人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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視点:


一日目

村人:1名、共鳴者:2名、愚狼:1名

【人】 イツキ

……そーいや、美術室の鍵閉めたっけ……?
(0) 2021/03/01(Mon) 7:00:00

【人】 矢川 蛍

  あ! 上原さん!


[お店の外に出ていてくれた上原さん。>>0:101
 その目のまでで前のめり気味に立ち止まると、
 軽く呼吸を整えながら笑顔を見せた。
 けど、心配してくれる言葉にすぐにそれは引っ込む。
 神妙な顔になってチラッと後ろを振り返った。
 そこにあいつは私からは見えないところにだがいたようだ。
(1) 2021/03/01(Mon) 7:35:17

【人】 矢川 蛍

[だから、私は気づかない。
 ホッと肩の力を抜いて上原さんに向き直る。]


  多分、大丈夫です。
  直ぐに飛び出してきたし。
  体力的には平気!

  ……て言うかほんと、すいません。


[昨日の今日でお世話になりすぎの自覚はある。
 けれど大事にしたくない自分としては
 やっぱり学校の外の人は有り難かった。
 親をあまり頼りにしないからもある。
 もう一度だけ辺りを見渡してから
 私は荷物をよいしょと持ち直した。]


  えっと、商店街のお店で良いと思うんですけど……。


[行きましょうか、と。
 何もなければ自転車屋に向かうつもり。**]
(2) 2021/03/01(Mon) 7:39:15

【人】 上原 隆司

>>1上原は、振り返る矢川の視線を追った。そこには誰もいないように見えたが、昨日見た姿や聞いた話からは、視界にいないからといって安心できなかった]


  いや……気にすることはないよ。

  それより、自転車のことなんだが……
  かえって危なくねえか?

  ぶつかられて転んだり……怪我させられたり、
  体力が尽きるまで追われたりしないかと。


[バスにまで付きまとう相手が自転車に乗られたくらいで諦めるとも、上原には思えなかった。
 悪く考え過ぎかとも思うし、他の対策と言われても警察ぐらいしか思い浮かばないのだが]
(3) 2021/03/01(Mon) 8:30:25

【人】 上原 隆司

  勢いで行動するより、先に対策考えないか。

  場所は任せるが、矢川さんが嫌でなけりゃ
  個室のあるところがいいな。


[個室に難色を示されたなら、矢川の行きやすい店に向かうことになるだろう。

 と言っても高校生の思いつく「個室のある場所」というとカラオケなのだろうか。
 個室のある喫茶店や飲食店も近隣にはあるはずだが、上原は相談にあまり時間はかけたくなかった。

 もし矢川に行きたい場所があればそこに。矢川が思いつかなければ、取材でときどき使う個室のあるカフェバーに向かうだろう]**
(4) 2021/03/01(Mon) 8:31:48

【人】 矢川 蛍

  ……うーん。


[いやと言うわけじゃない。
 だけど無警戒な訳でもなかった。
 多分上原さんは信用できる人。信頼できる人。
 自転車に関しての懸念も教えてくれたし>>3
 これからどうすればよさそうか、道を提示してくれる。
 それに思い付いたのはカラオケ。
 個室ではあるけれど、ちょっと怖いのは本音だった。
 あそこでは万が一があった場合。
 上原さんではなくて、あいつがきてしまった場合。
 トイレとか、そう言う一人になった時に
 周りの音でかき消されて気づかれない危険がある。

 だから私は少し考えた後、頷いた。]


  カラオケ……じゃなくて、
  上原さんがよさそうと思う所なら。


[だからきっと辿り着いたのはカフェバーだろうし
 見慣れぬそこに少し緊張した面持ちは隠せない。]
(5) 2021/03/01(Mon) 14:42:58

【人】 矢川 蛍

  ……未成年、入って良いの?


