「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a9) 2022/11/24(Thu) 11:55:48 |
【人】 「怪人」 ファントム ──中央広場 リリーと── 「やめてしまうのかい? せっかく綺麗な舞いだったのに。」 溜め息を溢す彼女>>16の後ろから、声を掛ける。 「 『貴方には、貴方だけが行く道がある。迷わず進め。』 とある哲学者の言葉だが、君は今の道がそんなに不安かい?」 落ち込む様子の彼女に、そう言葉を重ねた。* * (26) 2022/11/24(Thu) 14:33:02 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a16) 2022/11/24(Thu) 14:34:35 |
【人】 「怪人」 ファントム ──中央広場 リリーと── 「少々、付き合って貰うよ。 たまには、私が見ている世界にきてもらおう。」 言うなり、彼女ごとマントに包み込んでーーそのまま、影に溶けるように消えた。 (28) 2022/11/24(Thu) 17:45:56 |
【人】 「怪人」 ファントムーー影の中 大劇場ーー マントが視界から払われて、彼女が最初に目にするのは、そこが大劇場のステージ上だという事だ。 見渡す限りの客席が、2階、3階まで埋め尽くされている。 眩いばかりのライトが自分達に注がれて、目が眩んでしまいそうだ。 ーーけれど、ここは彼女が知っているどの劇場とも異なる場所。 何故なら、とうにこの劇場は無くなっているはずだからだ。 「ここは、魂の中に刻まれた記憶。 かつて、ここに立った演者たちの記憶から成り立っている。 ここで、エリック・コスタクルタやクリスティーヌ・ナタリーナといった当時随一と謳われた者たちが、ここで『美』を披露した。 ーー今は全員、私たちとは無関係の過去の人物だがね。」 ここは、かつて最も栄えた劇場であった。 その様はまさに、『夢に見る』と言っていいだろう。 (29) 2022/11/24(Thu) 17:58:33 |
【人】 「怪人」 ファントム「踊って、さぁ。」 唐突な一言。 何の説明もなされなかった。 「何も考えなくていい。 君の心が求めるままに。 私は、君の舞いを見たいんだ。」 あえて、説明はしなかった。 今の彼女には、それで良い。 全てを捨てて、ただ踊る事に集中できる状況が必要なのだ、と。 …Ogni volta che sento il suono delle onde Ti immagino dietro le mie palpebre. …波音を聴くたび 貴方を瞼の裏に思い描く ゆっくりと、歌い上げる。 彼女の為の伴奏を。 (30) 2022/11/24(Thu) 18:07:10 |
【人】 「怪人」 ファントムゆるやかに歌い上げる。 これは今は亡き「エリック」の歌。 そして、彼の無念から生まれた「私」の歌。 「エリック」も、「クリスティーヌ」も、最早「私」に関係のないものだけれど。 「エリック」の想いを、彼女に聴いて欲しかった。* * (31) 2022/11/24(Thu) 18:23:48 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a17) 2022/11/24(Thu) 18:35:42 |
【人】 「怪人」 ファントム彼女の舞いは、今までのように完成されたものではなくて。 粗削りで、完成には程遠くて――それでも、彼女がステップを踏む度、目が離せなくなっていく。 そうして演目が終わり、彼女が振り向けば、ただ黙って手を叩いていた。 (43) 2022/11/24(Thu) 21:14:52 |
【人】 「怪人」 ファントム「お気に召さない事などないさ。 君に、私の歌を聴いてほしかったんだ。 私も、結局のところ君と同じ。 自分の殻を、誰かに破って欲しかったんだ。」 『エリック』が自分の中に残していった最後の一かけらを、吐き出してしまいたかった。 (44) 2022/11/24(Thu) 21:15:15 |
【人】 「怪人」 ファントム「――楽しかったかい? かつての名優が夢に見た大舞台。 君の目指す『美』は、見つけられそうかい?」 かつての『エリック』たちがどのような景色を見たのか。 彼女へと少しでも伝わるといい。 ここには居なくなってしまった彼らの想いが、少しでもあとに続く人たちの手助けになればいい。 その為に、彼女を自らの想い出の中へ連れて来た。 この舞台に立つ高揚と楽しさを、彼女に知って欲しかった。 きっと彼女なら、自分の道を見出してくれるとそう信じたから。 「おいで、リリー。」 手を差し出す。 この世界で伝えなければいけない事は、全て伝えた。 なら、次は現実に還り、向き合うべきなのだから。 この大舞台からの退場を、彼女に促した。* (45) 2022/11/24(Thu) 21:16:35 |
【人】 「怪人」 ファントムもちろん、しっかりとエスコートさせていただくとも。 ――ただし、少しばかり寄り道させてもらうけれど。 [再び、彼女もろともマントの中へと包まれる。 視界が遮られて、大劇場のスポットライトは届かなくなり、真っ暗闇へと包まれる。 そのまま、足もとが消失するような浮遊感と共に、その場を後にするのだった。] (61) 2022/11/24(Thu) 23:05:58 |
【人】 「怪人」 ファントム―バー「passione」― 再び視界が晴れれば、そこは見慣れた小さなバーのステージ。 もっとも、まだ開店までは相当の時間があり、人の気配はないけれど。 「なぜ、私が君を選んだのか。 なんて、気になっているのではないか?」 きっと、彼女が気にしているだろう疑問。 大劇場に連れ出してまで、彼女に舞いを躍らせたのは何故か。 (62) 2022/11/24(Thu) 23:06:19 |
