【人】 卯月 侑紗 ー 中庭 ー あれ、誰とも会えなかったんですか? [そう聞き返してしまうのは>>5 彼がてっきり今夜のお相手に巡り会えなかったと 勘違いしてのことでした。 もう既におふたりの女性と 閨を共にされていると知れば、 私はこの爽やかスマイル夜行性人間の方に 目を剥いてしまうでしょう。 あんなの、日に何度もやったら きっと駄目になってしまう。 表皮だけじゃなくて、内臓の中まで みっちり隙間なく相手を埋め込んで 他人と何時間も混ざり合うのなんて。 最初は、浅瀬で波に爪先を洗わせるような やんわりした快楽だったはずなのに、 いつしか、もう小娘ひとりで抗いきれない 大きな波に飲まれてしまって───── あれを日に何度も繰り返してしまったら きっと、本当に死んでしまう。] (6) 2020/08/14(Fri) 7:15:02 |
【人】 卯月 侑紗わたしは─────、 [悩みはあるのか?と聞き返されて 私は少し唇を噛むでしょう。 今起きてしまったのは、悩みというより。] 恥ずかしながら、つい先程 女にしていただいたばかりだったので…… あまりの出来事に、胸がいっぱいで くるしくなってしまった、というか……。 [快楽で頭から爪先まで 染まってしまった身体は 寝付こうにも熾火を宿したかのように ちらちらと熱をぶり返させてしまう。] (7) 2020/08/14(Fri) 7:15:30 |
【人】 卯月 侑紗全身くったくたで、眠いんですけどね! どうやって寝たらいいかなーって。 [そう、明るく笑って〆ましょう。 傍目には「ムラムラする」の六文字で 済んだ話かもしれませんけれど…… まだその辺の言葉と、自分の体、結び付きが 出来ていないので、許してください。]* (8) 2020/08/14(Fri) 7:16:20 |
【人】 卯月 侑紗 ー 中庭 ー [処女を捨てたのか、と聞かれたら きっと私は否定するでしょうね。 あれは、捧げたつもりです。 先輩に好きになってもらえる可能性と引き換えに。 そして、問い掛けにも>>10 ただ口元に笑みをたたえてみせるだけ。 べらべらと語って聞かせるものでなく 私の心に秘めておきましょう。] 子守唄でも、歌ってくださるんです? [差し出された手にすぐには応えられず 私はじっとその手のひらを見つめました。 大きい手。 私のとは全然形も大きさも違う。 その大きな殿方の手がもたらす情欲の味を 私はもう知ってしまいました。 また身を投じるのは、本当に壊れそうで、怖い。] (12) 2020/08/14(Fri) 13:47:33 |
【人】 卯月 侑紗[でも、結局迷いに迷って、 私はその手を取ってしまうのでしょう。 引き寄せられて、名前も知らない方のお膝の上に ぽすん、と載せられて 私はびっくりして彼の目を見上げました。] ……っと! [乱暴な行為への批難を申し上げようと 口を開いた……つもりだったのですが。 自分よりも遥かに大きく逞しい身体に すっぽり包まれたなら、 もうどうでもよくなってしまって。] (13) 2020/08/14(Fri) 13:47:54 |
【人】 卯月 侑紗ひどいなぁ……やっと初めてを 卒業したての女の子に。 [幾分冗談めかした口調で、 知らない男性の胸元に額を寄せて、笑う。 この人は、何を教えてくれる おつもりなのでしょう、と。]* (14) 2020/08/14(Fri) 13:48:22 |
【人】 卯月 侑紗 ー 中庭 ー [浴衣の背中を叩く手に揺られながら 私は子ども扱いされたことに頬を膨らましました。] うええ……! 人肌に温もって寝ちゃったら 私もうただの赤ちゃんじゃないですか! [悔しい。実に悔しい。 夜泣きして差し上げましょうか。 けれど、額を寄せた胸元から響く穏やかな鼓動に ちょっと落ち着いてしまったのも事実で。 叩いた背中にホックの凹凸が無いこととか、 裾が乱れて、情交の痕跡の残る白い脹ら脛が 顔を覗かせてしまっているのとか、 そんなちゃちな色気なんか通じないのでしょう。] (18) 2020/08/14(Fri) 18:40:58 |