[コソッと小声でそんなことを質問する。
 聞かれたら退店をお願いされたりするんだろうか。
 なんとなくパーカーのフードをかぶってしまったのは
 こう言う場所に入る後ろめたさから。

 お酒もタバコも、まだ知らない世界だからだ。**]
(6) 2021/03/01(Mon) 14:43:19

【人】 上原 隆司

  カラオケは……高校生が入りやすいからな。


>>5良さそうなところと言われ、上原は馴染みのカフェバーに矢川を案内することにした。
 学校からは離れているし、駅からもちょっと歩く、隠れ家的な場所である。名は『サンセット』。
 バーメニューは20時からで、それまではカフェとして営業している。

 バーを兼ねることもあって、ハーモニーとはまた違う大人向けの雰囲気の店で、BGMはいつもジャズ。
 客の年齢層は高めで、カフェタイムであっても高校生には少々入りにくいだろう店だった]
(7) 2021/03/01(Mon) 16:20:30

【人】 上原 隆司

  大丈夫。今は酒が出ない時間だ。


>>6店に着くと、不安そうな矢川にはそう伝えて、個室を頼む。複数ある個室は、突然来ても大抵どこかが空いている。
 店の性質上、禁煙席は無かった。だからどの部屋も煙草の匂いはどうしてもするだろう。

 顔馴染みの店員には取材かと思われたらしく、不審に思われる様子なく個室に着くことになった]
(8) 2021/03/01(Mon) 16:20:51

【人】 上原 隆司

  とりあえず、これ。


[個室に入って席に着くと、上原は矢川に冊子を1冊差し出した。
 待ち合わせの前に立ち寄った警察署で手に入れてきた、ストーカー問題について書かれたものである>>0:101


  警察に相談するのが一番だと思うんだよな。

  警察が動いてくれるほどの事態かは……わからないが。


[明らかに矢川の心労になっていることも、日常生活を送る上で支障になっていることも間違いないが、命の危険があるほどではない気がする。
 そのくらいでも警察が矢川の身辺を見回ったりしてくれるものなのか、上原には判断しかねた]**
(9) 2021/03/01(Mon) 16:21:17

【人】 矢川 蛍

[個室で席に着くと渡された冊子>>9に軽く目を通す。
 ストーカーに関する冊子で、確かに今の私には
 必要なものだろう。
 "警察に気軽に相談を。"
 そんな一文も、大事にしたくないとはいえ
 しっかりと胸に刻みながら。]


  こうして見ると、本当にあいつは
  ストーカーなんですね……。
  つきまとい、交際の要求、乱暴な言動、
  名誉を傷つける、性的羞恥心の侵害、
  及び痴漢……ってとこですね。
  現行犯で突き出した方が良いんでしょうか?


[相談する際には証拠、みたいな一文もある。
 それに私は眉を寄せつつため息をついた。
 現行犯は、ちょっと怖い。
 どちらにしても事前に相談しておいた方が
 良いとは思うけれど。ただ。]


  同じ高校、なのがネックなんですよね……。


[相手に転校を求めるのはやりすぎだと思うし
 逮捕などになればそうなってしまうだろう。
 そうすると逆恨みされてしまいそうな相手であるし
 自分の所在はばれやすくなっている。]
(10) 2021/03/01(Mon) 16:57:33

【人】 矢川 蛍

  相談しにいく時、一緒に来てもらえますか?
  男性が一緒だとちゃんと話を聞いてくれるって。
  女子だけだと、ちゃんと聞いてくれない人もいるって
  聞いたことあるので……。


[しかし相談は確かにした方が良い。
 だから、そんなふうに尋ねてみた。
 一人で行動したくなかったのもある。
 巻き込んでしまって申し訳ないとは思うけれど
 他の誰かにバレて欲しくはなかった。
 今以上に心配かけたくない気持ちがあった。**]
(11) 2021/03/01(Mon) 16:57:49

【人】 上原 隆司

>>10矢川が並べる相手の“罪状”に、上原は深くため息をついた]


  想像以上にひでぇな……。
  大丈夫か、本当に。


[直接命を脅かされたわけではなさそうだが、相当に悪質な相手だと感じた。
 それでも被害の詳細を聞き出そうとは思わなかった。

 店員が水を持って入ってくるのを見て、上原はメニューを見ることすら忘れていたことに気づく。
 よく頼むブレンドコーヒーをホットで頼んで、矢川には無言でドリンクメニューを差し出した。コーヒーのほか、紅茶やハーブティー、ソフトドリンクも同じページに載っている。料金はカフェとして標準程度である]
(12) 2021/03/01(Mon) 17:21:43