【人】 「怪人」 ファントム「私が、もっと君の舞う姿を観たくなったのさ。 君が、どこまで『美』に近づけるのだろうか、とね。 陳腐な言葉で言うと、ここで君の舞いを見た時『一目惚れ』したというヤツでね。」 そっと、彼女の頬に手を添えて、こちらへと向き直させる。 吸い込まれるような、星を散らせた瞳をまじまじと見つめる。 「『君になら、私も全てを見せても良い』と、そう思えたのさ。」 顔を覆う仮面へと手を伸ばして、そのまま床へと打ちやった。 焼けただれた様にひどく歪み、未だに血が滲み続けている。 「受け入れてくれるかね?」 彼女に拒否される事がなければ、そのまま唇を重ねようとするけれど、果たして。** (63) 2022/11/24(Thu) 23:06:34 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a27) 2022/11/24(Thu) 23:11:35 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a33) 2022/11/25(Fri) 0:07:11 |
【人】 「怪人」 ファントム「はは、逃げ出されたらそれはそれで、仕方ないと諦めるさ。 ――…いや、やっぱり結構ショック受けるかも、うん。」 問われた言葉には、本音が漏れる。 どうにも彼女を相手にすると、要らぬことまで喋っている気がする。 「好きな名前で呼ぶといい。 ファントムでも、怪人でも――君が新しい肩書を用意してくれても。」 そのまま、ゆっくりと口づけを重ねていく。 二度、三度と、誰もいないバーの中に、かすかな粘着質を伴う音が響く。 突然、人がやってくるかもしれない場所で、密かに睦合う。 中々に緊張感の伴うシチュエーションで、高揚が募る。 (67) 2022/11/25(Fri) 6:55:25 |
【人】 「怪人」 ファントム彼女の後頭部に緩やかに手を添えて、口づけを深くし始める。 触れ合うだけだった唇から洩れる音が、少しずつ大きくなる。 もう片方の手が、彼女の腰を抱き寄せる。 互いの身体が密着して、衣服越しに彼女の身体の柔らかさを感じる。 口づけは次第に頬に移り、そこから下って首筋を辿り、胸元へと続いていく。 彼女の後頭部に添えられていた手が、彼女の衣装の結び目へと至って、軽く引っぱってみせる。 「――恥ずかしいかい?」 意地悪な質問をした。 彼女には答えたくないであろう言葉を、あえて問いかけた。 最も、その答えがどんなものであろうと、手を止める気はないけれど。** (68) 2022/11/25(Fri) 6:55:40 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a36) 2022/11/25(Fri) 6:57:35 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a37) 2022/11/25(Fri) 6:58:23 |
【人】 「怪人」 ファントムこちらを見つめる彼女の仕草は、おびえる小動物を思い起こさせる。 このまま強引に事に及んだとして、彼女は抵抗出来ないだろう。 それでもーー… 「大丈夫、全て脱がしてしまったりなどしないよ。 それに、約束する。 『今日は触れるだけ、それ以上はしない。』 今の君を見てると、私も気が引けてしまうしね。」 彼女が、自然と受け入れられるまで待つ事を選んだ。 自身の欲求より、彼女に対する思いが勝った。 ーーだからといって彼女に対する欲求を我慢するほど、堪え性のある性格ではない。 (90) 2022/11/25(Fri) 14:09:36 |
【人】 「怪人」 ファントムふいに、彼女の首元に揺れるリボンを解くと、彼女の両手首を結えてしまう。 簡単な結び目なので、彼女が本気で抵抗すればわけも無く解けてしまうだろうが、その余裕を彼女に与えない。 続いて、彼女の片足を膝から抱き上げるようにして腕をまわす。 そのまま、腰を抱き留めて自身に密着させる。 ーー両手を結えられて、片足を高く上げた状態。 バランスも悪く、自分に寄りかかる他ないだろう。 更に、スカートの下に隠れていた場所は、すっかり曝け出されてしまっている。 果たして、そこはどんな様子だったろうか。 (91) 2022/11/25(Fri) 14:10:29 |
【人】 「怪人」 ファントムそうして、腰に回した手が衣装の結び目を緩めてしまう。 彼女の上半身に纏った衣装がはだけて、その下を隠す事が叶わなくなる。 ーー確かに全て脱がせてはいない、約束は守っている。 「綺麗だよ、君は。」 すっかり露わにされた彼女の姿を見て、一言添えた。** (92) 2022/11/25(Fri) 14:11:02 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a51) 2022/11/25(Fri) 14:13:08 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a53) 2022/11/25(Fri) 18:17:17 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a55) 2022/11/25(Fri) 19:55:36 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a57) 2022/11/25(Fri) 20:21:04 |
「怪人」 ファントムは、メモを貼った。 (a63) 2022/11/25(Fri) 21:38:58 |
【人】 「怪人」 ファントム次に彼女が目を開ければ、そこは夕暮れ時の居住区。 フェスを終えた人たちが、明日に向けて家路へと向かう。 そこに、仮面の男の姿は無かったろう。** (105) 2022/11/26(Sat) 1:05:42 |
(a74) 2022/11/26(Sat) 1:08:27 |
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