【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:交わる月 ── [ エーリクが洋館で過ごし始めてから、 誕生会やパーティー等行事の際には 「参加するかい?」と幾度と声を掛けていた。 その度、大体参加してくれたが>>1:106 彼が本心から楽しめているのだろうか、と 後日感想を尋ねていた。もし微妙な反応を見せたなら 「無理に参加しなくていいよ。 君が楽しめないと意味がないだろう?] と、答えていた。 いつかのパーティーの際、カルクドラとエーリクの二人が 欠席した時、揃って洋館の外に出たこともあった。 館にいればパーティーはまた参加できるから 今回は二人で遊びに行こうか、と。 迎えに来た時のように彼の手を引き、外の世界へ旅立った。 その時に、自分も洋館に来た当初はよく抜け出し、 しかも生意気で手のかかる子だったことを語り 当時、抜け出した時に良く訪れた露店街へと連れて行った。] (129) 2022/12/16(Fri) 18:58:53 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 彼を迎えに来た時の、両親への別れ言葉>>1:112を聞いた時。 親に愛されていて良かった、との感慨深さと同時に 何故家族が引き裂かれないといけないのか、と やるせなさが同時に襲ってきた。 同時に数年前、自分自身も家を出た時に 似たようなことを言ったと思い出し、古傷が僅かに滲む。 男はその時「僕は死んだことにして欲しい」と残したが 親から貰った名、親の血を引く証である姓は変えていない。 背中越しに、エーリクの母の泣き叫ぶ声が聞こえたとき 振り向きたい思いを抑え、彼の手を強く握り前を進んだ。 他人である男ですら、胸を締め付けられるように辛いのに 本人はもっと辛いはずだろうから。 だから、エーリクのことを愛した両親の分まで 助けたい、守りたい、と改めて決意した。] (130) 2022/12/16(Fri) 18:59:23 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ しかし時に彼は怯え>>1:114、夜中に自室のドアを叩き 叫びながら入って来ることもあった>>1:115。] ……大丈夫だよ。僕はここにいるから。 僕が君を守ると約束しただろう? だから、安心して。 こっちにおいで。 [ まるで赤子をあやすように優しい声色で招き 彼を優しく抱きしめ、宥めた。 流石に最近は急に怯え、叫びながら部屋に来ることも 少なくなったが、彼の成長と、此処に馴染んできた様子に 安堵、同時にほんの僅かであれ、 寂しさのような不思議な感情が、心を過った。*] (131) 2022/12/16(Fri) 18:59:36 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:僕の名は ── [ シトラは五年前に館に来た。 最初の印象は大人しそうな子だったので、 早く馴染めるようにと思い、声を掛けた。 ──非常に申し訳ないが、その時の彼女の反応を見て くすっ、と笑いが漏れてしまった>>1:149。] 、っ、はっ、はは…………。 いや、ごめん。 あまりにも可愛くて、つい……。 そんなに緊張しなくても大丈夫。 何なら、カルクでいいよ。 それなら間違えないだろう? [ これでも食べて落ち着いて、と林檎味の飴玉を握らせた。 純粋さに心が浄化されたような気がすると同時に 楽しく過ごして欲しい、と感じた。 その後もシトラは何度か祈祷室を訪れてくれた。 時にはアリアに頼んでいた土産物を持ってきて貰ったり 話を聞いて、気を紛らわせる為に面白い話もして 彼女が神妙な顔で祈りを捧げれば、 男もまた同様に祈りを捧げていた。] (132) 2022/12/16(Fri) 19:00:13 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ辛いことがあったり、悲しいことがあったら 気にせずいつでもおいで。 僕は君の味方だから。 話すだけでも…… いや、無理に話さなくてもいいよ。 一人じゃないだけでも、誰かがいるだけでも 気持ちが楽になれるかもしれないから。 シトラが悲しい顔をしていると 僕だけでなく、みんな悲しむからね。 [ いつか悪夢のせいで寝られないと扉を叩いたとき。 安眠用の香を焚き、背を、頭を撫で慰めていた。 その後、少しでも落ち着いた様子と 明るさを取り戻した姿を見れば 聖職者ごっこも悪くない、と思ったこともあった。] (133) 2022/12/16(Fri) 19:00:39 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ ある時、シトラが紅茶の入れ方について 尋ね、訪れたことがあった>>1:148 その時は横に立って見守り続けていたが 初めての味はどうだっただろう。 満足のいく味に出来たなら、もう一度同じように、 今度はそれ以上に美味しく出来るようにしよう、と。 微妙な出来だったなら、今度こそはと再チャレンジ出来ると 実際に役立ったかはわからないが アドバイスをした。 