【人】 上原 隆司

  同じ高校だから厄介だよな。
  卒業までは間があるしなぁ……。


[自分の分の冊子を眺めながら、上原の頭にどうしても浮かぶのは、すぐそばで彼女の身を守れる人がいたほうがいいだろうということだった。
 できれば校内に、それが無理でも近所に。
 相手もそうだが、矢川も簡単に転校とはいかないのだろうから]


  一緒に行くのは構わないが……、
  俺は何者としてついていけばいいんだ? それは。


>>11同行をリクエストされて、上原が一番困るのがそこだった。
 現状、「矢川が加害者に暴力を振るわれたかもしれない場所に偶然居合わせた一般人」ぐらいの立ち位置である。
 それ以前から顔見知りだったから、あまり抵抗なく行動を共にしてはいるが、人に説明するには微妙な関係だろう]**
(13) 2021/03/01(Mon) 17:22:19

【人】 矢川 蛍

  ……正直参ってはきてます。
  でも、あんまり騒ぎ立てても……。


[私だって。いつも誰かにそばにいてほしい。
 安心して学校に通いたい。
 守ってくれる誰かに横にいてほしかった。
 でも、そんな時に頭に思い浮かぶのは幼馴染。
 けど今度こそ迷惑かけたくなかった。
 振られたからってそんな演技と恭介は思わなくても
 他の誰かにそう思われて恭介まで貶められたくない。
 自分の安全と彼の幸せと。
 やはり天秤にかけて、彼の幸せを邪魔したくない。
 そう思ってしまうから、ダメだった。
 無性に人肌恋しくなる。
 すり、と自分の腕を軽く指で擦った。]


  確かに。……お店の常連さん、くらいですもんね。
  たまたま助けてくれた人、くらい?

  ……一人で頑張ります。


[確かに説明に困る。
 だから諦めて肩をすくめた。
 こんなふうに甘えて相談させてもらっているのが
 不思議なくらいの関係。
 警察でもその方が不審に思われるかもしれない。
 ミルクココアを頼んでそっとため息ひとつ。]
(14) 2021/03/01(Mon) 17:45:18

【人】 矢川 蛍

  がん、ばる、から。

  ……また。こうして話……、


[聞いてくれますか。そう言おうとしてやめる。
 きっと聞いてくれるとは思うけど。
 それだけじゃやだな、なんて我儘な気持ちが少し出てきて
 私はそっと視線を伏せた。

 つんと鼻の奥が痛んで、
 どうしようもなく指先が痺れるのを感じた。**]
(15) 2021/03/01(Mon) 17:45:49

【人】 上原 隆司

>>14注文を聞いた店員は、すぐに去っていった。
 >>15一人で頑張ると言いながら、途中で言葉を切ってしまう矢川。彼女が泣き出しそうに思えてもどう声をかけていいか、上原は掴めずにいた]


  ……いっそ本当に付き合っちまうかぁ?
  「フリ」じゃなくて。


[手詰まりの中で安易に選んだような選択肢。それが答えとして正しいと言えるのか。
 彼女の身を守れる保証もない。

 けれど、少なくとも、彼女の痛ましい姿を見ながら無力感に苛まれることはなくなる気がした。

 彼女を一人の女性として愛せるかどうか、見当はつかないままだ。
 それでも彼女の苦しむ姿を見たくないという思いは、上原の中に確かに存在していた]**
(16) 2021/03/01(Mon) 18:00:58

【人】 矢川 蛍

  ………………………ふぇ?


[突飛な提案に涙が引っ込んだのは初めてだった。
 ぱち、と目を瞬かせて彼を見る。
 上原さんはどんな顔をしていただろう。

 私も突飛な提案をしていた。
 けれど、それはフリ、演技の上での話。
 でもそうじゃない提案の仕方。
 でもきっと、同情や憐憫からなんだろうなあ。
 そう思う。
 それだって、私にとっては有り難かったし
 私だって打算で昨日の提案をしていた。
 
