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【人】 冷たい炸薬 ストレガ【街中】 工房に詰めかけるソルジャー人員に上の意向と 仕事の邪魔すんじゃねえの意を伝えてから少し後。 やってられんとばかりに街に繰り出して アイスコーヒーを買い、適当なベンチに腰掛けた。 「はあ〜〜〜〜〜〜…………」 面倒だ、とは零さないが。 ろくでもない予感がずっとある。 なんとも、憂鬱な状況だった。 (12) 2022/08/18(Thu) 12:03:10 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>20 ソニー 「あ゛?」 や、の時点で真っ先に浴びせられたのが そのドスのきいた威圧の声だった。 債務者の何人がこれを聞いた事だろう。 「なんだあんたか……いや余計に悪い、暑苦しい。 帰んな。あたいは休憩じゃなくて休業中なんだ。 クーラーの修理ならここ真っ直ぐいった十字路 右に曲がって300m。腰がほとんど直角の ジジイが店番してる電機屋に行きゃいい」 とりつくしまもない。 頼み事も大方依頼だろうと当たりをつけて、 何度か口説きに現れていた青年をしっし、と手で払っている。 (21) 2022/08/18(Thu) 19:40:44 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>22 ソニー 完全に居直った相手にまたため息が出た。 イタリア人の男は情熱的で〜、などとほざく観光客を 今見掛けたら頭に2、3本ボルトをぶち込みそうだ。 「チッ」 明らかに舌打ち。ジジイに押し付けるつもりだったが そうはいかなくなった為に出たものだろう。 「夏季休業だから長い。最短でも祭が終わってからだね。 その後はあたいの気分次第」 これもまた、なんとも曖昧な返事。 まあ、本業が落ち着いたらなんてのは絶対言えないので 幾分か『一般人』に歩み寄った回答と言えなくもない。 「逆に今すぐだってんなら割り増し料金で やってやらない事もなかったけど、 もうじき頼みごとができそうってんなら無理だろうね」 本日以降は忙しくなるだろう。 生きていれば。 そもそも機械類の修理屋をなんだと思ってるんだ、 そんな視線をあなたにドスドスと刺しながら返答はする。 「ものによる。基本はお断りだ。 そもそもアクセサリーの調整って何を調整すんのさ。 ペンチで鎖でも千切って伸ばせっての?」 (24) 2022/08/18(Thu) 21:21:12 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>25 ソニー 「なんだか知らないがこっちにも準備ってもんがあるんだ。 後から妙なモン持ち込んで出来ないから他所当たれ、 ってなってもあたいは責任取らないよ」 珈琲を一口、つれない返事。 物がわからなければそれ用の道具も揃えられない。 ストレガは準備が出来ない仕事は面倒だと思っている。 が、世間話だというならそこはそれ。 次いで示された指輪には今度こそ大きなため息をついた。 「……なあ、あたいは彫金師じゃないんだぜ。 指輪職人でもなきゃ、宝石商とも違う。 万力でぶっ潰しながら金鎚かなんかで叩くか、 金属ドリルで穴を削り広げるか、それくらいしかないよ。 じゃなきゃその石だけ取っ払って、デカい台座買ってきて そこに嵌め直すかだ。本当にそいつが惜しいなら、 ちゃんと装飾品を扱うとこに行きな」 (27) 2022/08/19(Fri) 1:33:27 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>30 ソニー 「むしろ休業中に仕事の話をしてるだけ あたいは十二分に丁寧な対応をしてるんだけど?」 苛烈。街における評判そのまま、これは全く容赦がない。 コーヒーをもう一度口に、肩を竦めて立ち上がる。 「言ったろ、休業中だって。 仕事でなら脂ぎったオッサンだろうが 棺桶に両足突っ込んだジジイだろうが 顔合わせる度誘ってくる野郎だろうが クソレズだろうがサイコだろうが付き合ってやるが、 そうじゃないなら付き合う理由がない。 あたいを誘いたきゃ、濁してないで本題から言うんだね。 最低限、それが人の時間を貰う礼儀ってモンだ。 ……うわ、5分半経ってるし」 迷彩カーゴパンツのポケットから取り出した 無骨な腕時計を見て顔を顰める。 扱うモノと同じくらい冷たく硬い女。 「そうだね、あと20秒だけ話を聞いてやろう。 19、18……」 残された猶予はそれだけ、それが終われば女は消える。 追跡も出来ない程、巧妙に。 時計しか見ていない相手に何を言うのも自由だ。 (37) 2022/08/19(Fri) 14:35:56 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>45 ソニー 「そうしな。あたいは出来る仕事はする。 そうでないものはしない、それだけだからね」 よっぽど火急の物なら修理してやったっていいけど、 とは言うものの。だからといって何をするわけでもなし。 去っていくその背に軽くコーヒーのカップを掲げて、 形だけは祭の乾杯のような恰好で見送った。 「アンタ『たち』ねえ……報告はしとくとしようか」 概ね、互いに尻尾を掴み損ねてきた相手。 あの言い草じゃあ、向こうは尻尾を掴んだのかもしれない。 そうなったらこっちも同じようなものだが――。 『得』とやらも考慮……するのは上司の役目。 もう少しぶらついたら帰って報告書を作るか、と コーヒー片手に祭の中へと消えていった。 (47) 2022/08/20(Sat) 4:08:50 |
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