【墓】 2年生 松本志信─病院・朝霞ちゃんと>>+60─ [窓の外を見つめたまま暫く経つ頃。 病室の外からかかる声にゆるりと振り向く。 朝霞ちゃんがそこに居て。 彼女が還る時、俺は透明になっていて、諸々の事情を全く知らない。 彼女の葛藤の末に得た恋心も。 その彼女に向けられていた津崎くんの想いも。] 、………。 [大丈夫かと聞かれたら笑って頷く。 体調に変わりは無い、声が出ないだけだから。 喋れるようになったら、分かったと頷く。 全くなんでこんな状態になっているのか分からないが、言葉が出ないのはもどかしいものだ。 困ったように眉を下げ、いつかの時みたいに顔の前に手を合わせる。 “ごめんな”って。] (+74) 2022/09/14(Wed) 20:41:19 |
【墓】 2年生 松本志信[促したあとに続く言葉>>+85 に半分は驚きこそすれど 天使の宣う神からの恩恵のことは分かっていたから、ある程度のことは知られているのだろうなと理解する。 不思議なことに、プライベートを覗き見られたことに怒りが湧くこともなく。 でも何かの強い思いを持ってここに来たのだろうという事だけは分かったから。 ゆっくりと手を伸ばしてその頬に手を添えた。 柔らかい、きめ細かい滑らかな肌。 今の出来るだけの力を込めて──] 「ばぁか。」 [唇の形はそう告げて、頬を叩く。 指がただ当たる程度の、音もならないような柔らかなそれ。 そのままその手を伸ばして髪に触れる。 細い、守りたくなる、そんな手触りに目を細め 女の子だろうが容赦なく、くしゃくしゃにかき混ぜてやった。 何かを感じ取ってたのかもしれない。 例えば「それは俺が怒ることじゃない」「傷付けた誰かにちゃんと謝りな」とか きっとそういうこと]* (+89) 2022/09/14(Wed) 22:55:23 |
2年生 松本志信は、メモを貼った。 (c38) 2022/09/14(Wed) 23:38:02 |
【墓】 2年生 松本志信─思想─ [俺にとって、この世界は生き辛いものだった。 例えるならずっとずっと溺れている。 呼吸する事が許されないのに、死ぬことも許されない。 死なないで。 生きてほしい。 優しい人たちはそう言ってくれる。 優しいから、……───無責任に。 生きる道がどれ程苦痛か、知らずに突きつけてくる。 生きることが正しいこと。 耐えて過ごす事が美徳。 どんな困難も乗り越えて。 その先に輝く未来がある“はず”だから。 見えもしない未来を謳う。 死ぬことは周りを悲しませる。 後片付けももちろん大変だし。 自殺なんてのは非道徳的で。 現実から逃げる行為。 いけないこと、ダメなこと。 それが世の中の“普通”。] (+95) 2022/09/15(Thu) 1:18:13 |
【墓】 2年生 松本志信[ずっと、理解できなかった。 俺が死んだって何も変わらない。 優しい人たちは涙してくれるかもしれないけど 時間が経てばそれも風化していく。 夢の中から掻き消えた時のように、薄らいでいく。 やがて顔も声も名前も忘れて、本当の死が訪れる。 普通になりたかった。 けど、普通には到底なれなかった。 異端に指を刺され、蔑まれ、傷付けられ。 生き続けることに希望が見いだせなかった俺は 死ぬことに羨望を抱くようになった。 死ねば楽になる、じゃない。 死ぬ事で、消えることが出来るのだと。] (+96) 2022/09/15(Thu) 1:25:38 |
【墓】 2年生 松本志信[誰しもが生きる事を強いる。 苦しい道を耐えて生きろと押し付けてくる。 ずっと、息が出来なかった。 「死んでいいです。」 そう言われて初めて、呼吸が楽になったんだ。 無理しなくてもいいんだって。] (+98) 2022/09/15(Thu) 1:49:15 |
