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テオドロは、道は外れたはずなのに結局同じところに辿り着くのかと、苦笑いをした。 (c0) 2023/09/20(Wed) 21:15:13 |
ニコロは、ごめんな、と笑った (c1) 2023/09/20(Wed) 21:16:13 |
ルチアーノは、どら猫は、今日も一匹だ。 (a0) 2023/09/20(Wed) 21:17:44 |
フィオレは、報告を聞いて…目元を拭った。それでも、絶望はしなかった。 (a1) 2023/09/20(Wed) 21:39:00 |
ペネロペは、知っている。 (a2) 2023/09/20(Wed) 21:46:34 |
リヴィオは、今日も変わらずいつも通りだ。 (a3) 2023/09/20(Wed) 21:47:32 |
天のお告げ(村建て人)【ロケーションタグ】 墓下ロケーション、にて交流が可能です。 タグにて発言があった人は、某時刻に同じ牢にいたことになります。 モブもいるので、何かを話していても紛れはするかも。 それでも聞かれちゃいけない話は、やっぱり内緒話が一番ですね。 (#1) 2023/09/20(Wed) 22:35:42 |
フィオレは、買い出しから帰ってきたのち、新たな報告を聞いた。 (a4) 2023/09/21(Thu) 0:52:42 |
【墓】 徒花 テオドロ「───何だって?」 寝耳に水というには、あまりにも。 自分の思想、その根底を掘り返すような話だった。 己はよく知っているはずだ。それが何を意味するのか。 「……そうか。じゃあ、俺とアリーを攫ったのも……」 20年もの時間。彼の傘下であってもおかしくはない。 ショックは意外と言うべきほど少なかった。 元よりそのつもりだったから。肩書に踊らされず、 この目で何が正しいのか見極めてみせるのだと。 「とんだ古狸だな。 でも、彼のおかげで今の俺がいるのには違いない」 何なら辞職願を叩きつけたところだったから、 今後の事を考える為には丁度良くすらあった。 ひとつひとつ。縛り付けていたものから決別する。 #収容所 (+0) 2023/09/21(Thu) 0:53:59 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ (1) 2023/09/21(Thu) 0:54:59 |
【墓】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオその日の朝。いくらかの人員と共に並べ連ねられた中に、 ほかのどこか作り物めいた捏造を匂わせるでっちあげとは明らかに異なる罪人の名があった。 その男は警察組織に属していながら、墨色の罪に身を浸していたのだという。 かつて貴方がたの上に立っていた、或いは目の上の瘤であっただろう男は、 或いは犯罪組織に属する人間として敵であった、そして話の通じる窓口であった男は、 その裏で全てを欺いて、幼い子どもたちのの切れっ端を売りさばいていたのだという。 ひとつは、路地裏から。ひとつは、幼い子供の遊び場から。 ひとつは、ノッテファミリーの息の掛かった、彼らの敷地であるはずの養育院から。 手引して手足のように使っていたのは街のチンピラや、ノッテのシマを荒らす輩、 島外から参入してきた小規模な国外犯罪グループなどだった。 警察からしてもノッテからしても、力をつけられてはまずい輩だ。 其々に対する反目であり、裏切りであると、挙げられた証拠の全てが物語っていた。 商品はどこからどこへ渡っていたか。この島から、島の外へ。特に、このニ年間に至っては。 "港"の主を欺いて、その影と背に隠れて利権を吸い上げていたのだと、調査が上がる。 長らく窓口として親しくしていた筈の、今は留置所の中の彼をだ。 ほそぼそと続いていた罪はこのニ年で拍車が掛かる。 養育院に寂しい風が通り抜けたように思うほどに、子供の数は徐々に減っていた。 表向きには、もしくはノッテファミリー内の監督者への報告では、 彼らの引き取り手として挙手するものが島外から多くなっていた、ということになっていた。 それが意味する真の意味は、もはや言わずもがなであろう。 幾人の、幾十人の子どもたちが、その未来を奪われてきたのだろう。 その醜聞は瞬く間に人の口にのぼり、午前の内に署内を駆け巡った。 勢いは激しく、疾く。ヴィトーと呼ばれた男の信頼が失墜し、嘲弄に変わるのは早かった。 そのうちに誰もが口にする。今までの、男へ対する不平不満。嫉妬。 さもそれが元よりの評価であったかのように塗り替えられる。 心変わりが早い、否。誰もそれが自分より上に立っていた人間だと認めたくないのだ。 (+1) 2023/09/21(Thu) 1:08:55 |
