【墓】 アマミまぁ...色々とね。 [困ることがあるのかと聞かれたなら、ついついはぐらかすことになってしまった。>>+31 「求婚予定の女性に記憶を無くしままでいて欲しくない。」 などと、まさか今の状況では言えるまい。] その辺は好きに呼んでくれていいよ。 ん?あぁ、意味は.......明日になればわかるさ。 [起きる確証を持っていられるのは、ここが夢の中であるとわかったからだろうか。 夢は必ず覚める。それが自然の摂理というものだ。 ところで、記憶があってもなくても変人としての印象を植え付けてしまったようだ。 己は何も変わっていないから評価が変わらないのは当たり前だが。 アマミは相変わらず嘘をついたり自分を取り繕うのは下手くそなのである。] (+36) 2021/04/05(Mon) 6:11:22 |
【墓】 アマミ[会話の中で彼女の言葉を指摘したが、もしかしたら説法などと誤解されたのかという不安が過ぎり。] ............いや、気にするな。 変ってわけじゃない。 [余計なことを言ってしまったかとアマミは口を噤んだ。 今のクラヴィーア>>+32に我が家にいた頃の彼女のような振る舞いを求めるのは酷が過ぎる。 彼女の顔色から察するに、余計な不安を煽ってしまったようだ。 アマミは彼女にすまないと一言謝罪を告げて。] バーバチカ島の再来、か。 皮肉なもんだ。 [とぽつり呟く。 それはクラヴィーアの前で発した言葉であるが、彼女に向けた言葉というよりは独り言に近い。 しかし彼女は記憶の重みを忘れてはいないようだったから。>>+33 無くなったのはもしかしたら己の事のみかもしれないとアマミは推測を伸ばすに至る。 もしも記憶をなくした者と無くしていない者、立場が逆であればなどと、何度もたらればの空想を思い描いてしまうのだ。] (+37) 2021/04/05(Mon) 6:12:26 |
【人】 アマミ──回想:三年後 アマミside── [実際のところ、あの島でアマミがクラヴィーアに告げた3年という時間は縁切りのようなものであった。 それは火が自然に収まるのを待つかのよう。 そもそも婚約や恋愛など政略の利害に基づいた極めて合理的なメソッドに過ぎない。 それはアマミが人生を経て培った持論のひとつであったが、その持論は極めて非合理な少女に3年の刻をもって壊されることとなった。 元来アマミにとって、自身と添い遂げようとする女達は皆金や名声にがめつく蛇でしかない。 長年培い続けた持論を直ぐに手放すことは出来ず、アマミは少女にあの言葉を告げた。>>0:81 未熟なEveは蛇に唆され、リンゴを食べて堕ちた。 未熟なリンゴは果たして毒か、蛇か。あるいは両方か? アマミは3年も経てば、糸は切れると思っていたのだ。 そして想定では3年経った頃にはもう二度とクラヴィーアに会うことなどないはずだった。] (34) 2021/04/05(Mon) 6:42:57 |
【人】 アマミ[しかし、それがどうしたことか。 少女は心身共に成長を遂げ、自身の前へと現れた。 あの時アマミは自身が培った経験や想定の中ではありえない事が起きたと、彼女には見えないお面の奥目を丸くしていたのだ。 「アマミさん、私は貴方が好きだ。 貴方の側にいさせて下さい。」 そう頬を赤らめながら告げるクラヴィーアを前にして、アマミは思い知らされる。 彼女は蛇なんかではなかったのだと。 『未熟だったリンゴ』は毒など微塵も入ってはいないのだと。 自身の想定した二者択一の中には ]そもそも正解なんて存在しなかったのだと。 (35) 2021/04/05(Mon) 6:45:42 |
【人】 アマミ[彼女を前に己の経験など何の役にも立たない偏見に過ぎないと気づいた時、アマミは彼女を家に招き入れることを決めた。 「君にはまいったよ。」 そう冗談交じりに彼女に告げたアマミだったが。 あの時の彼女に対する心象はそれに尽きるのだと、アマミは今でもそう言うだろう。 らしくないのは承知の上で、運命とはこういうものなのだとすら思えてしまったのだ。]** (36) 2021/04/05(Mon) 6:54:08 |
【墓】 アマミ[彼女に合わせるように探索をしていると、どこかのタイミングで書斎のような場所にたどり着いたことがあっただろう。 クラヴィーアには鍵はありそうかなどと尋ねつつめぼしいものを探していると、一冊の本がアマミの足元にパタンと落ちてきたが。 その表紙を見た時アマミは驚いたように息を呑んでしまった。 その本がかつて自分が書いた小説『όργανο』だったからだ。] (+40) 2021/04/05(Mon) 7:00:43 |
【墓】 アマミ............。 [アマミは本をパラパラとめくり始める。 クラヴィーアをモデルとした一人の少女が成長する軌跡を描いた長編文学は、自身の彼女への感情の変遷を分かりやすく書き記していた。 彼女への想いを指先でなぞっていくようにページをめくると、最後のページが空白になっていた。] クラヴィーア。 すまないが、そこら辺にペンはないか? [クラヴィーアの捜索の邪魔をしない程度にアマミは彼女に尋ねるのだった。 そして彼女からもらったかあるいは自分で拾ったペンで空白のページに文字を書き始めるのだった。]** (+41) 2021/04/05(Mon) 7:01:22 |
【墓】 アマミそれは...? [クラヴィーアがガブリーシュの実を見つけた時、彼女はなにか思うところがあるような様子でその実を触れていた。 消えた途端に聞こえた笑い声は、彼女の様子を見ていたアマミの耳には届かない。 ピアノはアマミにはまるで思い当たる記憶が無いが、もしかしたら己と出会う前の彼女の記憶の中にあるのだろうか。 彼女があの島で失った記憶だとすれば、知る術は誰にも持ち合わせてない。 途中見た蝋燭や鞭をクラヴィーアが触れた時、アマミの中には嫌な予感が浮かんでいたが。それ以上を考えるのはやめることにした。 考えだすと、声の主を本気で殴り飛ばしてしまいそうになるからだ。] (+50) 2021/04/05(Mon) 23:56:07 |
【墓】 アマミ[書き終えてアマミは本を閉じた。 もしかしたらこれが鍵である可能性はあるから、一応手元には持っておいて。 クラヴィーアの後を追うように書斎の奥へと進んだ時、彼女が落胆したように休憩を進言した時にはその意図を察して。] キリがないな、これはさすがに。 君は少し休んでいろ。 [座り込むクラヴィーアに大丈夫だと、そう言って上着を脱ぐとその上に本を置き、腕まくりをして気合を入れる。 しかし彼女から声をかけられると立ち止まって。] どうした、突然。 .........大昔の記憶を捨てた事はあるさ。 それが具体的にどんなものかは 捨ててしまったから分からないけどね。 恐らくは幼少期の記憶だ。 [彼女が真面目に尋ねた時には変に誤魔化さない方がいいということは知っていた。 それ故にアマミには話すことを躊躇する理由はなかったのだ。]* (+53) 2021/04/05(Mon) 23:58:43 |
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