【人】 封じ手 鬼一 百継単に彼らより年齢が低いというだけの意味ではない。 儂は、儂に仕えてくれる彼らの誰よりも、"足りない"。 重ねた経験も、身体の大きさも、心の強さも、立ち回る知恵も、それはもう、数え上げればきりがない程。 だからと言って指を咥え、おずおずと周囲を見上げるか? 否。儂は鬼一家当主。 ……で、あろうと日々背筋を伸ばしておるのだが。 京職という堅物のわりにやけに咄上手な一葉の紡ぐ垂れ桜の物語に、つい「見たい」とねだるように口走ってしまった。 取り繕う暇もなく、あれよあれよといつの間に、一葉と共に桜見物に出向くことになった。 かように佳きこともあるまいが、傍からは、長身の京職が童をあやすように見えてはおらんか? その一点のみが気にかかる。 いいや、気にすることこそ幼さか。 純粋に、彼のくれた機会を、春の美を歓ぼう。 雑念を振り払って顔をあげれば、視界一杯に夢のような薄紅色の嵐があった。 言葉を失って立ち尽くしていると…… (11) TSO 2021/04/20(Tue) 23:59:40 |
【人】 封じ手 鬼一 百継――来年も、再来年も 大人の男の、低い……しかし、耳に心地良い優し気な声が。一葉の声が、そう言った。 ――私がお守り致しますゆえ (約束できるのか、お主に) 儂は、咄嗟にこう言ってしまうところだった。 (居なくなるんだ。どんなに強くても、どんなに大切でも。 明日を確約できる人間など存在しない。 信じていても、人は、突然いなくなる。 両親や、姉のように) 足もとから頭まで、痺れを残しながら一瞬で駆け抜ける毒。 一葉の言葉に偽りがないと感じ、一葉が寄せてくれる心を愛しく感じたからこそ、反射でこみあげる、どうしようもない恐怖。 誰だって永遠にいなくなることがあるのだ。それは事実だ。ほら、一葉も。 (12) TSO 2021/04/21(Wed) 0:04:49 |
【人】 封じ手 鬼一 百継ざあっ! 「……ぁ」 突如、強い風が桜の枝を揺らした。 血の気が引いた体は、もう一度春のぬくもりで包まれた。 ぼうっとしていたのは一瞬だった。 一葉に気取られなければ良いのだが。 「ありがとう」 今度は、心から微笑むことができたように思う。 「儂はまこと果報者じゃ。 この都が美しいのは、そこに住み生きるお主たちが美しいからであろ? 一葉、儂にはもったいない言葉だが、確かに預かった」 木菓子、の提案に心が躍る。 しかし、次の言葉は、終ぞ言うことはできなかった。 ――また来年も、一緒に見ると約束しよう。 感情:尊敬(+)取得[**] (13) TSO 2021/04/21(Wed) 0:07:05 |
封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。 (a5) TSO 2021/04/21(Wed) 0:11:38 |
【人】 封じ手 鬼一 百継■ドラマシーンA 感情取得 ■相手:氐宿 ■場 所:A大通り 成否判定:(1)(2)2d6 感情:3) 保護/支配欲vil (14) TSO 2021/04/21(Wed) 0:29:43 |
鬼一 百継は、……ほら。 (a6) TSO 2021/04/21(Wed) 0:29:52 |
鬼一 百継は、[やれやれ、と息をついた] (a8) TSO 2021/04/21(Wed) 0:31:17 |
【人】 封じ手 鬼一 百継>>14 氐宿 感情取得:保護/支配欲 === 鬼一 百継が讃岐 氐宿を半ば強引に召し抱えたのは、その陰陽師の持つ強い力……ではなく、その人となりに興味を持ったからだった。 陰陽師。 陰陽五行のことわりに基づき、様々な術を行う者。 その得意分野は各々異なり、占術、祈祷、果ては呪術に通じる者もいるらしい。 常人にはない力を持つという意味では百継も並べられがちだが、百継には陰陽道の知識はない。 百継が持つのは、ただ、この地のあやかしの封印に特化された力である。 この世では、多くのことが陰陽師の占いにより決められる。 その日向かってはいけない方角、避けるべき色、果ては食べ物、湯浴みの日付まで。 三千世界の理に触れ読み解く陰陽師への信頼、かくあるべし。 しかし、陰陽師は通常、その力の影響力や秘匿性から、黙して語らぬ者が多い。 だから、初めてなのだ。 氐宿のように常にはんなりと柔らかい態度で、周囲と協調することを厭わぬ陰陽師は。 (15) TSO 2021/04/21(Wed) 1:29:58 |
【人】 封じ手 鬼一 百継--- 「のう、氐宿や」 百継邸の裏庭。 ここには、百鬼夜行封印のかなめとなる、その名も"かなめ石"が据えられている。 そこにひとり佇む氐宿を見て、百継は一瞬躊躇った後、声をかけた。 振り向いた氐宿はやはり人好きのする微笑みで、百継は内心安堵の息をついた。 彼でなくとも誰かの一人の時間の邪魔はしたくないものだ。 用命かと問われて、百継はまた困った。 その実は、ただ氐宿と話がしてみたかっただけなのだ。 彼の持つ能力への興味は尽きないが、それよりも百継は、氐宿という男が知りたかった。 陰陽道に触れるとは、常人には見えないものを見るとはどういう気分であるのか。 生家は。経歴は。その微笑みの成り立ちは。 しかしすべて、この場で突然質すにはあまりに無粋な問いである。 少し考えて、百継はこう言った。 「氐宿、儂を占ってはくれぬだろうか。 何でも良い。 未来でも、過去でも、気性でも、才でも、為すべきことでも。 お主から見て、儂はどのように見えておるかのう?」 まずは、ここから。 彼の目線を借りて、彼に到達する道を探して行こう。 [*] (16) TSO 2021/04/21(Wed) 1:31:47 |
【人】 封じ手 鬼一 百継百継は馬を駆って、あやかしが出没したという現場にかけつけた。 そこにいたのは、過去に見たことはおろか、どの絵巻にも記載のない異形のあやかしだった。 身の丈は人間の子供程しか無い。 全身鈍い銀色で、痩せた身体の上に異様に大きい頭が乗っている。 両目もまたぎょろぎょろと大きく、薄く発光している。 寄せられた情報によると、そのあやかしは、円盤型の浮遊物体から現れ、牛に次々と穴をあけて回っているという。 このままでは人間が キャトルミューティレーション 穴をあけられるのも時間の問題だ。「 鬼 一流……」封じ手として日々研鑽する百継は、その場に応じた封印術を幾つも身に着けている。 その一つが、これだ。 (42) TSO 2021/04/21(Wed) 16:01:34 |
【人】 封じ手 鬼一 百継「投 石 !!」ゴッ。 百継は、足元にあったゴツめの石を グレイ 異形のあやかしに向かって投げまくり、相手が怯んだと見ると大きめの岩に持ち替え、ガンガン殴りに行った。百継の経験は語る。 あやかし、結構物理効く。 しばらく岩を振り回していると、あやかしは 「∬ΠδεЖЙсэш!!💢 💢 」 みたいなことをわめいて未確認飛行物体に逃げ込み、帰って行った。かの姿が完全に見えなくなったのを確認し、百継は独りごちる。 「儂の体に流れる鬼一の血が尽きん限り、あやかしにこの都を穢させはせん……!」 百継は、大暴れによるストレス発散でだいぶすっきりツヤッツヤ、という顔をしていた。 [〆] (43) TSO 2021/04/21(Wed) 16:03:56 |
(a34) TSO 2021/04/21(Wed) 18:29:08 |
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