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【墓】 学徒 蝶間はてさて、仄暗い中でも学徒は何時も通り変わらない。 一枚、一枚と紙を捲る。 「しかし、しかし。成る程。本を読むにはいい場所ですね」 其の様子は、何一つ代わり映えしない。 何時も通りであった。 (+2) 2021/07/24(Sat) 21:34:48 |
【墓】 学徒 蝶間はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。 残った項目も、後わずか。 「さて、いよいよ大詰めだ。仕込みは重畳」 はらり、はらり、一枚、一枚と紙を捲る。 学徒は静かに、天を仰いだ。 何とも侘しき、土天上。 「さて、最後に笑うのは如何なるものか……嗚呼、小生は犬死こそ御免だが、盛り上げるには充分な事は起きるとも」 「しっぺ返しを受けるか、悪が笑うか、或いは漁夫の利を得たものがいるか……」 はらり。最後の項目で、指が止まる。 (+6) 2021/07/27(Tue) 20:45:55 |
【墓】 学徒 蝶間「正鵠を射る者は、必ず現れる。さて、汝は如何なる事象なりや────?」 学徒は、問いかけた。 うすら笑いを浮かべたまま、有終を待つ。 ……嗚呼、其れにしても、だ。 「可惜夜とは、良くぞ言ったものだ……─────。」 学徒は静かに、本を閉じた。 (+7) 2021/07/27(Tue) 20:50:09 |
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