逆に、彼女が僕に淹れてくれたこともあっただろうか。 男には思い浮かばなかった組み合わせで用意してくれて 新たな気付きと味に出会うことが出来た、と 彼女の成長と気遣いに感謝していた。*] (134) 2022/12/16(Fri) 19:00:57 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 現在:ホール ── [ 神の降臨によりざわついたままのホール内。 肯定の声が、否定の声が右から左へと漏れてくる。 周囲を見渡すと、ふとシトラの袖を握った エーリクの姿が視界に入る>>1:104>>1:230 二人共証持ちの中では比較的若く どちらかといえば大人しい方。 祈祷室にもよく立ち寄る常連で、 時には涙し、震えていた姿も記憶にある。 >>1:103エーリクの、>>1:227シトラの瞳が濡れている。 やがて手を握り、語り合う姿も見えた>>1:378>>1:379 二人が涙を流した姿は、幾度か見たことがある。 普段ならばすぐに立ち上がり、声を掛けるはずだが 足も動かず、声も出なかった。] [ 何と声を掛ければ良い? 「大丈夫」なんてあからさまな嘘は言えない。 君のことを守る、君の味方だなんて大言を吐きながら。 とんだ大ホラ吹きだ、僕は。] (135) 2022/12/16(Fri) 19:01:35 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ ただし、それが恩人の姿をした神の云う “ 幸せな世界 ”>>1:9とやらに連結するとは思っていない。寧ろ、“ 不幸の連鎖を断ち切りたい ”思いの方が強い。今回世界が存続したとしても、 遠い未来、神は同じ決断を迫るかもしれない。 それが無くとも、今回集まった皆のように 未来に証を持って生を享ける者本人 家族や周囲の者達は、再び苦しむことになるだろう。 今回世界が存続したとしても、問題の先回しなだけで 世代交代後に誕生することになる、証持ちの子らに 丸投げするだけでしかない。 今を生きる証持ちとしてのけじめでもある、と。 これは『教皇』の魂とは全く関係の無い 『カルクドラ』としての本心。] (137) 2022/12/16(Fri) 19:02:44 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ つまり、程度はどであれ どうあっても僕は破滅を願ってしまうようだ。] [ とはいえ、勿論二択に揺れているのは間違いない。 比率でいえば、破滅の方が僅かに大きいだけで。] (138) 2022/12/16(Fri) 19:03:10 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 何も出来ないまま、ぼうっとしたまま 時間だけが経過しようとしていた。 その時手に温もりが触れ、はっと我に返る。>>1:436。] ……シン、くん……。 [ 普段と変わらないように見える笑顔。 幾度も励ましてくれた明るい声。 かつて手を引いてくれた掌の温もり。 心の閊えが、僅かに軽くなった気がした。**] (139) 2022/12/16(Fri) 19:03:25 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a31) 2022/12/16(Fri) 19:12:21 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ エーリクとシトラに「大丈夫」と言えずにいた男と違い 彼はいともあっさりと言葉にした。>>1:436 気休めでも少し安心できたこと、緊張が多少解れたことに 嬉しくも、先程声を掛けられずに居た無力さに苛まれる。 同時に、僕はやはり聖職者ごっこをしているだけの ]見せかけの善人でしかない、と心が騒ぐ。 うん……。久々にヴェルトさんが戻ってきたと思ったら どうしてこんなことに……。 [ 男は洋館に来た当初、素行の悪さで よくヴェルトに叱られていたが その後シンの元に向かうことは少なく無かった。 何より、彼は男を叱らなかった。 自分の行動を棚に上げ 「またヴェルトに叱られちゃったよー。」と ぶつくさ云うような子にも、普通に接してくれた。] (270) 2022/12/17(Sat) 9:49:32 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 彼は生まれた時から洋館に居て ヴェルトに次ぐ洋館の主のような感覚であり 頼れる兄のようでいて、年も近く 友人のように気軽に話せる人物だった。 ヴェルトがいなくなってから 証持ちの中で、洋館の最古参であり 男のことをカルクくんと呼ぶのに引き摺られ いつの間にか、シンさんからシンくんと 呼ぶようになっていた。 あまり祈祷室に来る方ではなかったけれど 近くに来たから立ち寄った、等で扉を開かれた際には 嬉しさを隠さず、存分にもてなしていた。] (271) 2022/12/17(Sat) 9:50:22 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ……シンくんは、今の…………こと……。 