【墓】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオそしてそのうちに、歳を重ねた警察官らからある噂が降りて広がっていった。 ヴィンセンツィオ・ベルティ・デ・マリアという男が警察になる前、 彼は一体どこから来たのだろうかということだ。 一人の年老いた警官が言った。 警察などになる前は、あの男はスラムの淫売だったと。 痩せた体に見窄らしい衣服をまとって春を鬻いでいたのを自分は知っていると。 一人が口にすれば、既に真っ赤に焼けた土壌に油を注ぐように嘲弄の炎は大きくなった。 やれ、前々からそうなのじゃないかと疑っていたと。 やれ、今の地位にあるのも体で取り入って寝室で成り上がった功績なのだと。 やれ、これまでの活躍と聞いていたのは全てでっちあげなのではないかと。 一度足元が崩れたからには、もう留まることはない。 まともな者が悪意の波を止めるには、人が人を下に見た時の高揚を鎮める術もなく。 その噂はひょっとしたら、留置所の前でももっともらしく囁かれたかも知れない。 それくらい、衝撃的だったのだ。それくらい、認められないものだったのだ。 噂話をするのは不真面目なものばかりではない。真面目なものもそれに従った。 まるで自分が今まで従ってきたものこそが、嘘の姿であったと目を塞ぐように。 笑いものに石を投げるのは、自らを守るためなのだ。 人はだれもが、強い生き物であるわけではなかった。 (+2) 2023/09/21(Thu) 1:09:05 |
カンターミネは、歌う。君は未だにマフィアとつながりがあるんじゃあないか? (c2) 2023/09/21(Thu) 1:38:45 |
カンターミネは、そこでようやく、テディベアを投げ捨てた。通信は切断された。 (c3) 2023/09/21(Thu) 1:39:08 |
ニコロは、安心した。俺で良かった。 (c4) 2023/09/21(Thu) 1:52:34 |
フィオレは、ペネロペの言葉に、ただ小さく頷いた。 (a5) 2023/09/21(Thu) 2:18:52 |
ペネロペは、犬の方が好きだ。 (a6) 2023/09/21(Thu) 2:45:03 |
ペネロペは、テディベアを持って何処かへ出掛けた。《口からどんどん情報が出て来るねえ》 (a7) 2023/09/21(Thu) 3:09:09 |
黒眼鏡は、手放さない。 (c5) 2023/09/21(Thu) 4:48:13 |
【置】 口に金貨を ルチアーノその男は常に疑うことばかりしてきた。 誰かを信じることが怖かった、次は裏切られる事の無いように いつも周りを見ていなければいけないと思うようになった。 しかし同じ程信じる事ばかりしてきた。 いつまでも疑っていたら怖いからだ、蹲って出ていかなければ暗い部屋のまま。 どうか置いていかないで欲しい、一人にしないで欲しかった。 それでも子供でもない自分に都合よく手なんて伸ばされない。 ほんの少ししかないプライドと意地が見栄を張らせて嘘をついてしまう。 だから、一人でも立って歩かなければいけなかった。 知りに行かねばならない、人などいくら疑ってもキリがない。 安寧の場所を求め彷徨うだけのどら猫が生まれた瞬間だ。 その猫は何でも奪っていくぞ、盗られたくないなら財布の紐は緩めておきな。 一体いつからこうなってしまったのか。 はっきりしたのは五年前、否、十年前からその予兆はあったのだ。 寂しくなかったのに。それまで感じたことの無い寂しさを感じる様になった。 憂いもなかったのに。それまで感じたことの無い悦びを教えこまされていた。 満たされていたのに。それまで感じたことの無い飢えも渇きも願いも抱えて。 何もかも変わった日から、自分の居場所は何処だった? (L0) 2023/09/21(Thu) 6:12:16 公開: 2023/09/21(Thu) 6:15:00 |
