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【人】 雛巫女 サクヤ「恨んではいません。 雛として愛でられるのも嫌いではありません。」 最初は嫌だった。彼に抱かれることすらも。 でも。 丁寧に快楽を紡がれて。 羞恥も嫌悪も塗り替えられて。 そうすると心が身体に順応してきた。 こんなに気持ち良いのは。 きっとこの人のことが好きだからだ。 こんなに気持ちよくしてくれるのも。 きっとこの人が私のことを。 そんな風に心を守った二日間。 それが。 あっという間に崩された。壊された。 あの時に嫌だと拒絶できたなら。 別の神様に満たされた時。 快楽を覚えずにいられたなら。 なにか。違っていたのだろうか。 (1) 2022/03/22(Tue) 7:11:29 |
【人】 雛巫女 サクヤ「…私は、ひとですから。 体ばかりでなく、心も満たされなければ いずれ壊れてしまうと思うんです。」 彼と目は合わせない。 傍に置いた湯呑みの中に残る茶をぼんやりと見る。 「私は。ただ一人の方に抱きしめられたい。 一人の方に尽くして、一人の方に愛されたい。 皆に愛でられるのではなく。 愛されたことを夢として忘れるのではなく。 幸せは。生きて行こうと思えばどこにでも如何様にも。 だから。 私が人の世に生きにくくなくても。 幸せに生きていけても。それでも。 …ともにありたい。ともに生きたい。 共に幸せになろうという方と共に在りたいです。」 だから行くな。そう、言ってくれるような人。 だから残るな。そう、言ってくれるような人。 でも。 そんな人はいないから、一人で生きていかなくては。 それならば人間の領分を守ろう。 いつか幸せになるために。 (2) 2022/03/22(Tue) 7:11:47 |
【人】 雛巫女 サクヤ「幸せを祈ってくださいますか?」 貴方がその手で奪い、縫い止めようと思えないのなら。 せめて、幸せを祈ってほしい。 やっと、私は彼の方を見て。 泣きそうな顔で、笑った。** (3) 2022/03/22(Tue) 7:12:13 |
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