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【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-■感情書き換え(なし) マツリカ→ハテマ >>3>>4>>5に繋げて 先生は全然わかってない。 事も無げに“結婚しよう”と言われて、色々処理し損ねて固まってしまった私を押しのけて、彼は寝室に入って行った。 「っ……先生!」 後を追って、部屋に入り込む。 ベッドに横たわる先生はどこかひんやりとしていて…ちょっとこの世の物じゃないみたいで、背筋が冷えたけど。 気持ちを奮い立たせて、私はつかつかと歩み寄る。 「私はですね、ずっと言われてきました! 科学者には向いていない。 先生の助手にも向いていない。 産業スパイにだって向いていない。 目指すものになれなくて、私は向いていない事にばかり手を出しちゃう駄目な奴なのかなって思うくらい、ずっと、言われてきたんです」 先生は、こんな事考えた事も無いでしょう? だって、“手が届きそうで届かない”なんて凡人の悩みだもの。 傍から見たら所詮結果が出る訳でも無い、不合理的な事にも真面目に取り組んでは結局挫けるなんて、馬鹿のする事だもの。 (6) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:01:39 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-「先生がアンドロイドになりたいんだって、分かってます。 私が何を言ったって響かない事、分かってます」 口ではそう言うけど、言葉は空しく消えていく。 だって分かる、だなんて。なんて薄っぺらい言葉だろう。 頭で理解しているのと心の底から理解するのは、全然違うのに。 “特別”の願いは、“特別”にしか分からない。 そもそもその壇上に登れていない私では、話にならないのに。 彼を“特別”だと距離を置いているようでは、駄目なのに。 私では分かってあげられない。“同じ”にはなれない。 この場に居る誰よりも不完全な私は、きっといつまでも不完全のまま。 「でも、今の先生と赤月くんが、私は好きです」 この一言に詰めた思いを、先生は分からないでしょう? “特別”の願いは、“特別”にしか分からない。 “凡人”の願いも、“凡人”にしか分からない。 だとするならば、私は私の願いの為に戦います。 それが、より“特別”になる道から先生を引きずり下ろそうという話だと、分かっているけれど。* (7) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:02:46 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-■感情書き換え(劣情→保護) マツリカ→アカツキ 私の願いを聞いた赤月くんはぽつりと呟いた。 人間って不自由だなあと。 願いを叶えて貰わないとしがらみから抜けだせないのかと。 「………そうだよ?人間は、不自由だよ?」 くすくす笑って、私は肯定する。 極論、意識を持っている時点で、不自由だ。 自分にその“不自由”を課しているから、“個”だとも言えると思う。 その不自由を楽しいと置き換えられなかったら…ずっと辛いままだ。 それが良いだの悪いだのと、言うつもりは私には無いけれど。 「“人間歴先輩”として、言うならね?」 言い方を考えながらルイボスティーをふぅっと吹き冷まして、一口飲んだ。 まだ熱かった。 猫舌な私はちょっと火傷をしてしまう。 私ってとことん格好付かないなぁと思いながら、ちりちり痛む舌先を庇いつつ、またカップに口をつける。 今度は飲めた。 (8) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:42:29 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-「人間になりたいって願いは止めないけど……。 “何から”自由になる為に、人間になりたいのかは…考えると良いかな」 どっちにしろ、現状維持を望む私とは相容れないんだろうけど。 もし、仮に。 赤月くんの目的が、“波照間先生から独立する事”ならば。 私にも手伝える事があるのかもしれないとは、ひっそり思った。* (9) rein-joir 2019/08/31(Sat) 11:43:10 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ- (21) rein-joir 2019/08/31(Sat) 22:38:44 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ->>23 「バニラアイス!ありがとう」 分かりやすいようにしたつもりは無かったけど見抜かれていたみたい。 渡されたアイスをひと匙口に入れれば、冷たさと甘さが口に広がっていく。 赤月くんはやっぱり、とても優しい。 「うん、わかった。 そういう事であれば、私は赤月くんに協力できるよ」 それ以上長くは語らなかった。 説明しなくても、彼には伝わるだろうから。 まあ……それが100%あなたの望む方法とは限らないけど。* (24) rein-joir 2019/08/31(Sat) 23:34:48 |
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