ニーノは、ゆっくりと顔を上げれば。 (c6) 2023/09/21(Thu) 9:41:31 |
ニーノは、微笑んで、告げた。 (c7) 2023/09/21(Thu) 9:41:37 |
ニーノは、あなたの『 』になりたかった。 (c8) 2023/09/21(Thu) 9:42:54 |
ロメオは、矛盾を抱えている。 (a8) 2023/09/21(Thu) 11:03:25 |
ロメオは、『人並み』にいつも背を睨まれている。 (a9) 2023/09/21(Thu) 11:04:42 |
ニコロは、月桂樹の葉を贈った (c9) 2023/09/21(Thu) 15:47:37 |
黒眼鏡は、口に指をに突っ込んだ。 (c10) 2023/09/21(Thu) 16:07:37 |
黒眼鏡は、セクシャルハラスメントをした。 (c11) 2023/09/21(Thu) 16:46:46 |
ペネロペは、テディベアの腹を押した。 (a10) 2023/09/21(Thu) 16:59:23 |
リヴィオは、リヴィオ・アリオストは幸福な人間だ。 (a11) 2023/09/21(Thu) 18:30:04 |
リヴィオは、だから、いつだって笑顔なんだ。 (a12) 2023/09/21(Thu) 18:30:19 |
ネロは、牢を尋ねた。 (a13) 2023/09/21(Thu) 21:22:10 |
ニーノは、ならば、その罰が下るように。 (c12) 2023/09/21(Thu) 21:48:32 |
カンターミネは、手を振る。手錠の鎖が音を立てた。 (c13) 2023/09/21(Thu) 22:26:48 |
エリカは、片手でリンゴジュースを作った。17くらいコップに入った。 (c14) 2023/09/22(Fri) 11:21:49 |
エリカは、…力を一気に込め過ぎて飛び散った果肉を回収し、今度はゆっくり絞った。 (c15) 2023/09/22(Fri) 11:24:15 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ昼間の人通りが多い目立つ煉瓦道。 その一角に赤のオーニングテントが目立つケーキ屋がある。 一番人気はティラミス、他にもタルトにパイにシュークリーム甘い香りが漂う人気店だ。 「Buongiorno、今日は予約を頼めるかあ」 メモに注文するケーキに連絡先に名前を記せば金と一緒に店員に渡す。 笑顔で受け取った女性店員は、サービスですと包みに入ったクッキーを男に差し出した。 「おっと、……どうもありがとう。 丁度お腹が空いていたんで助かった」 言葉にして気づく、……昨日の夜吐いてから何も食べていない。 流石に食事をとるべきかとあたりを見渡して近くの裏路地へと向かって歩いてく。 ズキリと痛んだ頭がまた何か嫌な夢を見せてきたが、いつかの美少女のデスメタルを思い出してその幻影は振り払った。 (2) 2023/09/22(Fri) 11:24:15 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>2 ルチアーノ 「Ciao ルチア。 今日は元気そうで何よりだ」 あなたがケーキ屋から出てきて路地裏に向かう所。 あなたが気になって探していたのか、それとも偶然か。 とりあえず姿を見かけて、店内から出てくるのを待って追いかけた。 あなたの行動範囲はそれなりに把握している人間の動きであることは間違いない。 本当に元気そうかと言われると微妙なところだが、少なくとも昨日会った時に比べたら随分とマシだろう。 (3) 2023/09/22(Fri) 12:27:12 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>3 エルヴィーノ 「げっ、Ciao……エル。 