 それとも、……、なんて。
 そんな都合の良いことは考えられない。]
(17) 2021/03/01(Mon) 18:54:42

【人】 矢川 蛍

  それは、……本当に良いんですか?
  確かに、あいつの前歴から考えて
  恋人がいれば諦めて離れていくだろうし
  警察への相談もしやすい、ですけど。

  その、…………。


[嫌じゃない。有難い。
 でも自分が返せるものが何もない。
 それはこうして相談している最中もそうだけれども
 恋人、として好きを返せるか、分からなかった。
 恋人、は、どんなことをすれば良いのかも。
 いろいろ悩んで、考えて。
 両手で頬を押さえる。顔が赤くなっているのがわかる。
 店員が注文の品を持ってやってきただけで
 ビクッ、と驚いて身をすくめた。
 そうして、店員が立ち去った後。

 私はか細い声で、応える。]
(18) 2021/03/01(Mon) 18:55:00

【人】 上原 隆司

[彼女の身を守れるかもしれなくて、その上、嘘の関係を取り繕おうとしなくてもいい。
 見抜かれないか不安になりながら「恋人のフリ」を頑張るよりは、いっそ楽なのではないか。
 上原はそんな思考だった。

 向こうにだって、昨日の今日で恋心が芽生えているとはとても思えなかった。
 それでも、好きかどうか定かでないうちから付き合ってみるというのも、決して珍しい話じゃないはず。

 そんな深く考えない言葉を受けて、矢川は戸惑ったような言葉を重ねながら顔を赤くする。>>18
 それを見て今度は上原が戸惑うことになった。

 半ば勢い任せの言葉であった。
 けれど、それで赤くなられてしまっては]
(19) 2021/03/01(Mon) 20:17:23

【人】 矢川 蛍

  え、えっと、お付き合いの関係にするなら。
  ハーモニーで出会って? に、しますか?
  色々あって助けて貰って?
  バレンタインの後から……ということに?


[その辺、口裏を合わせた方が良いと思う。
 けどなんだか照れ臭くて、
 みじろぎして姿勢を正しながら
 ちょっと早口になってしまった。**]
(20) 2021/03/01(Mon) 20:43:52

【人】 上原 隆司

  そうだな……、だいたい事実の通りで
  いいんじゃないか?

  ハーモニーに通ううちにお互い気になってて、
  落ち込んでるのが気になって声をかけて、
  そこからお互い独り身なのに気づいて、と。


[つく嘘は少ないほうがバレにくい。
 お互いにそれなりの好意があったとすれば、今回の流れは付き合うきっかけに申し分ないだろうと。
 >>20ちょっと早口になる矢川が微笑ましくて、笑ってしまった後、上原は頼んでいたコーヒーに手を伸ばした]**
(21) 2021/03/01(Mon) 21:10:12

【人】 矢川 蛍

  独り身なのに気づいて、それなら、
  お付き合いして見ませんか。
  コレですかね?


[それならだいたい辻褄も合うしほぼ史実。
 ココアに手を伸ばしてふう、と息を吹きかけた。
 一口飲むと、ここのココアは濃くて美味しい。
 生クリームも使ってるのだろう。
 ホッとする味だった。]


  この間が初めてのデートで。
  今回が2回目? かな。
  ……ああでもそうなると、
  デートらしいデート、したいですね。


[このまま本当にお付き合いが長引けば
 自然とするものなのかもしれないけれど。
 学生と社会人。人生経験も何もかも違うから。
 そんな提案も一つしてみるのだ。

 恋人らしい提案の仕方かは、さておき。**]
(22) 2021/03/01(Mon) 21:25:37

【人】 上原 隆司

  だな、それなら食い違いもないだろう。


[話が落ち着き始めたところで、上原はコーヒーをゆっくりと飲んだ。
 ここのブレンドコーヒーは高級豆の風味を目指して作られたものだった。それが見事に成功している上、ブレンドらしい味わい深さもあり、この豆でないと飲めないという人までいるという]


  デートらしいデートなあ……。
  一緒に食事するのもデートの定番だが……、
  俺たちの場合は打ち合わせみたいなもんだしな。

  ……例のストーカーの目にはついたほうが
  いいわけだよな?


