 だから、計画的には難しいけれど 学生のうちから自然に任せて。 そんな選択肢を選んだのは少し前のこと。 ちなみに相談の時は年齢のことよりも ]就職のタイミングの方で説明しました。 実際そちらもその通りだなあと思ったから。 (506) 2020/08/04(Tue) 20:42:07 |
【人】 薄氷 詩桜…………ん、でも、……………? [ぼんやりした頭で、 お義母さんと詞葉お姉ちゃんの言葉に>>497 首を傾げるわたしの姿がある。 おめでた。 まあ、そう言う事は、してる。 夫婦だし。自然に任せようと考えてた。 でも、ほら、おめでたって。 流し場に駆け込んで「うっ…」(じゃばー) はっ、まさか詩桜さん……! みたいなイメージ。 うっ、とはなってないし……ただひたすら眠い。 あとなんか凄く……ミカン食べたい……? 流石に病院に向かう時は目が覚めて そうなのかな、どうなのかな、と半信半疑。 待合室でウトウトして。 診察室にはさすがに一人で入って、 出てきた私の顔は真っ赤だった。] (507) 2020/08/04(Tue) 20:42:32 |
【人】 薄氷 詩桜………智詞、さん。 [そしてちょっと涙目になりながら彼のもとへ。 ぎゅ、と彼の腕にしがみつきながら その隣に座って。] (508) 2020/08/04(Tue) 20:43:06 |
【人】 薄氷 詩桜…………………………双子、だって。 [ちょっとはわはわしながら、ぽつりと報告。 その後先生にちゃんと呼ばれて、 エコー写真の説明を受けていた。 予定日はちょうど4月頃。 まだまだ写真を見ても人の形も分からなくて 小さな小さな命の粒だけど。] ……いるんだ、赤ちゃん……。 [まだお腹はぺたんこで実感が湧かない。 眠り悪阻もあるんですよ、と説明されて 成る程なあと思いながらも じんわり、幸せを噛み締めていた。]* (509) 2020/08/04(Tue) 20:43:23 |
【人】 薄氷 詩桜え、家事はするよ? 動けるなら動いた方が良いって先生も……。 むしろお腹が大きくなってきてからの方が 二人いる分、大変になるらしいから 今のうちに動いてた方が良いかなって。 あ、でも、運転はしません。 ……就活も、ストップ……する。 [別に病気じゃないんだから、とクスクス笑った。 むしろお腹がまだ軽いうちはさせて欲しい。 勿論無理はしないから、と提案する。 みんなに知らせるのも安定期までは 極々身内だけで良いのでは? なんて。 意見を擦り合わせつつも幸せで。 でも、また移動中にウトウトしてしまう。 それは、とても幸せな転寝だった。]* (518) 2020/08/04(Tue) 21:50:42 |
【人】 薄氷 詩桜─そうして、それから─ [夏に、双子の女の子。 冬に、双子の男の子。 男の子女の子二人ずつ授かった私たちは 賑やかで楽しい、平和な生活を 続けて行ったことでしょう。 薄氷古書店に増えていく本の種類。 写真集には、あの日通りすがりに 見かけたかもしれない人の姿があったかもしれない。 不思議な人の縁は途切れてもまたつないで紡いで 新たな広がって行くのがなんだかとても不思議だった。 羽井さんと市村さんが、 成瀬さんとその想い人が、 結婚したならぜひ祝福させてほしいし その前にジャン先生と清平さんかな? 子供たちのつながりもきっと広がって 私たちのまわりはきっと賑やか。 自分の色が苦手だったわたしと、智詞さん。 でも私たちの色を繋いで紡いでいく子供達を見ていると やっぱりこの色で良かったなって 私、いま、とてもそう思うのよ。] (566) 2020/08/05(Wed) 20:37:56 |
【人】 薄氷 詩桜ね、懐かしいわね、あなた。 またこのホテルに泊まれるなんて。 [あなたと色々な思い出が紡げてよかった。 嬉しいことも悲しいことも辛いことも幸せなことも あなたと一緒だったから素晴らしいものだった。 子供たちももう大人になって それでもね、わたし、 まだあなたに恋をし続けているの。 目の色はお互いに東雲色と天色のまま。 わたしが貴方と同じ髪の色になるまで、 あともう少し。 シワが刻まれた指先を絡めて、 久々にこの街のこのホテルにきたのよ。 懐かしいわね、次に来れるのはいつかしら?] (567) 2020/08/05(Wed) 20:38:15 |
【人】 薄氷 詩桜今日は、美味しいワインを探しましょう? ね、智詞さん。 [でもね、貴方とまだまだ一緒の時間を過ごしたい。 お互いに長生きしましょうね。 そう笑いかけて、貴方に寄り添って。 わたしはこれからもそうして生きて行くんだわ。]** (568) 2020/08/05(Wed) 20:38:33 |
【人】 薄氷 詩桜………。 [そわそわ、薄氷古書店の店先に 顔を出すのは 旅行の後まもないある日のこと。 だってあなたに会いたかったから。 そうして、わたしは智詞さんとの物語を 一歩一歩、刻んでいく。]* (580) 2020/08/05(Wed) 21:32:40 |
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