そうだな、散歩できるぐらいには調子はいい」 話しかけられると思っていなかったのか路地を歩いていた男は、 明らかに困ったような反応をして古くからの知人に返事をした。 「……い、今は見逃してくれるかあ? 散財はしてないし、猫も漁ってない。 後で連絡するから。ほれ、サービスで貰ったクッキーでも分けてやろう」 子供に餌を与えるような言い方で貴方にそれを差し出した。 (4) 2023/09/22(Fri) 13:06:37 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>4 ルチアーノ 「げっ、とは失礼だね。 調子がよくなったなら何よりだけど」 あなたの困った様子を見て、少しだけ眉を下げて。 迷惑だったならごめん、と小さく謝る。 「別にキミを捕まえに来たわけじゃないよ。 ……ただ、あの人と話はできたのかなって、聞こうと思っただけだ」 クッキーについてはやんわりと断った。 それをもらうために声をかけたわけじゃないからだ。 (5) 2023/09/22(Fri) 13:28:02 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>5 エルヴィーノ 「教えてやりたいのはやまやまだが、 今はその話をしたい気分ではないなあ? ……諸々整理ができてないんでね」 回答はノーコメントだった。 謝罪にも気にしないでいいといいながら携帯を見る仕草は、相変わらず何かに追われているように忙しない雰囲気である。 「……それと聞き逃しかけたが、この俺を捕まえるとか言うのはどの口だ? まるで俺が悪いやつみたいじゃないか。 こんな色男に手錠をかける真似なんてしてみろ、 冤罪だと喚いて金をふんだくるからな」 「一体この俺に、なんの罪があって捕まえられると思っている」 そう笑って、貴方の横を通り抜けようとした。 (6) 2023/09/22(Fri) 14:41:33 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>6 ルチアーノ 「警察と見れば逃げ出そうとするやつが一定数いるからね。 ……今のキミのように?」 望む回答はもらえそうにないと見れば肩をすくめて。 通り抜けようとするあなたを振り返る。 とはいえ、去っていくのを止める風ではない。 「気をつけて」 「今は罪がなくとも逮捕してしまえる世の中だからね」 その背に言葉を残して、あなたが見えなくなるまで見送った。 (7) 2023/09/22(Fri) 15:11:11 |
【人】 コピーキャット ペネロペ朝の慌ただしさは過ぎ、少しすればまた街が動き出す。 そんな静かな時間に、三日月島の灯台には一つの人影があった。 天気はあいにくの曇天。 朝に行き交う人々もそれに、或いは法案の陰に、 重たい空気に俯きがちに背を屈め、歩いていたことだろう。 灯台からの眺めも見通しは悪く、目に映るのは灰色ばかり。 ざあざあと鳴る波の音も平時に比べて心地良いものではなく。 今は侘しさばかりがそこにあった。 けれど、それでよかったのかもしれない。 目を閉じて、過去にこの島であった事を思う。 この島で失った家族を思う。 今となっては伝聞でしか知らない家族を思う。 #三日月島_灯台 (8) 2023/09/22(Fri) 20:11:41 |
ペネロペは、暫くの間そうしていた。 (a14) 2023/09/22(Fri) 20:12:04 |
ペネロペは、自分の素顔を知らない。 (a15) 2023/09/22(Fri) 20:12:26 |
ルチアーノは、真っ直ぐに睨みつけた。 (a16) 2023/09/22(Fri) 22:51:54 |
ルチアーノは、もうその目を逸らしたりはしない。 (a17) 2023/09/22(Fri) 22:53:11 |
リヴィオは、" "な人間だ。 (a18) 2023/09/23(Sat) 0:47:02 |
イレネオは、腹が減っている。 (c17) 2023/09/23(Sat) 1:05:44 |
ニコロは、嫌な予感がした。 (c18) 2023/09/23(Sat) 1:43:18 |
