【人】 涼風 梨花[──めくるめくひと時を過ごした後。 シャワーを浴び、ノースリーブのロングワンピースに 着替えた女は、まだ火照りの残る頬を冷まそうと ゆっくり船内を歩いていた。 ハイヒールの足元がやや覚束ないのは酔いではなく、 まだ残る異物感のせい。 まだ見ぬ誰かも、いまごろ誰かと享楽のひと時を 楽しんでいるのだろう。 クルーズ船にありがちな他の客とすれ違うだとか 知人にばったり出くわす、なんてことも 此処ではきっとないだろう、と思った矢先。] (35) 2020/07/15(Wed) 22:46:18 |
涼風 梨花は、メモを貼った。 (a23) 2020/07/15(Wed) 22:50:26 |
【人】 涼風 梨花[此方を見下ろす表情は当然のように驚きしかなくて その顔は夫とは似ていなかった。 一度違うと認識してしまえばまったく重なることもなく 何故間違えてしまったのか不思議なほどで。 やはりどこか疚しい想いがあるのやもと 羞恥に染まる頬を左手で押さえる。 この船には口が上手い男しか乗れないのだろうか。 慣れたフォローと世辞に、照れも混ぜ。>>42] ふふ……なら私は、うっかり素敵な殿方を ナンパできてラッキー、と言うところね。 ええ、よく知っている人と背格好が 似ていたのだけど……連れというわけじゃないの あなたは? ひとりでいらしたのかしら [それとも、と言葉を区切り、彼の左手を窺う。 女にとって、この場で遊ぶ相手の基準は二つだけ。 以前からの知り合いではないことと、 相手に妻や恋人がいないこと。] (43) 2020/07/16(Thu) 0:39:58 |
【人】 涼風 梨花[──もし、どちらもクリアしているのなら。] なので迷子というわけじゃないけれど…… もし、お時間あるなら少しだけ 付き合って貰えるかしら 人違いのお詫びに一杯ごちそうさせて? [とはいえ、彼が何処かへ向かう途中であったり、 待つ人がいるのなら止めることはせず。 そうして純粋に都合が悪いだけなら、 明日の約束を取り付けるだろう。]** (44) 2020/07/16(Thu) 0:45:03 |
涼風 梨花は、メモを貼った。 (a26) 2020/07/16(Thu) 0:45:46 |
【人】 涼風 梨花― 1日目・船内で ― [たった一度の経験が、女を劇的に変えたわけじゃない。 夫と間違えて腕を掴んでしまった青年への誘いも、 独身時代であったり、健全なクルーズ船では普通の範疇。 ただ、以前と違うことがあるとすれば。 バーなどで酒を交わした先、の想像を巡らせることか。 此処では談笑して終わるという方が稀であろうから。] ──…そう、 それは大変ね。 いいのよ、気にしな …… [今は、の意味を女なりに考える。>>53 忘れ物が下着であることや、それを届けようとしている などとはさすがに想像が巡らず、ていのいい 断り文句だろう、くらいに受け止めていた。>>54 まるで引き留めるように、手を取られるまでは。>>55 自然な動作で引き寄せる力には抗うはずもなく。] (93) 2020/07/16(Thu) 23:54:14 |
【人】 涼風 梨花ふふ、……それは、どうかしら。 なら明日はどう? そうね……、 これくらいの時間に、 あそこのバーカウンターで待ち合わせましょう。 来なくてもバチは当てないから、安心して? [青年の囁きに、冗談めかして笑いながら重ねる誘い。 示すのは客室からほど近い場所。 女の名も告げず、青年の名を訊ねることもなく 部屋を指定しなかったのは、それが破られても仕方ない 程度の口約束に留めるためだ。 こんな船で、知人がいるのであれば。 明日の彼が、今日の彼と同じとは限らないから。 ──女が、船に乗る前と今で変わったように。 了承の言葉を貰えればそれで十分と笑って、>>55 青年が何処へ向かうか確かめず、部屋へと戻った。]** (97) 2020/07/17(Fri) 0:05:14 |
涼風 梨花は、メモを貼った。 (a42) 2020/07/17(Fri) 0:09:32 |
【人】 涼風 梨花─ 2日目 ─ [あれから、女はマイペースに 普段と変わらぬ船旅を楽しんでいた。 空腹を感じればレストランで食事して、酒を飲み 広々としたスイートルームで読書に耽る。 御子柴からの"言いつけ"を律儀に守っているわけではない。 何度か声を掛けられたが、そのどれもが 女の求める基準を満たさなかったのだ。 セックスできれば何処の誰でもいいなら、わざわざ大枚叩いて 船旅になどでない。 いっそ、このまま何事もなく終わるのもありだろうか。 それはそれで勿体ない気もした。] こんばんは、……来てくれたのね。 それとも別の誰かを待ってた? [軽い口約束を交わした時間と場所。>>124 佇む背中はやはり夫とよく似ている上に、どことなく 哀愁や疲弊が見れるそれに自然と胸がきゅ、と詰まる。 昨日とは違うワンピースの裾を潮風に揺らし、 柔らかな調子で声をかけて。] (136) 2020/07/17(Fri) 9:37:43 |
