【人】 在原 治人[執念で探し出し 逃げ出せぬよう四肢をぎちりと拘束すると 怒りの鉄槌を その胸に打ち込んだ。 ────俺の気持ちを理解しろ…! と。] (91) 2020/09/28(Mon) 7:01:15 |
【人】 在原 治人[俺が手掛けてきた これまでの作品は 死した虫たちを 箱の中に閉じ込めて 美しいままに時を止めるというもの。 命を失っているのだから 勿論、動くことなど有り得ない。 だから、こんな風に 針を刺した後も 均整の取れた薄い胸がわずかに上下したり その度に、堪らえ切れない呻きが 吐息と共に漏れ落ちてしまうなどということも無かった。 その痛ましい様子に 大切な標本を盗んだのだから自業自得 いい気味だ‥とは思わずに、] (92) 2020/09/28(Mon) 7:03:27 |
【人】 在原 治人[囚われの彼に向ける視線は柔らかく緩み 口調は甘く溶ける。 先程までの激しい怒りが想像付かぬほどの豹変。 虫狂いの男が 人に対してこんな態度を取るのは 初めてのことで。] (94) 2020/09/28(Mon) 7:07:54 |
【人】 在原 治人[あれは、後悔だとか焦燥だとか そんな言葉で片付けられるものだと思っていたが 今はよく分からない。 ぎゅっと締め付けられるようで やけに息がしづらくて それから、 口の中だか胸の内側だかが ……とても苦い、] (96) 2020/09/28(Mon) 7:16:00 |
【人】 在原 治人[もう一度触れようとすることも 戻すことも出来ずに 固まっていると 彼が痛みに耐えながら話しはじめた。] ………うん? [喘ぎ混じりで 途切れ途切れの言葉は聞き取りづらい。 拒まれた理由が少しでも分かれば、と 口元に耳を近づけ 前のめりに言葉を聞いた。] (97) 2020/09/28(Mon) 7:17:04 |
【人】 在原 治人[内容はそれではなく、 盗んだ標本はホテルの部屋に在るということと それから────] 相応しくなくなった……? 意味がわからないな、…どういうことだ? [虚ろな瞳に向けて首を傾げる。 あの標本を持つのに相応しくないというのなら 盗むという行為に及んだ最初からのはず。 先程までと今とで 一体何が変わったのか 俺にはさっぱり分からない。 知りたい 、と強く思っていた。]* (98) 2020/09/28(Mon) 7:26:15 |
在原 治人は、メモを貼った。 (a12) 2020/09/28(Mon) 7:38:18 |
(a15) 2020/09/28(Mon) 9:40:28 |
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