テオドロは、ここのご飯はあまりおいしくないですね。 (c19) 2023/09/23(Sat) 1:45:44 |
エルヴィーノは、牢屋に居る同僚たちにこっそりパンを差し入れした。 (a19) 2023/09/23(Sat) 1:49:42 |
ニコロは、取り調べを受けている。 (c20) 2023/09/23(Sat) 1:57:01 |
エリカは、やわらかな眼差しを向けている。 (c21) 2023/09/23(Sat) 2:15:26 |
マスター エリカは、メモを貼った。 (c22) 2023/09/23(Sat) 2:16:00 |
フィオレは、毒の花を芽吹かせている。 (a20) 2023/09/23(Sat) 2:27:15 |
アリーチェは、牢屋を後にした後、手で顔を覆った。 (a21) 2023/09/23(Sat) 2:31:03 |
カンターミネは、歌う、歌う、歌う。 (c23) 2023/09/23(Sat) 2:38:49 |
ペネロペは、缶ビールをもうひとつ開けた。 (a22) 2023/09/23(Sat) 2:40:01 |
コピーキャット ペネロペ(匿名)は、メモを貼った。 2023/09/23(Sat) 3:21:23 |
カンターミネは、歌うのをやめさせられた。 (c24) 2023/09/23(Sat) 4:05:35 |
ヴィットーレは、牢屋の中のベッドに潜り込んだ。 (c25) 2023/09/23(Sat) 6:36:25 |
ニーノは、家族以外に触れられることが、こわい。 (c26) 2023/09/23(Sat) 10:01:44 |
【墓】 黒眼鏡アレッサンドロ・ルカーニオ。 裏社会での通称を"黒眼鏡"という男が率いるのは、 ノッテ・ファミリーの活動において、主に物流を取り仕切る部門である。 彼らは密輸や禁制品の販売、人、物──場所を動かすだけで金が発生するもの。 そのほぼ全てに関わり、あるいは自らで全てを賄い動かしていた。 特にアレッサンドロの支配力が強いのは、多くの港湾設備を擁する三日月島周辺。 当然ながら海運業が強く発達したヴェスペッラにおいて、 彼らはいつしか──少なくとも、先代のカポ・レジームの時代には既に――"港"と呼ばれるようになっていた。 元ソルジャーらしさ、というのか。 規律と不正にひどくうるさいアレッサンドロの剛柔組み合わせた監視の下で、 "港"は強く統制されファミリーの地盤を固めるための一角を担っていた。 アレッサンドロ曰く、 「あって当たり前の仕事でミスるとリスクがデカい」 「需要が常にある以上、こちらからリスクを取るより顧客を依存させたほうが稼げる」。 商品がなんであれば、物流とはまるで生物の血管のごとく、 常に物を動かし続けることこそ最大の利益を生む。 そういった理念の下、"港"はそれが非合法的性格を多分に含むことを除けば ごくまっとうで理想的なビジネスのように運用されていた。 (+4) 2023/09/23(Sat) 11:06:02 |
【墓】 黒眼鏡だがそれはあくまで、アレッサンドロ・ルカーニオの影響だ。 従わないもの、自らの運営方針にそぐわないものに 直接的な脅迫、あるいは暴力をためらいなく行使し、 従うものにはポケット・マネーからの恩賞を躊躇わない。 それが正しいかはともかく、部下にとって「従うことにメリットがあり、従わないことにデメリットがある」ことのみを徹底的に叩き込んだ彼の下であるからこそ、そのシステムは正常に機能していた。 それゆえ、アレッサンドロ・ルカーニオが逮捕されてからの"港"の人員たちの反応は、大きく別れた。 一つは、システムを維持する者たち。 全体の六割を占めるこのメンバーは、思惑はどうあれ数日前と同じことを行い、数日先も同じことを行った。 これが長期化するならばともかく、多少のトラブルで今までうまく行っていたやり方を変える必要はない、と思ったのだ。 勿論中にはアレッサンドロのシステムこそが心地よいと感じるものもいたし、 あるいは「気を抜いた途端に黒眼鏡が戻ってくるのではないか」とバグベアに向けるような怖がり方をした者もいるが、 とにかく当面の間大きな動きをすることもないし、する必要もない者たちだ。 それは実に合理的な判断に思えたし、それこそが自然であると信じる者も多かった。 (+5) 2023/09/23(Sat) 11:08:08 |
