【人】 雨宮 健斗[ は、と気付けば机に突っ伏したまま寝落ちて いたらしく、スマホの時計はAM3:00という 恐ろしい時間を表示している。 やべえ、と呟いて身体を起こせば 分厚いコンクリートに囲まれた防音室は 静寂が耳に痛い。 固まった身体を伸ばして息を吸う。 生理的な耳鳴りが聞こえる。 ] (2) 2021/06/17(Thu) 19:42:41 |
【人】 雨宮 健斗─── 耳音響放射、だっけ。 [ 単調な音が不快な夜更け。 やりかけの課題を雑多に纏めながらスマホを弄る。 この時間にでも癒してくれる音はFMにあって、 アプリを立ち上げれば柔らかな声が鼓膜を撫でた。] 『みなさんこんばんは、いい夜ですね。』 (3) 2021/06/17(Thu) 19:44:29 |
【人】 雨宮 健斗[ ごくごく小さな音に設定しているスマホから、 しっとりしたジャズのメロディ。 とん、とん、とひとりでに動く指。 主旋律を拾ってばかりだった耳がいつのまにか 太く柔い低音を追うようになっていることに ふと、気付く。 うは、と笑って。 ] ─── 顔見てェな。 [ 閉まっていた蓋を開けて。 そっと、鍵盤に指を乗せる。 ピアノ弾きの端くれの自分から見ても羨ましく思う、 その手を思う。 触れたい なんて、夜更けにはやけに素直。 ] (4) 2021/06/17(Thu) 19:46:26 |
【人】 雨宮 健斗*** 『おつかれ。今日って練習? メシ食わねぇ?』 [ 滅法朝に弱い恋人が、どうにか目覚めているであろう 時間を待って、 待った割には愛想のないメッセージを送った。 夜更けには素直だったからと言って 顔が見てぇとか会いたいだとかなんとか、 思ってる通りの可愛いことはなかなか 口には出しづらい。 まぁ言ったところでまじまじと、 熱でもあるんじゃね?と返されそうな気は しないでもない。] (5) 2021/06/17(Thu) 19:47:51 |
【人】 雨宮 健斗[ 高校時代の親友、という肩書きが 恋人、に昇格して暫し。 超がつくほど過保護な母親が用意したマンションで 送る大学生活は、まぁわりに慌ただしい。 酷使を余儀なくされる左手はガチガチに 強張っていて推定握力5程度。 いででで、と唸りながら反対の手でぐにぐにと 押して解して。 ちょっと考えてメッセージを付け足せば、 さて返信はあっただろうか。 ] 『会えるんならそっち向いて出てくし、 うちでもいいなら今日小夜子(母)が 持ってきたカレーがある。』 * (6) 2021/06/17(Thu) 19:49:30 |
【人】 矢川 誠壱[朝が弱いのは、昔からだった。 スマートフォンのアラームの音は聞こえない。 電話の着信音だって、聞こえない。 ただ、ひとつ、メッセージの着信音。 鳴ったそれに、瞼が薄く開いた。] (7) 2021/06/17(Thu) 20:53:20 |
【人】 矢川 誠壱[ぱちぱちと瞬きを繰り返して、 ぼんやりとした視界を鮮明にすれば、 手に取ったスマホの画面に表示された スヌーズの文字をキャンセルして、通知の確認。 そこに表示された名前を見れば、 ふにゃりとそれはそれは緩んだ笑みを浮かべ、 うつ伏せのまま、頬を枕につけていた体勢を 仰向けに変えて、顔の目の前に画面を持ってくる。 スライドして開ければ、そこに表示される 大切な親友───そして、今は、恋人となった その人の名前に目を細めるのだ。 憂鬱な朝も、そんな些細なことひとつで、 こんなにも幸福感を感じられる。 それが、うれしくて。] 「おはよ」 [きっと、己の目覚める時間にあわせて くれたのであろう、愛おしい彼に、 まずは朝一番の挨拶を。] (8) 2021/06/17(Thu) 20:53:39 |
【人】 矢川 誠壱「今日は休み」 [大学に入って、一人暮らしを始めた恋人。 ちょうどいいから、と己もはじめようと 思ったのだけれど、いずれは離れるのだから もうすこし実家にいたら、と母の声に 仕方なく今はまだ実家暮らし。 ───実家とは言っても、転勤族だから、 父と母はまた、己が大学生活を送る途中で また別の土地へと引っ越すだろうから、 本当に、いずれは離れる住処、だ。] (9) 2021/06/17(Thu) 20:53:58 |
