ナフは、パイが食べたかった。 (c28) 2021/07/07(Wed) 22:41:59 |
ナフは、拍手と喝采に怯えている。 (c29) 2021/07/07(Wed) 22:45:45 |
ナフは、それが何かもわからないのに「嫌だ」と繰り返している。 (c30) 2021/07/07(Wed) 23:40:54 |
ナフは、吐き気が込み上げてきて、口元を手で覆った。 (c32) 2021/07/08(Thu) 2:52:54 |
【墓】 悪い子 ナフ身を隠すものすべてが取り払われる。その端正な顔を隠す仮面を除いて。 少年は、台を見上げた。 罪人を磔にする十字架。 自分には似合わないはずなのに。 だって。何もしていない。 「投票された…チップの、数…?」 何を言っているのかわからなくて。 頭の回っていない様子で、少年は今この場における王に問いを返す。 耳を塞ぎたくなるような、大合唱が更なる恐怖を煽って。 その返答すらもろくに頭に入っては来ないかもしれないのだけれど。 (+12) 2021/07/08(Thu) 9:53:30 |
【墓】 悪い子 ナフ少年は、酷く震えている。 横たわっている器具にも、女の声にも、置かれた状況そのものにも、恐怖を感じて。 「お、おれ の 命」 考えろ。考えろ。考えろ。 家族には、好かれていたと思う。 友達は、多くはなかったけれど。 踊り手は、家族が教えてくれた舞いを広めたくて。 殺しは、小さな弟妹を育てる母親を助けたくて。 ―――選択肢がなかったとはいえ、身を犠牲にして、貢献してきたはずだ。 あの人以外の、 誰にも褒められなくても―――「痛いのは、嫌だ……」 200万ドルの価値は、ないだろう。 けれど、4.65セントでは家族を助けられない。 それならば――――答えは。 少年は、青い顔のまま 『5000ドル』のペダル に、足を、入れた。電流を警戒して、奥歯に力を入れている。 (+13) 2021/07/08(Thu) 10:47:08 |
ナフは、許されることを望んでいる。 (c36) 2021/07/08(Thu) 10:47:39 |
ナフは、助けてほしいと思っている。 (c37) 2021/07/08(Thu) 10:47:55 |
【墓】 悪い子 ナフ電流は大した痛みではなかった。 ほっと息をついて―――― 「………ぇ」 何が起こったのか、分からなかった。 凄まじい音がして、何かが刺さるような鋭い痛み。 皮が剥がされ血が噴き出すのを、腕がズタズタにされていくのを、呆然と見て。 一度機械が止まって――― 「あ ああああぁあああっ!!痛い、いたい…っ!!! なんで、腕 おれ おれ、まちがって…っ!!」 初めてあった頃の落ち着いた雰囲気はもはやなく、喉を潰すのではないかと思わせるほどの声を上げて、涙をぼろぼろと零している。 痛みに慣れていないのは本当で。 痛い事をされないように、機嫌を損ねないように必死で生きてきたのだ。 少年は、舞いをしなやかに見せるための腕を失った。 それでもまだ、この遊戯は終わらない。 早くこの痛みから解放されたくて。少年は、足を引き抜いて、『4.65セント』のペダルを踏んだ。 自分の価値なんてどうだっていい。早く解放されたい。 (+14) 2021/07/08(Thu) 12:12:32 |
ナフは、骨に刃が当たって、痛みと恐怖で泣きじゃくっている。 (c44) 2021/07/08(Thu) 12:28:23 |
ナフは、幼い頃から母親によって丁寧に手入れされてきた左腕を失った。 (c46) 2021/07/08(Thu) 12:36:13 |
【墓】 悪い子 ナフ少年は再び与えられた痛みに、劈くような悲鳴をあげる。 意識を失うこともできず、頭は朦朧とし 視界は霞んで赤色しか写さない。 暗殺のためにナイフを振るった右腕も失い、肩につながる骨すらなくして、 少年は元々抱えていた望みも捨てたかのようにただ 「死にたい」 と思った。自分に価値なんてない。だから、早く 早く楽にしてほしい。 嗚咽だけが、響く。 (+15) 2021/07/08(Thu) 12:54:34 |
【墓】 悪い子 ナフまだ、意識を失うことを許されない。 体を動かされるたびに激痛が走る。 視界の霞みと、意識だけは開けてきた。 いっそ殺してくれたなら。 金だけを家族に寄越して、放っておいてくれたなら、良かったのに。 それが叶う場所でないと、気づいているけれど。 「……ぜんざ」 掠れた声が、漏れる。 これ以上のことが、あるのかと。 涙が、溢れる。助けてと、言いたかった。 (+17) 2021/07/08(Thu) 17:23:58 |
ナフは、幼い弟妹が満足に暮らせていけるように、ナイフ捌きの技術を磨いた右腕を失った。 (c95) 2021/07/08(Thu) 19:37:31 |
【墓】 悪い子 ナフ「っ、……ふ…」 脂汗が滲む。 未だかつて、入院すらしたことのない少年は どの器具が何の役目を担っているのかも分からない。 ただ、されるがままに。痛みを堪えていた。 血とは別に、透明な薬が追加されたのをぼんやりと見ていると 背中に何かが刺される感覚と、遅れて。 以前堕とされた時の、玩具による刺激とは比べ物にならないほどの――― 快楽 「あ、ああ―――!?い、っ、が……!」 剥がされる、打ち付けられる。 そのたびに、仮面の下の目が見開かれて、歯を食いしばる。口の端からは、唾液がこぼれて 下半身は意思と関係なく硬く勃起して体と台に挟まれながらも 何度も白濁を吐き出しては、また硬くなって少年の体力を奪う。 悲鳴とも喘ぎともつかない声が口から零れていく。 ―――ふと、体が持ち上がる。背中の皮膚が引っ張られるような痛みと、全身に響くように広がる快感に、頭にまた思考に靄がかかる。 恍惚とした表情を浮かべた、羽を生やした少年は、血の匂いの中で 地上に立つ従業員達をぼんやりと見下ろしている。 (+19) 2021/07/08(Thu) 22:10:14 |
悪い子 ナフは、メモを貼った。 (c132) 2021/07/08(Thu) 22:54:43 |
【墓】 愛される"天使" ナフ担架へ横たえられた少年は、意識がもうあるのかないのかわからないような状態だ。 ただ、送金するという言葉を聞いて。ほんの少しだけ、口元に笑みを浮かべた。 本当に、意味が分かっていたのか定かではないけれど。 哀れな少年は、愛される天使となって この船で生きていくことになる。 少年の願いは、もう叶わない。 (+20) 2021/07/08(Thu) 23:22:34 |
ナフは、"従業員"になった。 (c133) 2021/07/08(Thu) 23:22:58 |
ナフは、意識が落ちるまでの間に、色んな人のことを考えた。 (c134) 2021/07/08(Thu) 23:23:31 |
ナフは、頑張ったから、褒めてくれるだろうか。 (c135) 2021/07/08(Thu) 23:24:42 |
ナフは、話をして、また特製パイをたべられるだろうか。 (c136) 2021/07/08(Thu) 23:26:07 |
ナフは、踊りを────踊りを?また、見てもらえるだろうか。 (c137) 2021/07/08(Thu) 23:26:52 |
ナフは、また、励ましてもらえるだろうか。 (c138) 2021/07/08(Thu) 23:28:19 |
ナフは、それから、色々な事を考えながら。意識は闇の中に沈んでいった。 (c139) 2021/07/08(Thu) 23:28:51 |
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