【墓】 黒眼鏡一つは、これを機であると動き出す者たち。 アレッサンドロは部下たちに十分な利益還元を行っていたが、 十分なんてものはない。 逮捕の報をきいて早速自らの利益を拡大しようと、種々様々な活動が行われた。 そしてそれがうまくいくかどうかは置いておいて、アレッサンドロは"港"が自分の指揮下から外れた際、こういった活動を咎めるような仕組みまでは構築していなかった。 彼のことをよく知る部下曰く、「好きにやるならそれはそれでいいと思っていたのでは」──などというが、果たしてどうだろうか。 元々がマフィアという、法とは利益をどうやって味わうかのドレッシングに過ぎないと思っているような連中だ。 これらの数もそれなりに多く、後にファミリーが調べたところによれば全体の三割がこういった"独立"にいそしんでいたという。 そして残った、全体の一割程。 彼らは一見普段通りに業務を進めていたが、ときたま妙な振る舞いをしていた。 普段入らない場所に入り、普段しないことをする。 それはほんの少しだけ、ちょっとだけ足を延ばす程度のことで、 けれどそれをする意味も必要もないことだった。 それを見とがめられるものもいたが、「アレッサンドロからの指示で」と言えば大抵の場合は見逃される。 そしてそれは、別段長く続くものではない――ほんの少し、たとえば荷物を運ぶだけ。 そのことに気が付くものが、はたしてどれほどいただろうか? いたとして、それが何を意味するのか、組み立てられるものはいるだろうか。 多くの者は、「アレッサンドロが釈放されれば分かるだろう」と気に留めることもなかったが。 (+6) 2023/09/23(Sat) 11:08:33 |
【墓】 黒眼鏡──とにかく。 総合すれば、"港"は七割が普段通り。つまりはビジネスにおいて影響は無視できない程度ではあるものの、これまで通りに営業を続けていた。 ヴェスペッラの海には今日も、静かに白と青が揺蕩い踊っている。 三日月島の朝焼けはあの日も今日も、変わらずに美しい。 (+7) 2023/09/23(Sat) 11:09:23 |
ダニエラは、ふたつの中から、犬を選んだ。 (a23) 2023/09/23(Sat) 11:16:18 |
【墓】 幕の中で イレネオがん。 がん。 がん。 それは憤りだった。 男の義憤が牢を打ち檻を揺らした。 食い締めた歯がぎりと鳴る。奪われ消された子どもたちのことを思ってまた心が逆立った。「────くそ野郎が」 呻きに似た響きが落ちる。 まったく男は正義の徒であった。 (+9) 2023/09/23(Sat) 15:32:26 |
イレネオは、真面目な警官だ。自他ともにそう認めるように。 (c27) 2023/09/23(Sat) 15:32:53 |
カンターミネは、『お前じゃ無理だ』と笑う。吐いて、汚れて、まだ笑う。 (c28) 2023/09/23(Sat) 17:18:04 |
アリーチェは、止めてくれるはずの幼馴染二人は、傍にいない。 (a24) 2023/09/23(Sat) 17:45:13 |
リヴィオは、「これじゃあ無敵失格だね」といつも通りに笑う。 (a25) 2023/09/23(Sat) 18:15:07 |
ニーノは、十九年の人生で自分がした、悪いことを数えている。 (c29) 2023/09/23(Sat) 20:46:39 |
ニーノは、この現実がこれまでの罰であるなら、帳尻が合うはずだから。 (c30) 2023/09/23(Sat) 20:46:48 |
ペネロペは、知っている。 (a26) 2023/09/23(Sat) 20:57:58 |
ルチアーノは、猫は別に好きじゃない。 (a27) 2023/09/23(Sat) 20:59:28 |
ヴィンセンツィオは、揺さぶられながらも己を責める声をただじっと聞いていた。 (c31) 2023/09/23(Sat) 20:59:53 |
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