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【人】 きっと教育係 キネレト[白銀の道を進んでゆく途中、不意に 心地良い重みと共に肩が暖かくなった。>>0:187 寒がりの僕を気遣って君がコートを掛けてくれたのだと気付く。 ちょっと待ってくれ。 君はさっきまでコートを着ていただろうか??? ──なんて野暮な突っ込みは微塵も浮かばないのである。 テーブルに並ぶもてなしの料理を口にすれば ボクサーパンツや貝の着ぐるみにいつの間にか着替えていた、 丁度一年前の懐かしい日々を思えば何の違和感も覚えない。 すまない、ありがとう。 そう言い添えて君の横顔を見つめる瞳は 完全に恋する乙女のそれだっただろう。 僕は相変わらず紳士的な振る舞いにすこぶる弱い。 深く息を吸い込めば、君の匂いがする……気がする 自分の身体より一回り大きなコートを纏って、 胸の底からじんわりと込み上げてくる喜びに 口元をにまにま綻ばせていると隣から咳払いが聴こえた。 やっぱり寒いんじゃないか……? 君が万が一体調を崩しでもしたら僕は全力で看病するけれど、 まず第一に辛い想いをさせたくはない。心配になって、 コートを返そうとしても受け容れて貰えなかったろうか。 ならばせめて、とこれ幸いとばかりに雪道では 若干歩きづらくなる程度にこれでもかと密着しておいた。] (4) 2020/12/28(Mon) 19:33:09 |
【人】 きっと教育係 キネレト[部屋へと案内されるまでの道すがら、 僕らと同じように癒しを求めて訪れたのだろう 他のお客さんと目が合うことがあったなら、 軽く微笑みつつ会釈をするくらいはしたかもしれない。 敢えて声を掛けたりはしなかった。というか出来なかった。 如何せん、こういった 格調高そうな場所での振る舞い方が僕にはわからない。 既に自分でも知らぬ間にやらかしていそうであるし、 育ちが良いとは言い切れない僕の粗暴な振る舞いで 常日頃きちんとしている彼にまで迷惑が掛かってしまうのは 絶対に嫌だ、と思った。 だから宿に入ってからは自分比大人しくしていたつもりだ。 それでも彼の手はしっかりと握り締めて離そうとはせず、 部屋に着いてからもそれぞれ座布団に腰を下ろすまでは ぴったりとくっついたままで居た。 まぁそんな余所行きの仮面も 浴衣の話を始めたところで崩れ去るのである。] (5) 2020/12/28(Mon) 19:33:14 |
【人】 きっと教育係 キネレト……! 本当かい!? 嬉しいなぁ、お揃いだね。 [僕の信じる神様に勧められた色は、 彼にもお気に召したらしい。>>0:189 ぱあっとわかりやすく目を輝かせて笑顔を向け 用意された浴衣セットと羽織を上機嫌で受け取ると、 小さい方のものを改めて広げてみた。 旅行社のパンフレットで着ている人の写真を見たから、 曖昧な記憶ながらどんな風に着るものなのかはわかる。 教会の子供たちの衣服の蝶々結びになら慣れているから、 多少作法と異なる可能性はあるが帯も結べなくはないだろう。 僕が色に悩んでいる間に 彼は着方を訊いてくれていたようだし、 ああでもないこうでもないと二人で帯と布を手に 試行錯誤してみるのも楽しそうだなぁ、なんて 好奇心が膨らんでしまうのは、この宿の魔法に違いない。] (6) 2020/12/28(Mon) 19:33:52 |
【人】 きっと教育係 キネレトそれにしても──素敵なお宿だねぇ。 2人で温泉に行きたいね、って話して なかなか都合が付けられないまま今日まで来てしまったから…… 君とこうして温泉宿に来ることが出来て本当に嬉しいよ。 いつの間に予約を取ってくれてたんだい? [扉を閉めた従業員の足音が遠ざかってから、 熱いお茶へ息を吹きかけながら口を開いた。 窓の外ではしんしんと雪が降っている。 いつもと違う部屋、知らない景色、 夢にまで見た温泉旅館に君と二人きりだからだろうか。 客室はこんなにも趣ある空間を演出してくれているのに、 なんだかそわそわしてしまって落ち着かない。] ……ん? 足?? [改まって切り出された言葉に、 漸く聴こえるほどの小さな声での自己申告。>>0:191 大丈夫かい、と尋ねかけて、思わず息が漏れてしまった。 君の意外な一面を知って微笑ましい気持ちになったからだ。] (7) 2020/12/28(Mon) 19:34:08 |
