【墓】 衝撃波 ポルクス振動に吹きかけられた煙は"それ"に留まり続ける。 演奏によって生み出されている振動は徐々に輪郭を浮かび上がらせ"ひとの形"となっていく。 やがてそれは ポルクスと同じ背格好をした振動の煙人形に! 用済みだと言わんばかりに口にしていたタバコを床へと吐き捨て落とす。カラン、カラン、と音を立てる振動ですら演奏の音へと塗り替えてしまおうか。 「おーうクラシック、久しぶり〜。 ……ほら、お客サンにお辞儀は?」 ジャカジャジャン! と鳴らす音に合わせ煙人形は華麗なお辞儀をしてみせる。その後はポルクスの方を見て首を傾げるような動作をして。 「……なんてな? 今日は俺とデュオだぜクラシック」 能力が使えないと、ギターを持っていないと、煙がないと、お前には会えないからさ。だから今日は気が済むまでお前と舞ってみせようか。 ちょっとした再会と、ちょっとしたお遊びだ。 (+91) 2022/02/26(Sat) 6:37:35 |
【墓】 衝撃波 ポルクス「フルスロットルでいくぜ!!」 掛け声に合わせギターは大音量を響かせる。軽快で豪快なロック調の演奏に合わせ、ポルクスの形を模した煙人形は踊り出し。 ――なんだか懐かしいな、と感じた。 ホームレス街の外で、金をスるにも飽きた頃合いで。 パフォーマンスとしてよくコイツと踊っていたんだ。 その時には勿論、アイツもいてさ―― ポルクス自身も演奏をする手はそのままに、足だけでステップを踏み、時には跳ねて、ターンをして。 くすくす、からからと喉が鳴る。 観客のいないひとりきりのステージで。 ポルクスと煙人形はまるで双子のように。 揃った足並みで踊る。音が鳴る。煙が舞う。 「いいぜ、そのステップ、もう一回!!」 ――アイツは今頃どうしてるかな。 何もわからないや。何もわからなくなっちゃったや。 寒さに震えていないかな。お腹を空かせていないかな。 心配されるのはいつも俺の方だったけど。 なんだかんだでアイツも泣き虫だし―― (+92) 2022/02/26(Sat) 6:59:44 |
【墓】 衝撃波 ポルクス懐かしさに浸ろうとすると寂しさも押し寄せてくるよ。 ――俺らはいつでも一緒だったのに。 こんな力さえなければもう少し違っていたのかな。 ――もっと普通に生きれたのかな、なんて。 考えてもどうしようもないと分かっているのに。 ――だってもう離れ離れだ。 「…………ッハハ!!」 笑った顔を繕うのは簡単だ。 噓が下手な俺が唯一、偽れるものだ。 だってそうしていないと どこもかしこもボロボロだから。 出来損ないの機械は音を鳴らせなくなると理解している。 だからボロボロのまま笑みを浮かべて、己の姿をした虚構と力強く舞ってみせようか。 煙人形をアイツの姿にしようと思ったけれど。 思い出の中の空想のそれに会うのはなんか違うなとも思ってやめた。 上手く演ってみせると大口を叩いたからさ。 次に会うのはやっぱ、本物のアイツがいいよな。 不敵に笑みを浮かべたって、満足なんて出来やしない。 それでもギターを鳴らして。踊って。跳ねて。舞って。 振動を纏う虚構も同調して。まるで生を得たように舞って。 俺は生きているよ。ここで生きているからさ。 届かない音を響かせ舞い続けよう。 生を叫び続けよう。俺の気が済むまで。 この振動は続いてく。 (+93) 2022/02/26(Sat) 7:33:03 |
ポルクスは、己の虚構と踊り続けた。気が済むまで。ずっと。一緒に。 (c57) 2022/02/26(Sat) 7:33:53 |
【墓】 衝撃波 ポルクスこれはシャンメリーの瓶を片手にまたラッパ飲みしながらロビーに来てみた男。 周辺を見。音を確認し。 いつも居る顔が居ないと理解し。 「………………、 やっぱマズったか? 」やらかしたな……の顔をしました。 そのまま踵を返してふらっと何処かへ去ってしまった。 (+97) 2022/02/26(Sat) 19:09:04 |
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