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【見】 病弱貴族 アメリアありがとう、ヨシュア。 今まで、ずっとずっと、長く。 たくさんのことで、支えてもらいました。 貴方が去るのなら、止めません。 貴方が私を置いていくのなら、止めません。 ただ、貴方のことが大好きだった 私の事だけは。 どうか、どうか。 いつまでも、覚えていて。 (@10) 2020/09/27(Sun) 14:15:00 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 最後の言葉まで伝えれば ふらり、と身体は傾いていく。 全ての思いはぶつけた。 もう気力も残っていない。 最後に見せる姿がこんな姿だなんて 情けない限りだけれど。 私らしいといえば、 私らしいのでしょう。 ]* (@11) 2020/09/27(Sun) 14:15:13 |
【見】 病弱貴族 アメリア── 表彰式の日:朝 ── ん……、 [ 開いたカーテンから差し込む光に 瞼を緩く震わせた。 大分無理をした身体は 当たり前に、回復するものも回復せず。 気だるさに包まれながら ゆっくりと翡翠の目を外気に晒しいく。 ] (@13) 2020/09/28(Mon) 13:35:31 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 目を開いて、ぱちり。瞬きの後。 口を薄く開けば、喉を震わせて。 ] ……ヨシュア。 [ 声に返事は、ない。 いなくなってしまった彼は 夢なんかではない。 ] (@14) 2020/09/28(Mon) 13:36:37 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ きぃ、と、扉の開く音が聞こえた。 けれど、誰も足を踏み入れてこないまま ぱたりと再び閉ざされる。 肩を震わせて、ひとりきり。 ただただひたすらに 自身の不甲斐なさを、彼のいない寂しさを 誰かに訴えるかのように咽び泣いて。 ……いくら程、蹲っていたか。 目じりが赤く染まるほど涙を流せば 疲れ果ててしまったのだろう、 また、ゆっくりと意識を閉ざしていく。 今はただ眠りたかった。 ]**じゃなければ、あまりの自身の情けなさに 立ち上がれなくなってしまうから───。 (@17) 2020/09/28(Mon) 13:39:57 |
【見】 病弱貴族 アメリア─ ある日の女子会 ─ [ 教会について教えてもらうという建前のもと 出来た彼女との縁は>>1:108 あれから、病弱な自身を慰めるためという 新たな理由のもとに続けられている>>129 住む世界が違う自身と彼女だけれど 思いのほか気があうのだろう。 彼女が来る日が近づけば 楽しみに鼻歌なんかを歌う姿が 見られた時もあったとか。 我が邸宅に訪れるのは 父や、時には母に用のあるものばかり。 自身を目的として訪れるものは数が少なく。 つい毎回違う茶菓子やお茶を出してしまうのは 少しばかり張り切りすぎていたのかもしれない。 ヨシュアはそんな自身をどう思っていただろう 微笑ましく見られてなんかいたりしたら 少しだけ意地を張ってみたりして。 ] (@18) 2020/09/29(Tue) 9:21:17 |
【見】 病弱貴族 アメリア……私は引きこもりだから、 そういう浮いた話は 残念ながらないのだけれど。 [ 心に決めたとしても 病弱な自身ではどうなりようものもない。 意識的にか、無意識的にか そういう考えはあまり、しないようにしていて。 ] (@20) 2020/09/29(Tue) 9:22:23 |
【見】 病弱貴族 アメリアでも、そうね…… 昔少しだけ話をした男の子のことは とても印象に残っているわ。 [ 自身がまだ子供だった頃。 中庭に出て、遠くに使用人がいる中 花を見ていた時。 たまたま迷い込んだのか、 一人の男の子と話をしたことがある。 確か、楽器の話をしたんだったか。 いつかまた遊びに来ると言って あれきりだったけれど。 彼は今頃どうしているのかな、なんて。 ] (@21) 2020/09/29(Tue) 9:22:36 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ そんなことを話しては。 ] そういう、エヴィはどうなの? [ なんて、仕返しに耳に囁いてあげたけれど さて、どんな話が聞けるかしら。 ]* (@22) 2020/09/29(Tue) 9:22:45 |