[諦めてくれる可能性を考えるなら、後をつけやすい場所を選んで見てもらったほうがいいのか……と作戦会議じみてしまう。
 もちろん、純粋に行きたいところでもいいのだろうけれど]**
(23) 2021/03/01(Mon) 21:55:06

【人】 矢川 蛍

  うう……、慣れます。
  だから呼び捨てで良いです、隆司さん。


[思えば確かに随分年下になってしまうのだから
 呼び捨ての方が妥当なのかもしれない。
 そう思うと渋々ながらもそれを受け入れて、
 頭を撫でられる甘さに心が緩んだ。
 これも、年下だから、なんだろうか。
 だから普通に撫でられたんだろうか。]


  ……頭は、たくさん撫でて欲しいです。


[元クラスメイトに何もないのに頭を撫でられそうだった時は
 自然と避けてしまったのに今は全く忌避感がなかった。
 むしろ心地よかったから、そんなお願い事を、ぽつり。
 少し緊張が緩んだからか。
 恋人、が前提になったからか。
 このくらい、よい……だろうか。]
(24) 2021/03/02(Tue) 6:03:39

【人】 矢川 蛍

  デートらしいデート……。


[いいながらスマホで検索する。
 あんまりいい答えが出てこなかった。
 確かに今のままでは打ち合わせに等しい。
 でもこれも、デートに入るような気もするし。]


  ……ですね。
  それで諦めてくれたら、野放しにはしてしまいますけど
  一番穏便に済みそうですし。

  だとしたらお外デート。
  ……どこか良さそうな場所、あります?


[こちらは特に思い浮かんでない。
 ネモフィラ畑は気になるけれど少し遠かった。
 元々文化部インドア派。
 家でまったり過ごす方が得意なのだ。
 でも。]


  流石に自宅に入ってしばらく出てこない、とかは
  まだ早いですよね?


[想像させて、勝手に終わらせる。
 そんな手段がふと、頭をよぎった。**]
(25) 2021/03/02(Tue) 6:04:04

【人】 上原 隆司

  ん。蛍で決まり、な。
  じゃあもう少し撫でてるか……。


[呼び捨てを受け入れるのを聞いて、上原はそのまま矢川の頭を撫で続けた。
 優しく髪を撫でて、指で梳く、ゆっくりとした仕草の繰り返し]


  個室のある店で2人きりで過ごしてるって
  客観的にはデートだと思うぞ……。

  他は……美術館、水族館、テーマパーク、
  映画や観劇、カフェじゃなくしっかりした食事とかか……?
  一緒にやりたいことがあれば、何でもデートだろう。


[本来行きたくないところでも、好きな相手となら行ってみたい。
 好きな相手と一緒に時間を過ごせるなら、場所はどこでもいい。
 そういうものがデートだとするなら、今の2人がデートらしいデートをするのは難しいことなのかもしれない]
(26) 2021/03/02(Tue) 8:16:57

【人】 上原 隆司

[「自宅に入ってしばらく出てこない」>>25
 その言わんとするところを理解して、上原は唸った]


  それは……、どう転ぶかわかんねえな。
  親しくなったばかりなのは知られてるだろうし。
  蛍が押せば簡単にヤれる女だと思われないかが心配だ。


[もしそう思い込まれて、そばにいられない時間に何かあったら。
 それを考えると空恐ろしいものを感じて、上原は不安を押し流すように残りのコーヒーを一気に飲み干した]**
(27) 2021/03/02(Tue) 8:17:37

【人】 矢川 蛍

  ん……。


[蛍、と低い声で呼ばれるのにはまだ慣れない。
 けれど彼の手が心地よくて、おとなしく撫でられていた。
 頭を撫でられるのは好き。
 ギュッとして甘やかして貰いたい。
 そんな気持ちはいつもあったけれど
 その相手が誰でも良いはずはなく。
 嬉し恥ずかし、照れ臭い。
 でも嫌じゃない。それは、本当だった。]


  デート。本人たちにその意識があれば確かに。
  ……でも初デートはちゃんと
  お付き合いを意識した、次回からが良いです。


[今回は相談に来たのだから、と
 変な拘りをいいながら少し唇を尖らせる。
 前回は前回で、今回も今回で。
 デートにも少し夢を見たいお年頃なのだ。]
(28) 2021/03/02(Tue) 14:29:11

【人】 矢川 蛍

  ジャズバーとか、行ってみたいですけどね……。
  その中なら水族館かな?
  隆司さんは私とやりたい事あります?


