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【人】 凍剣士 スピカ[それから――。 飽くことなく、女の身体を抱き続ける。 胸の痛みをごまかすように。 駆けのぼる下腹の熱を堪えることなく、女の胎に注ぎ込む。 その度、身体には精気がみなぎり、代わりにギリギリで踏みとど待っていた心が褪せていく。 後孔に伸ばした指は、行為を続けるうちに二本、三本と女の中へ潜り込んでいき。 両手それぞれ二本ずつ、計四本で中を搔き乱し、時折割り開いて空気に晒した。] (18) 2021/05/08(Sat) 10:42:20 |
【人】 凍剣士 スピカ[女の胎が膨らんで、それでもなお注ぎ込み続ける。 女を貪って、そして女に溺れている。 そんな折、男にも変化があった。 全身を貫く絶頂。 本来であれば耐え難い程の、それに、けれど女を犯すことは止めず、どころかより激しさを増していた。 そうして、変化が収まった頃には―― 胸の痛みと、涙はもう止まっていた。] (19) 2021/05/08(Sat) 10:42:41 |
【人】 凍剣士 スピカ[心に残っていたのは、ただひたすらの本能だった。 かつて、かけがえのないものを自分で壊してしまう、得も言われぬ快感。 『もっと、この女の全てを味わい尽くしたい。』 おもむろ、腰を引く。 散々に蹂躙した女の秘所から穂先を抜き去って、そうして次に穂先が添えられたのは、丹念に解された女の後孔。 指でしっかり割り開いて、先端が触れる。 それから、大きく腰を押し込んだ。 ただでさえ、女の子宮に届いてしまうほどの穂先を、更に狭いところへ押し進める。 一息に飲み込めないようなら、腰を揺すりながら、奥へ奥へと穿っていく。] (20) 2021/05/08(Sat) 10:43:09 |
【人】 凍剣士 スピカ[――あぁ、きっと自分は壊れてしまった。 そう、直感的に理解した。 でなければ、これほどの行為を躊躇いなくできるはずがないから。] (21) 2021/05/08(Sat) 10:43:26 |
【人】 凍剣士 スピカ[それからの事は、語るまでもないだろう。 何度となく、女の後孔を穿った。 行き止まりに突き当たっても、なお余る穂先を打ち込んで、女の腹に飲み込ませる。 子を成す力を失った白濁を吐き出す、前の孔に注いだ分だけ、女に搾り取られる。 再び、女の子宮へと打ち込む。 体位を変えて、前から後ろから。 時には道具を使い、トラップも利用した。 縄で女の自由を奪い、後ろから犯した。 おぞましい行為だった。 女を貪り、女に溺れていた。 互いに、この行為に飽きるまで、延々と二匹の淫魔は互いを犯していたことだろう。*] (22) 2021/05/08(Sat) 10:43:33 |
【人】 凍剣士 スピカ―三年後 ある日― [ダンジョン内部、片手に持った魔石を弄びながら、一人の青年が人を待っている。 魔石――マギカメラには、新たな依頼や凶悪なモンスター出現の情報が映し出されている。 あれほど好きだったスイーツ特集やら、料理番組やらといったゴシップとは、この身体になってから縁がない。 ―――人間だった青年が死んで、新たな命を得てしばらく経つ。 加齢による容姿の変化はないが、変わった部分もいくつかある。 まず第一は、刀のほかにショートサーベルを腰に持ち歩くようになった。 かつて、自分が殺し、自分を殺した淫魔が得意とした短剣術と、自分の友であった人間が振るった剣術を、見様見真似で習得し、使いこなすようになっていた。 もう一つ。 あれから青年はギルドに近寄ることは無くなっていた。 下手をすれば、自分が討伐対象になりかねないことはわかっているし、女に手を出そうにもすぐ足がついてしまう。 けれど、教会への仕送りは続けていた。 今は、その為に一仕事終えて待ち人の最中だ。] (75) 2021/05/09(Sun) 21:21:32 |
【人】 凍剣士 スピカ[―――やがて、とある人影が姿を現す。 待っていたのは、“淫楽の夜魔王”と呼ばれる男。 スラムを支配し、国内にまで名を轟かす、おそらく同種の中でも、最も権力を手にした淫魔。 けれど、そんな男に一瞥も、声すらかける事なく、懐から袋を投げ渡す。 男が確認すれば、中には太く、鋭い牙が入っているのがわかるだろう。 ――『ヨルムンガンドの毒牙』。 世界を呑むとさえ言われる、蛇型のモンスターの中では最大種のもの。 男の前に手を差し出す。 「報酬をよこせ」と、言外に告げていた。 この男とつるむ様になったのも、人ならざる者として新生してからだ。 日の元に出れない身の上には、なんとも都合がいい。 代わりに、男が他所に依頼できないような希少品や、難しい案件は率先して自分がこなす。 ――仲間意識などない、完全なギブアンドテイク。 そうして、報酬を受け取ればさっさとその場を後にする。 余計な関係は必要ない、その方が都合がいいから。] (76) 2021/05/09(Sun) 21:22:19 |
【人】 凍剣士 スピカ―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※― [男から報酬を受け取った後、とある人物の家を訪ねる。 ――全身白い装束に身を包んだ、高位の魔女。 何度かドアをノックし、相手の出方を待つ。 彼女とは、自分の治療を依頼した事から、こうして頻繁に会う様になった。 『自分を人間に戻してほしい。依頼料はそちらの欲しい物でいい。』 ―――もし、魔女が望んだことがあるなら、淫魔である自分の血や、高位の魔物の素材、性交渉も行ったことがあったか。 自分に用意できる物は、一通り差し出した。 全ては、またもう一度自分が守りたくて、守れなかった人に会う為。 テンガンと、イル。 テンガンとは、ダンジョンを出てから会っていない。 見つけることはできなかった。 イルとは、どうであったろう。 彼女が望めば、自分と会うことは容易だろうが…。] (77) 2021/05/09(Sun) 21:23:08 |
【人】 凍剣士 スピカクリスタ、またよろしく頼む。 [魔女が姿を現せば、そっけなくそれだけを告げて、魔女に案内されるに従おう。 自分は、なんとしても人間に戻らなければならないのだから――…それが何故かは忘れてしまっても、そうしなければならないと、心の奥が絶えず訴えかけてくるのだから。*] (78) 2021/05/09(Sun) 21:23:17 |
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