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【墓】 商人 ミロク「……、……」 瞳を開けた。双眸は紅に染まっている。 目が醒めたのは外だった。 雨がふりしきっていて、"肩が濡れる"。 此処は、あのとき の死体を見つけた場所だ。 「死んでも、魂が残るとは言いようだ。 生者と死者の違いがこんなところにあったなんて。 体験しないとわかりませんでした、今ならわかります。 これが、 命の重さ ですねぇ?」男は肩を濡らさなくなった。 いつの間にか腕の中で眠っている黒猫を抱え、 一歩病院へと歩き出す。 「さぁ、取引を続けましょう」 (+0) 2021/07/08(Thu) 2:32:37 |
ミロクは、取引を終えていない。 (c0) 2021/07/08(Thu) 2:33:20 |
ミロクは、タマオに、 を渡すように頼んだ。 (c2) 2021/07/08(Thu) 17:38:37 |
【墓】 商人 ミロクこれは、少し前。 まだ男が命を落とす前。 病院の裏手にスコップを持った男の影が一人。 スコップの影がもう一つ。 深く、深く穴を掘っていました。 少し離れたところにも、もう一つ、穴が掘られました。 一つの穴には小さな骨と薬の入った陶器の壺。 もう一つの穴には黒猫の遺体を入れました。 壺の中には、ニエカワの骨が入っていました。 もう一つ、ニエカワの夢が入っていました。 黒猫はタオルに包まれていましたが、 埋められれば次第に土にかえるでしょう。 どちらも弔う為に、作られた、お墓でした。 技師の墓は、ありませんでした。 知りませんでした、知ろうとしませんでした。 彼女はきっと、どこかに、行ってしまったんでしょう。 (+9) 2021/07/09(Fri) 9:01:48 |
【墓】 商人 ミロクまだ雨の降りしきる中、濡れない男はその地面を見下ろす。 しゃがみこんで、手を合わせて。 目を細めればどこかに"彼ら"の気配を感じた。 まだ病院のどこかで、誰かを待っているのだろう。 「ああ、結構無事ですね。 かなり深く掘りましたし、……突然掘り出す人も、 墓荒らしする不届き者も獣ぐらいで。大丈夫かな」 同時に誰の墓かかも皆にはきっとわからない。>>+9 ここに残る彼らになら知らせてもいいかもしれないが、 今だと外に出てきてしまうかもしれない。 骨があったことが知られてしまうかもしれない。 あの肉が"人"であったことが知られてしまうかもしれない。 ……しばらく秘密のお墓としよう。 この病院によくいた猫も一緒に埋めた。 多分、寂しくないだろう。 「もう二度と口を聞けないと思っていたんですけど…。 せっかくまだいられるのなら、 最期ぐらい見届けようと思います。 さて、一体人の魂の寿命はいつまででしょうか?」 (+11) 2021/07/09(Fri) 10:40:10 |
ミロクは、あの日、彼を黒猫を抱え見送った。『無事に帰ってきてくださいね』 (c5) 2021/07/11(Sun) 16:27:02 |
ミロクは、ロクと話をしている。結構、かなり、ながく、ずっと。 (c6) 2021/07/11(Sun) 19:12:43 |
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