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【人】 瑞野 那岐[扉が開かれる音に顔を上げて、 今夜ばかりは、いつもと違う挨拶を告げる。] メリークリスマス。 ようこそ、Madam March Hareへ。 [飲食業界はこの時期、どこも人で溢れ返る。 それはこの店も例外ではない。 いつもなら少し空きがある席も今日はテーブル席も カウンターも予約で埋まっていた。] (7) 2023/12/21(Thu) 22:53:45 |
【人】 瑞野 那岐メリークリスマス、高野さん。 お待ちしておりました。 [店内でしか使わない呼び名で出迎えて、 『Reserved』と書かれいた札を提げて彼を導いた。] (9) 2023/12/21(Thu) 22:54:28 |
【人】 瑞野 那岐[葉月さんと同じような労いにくすりと笑う。 飲食業に取って忙しいことは喜ばしいことだ。 ましてや、大切な時間を過ごしたいという気持ちで 選ばれた店なのならば。] 今晩はある程度、 同じようなメニューを選ばれる方が多いんです。 ですから、グリルチキンも多めに用意してありますよ。 [クリスマスの定番メニューはやはり人気のようだ。 料理のオーダーとドリンクを承ったなら、 ドリンクはグラスを取り扱い慣れている大咲や 沙弥さんの手を借りながら、 厨房の大型の冷蔵庫へ向かう。 ジングルベルのBGMに混ざる会話は>>4、 さすがに厨房の奥に下がれば聞こえるはずもなく。*] (10) 2023/12/21(Thu) 22:55:12 |
【人】 瑞野 那岐[クリスマスにローストチキンを食べるようになった由来は 当時、飢えに困窮していた移民たちに先住民が 現地の七面鳥をプレゼントしたことから始まったとか。 その出来事を感謝し、 七面鳥がごちそうとして振る舞われるようになり以降、 神の日であるクリスマスに食べる習慣がついたのだけど その事実を知らずに食べている人がほとんどだろう。 だが、そうして広まったローストチキンは この国でもクリスマスの定番となり、 我が店でもオープン前から出番を待つように 下味を付けているチキンが用意されている。] (15) 2023/12/22(Fri) 21:19:35 |
【人】 瑞野 那岐[付け合せのじゃがいもはあえて皮付きのまま乱切りにして オリーブオイルを絡ませながら焼き色をつけていく。 メインのもも肉は切れ目を入れ、 酒としょうゆ、みりんで作った下味をたっぷりと漬け込ませ 味が染み込むように揉み込んでおいたものを使う。 何度も出番を任されているグリルにはオリーブオイルを。 汁気を切ってから皮にしっかりと焼き色がつくように 上側にのせて更に全体にもオリーブオイルを塗りつける。 オーブンが仕事をするのを待つ間、 杏がこの日の為に選んだワインとシャンパンを運ぶ。 ロゼ マジュールというシャンパンは繊細なサーモンピンク。] ラズベリーやカシス、それと ほんのりといちごの香りもしますよ。 [そう解説を添えれば、誘いの声が掛かる。>>13] (16) 2023/12/22(Fri) 21:19:58 |
【人】 瑞野 那岐[酒にあまり強い訳ではない。 そのことは互いのマンションを行き来している 間柄である彼ならば知っていることだろう。 けれど今日は機嫌がいいのか。 隣の葉月さんも芳醇なワイングラスから 香りを広げ歓迎している。 ──きっと、特別なら夜だから。] ……口を湿らせる程度で良ければ。 [その時間を共有できるのなら、悪くはない。 そういって彼が飲んでいるシャンパンと同じものを 少しだけグラスに注ぎ、手に持ち合わせた。] (17) 2023/12/22(Fri) 21:20:13 |
【人】 瑞野 那岐[掲げたグラスに少しだけ近づけ、音を鳴らす。 先程口にした言葉を彼も口にする。 彼の視線が他に向けばグラスを置いて グリルに戻りちょうど焼き上がったチキンを オーブンから出す。良い焼き上がりだ。 茹でたブロッコリーと先程焼いたじゃがいもを添えて じゃがいもにはブラックペッパーを ブロッコリーの裾にはチキンの下味と同じソースを散らせて。] (18) 2023/12/22(Fri) 21:20:30 |
【人】 瑞野 那岐[声のトーンを落とした返事には苦く笑う。 いつ雪が降り出すかも分からない夜に さすがに年末に大仕事を抱えている人を 待たせるわけにはいかない。 タイミングを見計らって店長には伝えよう。 料理の感想に思わず表情が綻ぶ。 見た目も派手なローストチキンに 齧りつくさまに珍しくワイルドさを感じれば くすくすと思わず肩を揺らして。] やっぱり、そう食べますよね。 [子供の頃ならば夢のような食べ方だった。 その心さえ持っていれば、大人になっても その感覚は残っているのかもしれない。] (24) 2023/12/23(Sat) 20:58:36 |
【人】 瑞野 那岐[料理の合間にメインディッシュに負けない ような華やかな会話をと思うけれど、 口下手な自身にはそれは難しい。 代わりに賑わうカウンターの会話に 相槌を打つことで聞き役に代わり、 料理の合間に少しずつ。 サーモンピンクのシャンパンのグラスを減らしていった。*] (25) 2023/12/23(Sat) 20:58:49 |
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