【見】 病弱貴族 アメリアね、今度一緒になにか作ってみない? [ 恋愛話からの転換は、 自身にとっては繋がっているもの。 作ったものを誰かにプレゼントするというのは なかなか悪くないものなのだ。 なにを作るのがいいか考えつつ。 彼女と、彼女の考える誰かが 上手くいくといいな、なんて。 友の幸せを願うくらいなら 神様も叶えてくれないかしら。 ]* (@24) 2020/09/29(Tue) 11:23:35 |
【見】 病弱貴族 アメリアというわけでね。 今から作るのは、「クッキー」よ。 [ 朗らかに告げた言葉は開始の合図である。 使用人が使わない時間、 材料を揃えたキッチンの中。 本来なら貴族が立たないだろう場所に 自身たちはいた。 ] (@26) 2020/09/29(Tue) 18:31:32 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 何故こうなったかと言えば 庶民派なメイドの知恵によるもの。 簡単で作りやすくて 人にプレゼントしやすいもの。 それらを考えた時に 彼女の頭にのぼったものが クッキーと言うわけだ。 ] (@27) 2020/09/29(Tue) 18:32:53 |
【見】 病弱貴族 アメリアレシピは先に教わっておいたわ。 この通りに作れば、 きっと、美味しいものが出来る。 [ もしかしたら、彼女はクッキーを 作ったことがあるのかもしれない。 けれど、自身は初めての体験。 少しワクワクする気持ちで 両の手を合わせて。 頑張りましょう、と。 言葉を紡げば、クッキー作りの開始だ。 ] (@28) 2020/09/29(Tue) 18:33:18 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 作業はなかなかどうして 上手くいく、というばかりではいかないもの。 初めてばかりのことで束無い手つきは ボウルをひっくり返しそうになったり 計りに慎重になり過ぎたり 混ぜ方がよくわからなかったり。 きっと足を引っ張ることの方が多かった。 その度しょんぼりと謝る姿があっただろう。 ] (@29) 2020/09/29(Tue) 18:33:38 |
【見】 病弱貴族 アメリア……よし、あとは焼けるのを待つだけね。 [ ようやっと工程の終わりごろになれば 時間をどれだけ使ったことか。 情けない部分も沢山あったけれど 彼女と共にする作業は 楽しい気持ちも確かにあった。 だから笑みを浮かべて彼女に視線を向けて。 くすり、と互いに笑いあっただろうか。 ]* (@30) 2020/09/29(Tue) 18:33:45 |
【見】 病弱貴族 アメリアあとはちょっと冷まして ラッピング、かしら。 [ 袋もリボンも、色々なものを用意している。 彼女となにがいいだとか、こちらの方が 可愛いだとか。 そんな相談をしながら、 いくつか包みを作れれば。 そのうちの一つを、両の手のひらにのせて 彼女に差し出した。 ] (@32) 2020/09/30(Wed) 11:34:42 |
【見】 病弱貴族 アメリア─ コンペから数日 ─ [ ぱちり、と目を開けば、 見えるのはシミひとつない天井。 少しすればメイドがやってきて 今日の体調を見て着替えさせるのだろう。 前はメイドがやらなかった体調管理も 彼が行っていたことは 今は全て分担されていた。 ] (@34) 2020/09/30(Wed) 17:43:51 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 世界は、なくなった歯車があれば 新しい歯車を取り付けて回っていく。 こんなにも、喪失感が胸を占めていても そんなことは関係ないとばかりに 皆、日常に戻っていかねばならない。 ] (@35) 2020/09/30(Wed) 17:44:17 |
【見】 病弱貴族 アメリア[ 外に出られなかろうとも そこまで支障はなかった。 なにぶん、前からあまり外出はしなかったのだ。 活動範囲が狭まったところで 変わるものでもない。 ひとつだけ気にかかるとするのなら あれから会っていないエヴィのこと。 外に出て帰ってきた者に聞いた コンペの内容は驚くもので 喜ばしい気持ちばかりが湧いたものだ。 ] (@37) 2020/09/30(Wed) 17:44:46 |
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