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【人】 プラチナ[それは、 とある一人の少年が自身を攫った魔術師と 紆余曲折の末、想いを通わせるに至った後。 そして、前世の記憶を取り戻し、 自身も魔術師として覚醒するよりも前。 その間に起こったいくつかの話。] (2) 2024/01/22(Mon) 15:32:51 |
【人】 プラチナ[特に何の変哲もないとある昼下がり。 自分はと言えばいつも通り遅めの朝食を摂り 一通り身の回りのことを済ませた後は 椅子に凭れ、読みかけだった魔術書に目を通していた。 何か作業していたらしいテレベルムから 不意に声を掛けられ、少々後ろ髪を引かれながらも席を立つ。] ああ、大丈夫だよ。 開発…今度は一体どんなものを作っているんだ? [机に向かえばコポコポと煮沸する音。 自身の前世――プラチナ・ライドが遺した 財産の一つでもあるのだろうか、 彼は魔法薬の開発に余念がなかった。 森で摂れる生き物やら薬草やらが魔法薬になるなんて。 不思議なものだな、とは思うが それを習うことも別段苦ではない。 むしろ面白いと思っていたから。 今度はどんなものだろうと、 テレベルムの言葉に耳を傾けて。**] (8) 2024/01/22(Mon) 18:06:47 |
【人】 プラチナ[手渡された紙を受け取り、 あれこれと細かな手順が書かれたそれに 目を通しながらふむ、と口元に手を当てた。 確かに、自分はただの人間で テレベルムや魔道具を借りねば いくら勉強を積み重ねた所で魔法は使えない。 いつどこで何があるのか分からない以上、 備えが大いに越したことは無い、とは思う。 まあ、それを抜きにしても。] へえ。さしずめテストってところだね。 面白い。どれ、やってみようじゃないか。 [ここに来たばかりの自分であれば 到底理解できなかったであろう式や手順。 今なら出来る、と踏まれているのだろう。 ならば受けて立つと言わんばかりに 促されるままに調合台の前に立つ。 そもそも魔法役の調合も嫌いじゃないし、 うきうきと楽しそうにしながら。 腕を捲り、テレベルムが見守る中で メモを見ながら計算し、材料を選び 瓶に入っている薬を混ぜていく。] (12) 2024/01/22(Mon) 19:18:52 |
【人】 プラチナ……こんなものか? 手順は合っていると思うんだが…… [さて、そこから一・二時間程の作業を経て。 出来上がった試薬を目の前で軽く振る。 レシピ通りに作ったつもりだが…… 試してみるまでイマイチ 成功しているのかどうか分からないのが 魔法薬の面倒なところではある。 まあ、毒性がないと言うのなら、 仮に失敗していても大した問題は無かろう。 あったとしてもテレベルムが何とかしてくれるだろう、と軽く考えて。] …まあ、飲んでみれば分かるか。 成功していた場合、体に変化は出るのかい? [テレベルムが止めることがなければ、 さほどの躊躇もなく、瓶を傾けて薬を口にする。] (13) 2024/01/22(Mon) 19:28:03 |
【人】 プラチナ[テレベルムの思惑など露知らず。 薬を一息に煽り、こくりと喉をならした。] ...果物の味...うーん、言われてみれば? どことなく爽やかな味がするような気もするが.... ああ、わかったよ。 [浮腫は自分で見る限りあまり感じないし 喉が乾かない、排泄回数が減るという効果は すぐにわかる類いのものでもないだろう。 失敗した時にどうなるか、は あまり深く考えることはせずーーー まあ効いたのかどうかわかるまで 暫く待っていようと頬に口付けを返し、 のんびり後片付けをしていたが。] (18) 2024/01/22(Mon) 21:13:00 |
【人】 プラチナ[テレベルムが――少々怪しい部分もあったものの、 聞き入れてくれたことでこの件は一旦手打ちとする。] ああ、そうするよ。 [実際無駄に疲れていた。 それにあれだけ出したからか妙に喉も乾いたし テレベルムの申し出に甘えるとしよう。 リビングのソファにどかっと凭れ掛かり、 テレベルムが茶を淹れてくれている間に 途中で放り出していた机の上の 計算式が書かれた用紙に目を遣った。] (……ああ、ここか…引っかかっていたのは… こっちの式を当てはめればよかったんだな…) [改めて、落ち着いた頭でじっくり考えてみれば 確かに解けないような難易度ではなさそうだった。 さっきはそれだけ余裕がなくなっていたのだろう。 問題を解き直しているうちに テレベルムがマグカップを持って戻って来た。 ありがとうと一言告げ、カップを手に取る。] (19) 2024/01/24(Wed) 21:15:20 |
【人】 プラチナ花茶か。良い匂いがする。 ……うん、美味しい。 [こくりと嚥下すれば、 程よい温度のそれが乾いた喉に染みていく。 満足そうに目を細めて半分ほど飲み干し。] ああ、そうだ。 さっきの問題だが、待っている間に直してみたよ。 合ってるかい? [ついでにひらひらと用紙を振り答え合わせを求めようか。 なお、副作用の効果時間にまでは まだ思い至っていないまま。 のんびりと茶を飲みながら暫しの休息を過ごしていた。**] (20) 2024/01/24(Wed) 21:16:49 |
【人】 プラチナ[話は前後するが、ぐっしょり濡れてしまった下着は テレベルムが茶を淹れている間に着替えて洗濯籠の中に入れた。 ズボンにまでは被害が出ていなかったのでそのままだ。 用紙を渡し、正解を告げられれば満足げに目を細め 先生のように頭を撫でる掌を心地よく受け入れた。] ああ、やはり最初に 式を間違えたのがまずかったんだな。 手順も何となく掴んだし、次からはもう失敗しないさ。 [まあ、次があるかどうかは分からないが。 正直成功したとしても今回の件で あまり飲みたくない類の薬になった…というのはさておき。 テレベルムの視線や逡巡に気づくことは無く、 ぐびぐびと喉を鳴らして茶を飲む。] (…ああ、何だか喉乾いたから美味いな…) [なんて呑気に思いながら マグカップはあっという間に空になった。] (24) 2024/01/24(Wed) 23:22:36 |
【人】 プラチナん?別に構わないが……… ふふ、どうしたんだ急に。 [腰を抱き、すり寄って来るテレベルムに 凭れ掛かって体重を預け。 心地よい体温にぼんやりしながら そう言えば今は何時頃だろうと ふと壁時計に目をやり、] (―――あ、そう言えば…) [不意に思い出し、身体を起こす。] (25) 2024/01/24(Wed) 23:23:37 |
【人】 プラチナそうだ。 今日は街まで本を買いに行こうと思っていたんだった。 発売日で。 [読書好きのプラチナは、近くの街の本屋を贔屓にしている。 楽しみにしていたシリーズの最新作が入荷されるため 取り置いておいてくれと以前から店主に頼んでいたのだ。 色々あってすっかり頭から飛んでいた。] 3時前か……今から行って戻れば 日が沈む前には帰って来れるな…。 [別段急ぐ用件と言うわけでもないのだが 何となく用事は済ませておきたい。 プラチナ本人自体に転移魔法は使えないが 街に行く時は念のためにと転移用の魔道具を持たされるので それに近いことはできるわけだし。] …キミはこの後は?何か予定は? [算段をつけつつ、テレベルムにも問うてみるが。**] (26) 2024/01/24(Wed) 23:31:48 |
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