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【墓】 技術指揮 シトゥラ部屋の中に、ふたりの人影がある。 赤い血の海に浮かぶ手は繋がれていて、その双方の頸には事件の象徴が刻まれていた。 海の底のような、静かな部屋の中には音がない。 冷たい月明かりだけが、そこで起きたことを見ていた。 ふたりを繋いだ証はそこになく、ただ青年の指に残る痕だけがそこにあった熱を覚えている。→ (+2) 2021/04/22(Thu) 22:35:48 |
【墓】 技術指揮 シトゥラ青年が辿った肌は温度を失い。 少女が噛んだ指は力を失い。 ふたりの閉じた瞳は光を失い。 果たされなかった未来は約束を失った。 → (+3) 2021/04/22(Thu) 22:37:08 |
【墓】 技術指揮 シトゥラ沈黙は秘密を隠す手段になり得ない。 ここにあったすべてが、誰かの絆を語っている。 叶うはずのなかった想いは、 繋がれるはずのなかった糸は、 やがて喪失を得てはじめて、 ──ひとつの恋になった。 (+4) 2021/04/22(Thu) 22:37:20 |
シトゥラは、自分が酷い人間であると分かっていた。 (c1) 2021/04/23(Fri) 0:36:09 |
シトゥラは、自分の選択を後悔していなかった。 (c2) 2021/04/23(Fri) 0:49:19 |
シトゥラは、己の捨てた物の重さを知っていた。 (c3) 2021/04/23(Fri) 0:49:51 |
シトゥラは、ハマルに声を届ける術がない。 (c4) 2021/04/23(Fri) 1:11:33 |
シトゥラは、ハマルとの時間が好きだった。 (c5) 2021/04/23(Fri) 1:45:06 |
シトゥラは、竪琴の音が好きだった。 (c6) 2021/04/23(Fri) 1:49:22 |
シトゥラは、ハマルの頭を撫でたかった。けれど、その権利は自らが捨てた。 (c8) 2021/04/23(Fri) 2:35:24 |
シトゥラは、>>=4が聞こえている。 (c9) 2021/04/23(Fri) 3:10:51 |
シトゥラは、ずっとハマルの声を聴いてきた。 (c10) 2021/04/23(Fri) 3:11:10 |
シトゥラは、聴くことしか出来ない。 (c11) 2021/04/23(Fri) 3:11:37 |
シトゥラは、その気持ちに返せる言葉を持たない。 (c12) 2021/04/23(Fri) 3:14:06 |
【墓】 ■■■■ シトゥラ遠くなる意識の前、竪琴の音を聴いた気がする。 青年は結局返事が出来なかったことを思い出した。 「はァ。上手くいかないもんですねェ」 手を握って、開いて。 掌が覚えている感触を辿る。 (ああ、そうかァ。僕はニアを殺したんだった。 ──で、胸をナイフで一突き。) あの現場はどう、映っただろう。 あれを見た、遺してきた人間はどう思っただろう。 青年にはもう知る術はないけれど。⇒ (+17) 2021/04/24(Sat) 1:08:51 |
シトゥラは、 を知っている。 (c17) 2021/04/24(Sat) 21:51:25 |
シトゥラは、見ることが出来る。 (c18) 2021/04/24(Sat) 21:51:32 |
シトゥラは、見守っている。 (c19) 2021/04/24(Sat) 21:51:46 |
シトゥラは、選んだ相手を間違えない。 (c20) 2021/04/24(Sat) 21:58:17 |
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