【人】 矢川 誠壱[『会えるんなら』という言い回しに、 ふ、と眦を下げる。 それって会いたいってこと?って そう聞きたくなるのを抑える。 恥ずかしがり屋の恋人の赤の差した頬は、 会って見るほうが、いい。] 「小夜子さんのカレー好き。 じゃー雨宮んち行っていい?」 [そう、打って送って、それから、 思案して、5秒。] (10) 2021/06/17(Thu) 20:54:19 |
【人】 矢川 誠壱「会いたい」 [まずは己から、素直になってみたけれど、 ───なんとなく、このメッセージを 見た雨宮の顔もみたかったなって、 そんなことを思ってしまうのだ。]* (11) 2021/06/17(Thu) 20:54:38 |
【人】 忽那 潤今度の週末は…… 美鶴さんの作った飯食べたいわぁ。 [ 付き合って少しした頃。 会社のデスクでデスクトップとお友達の奴。 頭の中で考えていたことが 奴の口から吐き出され、風に乗って どこか遠くに行ってしまった。 可愛い恋人が金土日と泊まってくれるので いつも奴が彼女に食事を作る。 美味しそうに食べてくれるから、 作ることも苦ではない。 それに加えて、朝ご飯を勝手に作り 隣人特権として彼女と食べることもある。 けれども、彼女が作るものも 偶に恋しくなってしまうのである。 ] (12) 2021/06/17(Thu) 22:18:46 |
【人】 忽那 潤『忽那、仕事しろ』 ………… 『おい、忽那ー。週末予定あんのかー』 あ、週末は予定あるので無理っす。 [ 仲のいい先輩。通称パンケーキ先輩。 彼女と付き合う前まではよく 彼のメイドカフェに同伴していた。 スイーツ目当てであってメイドは全く。 会社の作り上土日祝は基本休み。 故によく行っていたのだけれど、 恋人ができてからは遠慮していた。 誤解されるのが嫌だったから。 先輩の声かけのおかげで 現実に戻ってきてしまったので ひとまずは仕事をすることに。 ]* (13) 2021/06/17(Thu) 22:27:43 |
忽那 潤は、メモを貼った。 (a1) 2021/06/17(Thu) 22:29:48 |
【人】 雨宮 健斗[ 思っていたよりずっと早くスマホが震えた。 自分はすっ飛ばした挨拶が、短くもきちんと並ぶ。 『おはよ』の三文字に唇の端が上がった。 今日は休み、と続くメッセージ。 高校時代から続いている彼のバンド。 ライブがあるとか近いとかそんな話があれば 聞いていたかも知れないから、 うまく休みが合ったことがラッキーで、 嬉しいと思った。 ] (15) 2021/06/17(Thu) 22:51:19 |
【人】 雨宮 健斗─── ……っ [ くっそ、と呟いて思わずスマホを握ったままの 腕で顔を覆った。 飾らない、剥き出しの感情は たった四文字のくせに破壊力がある。 自分もそう言えればいい、とわかっていて、 なかなか素直になるのは照れ臭いし 勇気がいるものだ。 ] (17) 2021/06/17(Thu) 22:54:06 |
【人】 雨宮 健斗─── ッ……この天然人タラシめ…… [ 負け惜しみを口にしながら、 情け無く熱を持つ顔で。 短い言葉を、スマホの画面がいい加減にしてくれと 言い出しそうなくらいには打っては消して、 消しては打ってを繰り返し、 ] うわ、 [ 最終的にやっぱり消そうと思った指が滑って、 送信ボタンを押していた。 ] (18) 2021/06/17(Thu) 22:56:25 |
【人】 雨宮 健斗[ 焦ったけれど。 送信を取り消すようなことはしなくて。 『待ってる』 と付け足した。 送ったあと、やっぱり少し頭を抱えた。 ] (19) 2021/06/17(Thu) 22:57:31 |