どう思う? [ ヴェルト、という名も 神、という名も出さなかった。 彼が神であることは、魂が肯定している。 しかし、それを認めてしまえば、 過去のヴェルトとの思い出が 嘘のように思えてしまいそうで、消えてしまいそうで ──怖かった、から。] (272) 2022/12/17(Sat) 9:51:52 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 周囲の動揺やざわめきを見れば この話題をに触れないことは避けられなかった。 皆は何を思い、何を感じているのだろうか。] もし、この世界が滅びるなら……ううん 箱庭の再生がされるなら 僕達は、どうなってしまうのかな。 うまくやっていけるのか……。 本当に、幸せになれるんだろうか……。 [ 自分を含み、魂に感情を振り回されている者は少なく無い。 もし、この後幸せな世界を作るとしても 幸せは束の間でした。 再び衝突してしまうのではないかと。 触れたままの温かな手を握り返し、力を込める。 きっと震えは隠せていない。*] (273) 2022/12/17(Sat) 9:52:12 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ それからどれくらい時が経過しただろう。 まだシンは共に居ただろうか。 ホールに駆け付けてきたヒナギクの声が響き渡り>>202 慌てて中継機を起動させると、現在進行形で起こっている 世界崩壊の始まりが映し出された>>198>>199] ……これが、世界の、崩壊……。 [ 世界が崩壊するのも理解できる、と思いながらも 実際に報告を受け、一端を見れば再び感情は揺らぐ。 ただ『滅びるかもしれない世界』の現在を見つめたまま。**] (274) 2022/12/17(Sat) 9:53:14 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 未だホールの中継機の前で立ち尽くしたまま 幾分か経過したころ、周囲を駆け回るヒナギクの声が、 再度響き渡った。>>245 慌てて声の方へと駆け寄ると、そこにはヒナギクと 倒れていたプロセラの姿があった。>>1:412] どうし……プロセラ!? [ 寝ているだけ、と聞けば>>244多少は安堵するが とりあえず医務室へ連れて行くことにした。 いざ背負ってみると、華奢に見えてもやはり男性であり 特に体を鍛えていない男が運ぶには、なかなか体力が必要。 幾度か立ち止まりながら、休憩を挟み もし他に同行者がいるならば交代で運び 無事、医務室のベッドに横たえることが出来ただろう。 そして、彼が目覚めるまで待つことにした。**} (275) 2022/12/17(Sat) 10:11:49 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a65) 2022/12/17(Sat) 10:21:00 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a66) 2022/12/17(Sat) 10:27:18 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:“ふたり”への答え ── [ 再度、クリスタベルが祈祷室に訪れた。 丁度ゼロが去って間もない頃だったか 机には置き忘れていた彼の私物が残されたまま。 改めて話を聞くと、二人で一人とのこと>>5。 経典に記されている『恋人』は 男性、女性どちらでもある存在>>0:28 二人が溶け合ってひとつ、との説明も納得がいく。] 箱庭時代の『恋人』のように二人が一人、ということかな。 うん……多分わかった気がするよ。 神父様……、か。でも僕は神父じゃないよ。 成りたかったんだ……けどね。 [ 穏やかに語る笑顔が微かに曇った。 もし証持ちとして生まれていなければ 数年後には、神父になっていたのだろう。 無理やり塞いだ傷口が、少し膨らんだ気がした。 とはいえ、クリスタベルに悪意が見えないのは 理解出来るので、苦笑のみに留まったが。 そして、質問が投げられると] (328) 2022/12/17(Sat) 20:25:18 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ……なら、先に質問いいかな。 君達は今、幸せかい? 僕から見た君達は、幸せなように見えるんだ。 君達が幸せだと思っているなら、君達が正しいと思うよ。 命を授かりし生命は皆、幸せになる権利がある。 その幸せを得るために苦労も、努力もしたのだろう? そして、実際手にしたのだから。 [ 質問返しの後、回答には即答した。 そも男は神父でも無い上、カウンセラーでも無い。 ただの“聖職者ごっこ”でしか無いので 正解を答えることは義務では無い。 導く答えは常に、相手に安堵と心の平静を与える為のもの。 