【人】 きっと教育係 キネレト[僕の方は正座をしたままつま先だけ立てていたから無事だ。 以前別のシスターに教わった、痺れにくい座り方。 小さな子供たちを世話するのにも便利だから今は慣れているが、 慣れないうちはほんの数分ともたず痺れていた覚えがある。 故に君の足が今どうなっているか、 想像するに余りある。] ふふ。この部屋には僕らしか居ないんだ。 誰も見ちゃいないし慰労会だしさ、 気楽にのんびり過ごそうじゃないか。 [畏まらなくて良いんだよ。 ……と、掛ける言葉は自分の為でもあった。 君を甘やかして、君に甘えて、思う様ごろごろ過ごしたい。 温泉に行きたがっていたのは元々そうした理由なのだから。 弾みをつけて座布団から腰を上げると、 正座を崩してなんとか痺れ地獄から脱出しようと試みている 彼の傍へと移動して、すとんと隣に腰を下ろした。]* (8) 2020/12/28(Mon) 19:34:25 |
【人】 きっと教育係 キネレト無数に用意された衣装の中から 全く同じものを引き当てるのは至難の業だからねぇ。 いや、君さえ良ければ引き当てずとも お揃いで着たいと思うよ。 アノラックcosmとか。タンクトップtopsとか。 と、僕としたことがサンタ服は完全に盲点だったな…… 折角のチャンスを無下にするなんて。 ……いや、来年の楽しみにとっておこう。 また引き受けてくれるだろう? サンタさん。 [不評だったからもうやりたくないかい? 僕にとっては世界一待ち遠しくなるサンタさんだったぞ。 お揃いの衣装として思い浮かべたのは 君が着ていたのと全く同じ、 四肢をしっかり紅い布に包んで 白いふわふわが随所に散りばめられているような 何の変哲もないごく普通のオーソドックスなサンタ衣装だ。 可愛らしい女性向けのワンピースタイプではない。 待てよ? 君がサンタクロース役なら 僕がトナカイに扮するのもありだろうか……? 着ぐるみのようなトナカイ姿をする自分を一瞬思い描いたが あまりにも似合わない気がしてならなかったので そんなもしもは闇に葬り去った。] (70) 2020/12/30(Wed) 20:24:36 |
【人】 きっと教育係 キネレト君が僕を想って選んでくれたものなら、 僕はなんだって嬉しいよ。 宝石は、……着け慣れないものだから どうしても気後れしてしまうんだが 君の趣味や好みは知りたいと思うし、 光り輝く様は純粋に美しいとは感じるんだ。 でも、君のお察しの通り。 僕は君と二人きりでゆっくり過ごせる時を貰えるのが 何よりも嬉しいし、幸せだと思う。 だから──……本当にありがとうね。 僕にとって最高のクリスマスプレゼントだよ。 [君と一緒に過ごせるならご近所の公園でも家のお布団でも 床の上でも僕は何処だって幸せで居られるんだが、 いつもと違うロケーションは否応なしに特別感を与えてくれる。 どういう経緯で辿り着いたお宿なのかは深く気にしていない。] お風呂も気になるしごはんも楽しみだなぁ。 好みのおかずがあったら教えておくれ。 家でも再現出来るように味を覚えて帰るからさ。 [僕の唯一と言っていいかもしれない取柄、 料理スキル99はこういう時の為にある。] (71) 2020/12/30(Wed) 20:26:14 |
【人】 きっと教育係 キネレト[人生における楽しみのひとつであろう食卓を彩る料理は 美味しく一品でもバリエーションに富んでいた方が より楽しいに決まっている。 僕の作った料理を美味しそうに食べてくれる 君の顔を眺めるのが、何よりの楽しみでもあるのだ。 ところで、 ……ばたばたしていて肝心の 君へのクリスマスプレゼントを渡しそびれているのを 忘れたわけではない。ないんだが…… 多分きっと知らぬ間に従業員さんが運び込んでくれている 旅行鞄の中に潜ませたクリスマスプレゼントは、 決して豪華なものではない。 どちらかと言えば質素で、地味なものだ。 気に入って貰えるかどうかもわからない。 君への想いだけは詰め込めるだけ詰め込んだつもりだが。 贈るタイミングを完全に見失ったまま、 プレゼントの包みには暫く眠っておいてもらうことになるだろう。]* (72) 2020/12/30(Wed) 20:27:09 |
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