【人】 雨宮 健斗*** [ サボってきたツケが回って第一志望には 縁がなく、それでもなんとか引っかかった音大に 喜んだのは俺以上に母小夜子で。 寮でいいって言ってんのに張り切って 探してきたマンション。 防音室にはグランド置かれてました。 マジかよ、過保護半端ねぇ。 ちょいちょいやってきては食事を持ってきたり 掃除をしていく母親に辟易しつつ感謝しつつ。 おかげで今日は部屋は綺麗。 タッパーに入れられたカレーを冷蔵庫から取り出して。 換気扇の下で、ようやく煙草に火をつけた。]* (20) 2021/06/17(Thu) 22:59:55 |
【人】 矢川 誠壱[ふぁふ、とあくびを殺して、飲み込んだら 一層大きな波が来て、今度は飲み込めないまま 大きく口を開いて、伸びを一つ。 送ったら送っただけ順番についていくW既読Wに 同じ時を生きている感じがして、 離れているのにすぐ隣にいるような気がして 己のメッセージの続きを彼が、 画面の前で待ってくれていると思うと どうしたって愛しさは募ってしまう。 だからつい、本音が溢れたんだ。] (21) 2021/06/17(Thu) 23:44:41 |
【人】 矢川 誠壱どうしたって愛しさは募ってしまう。 だからつい、本音が溢れたんだ。 聞き流されると思った。 もしくは、無視されると思った。 それが、こんな返事が、返ってくるなんて。 頬だって緩むし、目を閉じて息を吐いてしまうし 「うわ、好きだなー」って寝起きのかさかさの声で つい、口に出してしまったりもする。 2テンポ置いて、付け足したみたいに届いた その照れ隠しの続きに、また増していく。 ふ、とまた表情を柔らかくして、 WOKWのスタンプを送っておいた。] (22) 2021/06/17(Thu) 23:44:56 |
【人】 矢川 誠壱かーさん、今日飯いらない [そう、母に告げると「雨宮くん?」と 続けられるから、一つ頷いた。 おかずひとつでも多いほうがいいでしょ、と 手渡されたのは、かぼちゃの煮付け。 こんなの食べるかなあっていうか、 カレーと煮付けは合わない。 ただ。無下にするわけにもいかないから。 …そっと受け取って、彼の家に向かうのだ。 手土産は、かぼちゃの煮付け。 それからすこし飲み物と、つまみ。 チャイムを鳴らしてしばらく、愛しい恋人が 扉を開いてくれるのを今か今か待ち侘びている。]* (23) 2021/06/17(Thu) 23:45:33 |
【人】 文月 美鶴[ かっこいい恋人ができてから少し経った頃。 私は未だに少し、すこーし…… お隣さんの彼と付き合っている事実が 信じられずにいる。 だって潤さんは、私には見合わないくらい ハイスペックな人だから!!! なんで私なのかな 、って言ったら怒られるのかもしれないけど、気になってしまう。 週末は潤さんの部屋に泊まって過ごすけど 食事まで彼が作ってくれる。 しかも振舞われる料理が尽く美味しい。 ……残念なことに私じゃそうはいかない。 全く自炊しないわけではないけれど 自分がお腹いっぱいになればよかったから 人に食べさせられるようなものを 作ってたわけじゃない。 手際だってそんなに良くないわけで、 この前だって指切ったりとかしたし…。 ] (24) 2021/06/17(Thu) 23:56:43 |
【人】 雨宮 健斗[ もともとそんなに食べる方ではない、 そのことを誰よりも知っているはずの母親が 置いていく料理の数々は、確実に自分一人では 食べきれない量。 矢川くんにも、食べてもらってね。 お決まりのセリフとともにカレーのタッパーは 大きいのが二つ。 薄いグリーンのガラスの器には小さなサラダ。 ラップの下で赤いプチトマトがころんと並んでいる。] (27) 2021/06/18(Fri) 0:36:26 |
【人】 雨宮 健斗[ 近しい距離感に長い足。 その表情を伺い見ればほわりと緊張が緩んで、 正しく笑みが湧き上がる。 彼の背後で扉が閉まれば、部屋の空気が揺れて カレーの匂いがふわり舞った。 彼の手の荷物から、種類の違ういい香りが 細く立ち上った気がして、すん、と鼻を鳴らす。 靴を脱ぐ彼から荷物を受け取ろうと手を伸ばして 気使わなくていいのに、と告げた。 どうにも緩む表情筋に諦めて逆らうのをやめれば 己には照れた笑顔が顔中に浮かんでいるだろうか。] (29) 2021/06/18(Fri) 0:40:22 |