【墓】 2年生 松本志信[………──今、きっとあと少しで。 俺じゃない誰かが、死ぬ。 俺の話を聞いて、思うなりの言葉をくれた人が。 俺が死ぬことを何とか止めようと、支離滅裂になりながらも声をかけてくれた人が。 あんなに理解できないと思っていたのに「生きてほしい」なんて思う。 本当に、無責任に。 もうどんなに願っても、その願いは届かない。 決められた運命を書き換える力も魔法も、ない。 喪って初めて“普通”の感覚を知る。 生きていてほしい、は、失いたくないのだと。] (+99) 2022/09/15(Thu) 1:52:04 |
【墓】 2年生 松本志信[失いたくなかった。 大事な友人の一人だった。 パンの話も、就職の話も、恋バナももっともっと聞いてあげればよかった。 思う度、心が締め付けられる。 みんなきっとこんな風に苦しんでいるんだろう。 もし俺が死んだら、そうなったんだろうか。 死を許してくれた彼も、苦しんでくれるのだろうか。 まだ、泣けない。 俺が泣いていいのは、ちゃんと「生きたい」と思えるようになってからだ]** (+100) 2022/09/15(Thu) 2:05:44 |
【墓】 2年生 松本志信[真剣に渡される朝霞ちゃんの声を、俺は頷くでもなく首を振るでもなくただ聞いていた。 「看取らせてほしい」「頼られる人間になりたい」 ここまで伝えてくれる相手に返す言葉を、俺は持たない。 例えばそうだな。 誰かに頼る事が出来ていたなら、幼かった俺も死にたいとなんて思わなかったのかもしれない。 もっと素直に、もっと“普通”に、生きていたのかもしれない。 頼られることばかりを覚えて、頼ることは出来なかった。 そう簡単に変えられることじゃない。 不誠実な答えしか出せない自分自身に、苦笑する。 眉を下げて、悲しそうな顔になる。 相手が朝霞ちゃんだから、ではない。 誰に対しても、俺自身のことを明け渡せなくて。 自分勝手で、ごめんね。] (+129) 2022/09/15(Thu) 11:18:35 |
【墓】 2年生 松本志信[万が一、俺が結局自ら死を選ぶ未来があったとしても。 きっと誰にも伝えない。 ありがたいことに、首に縄かけようとしてくる奴もいるし。 俺が死ぬのをきっと全力で止めようとしてくるだろうから。 そんな奴らの前で、優しい人たちの前で 心に深く爪痕を残してこの世を去るなんて 俺には出来ないから。 看取ること も、叶えてあげられそうにない。 折角伝えてくれた願望を、叶えてあげられない。 ああ、でも─── 朝霞ちゃんの手を取り、その掌に指先で書く。 これなら伝えられるかもしれない。 分かりにくいだろうからゆっくりとゆっくりと、冷えた手で文字をなぞる。] (+130) 2022/09/15(Thu) 11:20:01 |
【墓】 2年生 松本志信「しなない」 「つさきくん」 「またなきゃ」 [津崎くんが生きているのなら。 共に生きられたらと思う。 もし、津崎くんが「一緒に生きたい」と思っていなくても。 それがあの夢の中で、漸く俺が見つけられたこと。 小泉くんから与えられた、“慈悲”。 逝く人から与えてもらった時間で見つけた、たった一つの道。 朝霞ちゃんの手を軽く握って、隠していた温度を伝えた。 あたたかくなんてない、優しくなんてない、柔らかくもない、酷い指先。 この手はひとつのものしか選べない。 それを暴露することが 今出来る、俺に出来る、最大限のこと。 ひでぇやつだね。 嫌ってくれていいよって、やっぱり眉を下げるしか無かった]* (+131) 2022/09/15(Thu) 11:21:25 |
【墓】 2年生 松本志信「あいたい」 [きっと今、唯一の死と対峙している津崎くんに。 きっと今、その死と向き合う小泉くんに。 呟いたけど声にはならなくて、けほ、と咳が毀れた]** (+132) 2022/09/15(Thu) 11:30:19 |
2年生 松本志信は、メモを貼った。 (c49) 2022/09/15(Thu) 11:34:13 |
