【人】 橘――見舞い―― [療養施設の前で幸さんと出くわした 見舞いに来ることと花見の件はすでに話をしてあると 外出許可も取れたからと言われて相変わらず気の付く人だと思う 手に抱えた荷物は花見弁当だという] 昨日あれから用意したの? 「はい、卵焼きと唐揚げとおイモのフライは外せませんし 昨日のうちに下ごしらえして朝にざっくりと お稲荷さんだけは風花堂さんのを買いましたけど」 [それにしては多くないかと視線を向けるが、幸さんは普段と変わらない顔で 「これくらいは食べるでしょう?」とだけ言った] 食べなくはない、か おふくろの所に行くなら一緒に行く? あ、その前に先生に挨拶しないとか 「なら先に行って創さんが来たことをお伝えしておきますね」 [そういって小走りに中へと消えていくのを見送って受付に向かう] (49) 2022/04/13(Wed) 1:08:48 |
【人】 橘[受付で要件を告げたなら、少しの間をおいて部屋に通された 怪我の状態は問題なく、多少不自由は残るが手伝いがあれば退院しても大丈夫とのこと おふくろの場合、ここで療養しているよりその方がいいし本人も希望しているから、と とはいえ、そのためには検査とリハビリの調整が必要だから少しかかるとも 「幸さんがいるから」と言っていたけど息子さんもいるなら安心だとも] 「日程は本人と話して調整しましょう、決まればお知らせします」 [そう締めくくって話は終わり、俺は頭を下げて部屋を出ておふくろの所に向かった] (50) 2022/04/13(Wed) 1:09:58 |
【人】 橘 「おや、来たのかいバカ息子」 [再会の挨拶がこれだ とはいえ、おふくろの顔が嬉しそうだったのは気のせいじゃないだろう] 先生と話したよ、うちに帰っても大丈夫だって 日取りはこれから決めるってさ んで、まさか俺に船に戻れとは言わんよな? [言われたおふくろはきょとんとした後で笑い出した] 「当たり前だろう? せっかく陸に上がるって、あの、船馬鹿が言ってるんだものね 今までの分も存分に相手してもらうから覚悟おし」 [言葉は悪いが一緒に居られることを喜んでいるとわかって安心した 同時に、それだけ寂しがらせていたのかもしれないとも] (51) 2022/04/13(Wed) 1:11:32 |
【人】 橘 んじゃ、花見なんだけど…… [ここの庭でもいいかと思っていたがおふくろから提案があった 少し歩いたところに薄墨神社ほどではないが桜の見事な公園があるのだと 折角一日外出許可を貰ったからそこに行ってみたいと もちろん反対する理由はない] それじゃ仕度して、用意が出来たら出かけようか [そういって身支度が済むのを外で待つ(女の着替えは覗くなと追い出された) その間に他の入所者や職員さんに「橘さんの息子さん」と挨拶をされた どうやらここでも世話焼きは健在だったようだ 支度が出来たと言われ部屋を覗けば、綺麗にめかし込んだおふくろがいた やっぱり小さくなったなぁと心の中で思いながら 似合うと言ったら照れ臭そうに笑った] (52) 2022/04/13(Wed) 1:13:13 |
【人】 橘[外は穏やかな花見日和 ゆっくり歩くおふくろに合わせてのんびりと移動を楽しむ 道行く人が微笑ましげに見て来るけれど 彼らの目には俺と幸さんは夫婦に見えてるんだろうか、などと今更思った**] (53) 2022/04/13(Wed) 1:14:09 |
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