【人】 矢川 誠壱[開いた扉に、その髪の先が垣間見えただけで、 ふにゃ、と表情は崩れてしまう。 しなやかな指先が、ドアをおさえて、開くと 短く響く、耳心地の良い中低音。 そこにある自分よりもすこし背の低い 彼の、頬に落ちる睫毛の影に。 それがゆっくり持ち上がって己を視界に捉え、 緩んだ緊張にわきあがる笑み。 その過程を見ながら、どうしようもなく 幸せだなと感じた。] おはよ。 …っつっても、もう昼過ぎだけど。 [彼に導かれて、一歩中にはいると、 ふわりと漂うカレーと、米の炊ける匂い。 後ろ手にばたん、と扉が閉まった。] (31) 2021/06/18(Fri) 9:48:37 |
【人】 矢川 誠壱いいにおいすんね [そういったら、彼が微かに鼻を鳴らすのが聞こえて 告げられた言葉に、ああ、と頷いて、 紙袋を差し出した。かぼちゃの煮付けだって、と 苦笑して言えば、彼は受け取ってくれるだろう。 彼の母が己のことまで案じてくれているのは とてもありがたいことだけれど、 もしも息子とその、大切にしている友人の 本当の関係性を知ったならば、 同じ顔をしてくれるだろうかと思わないではない。 それを知った途端、あの優しい声色が、 豹変するのではないかと。 ただ、それに怯えて、彼との関係を元に戻すなんて そんなこと、考えられるわけもなくて。] (32) 2021/06/18(Fri) 9:48:58 |
【人】 矢川 誠壱[彼の母と同じように、「一緒に食べな」と かぼちゃの煮付けを寄越した母については、 以前に、己と彼のような関係性の男性2人が 登場するドラマを見ていたときに、 「もし俺が同性愛者だったらどうする?」 と話したら、テレビから一瞬顔をこちらに向けて 「…好きに生きたらいいと思う」と落とされた。 それが本心かどうかはわからぬことだけれど、 そう、茶化すことなく口に出してくれた手前、 きっと、反対することはないだろうと思っている。 …それが、表面上でだけであったとしても。] (33) 2021/06/18(Fri) 9:50:03 |
【人】 矢川 誠壱[ふわりと緩んだ表情を見せてくれる彼に、 こちらも微笑みかけて。 ほんの2日前には会っているのに、 W久しぶりWなんて言葉が一度でも 口から出るのを見れば、余計に緩んで。] ───会いたかったんだもんな?俺に。 [と目をすがめて首を傾げてしまうのだ。]* (34) 2021/06/18(Fri) 9:50:30 |
【人】 忽那 潤[ 平日の4日間は彼女がいない生活で、 煩わしいことだらけしかない。 たったの4日なのに、月曜日の昼には 『早く週末になれ』 そうとしか思わない。 週の半分近くを一緒に過ごしているから、 尚更彼女のことが気になっている気さえ。 彼女からの返事を見て、 少し眉が下がり笑みが浮かんだ奴は 仕事の手を止めて返事をしておくことに。 ] (35) 2021/06/18(Fri) 10:18:57 |
【人】 忽那 潤返信完了。 ……明後日、作ってくれるかな。 [ 彼女が料理を得意としていないのは 奴とて重々承知の上でのお願い。 奴のために彼女が作ってくれた、 そんな事実だけが欲しいだけ。 見た目が良くない?味が薄い? そんなものは関係ない。 見た目を良くしようとした事実と、 奴の気を使って減塩にしようとした事実が そこにあるだけなんだろうから。 ] (37) 2021/06/18(Fri) 10:20:35 |
【人】 忽那 潤絶対金曜日は定時。 仕事を振られても突っぱねてやる。 美鶴さん、ちゃんと飯食ってるかな。 [ おかん根性というか、 好きな人の体調がいつも気になる。 特に線が細い彼女だから尚更。 線の細さをコンプレックスと いつか知ったときには 毎日一緒に朝食を食べて、 お弁当まで持たせるようになるだろう。 ] (38) 2021/06/18(Fri) 10:21:30 |
【人】 忽那 潤「忽那くぅん、土曜日空いてるぅ?」 先約あるんで、結構です。 「先約ってキミのせんぱぁい?」 違いますよ。プライベートの話です。 (39) 2021/06/18(Fri) 10:22:57 |
