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【人】 清浦 和人……すいません、こちらにお届けするように言われたのですが。 [ドンドンと強めに扉をたたく。 1秒……2秒……3秒……扉が開いて、中から顔を出したのは冴えない男だった。] 『なんだ……』 [男性客が言葉にできたのはそこまで。 瞬間、男の拳がその顔の中心にめり込んでいた。 そのままの手で髪の毛を掴み、反対の手で1発、2発、3発、4発と顔面に拳を叩き込んでいく。 そうして最後に腰から 鈍器のような何か を引き抜くと、男性客の頭に思いきり叩きつけた。]……さ、入れ。 [振り返って女に見せたのはセックスの最中と同じ嗤った顔。 目の前に暴力に女はどうしていただろう。 一度手を離したすきに逃げるチャンスはあった。 だが、男が女に向ける視線はやはり獣のそれであり、捕食者のそれだった。 そしてその手には 拳銃のようなもの が握られていた。]* (0) 2020/07/18(Sat) 1:47:57 |
【人】 清浦 和人[そう男は手を離した。 それでいて女がを振り返った。 ただそれだけ、ただ捕食者の目で彼女を見ているだけ。 その顔に怒りはない、ただ嗤ったまま。]* ─── 逃げるなら、逃げろ。 と、まるでそう言っているかのように。 そう。 たとえ女が逃げたとしてもここは洋上。 逃げ延びる先はない、少なくともこの船が港に着くまでは。 それに、この獣にとってここは”餌場”なのだ。 女が懸念した通り。 逃げればほかの誰かが犠牲になる。 それが女の大事な者ではないと、そんな保障がどこにあるだろうか。 逃した獲物に似た女。 それだけで十分に危険度は跳ね上がる。] ……入れ。 [繰り返される言葉。 まるで『お前でなくてもいいんだぞ』と言うように。]* (3) 2020/07/18(Sat) 2:42:40 |
【人】 清浦 和人[女が部屋に入ればドアを閉めた。 がちゃ、とオートロックがかかり 男は、フっと笑みを零す。 それから足元に倒れる男を思いきり踏みつけた。] 手が、痛いだろうが。 [左手をブンブンと2度3度振って、笑顔のまま今度は男を蹴りつけた。] (5) 2020/07/18(Sat) 3:05:39 |
【人】 清浦 和人[シャワーから戻ればユキの姿はなかった。 別にそれはいい、執着はない。 そして、失くなったものも。 どうする気なのか。 捨てるのか、船に渡すか、それとも。 どうしようとも構わない。 ただ、せめて、面白くなれと思いながら。 身支度を済ませて部屋を出る。 その夜はそれ以上女を抱くこともなく、気の向くままに船の旅を楽しんだ。]** (9) 2020/07/18(Sat) 14:09:35 |
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