【人】 苗床環者 メディウム―博士の研究室にて― >>63 …………本日もよろしくお願いします、博士。 [この身体はあまりにも脆弱すぎるから。こうして毎日の検査と薬の処方が欠かせない。いつものように全身の様子を診てもらって、体調の変化を報告して、切らした薬は補充して。 被検体である自分は、日々の検査も役割の一つなのである。その内容が、毎日変わらないものだろうと。一通り終わってから、博士から忠言が飛んできた。] ……はい、分かっています。些細な変化でも、それは進歩の証し、でしたっけ。 客人についてはまあ……大丈夫だと思います。過度な干渉もしないつもりですから。 (本当かしら?) [研究室を後にする。頭がビーカーやフラスコになっている研究員達や、ネジの刺さった新人職員(最近まで彼も非検体だった記憶がある)たちと軽く挨拶を交わしながら。『楽園』と呼ばれる建物の中にある……植物園区画へと足を運ぶ。] (80) 2023/11/19(Sun) 0:10:37 |
【人】 苗床環者 メディウム[『楽園』は殆どが温室であると思われがちだが、実際は温室だけではなく暖かい場所を好まない動植物がいる区画や、土で覆われた区画も存在している。 入り口で出会ったリヒトに軽く会釈をし、中へと進む。天井付近でヌエたちが作業をしているのや、警備員や監視員たちが巡回しているのが見える。 植物園の一角、そこでは。 >>29男が、根を伸ばしている姿が見えた。] (81) 2023/11/19(Sun) 0:22:28 |
【人】 苗床環者 メディウム……いつ見ても不思議な姿だな。 (そう?逞しくて素敵じゃない?) [「私」に語りかけてくる声を無視して彼の姿をじっと見つめる。初めてその姿を見た時は非常に驚きもした。なにせ、植物と融合した『人類』を……正確には、『植物と融合した完全体とも言える人類』を見たのは初めてだったから。] (貴女は違うのかしら?) 「私」が完璧であるのならば。オマエに悩まされる事もないだろうな。 [最初のうちはしばらく眺めたのち、お気に入りの光合成スポットに移動する事が常であった。……しかし、だ。最近そこには大抵「先客」がいる。来客の、黒い彼の側にいた白い人物だ。陽の光を浴びるかの者の邪魔をするのもどうかと思い、その日は早めに退散して自室に戻る事にした。 それ以降は、黒い男が根差している植物園の一角で観察しながら光合成を行うようにしている。] (82) 2023/11/19(Sun) 0:38:22 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>51>>52>>53>>54 その日だって、どうせ気付かれてもいないだろうし気にも止められないだろうと。なるべく邪魔にならない場所からひっそりと見ていただけだったのだが。 特徴的な色の瞳が、声が、こちらへ向けられる。] …………気付かれていたか。邪魔したか?客人の……雷恩どの、だったか。いや、その。物珍しくてつい……な。「私」は光合成を行う事が出来るし、お前の相方の……桜花どの、だったか?かの者も光合成を中心としたエネルギー補給をしている様に見えた。 ……お前は違うのか? [大地から直接、という形式はかなり珍しいと思った。伝聞でしか知らないが、外の地域は土壌汚染が酷くて土から栄養を得るというのは、今の世界では難しい行為である事は理解できるから。] (83) 2023/11/19(Sun) 0:49:48 |
【人】 苗床環者 メディウム[見つかってしまったのだし、とりあえず対話を試みる事にした。迷惑ではなさそうならば当たり障りの無い話題だけを振ってその場を後にするつもりだったのに。 どうして「私」はこの男に声をかけてしまったのだろうか。本当に好奇心のみが理由だったのだろうか。どうして、どうして…………あんな事を頼んでしまったのか。今でも分からない。]** (84) 2023/11/19(Sun) 1:01:08 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a15) 2023/11/19(Sun) 1:09:18 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>89 こうなる以前、の記憶を「私」は薄っすらとしか持ち合わせていない。少なくとも生まれた時からこんな身体であったはずはないのだが。“これ”が根付いたのが人為的なものなのかあるいはただの偶然か、それすらも分からない。 覚えているのは、遠く離れていくふたり……おそらく両親だろう……その人物たちへ必死に「行かないで」と縋ろうとする自分。 いくら叫んだところで、その人物たちが立ち止まることはなかったし、こちらを振り向くことすらしなかった。その、虚しさとか悲しさとか怒りとか 愛してよ愛させてよとか 最悪なことに、「私」を巣食っている“これ”も『離れていこうとする誰か』へ強いナニカを持ち合わせているらしく頻繁に「私」へ語りかけてくる。(どこにも行かないで離れないでずっと一緒にいて 愛して愛させて )と。]* (150) 2023/11/19(Sun) 23:08:33 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a38) 2023/11/19(Sun) 23:10:21 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>103 勝手に覗き見ていたことへ気分を害すだろうか、と考えていたがそうでもないようだった。少し安堵し、言葉を続ける。] ……そうだな。とはいえ「私」は光合成ができるというだけで、経口摂取も栄養を取る手段として必須ではあるが……あなたも、自分の身体の事で苦労していそうだな。 [元より、植物と生物が生まれつき融合していたわけではなく。いつの間にやら植物が根ざして「生かされている」身体になっただけである。おそらく、彼らよりもずっと、ずっとずっとずっと。「私」は『新人類』なんてたいそれたものではなく、『旧人類』に毛が生えた程度の進化しかしていないだろう。その部分で、「私」と彼らとでは雲泥の差があるのだろうな、と考えながらも。ミケどのと名乗る不定形物体がここの住人を『新人類』と見做したのならそのままの考えでいてもらった方がずっと良いだろう。 ……こちらには、まともに戦えるのがフランクやリヒトの従える警備員たちくらいしかいないのだから。] (155) 2023/11/19(Sun) 23:23:22 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>104 彼の言葉を聞いて、なんとなく思ったので問うてみることにする。] ……あなたには、その、「根ざすこと」以外にも特別な事ができたりするのか? [本当に、何の気無しに尋ねた言葉が。今後彼との関わりを深めさせられる事になるとは思ってもいなかった。]* (156) 2023/11/19(Sun) 23:25:49 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a41) 2023/11/20(Mon) 0:06:06 |
(a42) 2023/11/20(Mon) 0:07:52 |
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