【人】 忽那 潤[ 折角週末のために仕事を終わらせていたのに、 総務の魔女がデスクに来てしまった。 まだ恋人がいることはパンケーキ先輩以外に 知る人がいないため、彼が漏らさない限りは 奴はフリーという認識になっている。 だから、魔女は飽きることなく 彼にアプローチをかけてくる。 ちらりと魔女を見て考えたことは、 彼女もこれくらいの曲線かどうか。 別にそこが最重要というわけでもないけど やわらかい肌ならいいななんて 邪なことを考えていた。 勿論、顔に出すことはなく 仏頂面で魔女を追い返した。 というより、他の面子がわらわらと 魔女に群がってきたため必然的に あちらが離れる他なく。 ] (40) 2021/06/18(Fri) 10:23:33 |
【人】 忽那 潤スーツに香水の匂い移った… 先輩ファブないっすか。 [ はぁ、とため息をついて スプレーを借りれば 気持ちをリフレッシュするついでに 大量に空間とスーツに振りまいた。 遠回しに、近くにきたついでみたいなノリで 会いに来るなと伝えたくて。 周りの反応はまぁまぁだったけれど。 ]* (41) 2021/06/18(Fri) 10:23:55 |
【人】 雨宮 健斗[ 一人暮らしの息子の家にちょくちょく訪れる 母親という生き物が、気になることくらい分かる。 彼女いないの?なんて。 なんでもない風を装って問いかける光景は、 別にうちだけのことじゃないはずだから。 殺風景な部屋。 もともと物に興味はない。 テーブルと、ソファと、テレビと、ベッド。 女っ気がないことに母は安堵の息を吐いている、 なんてことはあるのだろうか。 ] (42) 2021/06/18(Fri) 12:49:07 |
【人】 雨宮 健斗[ いいとこのお嬢さんだった母。 何不自由なく育ち、父親と結婚して、 波乱とは無縁の人生を送ってきた彼女が 性的マイノリティな世界についてどう考えているか、 己にはわからない。 ただ数年前の事故で、変わってしまったのは 己の未来だけではないのだと気づいた自分には 母親の夢も己が奪ってしまったのではという 負い目がいつもどこかにあって。 ] (43) 2021/06/18(Fri) 12:51:12 |
【人】 雨宮 健斗[ これ以上泣かせることはしたくねぇなぁとは思う。 けれど目の前でわかりやすく表情を綻ばせる この大切な人のことだけは、 どうしたって譲る気はないから、 どうにか理解してもらえればいいなと願っている。] (44) 2021/06/18(Fri) 12:52:42 |
【人】 雨宮 健斗……先に会いたいっつったのは、そっち。 [ 笑って揶揄い返してやろうとしたのに、 どこか拗ねたような、不貞腐れたような声になる。 ずかずかと歩いてキッチンに立ち、 対照的な動きで紙袋をそっと置いた。 ] (47) 2021/06/18(Fri) 12:56:42 |
【人】 雨宮 健斗[ ほんの二日前にあったばかりなのに、 久しぶり、なんて。 思わず口から溢れてしまったのは紛れもなく 自分なのでこの場合は仕方ない。 会いたい、どころではないのだ、と。 言えばどんな顔をするのだろう。 ] (48) 2021/06/18(Fri) 12:57:42 |
【人】 文月 美鶴[ 週末は大好きな人と一緒にいられるから 楽しみで仕方ないけれど。 一緒にいればいるほど潤さんは何でもできて 自分は出来ることが少ない、なんて そんな事実をどうしても意識してしまう。 だから一人になった時ため息が増えてしまうのは きっと仕方のないこと、だよね。 ] (50) 2021/06/18(Fri) 14:52:05 |
【人】 文月 美鶴[ 帰ったら返事をしようとスマホをしまった。 とりあえず一刻も早く家に帰りたくて早歩き。 なんで帰宅を急ぐのか? 昼食を抜いたせいで空腹の限界だから。 まさか恋人にそれが見抜かれているような 心配をされているとは思いつきもしない。 ] (52) 2021/06/18(Fri) 14:52:59 |
