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【墓】 清掃員 カミクズ「少しだけ安心して…少しだけ、心配ですね」 結果を見て、ぽつり。 「大丈夫。」 「うん……きっと、それでいいんです」 一人呟いて、裁判場の扉をくぐる。 投票の権利を失っても、無関係になったわけじゃない。 でも。今日の自分が着くのは、傍聴席かな。 (+0) 2022/02/26(Sat) 21:23:36 |
【墓】 清掃員 カミクズ「い、いいんだ……」 何とも言えないやり取りに、流石に困惑したように呟いた。 清掃員は今日、極力議論に口を出さないつもりでいる。 だって、今限りなく死に近い人間の、その発言が。 信用に値する道理なんて、きっと殆ど無いようなものだから。 (+1) 2022/02/26(Sat) 22:13:14 |
【墓】 清掃員 カミクズ立候補者は出ず、これといった他薦もない。 明確な判断基準と言えるものはどこにも無い。 誰だって、立候補者の居た昨日と比較してしまうだろう。 話し合いは迷走して、行き詰まる。 ──あなたの死は俺たちに優しくありません。 いつか言われた事をふと思い出して、 人知れず、ほんの少しだけ眉尻を下げた。 幸せな死などありはしない。 優しい死などありはしない。 死なんて身勝手で、乱暴で、人を傷付けることばかり。 わかっている。わかっていて、それを選んだのだ。 (+2) 2022/02/27(Sun) 0:42:18 |
【墓】 清掃員 カミクズ「…………」 何度か口を開いて、言葉を探して、結局何も言わなかった。 だってきっと、それもまた客観的事実の一側面だから。 表現が少し人より率直で、合理に偏りすぎているだけで。 そこに自分はこうだと思っている、なんて言ったって的外れだ。 だからただ見守る事を選んだ。 (+3) 2022/02/27(Sun) 3:09:47 |
【墓】 清掃員 カミクズ「一緒にいきたい人、見せたい景色… そっか、なら、よかったのかな…」 自らの意思でもって投票先を天に委ねる事にした二人は、多分。 自身の選択を恣意的なものにしたくないと思ったんだろうな。 だから選択に誰の意図も介在しない方法を取ったのだ、と。 部外者の清掃員はただそのように思って、それから。 ほんの少しだけ、思うところがあったのか、そう呟いた。 (+4) 2022/02/27(Sun) 11:35:39 |
【墓】 清掃員 カミクズ>>+11 ヒメノ 「あはは… そうですね、自分はそう望んだわけですから…」 生きる事に執着していないのは、事実だ。 少し困ったように笑ってハンカチを差し出した。 一般的に、アイドルに涙は似合わない、とされるだろうから。 今はただの緋苺 姫乃でありたいなら、それでもいいのだけど。 「でも、ヒメノさんや他の方が生きる事は。 直接的には助けられなくなったかもしれないけど、でも。 自分は、まだ応援しているつもりですよ。」 自分のこれはきっと諦めではないのだと、そうは思うけれど。 それでもきっと本当は、落ち着いてなんかいない方がいい。 必死に、切実に、死にたくないと叫んだ方が、ずっといい。 誰にだって、生きていたいと、そう言って欲しいと思う。 「まだ、絶対に助からないと決まったわけじゃないんです。 素敵なアイドルで居る為に。 その為にずっと、ここまで頑張ってきたんでしょう。 自暴自棄になるには、きっとまだ早いですよ。」 (+12) 2022/02/27(Sun) 14:52:56 |
【墓】 清掃員 カミクズ>>+13 ヒメノ 「死にますよ。」 不貞腐れた子どものような様子に一度、苦笑して。 それから、あなたの言葉に肯定を返した。 静かで、穏やかで、でも、断定的な声色だった。 「誰に望まれずとも。 選ばれた時点で、ここで死ぬつもりでした。」 「でも、それがきみの為だとは確約できないです。 何より自己犠牲なんて身勝手の極致です。 誰かの為に、なんて言って自殺するのもまた偽善でしょう。 …それに、自分の命で誰かの命を担保するのは 双方命が軽くなるからやめろ、とも言われてしまいましたし」 そう言って、清掃員はもう少しだけ苦笑を深めた。 つまりは万が一の時、あなたの身代わりになる事はできなくて。 でも。 「それでも、諦めるにはまだ早くて。 もしかしたら…これは本当に極端で、楽観的な例ですけど。 この合議場から選ばれる臓器提供者が、 自分一人で足りる可能性も、無くはないわけですから」 結果的には、きみの為になるのかもしれません。 そんな屁理屈を言って抜け道を作る、ずるい大人だ。 (+14) 2022/02/27(Sun) 16:08:23 |
【墓】 清掃員 カミクズ>>+17 >>+18 ヒメノ 「────、」 振り翳された包丁の、鈍く光る切っ先は。 想定内だった。 咄嗟に身体を捻った事で切っ先は首筋を逸れ、肩口を捉えた。 「ッああクソ、残念ですが…」 衝撃を感じて、じわりと熱を持って、それから痛みが走る。 噛み締めた歯の間から呻くように悪態を吐いて、 「人を殺すのって──大変なんです、よ!」 ──いくらVR内での補正があっても、体格的な有利は覆らない。 その凶器は成人男性を殺すには少々不足だった。それだけの事。 負傷を免れた側の腕で少女の細い手首を掴み、 捻り、手から刃物を引き剥がし、再び手の届かない所へ。 そのままあなたを突き飛ばして、もう振り返らない。 (+19) 2022/02/27(Sun) 20:13:26 |
カミクズは、ぽたりぽたり、血の痕を残しながら寮へ。 (c0) 2022/02/27(Sun) 20:15:59 |
カミクズは、後で掃除が必要だな、と思った。 (c1) 2022/02/27(Sun) 20:16:15 |
【墓】 清掃員 カミクズ「はあ………」 多分、深夜から早朝にかけての事。 清掃員は一人、寮の入り口から医務室までの道を掃除していた。 つまり、点々と残された血の痕を。 簡単に処置をして着替えてこそいるけれど、 負傷した左側の腕はだらんと脱力したまま。 「虚無だ………」 物凄くやりづらそうだし、物凄く憂鬱そう。 実際憂鬱で仕方ない。自分で汚した場所の後始末なんて虚無だ。 モップがけをしながらひたすらに虚無をプレイしている…… (+23) 2022/02/28(Mon) 0:48:04 |
カミクズは、ただ、大切にしたいんです。 (c2) 2022/02/28(Mon) 2:56:58 |
カミクズは、そう思っていたい。 (c3) 2022/02/28(Mon) 15:18:56 |
カミクズは、その背を見送った。 (c4) 2022/02/28(Mon) 18:09:39 |
カミクズは、仕事が増えたかも、とぼんやり思った。 (c5) 2022/02/28(Mon) 19:25:50 |
カミクズは、でも、人から頼まれるなら、嫌じゃない。 (c6) 2022/02/28(Mon) 19:26:26 |
カミクズは、だから、そう思っていたい。 (c7) 2022/02/28(Mon) 22:11:23 |
カミクズは、そう思っていたいから、一歩、踏み出す事を選んだ。 (c8) 2022/02/28(Mon) 22:13:55 |
カミクズは、やりたかった事を思い出した。 (c9) 2022/03/01(Tue) 5:32:28 |
カミクズは、ある時からずっと、そうしたいと思っていました。 (c10) 2022/03/01(Tue) 5:33:20 |
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