故に、二人を傷つけない、悲しませない解答を 言葉を選び、優しく投げていく。 もし回答が見当違いで、負の感情が見えたとすれば それは勿論全力で謝罪するだけのこと。 当時の男は、所詮未成年の青二才でしか無いのだから。] (329) 2022/12/17(Sat) 20:25:37 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ オレンジを添えたペパーミントティーを出し、 男も自分の分を飲みながら 今度はクリスタベルの過去話を拝聴する>>6。 荒れていた過去を聞くと驚き、可憐な顔を二度見する。] 僕が荒れてたことがもう伝わっていたのか……。 いや……恥ずかしい。 ゼロから聞いた? それともフォル? 言いくるめは大事だからね。 僕が話していることも、一種の言いくるめだから。 言い方や語り方次第で、印象はまるで違ってくるから。 誰もが印象が良い方の話を聞きたくなるからね。 ……ふふ。良かった。 君達仲が良さそうだから。 [ ゼロの話をするクリスタベルは、どこか嬉しそうに見えて 彼に出会えたことで、幸せを感じているのだろうと内心思う。] (330) 2022/12/17(Sat) 20:27:00 |
【人】 X『教皇』 カルクドラそうだ。実はこれ、ゼロの忘れ物なんだ。 近いうちに会う予定があるなら、届けてくれないかな。 [ 帰り際、机の上に置かれたままのゼロの私物を渡す。 当時の彼は割と頻繁に訪れていたので、 本人に直接渡しても良かったのだが。 会う理由も出来るのではないか、と思い。*] (331) 2022/12/17(Sat) 20:27:14 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ そして少し前。 神の帰還後、クリスタベルの姿は 早々にホールから消えてしまった。>>1:271 去っていく姿が一瞬見えただけだったが ]その横顔が、何処か辛そうに見えた気がして。 この状況、現場に居られなくなる理由も理解は出来ると。 ただ、見送ることしか出来ずにいた。 (332) 2022/12/17(Sat) 20:27:31 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ エーリクとシトラの時だってそうだ。 もしこの時、声を掛けることが出来ていれば。 少しくらいでも慰めに、心を軽くする言葉を 言えたかもしれないのに。 やはり、僕は誰も救えない。 ] (333) 2022/12/17(Sat) 20:27:56 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a83) 2022/12/17(Sat) 20:33:44 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ──現在:医務室── ううん、大きな声で叫んでくれて助かったよ。 急にこんなことが起きたから ショックや心労もあったのかもだね……。 [ 未だ目を醒まさないままのプロセラをから ヒナギクへと視線を戻す。 プロセラは男が館に来た時には既に居た先輩ではあるが 話す機会はあまり多くはなかったかもしれない。 僕の部屋でお茶でもどうぞ、と誘ったことはあったが 来てくれたことはあっただろうか。 一方、ヒナギクはプロセラが迎えに来たはずで 仲も良いのだろう。気が気でないのも理解できる。 先程、彼を運搬運ぶ時も>>354、線も細い彼女が 手伝ってくれたお陰で、無事運び終えることが出来た。] (400) 2022/12/17(Sat) 23:38:12 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 混沌、ざわめきが治まらぬままのホールから離れ 中継機やラジオが入っていない医務室は、 二人の話声しか聞こえない程に、静寂に包まれていた。 まるで、先程の混乱が嘘のようにも思えてくる。 もしかしたら、神が降臨したことも あの選択を告げたことも、全て夢なのかもしれない。 そのような一縷の希望を信じたくなった、時。] ……そうだね。 あの状況が続くなら、きっとすぐ……。 [ 夢であって欲しいと願っても、改めて現実へと返り咲く。 彼女の叫びで把握した、世界各地の天変地異。 何の罪も無いのに被害に遭った人々の叫び いとも容易く折れる樹、壁や岩すら飲み込む嵐。 まさに阿鼻叫喚、地獄絵図。 特定の人間達に幸せを用意する為、一方は蹂躙されていく。] (402) 2022/12/17(Sat) 23:39:23 |
【人】 X『教皇』 カルクドラヒナギクは、どう思ってる……? [ 柔和な表情は、きっと保てていただろう。 不安を煽らないよう。 声色も、優しく慰めるように。 とはいえ、自分の意見は後回しにして先に尋ねるのだから。 狡い男の考えることである。*] (403) 2022/12/17(Sat) 23:39:34 |
(a93) 2022/12/17(Sat) 23:45:51 |
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