【人】 文月 美鶴[ 帰宅して、余っていたご飯で炒飯を作って 一息ついてから、保留していた返信を。 ベッドに座って足をぶらつかせて、 たいした内容じゃないのに 送るのに少し時間がかかってしまった。 ] (53) 2021/06/18(Fri) 14:53:23 |
【人】 文月 美鶴[ お仕事頑張って、と最後につけたして 送信した。たぶん私より帰りは遅いから。 愛情のこもったものとか そんなこと言われたら 元々断る気がなかったとしても余計断れない。 断れないのをわかってて言ってそうだから 潤さんはずるい。 いつだって余裕がありそうな彼は きっと完璧な人なんだろうなと思う。 週末何作ろうかな、と考えて 過ごしていたら週末なんて あっという間に来てしまった。 ] (55) 2021/06/18(Fri) 14:54:01 |
【人】 文月 美鶴―― 金曜日の夜 ―― お邪魔しまーす…… 潤さん、今日は定時…? [ 約束通り晩御飯を作りに潤さんの部屋へ。 ぱたん、と扉を閉めてそう聞いてみた。 ついでに荷物をいったん床に置いて 彼に抱きついたらどんな反応をしたかな? ]** (56) 2021/06/18(Fri) 14:55:17 |
【人】 忽那 潤[ 彼女はよく奴に何でも出来てすごい、なんて 褒め言葉をくれるけれど、 彼女にダメなところを見せたくないただの見栄。 完璧なんかではなくて、 そう見せたい気持ちが強くなっている。 多分それは、結婚を考えている仲なら 壁になっていることも、分かっている。 ] 美鶴さん今夜何食べるんやろ。 [ 返事を見て、頑張ります、と返した。 今日も残業をして定時に上がるための 下準備を進めているので 彼女と帰宅が被ることはない。 というより、定時で上がるために 他の日にひどく残業する他ないのは どうにかならないかと、 最近後輩に仕事を譲ろうか、なんて 少し考えてもいるけれど、微妙なところ。 ] (57) 2021/06/18(Fri) 17:25:15 |
【人】 忽那 潤待ってます。 [ 数時間後、帰宅した時に 彼女の家の前で小さくつぶやいて 週末を今か今かと待つことにした。 昼を飛ばして夕食を食べたなんて知ったら 絶対にお弁当を渡しているけれど まだそれに気づくことはなかった。 ] (58) 2021/06/18(Fri) 17:26:15 |
【人】 忽那 潤──あっという間の週末 [ 定時どころか残業の分1時間だけ早く帰った。 仕事は押し付けてきた。 だから彼女が遊びにきてくれる頃には 私服に着替えていた。 だから、すぐに声がしたなら 扉を開けて満面の笑みで彼女を迎える。 定時?と聞かれると、 ちょっと早めに帰ってきた、と 返してみて彼女の反応を見ようと そちらを振り返れば珍しく、 とても珍しく彼女の方から抱きついてくれた。 ] (59) 2021/06/18(Fri) 17:27:09 |
【人】 忽那 潤美鶴さん……? [ 珍しいことだったのもあり、 一瞬反応が遅れてしまったけれど、 彼女のことを優しく抱きしめ返し お仕事お疲れ様、なんて 囁いて頭部に軽く口づけを落とした。 四日ぶりくらいに会っただけなのに、 久しぶりな感じがしてしまい 暫くその場から動かなかったかもしれない。 ]* (60) 2021/06/18(Fri) 17:27:49 |
【人】 文月 美鶴[ 口づけを落とされて ちょっと恥ずかしくなってしまったけど 抱きしめられるのは好きだから。 しばらくはくっついたまま動かなかった。 離れてから、ちょっと首をかしげて ] 今日帰ってくるの早かったのは… 無理とかしてないですか? [ いつも仕事で忙しそうで 定時よりも早いなんて珍しいなと つい聞いてしまった。 片付けられたキッチンに立って 晩御飯の用意を始めようかな?と思いつつ 潤さんにはゆっくりしててください、 なんて、言っておいた。 ちなみに何を作るのか? 私が食べたいからって理由で オムライス。色々考えたけど 空回りそうだったから食べたいものを選んだ。 ]* (62) 2021/06/18(Fri) 18:45:16 |