【人】 涼風 梨花……御馳走するのはお酒以外が良さそうかしら。 あれから何かあった? [青年の顔色が見るからに不調を訴えていたなら 少しだけ眉を潜めるも、隣に腰掛け、 表情を覗き込むように首を傾げて、青年の言葉を待った。]** (137) 2020/07/17(Fri) 9:43:03 |
涼風 梨花は、メモを貼った。 (a48) 2020/07/17(Fri) 9:44:29 |
【人】 涼風 梨花― 2日目 バーカウンターで ─ [昨日、声をかけた時もどこか気がそぞろに思えたが 今の彼はどこか悲愴さえ漂っている。>>143 あれから。 確か知人に忘れ物を届けると言っていた。 言葉を濁す理由にいくつか予想はつくけれど たとえばそれが官能的であったり心浮くことなら こんな表情で酒を呷るのは考えにくく。 口が閉ざされるなら、それ以上を問いはしない。 赤の他人だから聞けることもあれば、逆も然りだ。] ……昨日も思ったけれど、口が上手いのね。 こういうところでの遊びには慣れているの? [代わりに、甘いかんばぜに似合いの世辞に、 緩い笑みを浮かべて、隣へと腰かけ。] (145) 2020/07/17(Fri) 18:00:58 |
【人】 涼風 梨花[続く、航海中のひとときについて、 あまりにも平然と宣うものだから、きょとりとした顔で。] いたぶ、……そ、 そう。 色んな嗜好があるものね……。 あなたもそういうのがお好み? [ややの動揺を交え、思わず視線が身体へと向く。 これもプレイの一環でついた傷だろうかと、>>135 塞がってはいるがまだ新しい人差し指の咬み傷を見詰め。 触れていいのか惑うような白指が、彼の手元を這い。] ふふ……そう? まだ何もされていないけど なら、お言葉に甘えようかしら ジンライムを ……。 [あなたは、と問う声は不自然に途切れる。 代わりに、寄り添う体温に合わせ唇の端をあげて。] (146) 2020/07/17(Fri) 18:18:00 |
【人】 涼風 梨花[ひそり、言葉を返せば女からの距離も近く。 避けられなければ傷口こそ避けるが、 手入れの行き届いた掌に軽く重なるかもしれない。] 私たち、仲良くなれるかしら? ……なんて。まだ名前も聞いてなかったわね。 まだこういう所での振舞いに慣れてなくて。 梨花、よ。 あなたは? [求められた問いに正しく返せたかはさておき。 オーダーした酒が手元に届けば、グラスを掲げよう。]** (148) 2020/07/17(Fri) 18:33:04 |
【人】 涼風 梨花[どこぞの女性との特殊プレイは口にする癖に、 指に残る咬み傷を隠すということは つまりそういうことなのだろう。>>163 意図的か、故意についたものかは女にとって関係ない。 もし彼と既に友人関係であったなら、含み笑いと共に 詮索を続けたかもしれないが。 そうではないので、探るような視線はここで断ち。] そうなの? 押しに弱いのかしら [意にそぐわない交わりだったのなら、疲弊もするか。 笑みにややでも力が戻れば、くすくす笑い。 名前の、文字を説明するどさくさで彼の手を取る。] そう、梨に花、と書くの。 ……ふふ、ありがとう。 時雨さん、も。風情のあるいい名前ね。 [本名か偽名かも、やはりこの場では関係ない。 重ねた掌の感触と温度、会話の心地良さが重要。] (168) 2020/07/17(Fri) 22:53:04 |
【人】 涼風 梨花[ほんの少しだけ、試すような含みを持たせるが 尚も是と返れば、くい、とグラスを傾け飲み干す。 くら、と視界が回るのはほんの一瞬。 彼を支えるように腕を添えたまま、立ちあがろう。 行先が女の部屋に変わったとしても異論はなく。 何れにしても個室についたら、 まずは部屋に備え付けの冷蔵庫からペットボトルの 水を取り出し、差し出すだろう。] 飲んでおかないと、あとで辛いわよ。 それとも──…飲ませてあげましょうか? [なんて、冗談めかした台詞を添えて。]* (170) 2020/07/17(Fri) 23:09:52 |
【人】 涼風 梨花― 時雨の部屋で ─ [ひとつグレードが下がる部屋は、それでも 過ごすのに十分な快適さと広さがあるようだった。 部屋に入り、扉が閉まると、やや幼稚な仕草で ハイヒールを放り投げてしまう。 初日ほどの焦燥が無い分、 落ち着いているように見えはするだろう。] はぁい、 [素直に甘えるような返事に肩を揺らし、 蓋を捻りながら、ソファへと素足で歩みよる。 柔らかなクッションに乗り上げ、彼の股座へと 片膝を置いて。 広げた両手がどこへ着地するかは好きにさせ 冷えた水を一口含むと、彼の頬に手を添え 唇を押しあてると、零さぬように流し込む。 一度、二度。 ──…三度目の前に、 ペットボトルはテーブルへ置かれ、注がれるのは 女の舌先と唾液だけになるかも。]* (172) 2020/07/17(Fri) 23:44:49 |
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