【人】 卯月 侑紗 ー 中庭 ー [まつ毛の絡み合うような距離で見つめ合う意味を 私はなんとなく理解して、 自ら、殿方の唇へと唇を重ねました。] ……全て、あなたのご随意に。 [積み重ねれば届くかも、なんて 甘い幻想かもしれない。 本当は、幾ら身を砕こうと 手に入らないものかもしれない。 それでも、私は、ほんの少しの可能性にも 懸けたい、と思ってしまうのです。] (51) 2020/08/14(Fri) 22:18:47 |
【人】 卯月 侑紗でも、ここじゃ嫌です。 [他の誰かの目に触れる場所で、なんて 流石にハードルが高いでしょう。 私は目の前の雄々しい身体に縋って 耳殻を唇で食みながら 「もっと、ふたりになれるところがいい」 なんて、誘ってみようとしたでしょう。 もっとも、彼が応じてくださるかは 分かりませんが。] (52) 2020/08/14(Fri) 22:19:24 |
卯月 侑紗は、メモを貼った。 (a16) 2020/08/14(Fri) 22:23:01 |
【人】 卯月 侑紗 ー 中庭 ー [重ねた唇が捕らえられ、 深く舌まで絡ませられると 少しずつ、身体に熱が灯っていく。 でも、まだまだ。 私はもっとその先を知ってしまいましたので 彼が解放してくれるまで そっと舌先を擦り合わせていたでしょう。] 後悔させてくださるんでしょう? [全部、と言ったことを後悔するくらい どうせなら派手に溺れてみたいじゃないですか。 指先で彼の鎖骨の窪みをなぞって じっとフレームの奥にある瞳を見つめて。] 侑紗。 [そう、名前を告げました。] (104) 2020/08/15(Sat) 10:27:48 |
【人】 卯月 侑紗[黎哉さん、とお名前を伺って 私はこくりと頷きました。] 黎哉さん、とお呼びしたらよろしいですか? それとも……先生? [くすくす、喉を鳴らして笑って。 そういう遊びがあるのは知っていたので ちょっとこの大人の男性を からかってみたかったのです。] はい、向日葵、ですけど…… ちょっと散らかってますよ? [さっきまで寝てましたし。 その上、替えの下着が足りなくなって 洗って部屋に干している状態ですし。 それでもいいなら向日葵の間へ それじゃダメと仰るのなら黎哉さんのお部屋に お邪魔させて頂こうかな、と。]* (105) 2020/08/15(Sat) 10:28:09 |
卯月 侑紗は、メモを貼った。 (a21) 2020/08/15(Sat) 10:29:24 |
卯月 侑紗は、メモを貼った。 (a36) 2020/08/16(Sun) 13:39:10 |
【人】 卯月 侑紗 ー わたしと、先輩・承 ー [先輩に言われた事を、 ちゃんと実行するようになってから 私の人生は少しずつ明るいものに 変わっていったように思います。 ちゃんと思ったことを、口に出してみれば 人と話す機会が増えてお友達も増えました。 笑うようになって、 お客さんにも「かわいい」と 言われるようになりました。 明るく振舞って、ニコニコ笑って 自分、というものを表に出していって…… 変わっていけば、周りの人だけじゃなく 先輩本人にも褒めてもらえるので 私、とても頑張ったんです。] (192) 2020/08/16(Sun) 13:46:11 |
【人】 卯月 侑紗[バイト先の喫茶店は 相変わらず人手が足りなくて 毎日忙しく、皆と過ごしています。 パート主婦のマキさんに、 フリーターのシュンさん。 それから、私と、先輩と…… 新しく入ってきた、新人の店長さん。 あれから、先輩とシュンさんが頑張って 録音したり、記録を取ったり…… 喫茶店の本部に「バイトへのパワハラ行為」を 訴え出て、あの店長さんは ある日突然姿を消してしまいました。] 「皆でまたこのお店、盛り上げていこうよ」 [事の事情を説明した後 先輩は笑ってそう言いました。] (193) 2020/08/16(Sun) 13:46:44 |