【人】 矢川 誠壱[じろりと睨むその視線すら、愛しい。 ふ、と笑みを返せば、不貞腐れたような声が 飛んでくるから、今度こそ噴き出して。] ふは、 くく、っ…うん、そうだな、 …だって、会いたかったし。 [唇に拳を当てて笑ってから、 くるりと向いた背中に向かってそう、 呟くように投げかけた。 2人きり。狭い部屋の中ではきっと、届いたはず。] (63) 2021/06/18(Fri) 19:56:17 |
【人】 矢川 誠壱[その背を追ってキッチンについていけば、 紙袋を置いた彼がくるりと振り返る。 何か用か、と首を傾げれば、その手のひらが こちらに伸びて、頬に触れるから。 どくん、と心臓が打つと同時、視界の端に映る 手に視線を遣って、揺れて、彼の方に戻す。 また、爪の先に視線を寄せて、それから、 そっと甲の側から包むように掌を重ねた。 ゆっくりと関節に沿って内側を なぞりおろすように絡めれば、視線を 彼の方へとゆるり、戻して。] ………なに? [そう、なんでもないことのように聞こうとした 声は、どうしたって喜びが滲んで、 少し跳ねて、語尾が少し上がった。] (64) 2021/06/18(Fri) 19:58:45 |
【人】 矢川 誠壱[眉根を上げて、彼の行動の続きを促すように 一歩、そちらへと近づけば。 体を少しだけ折って、額をつける。 ゆらゆら、定まらない焦点の先。 微かに茶色の混ざったその瞳に、笑んで。] ………─── [もう一歩、体を寄せた。 彼がさらにその距離を縮めることを躊躇うならば こちらも動いてしまおう、と目を細め。]* (65) 2021/06/18(Fri) 19:58:59 |
【人】 雨宮 健斗[ 伸ばした手は避けられることなく、 傾げた首を追ってひたりと頬に触れた。 しなやかで、みずみずしい肌。 澄んだ瞳が揺れる。 頬に触れた掌に一度ちらりと彷徨って、 戻った視線が己と絡んでからまた、僅か遠ざかる。 被さるように彼の手が重なった。 ゆっくりした動きで絡め取られていく指の感触。 そちらに落ちた綺麗な瞳を見つめたまま感じていた。] (67) 2021/06/18(Fri) 21:10:11 |
【人】 雨宮 健斗…… なんも。 [ 込み上げる感情を抑えると声は掠れた。 距離が詰まる。 身体を折るように、額が触れる。 こつ、と微かな骨に響く音。 炊いたかぼちゃの、甘辛い匂い。 穏やかな海を思わせる瞳が揺らめいて、笑んで。] (69) 2021/06/18(Fri) 21:11:26 |
【人】 雨宮 健斗[ 長い足がまた一歩、距離を詰めるのと同時に、 顔を上げる。 掠めるだけの口付けを。 ままごとのような、微かな唇を、そっと落として。]* (70) 2021/06/18(Fri) 21:12:14 |
【人】 忽那 潤めっちゃ頑張った…… 美鶴さんにそう言ってもらえて 頑張った甲斐があった… [ 外が寒かった名残が彼女を抱きしめて 少しだけ感じられたけれど、 すぐに温められた気がする。 離れると、無理とか…と聞かれてしまう。 奴は首をゆっくり横に振って否定をする。 ] (71) 2021/06/18(Fri) 23:33:36 |
【人】 忽那 潤無理してないよ。適当にしてきた。 なんか今日は早めに帰りたくて 残業してた分を1時間早めたくらい。 [ 彼女の荷物を受け取って、 ゆっくりしてて、と言われれば お言葉に甘えて、と 広げたベッドの上に寝転んだ。 何を作るのかはわからないけれど、 見ていたら緊張してしまうかもと あまり直視はせずに、偶にだけ ちらりちらりと気にする視線を送る。 ] (72) 2021/06/18(Fri) 23:34:18 |
【人】 忽那 潤なんか、必要なものあったら 遠慮なく聞いてな。 [ 調味料の場所とか、わからないことがあると なんとなく感じてそう声をかけた。 それからは、寝転んで本を読もうと広げ 段々と瞼が落ちては開いてを繰り返す。 ]* (73) 2021/06/18(Fri) 23:34:38 |