【墓】 2年生 松本志信[静かにしている間、朝霞ちゃんには>>+144>>+148>>>+149 どう伝わったんだろう。 その頬を涙が伝うなら、伸ばした手の甲で拭ってやった。 優しい人なんだなと思う。 何かのために、誰かのためにこうまで気持ちを傾けられるのは。 暴くことの出来ない心の裡は知れるはずなどないのだけれど きっと人は何かを抱えて生きていくものだから それが重荷にならないのなら、大切なものなら しっかりとその胸に抱えていてほしい。 頷く朝霞ちゃんには、ふと弱弱しく笑みを向ける。 暫く何を語るでもなく、ただその手を軽く握って過ごした。 沈黙の中で夕陽だけが動き、空に夜を連れてくる]* (+167) 2022/09/15(Thu) 21:48:23 |
【墓】 2年生 松本志信─病院・工藤ちゃんと>>+165─ [黒い人形のような目が、逸らされることなく此方を見ている。 そしていつでも殺せると物騒なことを言うものだから ふはって声も出さずに笑った。 ちゃんと声が出るようになったなら、 この優しい人にも伝えなければならない。 いくら望んでも、応えちゃいけないこともあること。 他者の命は奪ってはならないということ。 偽善に溢れた道徳的な意味ではなく 工藤ちゃんが捕まっちゃうからね。 声が出ない症状に何一つくれるでもなく いつものように去っていってくれる、その態度は 気遣いなんかじゃないとわかっていても 少し、有り難かった]** (+168) 2022/09/15(Thu) 21:56:22 |
【墓】 2年生 松本志信─現在・夢の中─ [行くまいとしていた夢の中へ行こうと思えたのは 朝霞ちゃんとの時間があったからかもしれない。 もう陽も落ちて進んでいる時間を認識する。 覚悟を決めて、布団の中に潜り込んだ。 目を閉じて、どのくらいたった頃か。 気が付けば夢の中にいた。 一度はレストランに寄って二人が会話する様子を見た。 内容までは聞かないようにした。 まさか俺の話が出てるなんて思いもしないし。 やりたいことがあったから。 前と同じように、店の折り紙セットをくすねて。 屋上で細かい三角を作り始める。] (+170) 2022/09/15(Thu) 22:15:25 |
2年生 松本志信は、メモを貼った。 (c67) 2022/09/15(Thu) 22:19:51 |
【墓】 2年生 松本志信─夢の中・屋上─ [ザネリ達の足音が屋上までやってくれば そこには一人でチョキチョキやってる俺がいる。 気付いて振り向けば、ひらひらと手を振って。] よっすよっす。 みんなで魔法使いになろうぜ? [夢の中では不思議な事に声が出せた。 これも“慈悲”なのかもしんねぇな。 来た順から紙とはさみとを渡していく。 一人でやった時より、いっぱい作ろうぜ。 満天の星空、作ってやろうよ。 烏瓜の灯を川へ流すみてぇにさ。] (+179) 2022/09/15(Thu) 22:51:14 |
松本志信は、おお“ハッピーセット”!こいこい! (c72) 2022/09/15(Thu) 22:53:10 |
2年生 松本志信は、メモを貼った。 (c76) 2022/09/15(Thu) 23:29:30 |
【墓】 2年生 松本志信[たった一人の大切な人の帰りに。 たった一人の大切な友の餞に。 みんなと放つ、ささやかな魔法。 さちあれと撒く幸せの種。 魔法の欠片の紙吹雪。 津崎くんが帰ってきたら何を話そう。 そもそも声出ないの、絶対心配されちゃうよな。 なんとかなりゃ良いんだけど。 何とかなったらまずは何を伝えようか。 小泉くんとはもう会えないけれど。 生まれ変わったらパンおごってくれるんだもんな。 それまで生きろって、お前が言ったんだもんな。 約束破るんじゃねぇぞ。] (+195) 2022/09/15(Thu) 23:52:45 |
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