【人】 卯月 侑紗[先輩はいつもそう。 皆で楽しく働くこの場所を守るために 怖い店長さんに一人で立ち向かっていって こうして、功労者になっても 「皆のためだから」って笑ってる。 私は本当に先輩が好きで、 どうしても、その「皆」の中から 一歩進んで、彼のものになりたい、と 真剣に思うようになりました。 だから、言われるがまま 少しずつ自分を変えていって 先輩の思う可愛い「卯月 侑紗」になろうと 日々努力と鍛錬を重ねていました。] (194) 2020/08/16(Sun) 13:47:08 |
【人】 卯月 侑紗[なのに、ある日のこと。 私が遅番で出勤した時に 早番組だったシュンさんと先輩が 遅めの賄いを食べながら 大きな声で笑って話しているのを 私は偶然聞いてしまったのです。] (195) 2020/08/16(Sun) 13:47:27 |
【人】 卯月 侑紗「つか、全然お前彼女とかいないけどさ…… 俺狙いとかじゃないよな?」 「んなわけないだろっ!っはは、ばーか!」 「えーでもさーいなさ過ぎじゃん枯れてるの?」 「黙らっしゃいよ。今忙しいんだよねー やっとパワハラ野郎もどっか行ってさ。 就職とか考えないといけないし」 「就職するまでが学生の華じゃん! うちの侑紗ちゃんとかどうよ」 「うーん、侑紗でもいいんだけど……」 「前にさぁ、処女と付き合ったら 「初めての相手とは添い遂げる!」 とか言われてさ…… もう、別れるのすっげ大変だったんで…… 処女と付き合うのはやっぱ、もう嫌っすわ。 侑紗、もうちょっと男慣れしてたらなぁ……」 (196) 2020/08/16(Sun) 13:48:03 |
【人】 卯月 侑紗[その時私はバックヤードにいたのですが 私の存在に気付かず、年齢も近い先輩達は いつも通り、気ままな雑談を 楽しんでいるようでした。 一方、私はといえば ガンガンとなる頭を抱えて、 バックヤードの片隅にしゃがみこんでおりました。 処女が嫌……? これまで先輩の言う通りに、 自分を変えてきましたが これは、どう変えれば良いのでしょう? 「嫌っすわ」と軽く言われた言葉が 何度も何度も、頭の中を駆け巡って もう、どうしていいか分からなくなって……。 だって、どんなに私を変えても 結局、経験が無いのを理由に あれだけ軽く突っぱねられる。] (197) 2020/08/16(Sun) 13:48:34 |
【人】 卯月 侑紗[ひどい。 ひどい。 ひどい。 なじる言葉は浮かんでも、 それでも「きらい」の三文字だけは ついぞ浮かばなかったのです。] (198) 2020/08/16(Sun) 13:48:59 |
【人】 卯月 侑紗[その日、なんでもない顔をして出勤して 仕事に明け暮れている最中もずっと そのことばかり考えていました。 嫌われたくない。 先輩と一緒にいたい。 正直泣きたくて、たまりませんでした。 先輩の言葉は、もう、私の努力も気持ちも 全部否定するものに聞こえたのに でも全然、嫌いになれなくて。 むしろ、どうしたら先輩に振り向いてもらえるか そういうことばかり考えてしまっていました。 パートのマキさんや、先輩本人にも とても心配されましたけれど 当然、それを打ち明ける気にはなれなくて。] (199) 2020/08/16(Sun) 13:49:27 |
【人】 卯月 侑紗[転機が訪れたのは、「処女は嫌」発言から だいたい一ヶ月後くらい。 大学の図書館で勉強をしていたら 静かな空間で内緒話を楽しむ女の子達がいて いやがおうにも聞こえるその声を たまたま聞いてしまったから。 「なんかね、熱海の方にある旅館がね……」 噂話に耳をそばだてる、なんて いやらしい真似をしながら 私はその場ですぐスマホを取り出して 必死に検索致しました。] (200) 2020/08/16(Sun) 13:49:54 |
【人】 卯月 侑紗[希望があるなら縋らずに居られない。 先輩は、優しくて、強くて 誰にでも分け隔てなく振る舞える人。 その「誰でも」よりあともう一歩、 近付くために必要な希望が。]* (201) 2020/08/16(Sun) 13:50:22 |
卯月 侑紗は、メモを貼った。 (a37) 2020/08/16(Sun) 13:51:40 |
(a46) 2020/08/16(Sun) 22:40:19 |
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