【人】 文月 美鶴本当…?それならよかった。 潤さん、いつも帰りが遅いから… 体壊したりしないかなって、心配で。 [ 朝を抜いたり昼を抜いたりと 不規則な生活をしている人間の言うことでは ないのかもしれないけど、仕事の多さは 過労とかまた別の心配事があるから。 たまに視線を感じる気がするけれど でも、何か会話できるほど気が回らなくて 晩御飯を作るのに集中していった。 調味料の場所は、潤さんが料理しているときに ちらちら見ていたりとか、 そもそも片付けられていたこともあって 見つけるのはそう難しくもなかった。 鶏肉と玉ねぎを切って、バターで炒めつつ ケチャップを入れて煮詰めてからご飯を入れて チキンライスを作る所までは… まあ失敗してなかったんだけど。 ] (74) 2021/06/19(Sat) 0:47:49 |
【人】 文月 美鶴あー……。 失敗、した…… [ オムライスといえば卵で巻くのが難しい… と個人的に思う。上手な人は綺麗に 盛り付けているイメージがあるけど。 何とか巻き付けて盛り付けようとしたら 卵が破れて失敗してしまった。 味に影響あるわけじゃない、はず。 ……見た目まで綺麗にできたら 成功だったのになあ。 ] (75) 2021/06/19(Sat) 0:48:41 |
【人】 文月 美鶴潤さーん……寝ちゃってます、か? [ そんなに大きな声を出したりはしてないから うとうとしていたらしい彼は寝ていたかな、 もし寝ていたら起こすところから。 テーブルにオムライスがのったお皿を置いて 出来ましたよ?なんて声をかけただろう。 ] (76) 2021/06/19(Sat) 0:49:06 |
【人】 文月 美鶴その……見た目、あんまりよくないけど たぶん味は大丈夫なはず、なので…… [ 言い訳っぽく言葉を連ねて 視線は定まらずゆらゆらと揺れる。 やっぱり上手くいかなかったなとか そんなことを考えながら。 だって、彼が作ったらもっときれいに もっと美味しく作れるんだろうから。 ]* (77) 2021/06/19(Sat) 0:50:06 |
【人】 矢川 誠壱[なんも、と返ってきた声に、ふ、と笑う。 だって少しうわずって、掠れてる。 己のものと、同じように。 同じ気持ち?ねえ。 触れたいって、おもってる? そう聞いてしまいたいのを堪えて、 こくりと喉を湿らすと、一歩、詰めた。 続きを促すように触れ合った額を離して、 もう一度、くっつけて、見つめる。 もう一歩、詰めたら、触れた唇は、 まるで戯れのそれで。 かすめるみたいな、触れ合い方に、苦笑して。] (78) 2021/06/19(Sat) 14:15:24 |
【人】 矢川 誠壱───…ほんとに? [微かに2人の間の空気を揺らすだけの 小さな声が届けば、眉尻を下げて。 額を離して距離を取る。 先ほど触れた唇の代わりに、 包んだままの手のひらを引き寄せて、 その手首の内側、薄い皮膚の上から、 わざと音を立てるようにちゅ、とキスを。]* (79) 2021/06/19(Sat) 14:15:33 |
【人】 忽那 潤月木頑張ってるだけ。 ……仕事は、誰かに任せる。 無理はそんなにしてないから、安心して? [ なんて言って、彼女が何を作っているか 匂いだけで想像することにした。 少しケチャップの香りがするけれど その他は特にわからなくて。 彼女は一度集中するとあまり話さないので それこそ、眠気の方が強くなっていく。 彼女のことを信頼しているからこその 眠気だからあまり抗うことはせず。 ] (80) 2021/06/19(Sat) 23:52:11 |
【人】 忽那 潤ん、……… [ 彼女の声が近くに聞こえれば、 ゆっくりと体を起こしてテーブルのお皿に 視線が行き、あるものがないことに気づいた。 ] (81) 2021/06/19(Sat) 23:52:54 |
【人】 忽那 潤ケチャップは? [ 見た目のことはあまり気にしないけれど ケチャップがのっていないことが 少しだけ気になってしまった。 ]* (82) 2021/06/19(Sat) 23:53:27 |
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