[ジャズバーは完璧に趣味。
 プロのサックス奏者が来ないかな、と言う期待だけ。
 隆司さんが挙げてくれた中なら水族館が
 楽しそうかつ健全に思えた。
 けど、隆司さんの唸った理由>>27
 ゾッと背筋に冷たいものが走る。
 思わず悲鳴めいた声になった。]
(29) 2021/03/02(Tue) 14:29:28

【人】 矢川 蛍

  うわあぁぁ、イヤー!
  私だって人を選びますー!
  誰でも良いって事はありません!
(30) 2021/03/02(Tue) 14:29:47

【人】 矢川 蛍

  って言っても、聞かなそうだし……。
  夕飯ご馳走してただけだよ、とかもダメそうですね。
  これは、もう少ししてから、というか。

  ……実際にそう言う事になるまで、やめときます。


[そっか、本当につきあうなら。
 その延長線上にあるだろう出来事に気づいて
 少し気まずくなって目を逸らした。
 気まずさを誤魔化すようにココアをごくんと飲む。
 けど、離れる気はなくて、ずっと隣に座っていた。

 むしろ、ぴったり、くっついた。
 お付き合いって、そう言う事……だよね?**]
(31) 2021/03/02(Tue) 14:30:06

【人】 上原 隆司

>>28唇を尖らせる矢川はとても可愛らしく見えて、上原は優しく髪を撫で続けた。そこを不満に思ってくれるのは、悪い気はしなかった]


  そうだな、デートのつもりで来たわけじゃないし。
  水族館は確かに無難かな……。


[自然と高校生の目にもつくかもしれない場所。そして、冬でも行ける屋内の施設。
 目的のひとつが人目につかせるためだと思うと、良い選択肢だろうけれど]


  ジャズバーか。夜遅くならなきゃ大丈夫だったよな?
  どこか気になってる店はあるかい。


[未成年はその手の店に入ってはいけないと条例で決まっている時刻は、何時だったか。
 デート先にそこを選べば、矢川が高校生のうちにバーに入る貴重な機会となりそうだった]
(32) 2021/03/02(Tue) 15:18:25

【人】 上原 隆司

>>30>>31矢川に悲鳴かと思うような声を上げられると、上原は脅かしすぎたかと心配にはなった。それでも無視できないリスクである]


  おう……それに俺も行きづらいからな。
  知り合ったばかりの高校生の、親と同居の自宅……。


>>0:87あの家の大きさで一人暮らしのはずがない。人目の気になる年齢差でもある。
 だからそういう時期までは距離を保とうという話をしているはずが、ぴったりと身を寄せてくる矢川を見ていると、その無防備さが上原の不安を呼び起こした]


  ……ずっとくっついてなくてもいいんだぞ?


[二人の仲は、まだ名目上の関係と言える。
 それでもこれだけ警戒心なく接するのなら、ストーカーが発生してしまった原因の一端には矢川の態度があるのかもしれない……そんな考えが浮かぶのが抑えられなかった]**
(33) 2021/03/02(Tue) 15:18:46

【人】 矢川 蛍

  うん、じゃあ、今度水族館に行きましょう。
  ジャズバーは、好きな奏者さんがいるか調べて……
  ほら、私バリトンサックス担当なので。
  いろんな人の演奏聞きたいんです。

  それと、今日はこの後警察に。


[指折り予定を数えてみる。
 そこまでしたならきっと大丈夫と
 少し希望が見えてきた気がしていた。]


  ……まあ、あんまりうちに親いないかな。
  忙しい人たちだし、恭介も彼女いる時は来ないし。
  隆司さんの家に作りに行っても良いんですけど。


[夕飯のお裾分けをしたり、
 風邪をひいたときにお互いに頼ったりをしてきた
 自分の幼馴染のことを思う。
 お互いの家に行き来するのは今は控えているけれど
 それだけ距離が近かったことも事実で
 隠す気もないまま。

 けれど、少し嗜められた気がして
 んー、と小さく声を漏らす。]
(34) 2021/03/02(Tue) 15:40:20

【人】 矢川 蛍

  今は、特別にしといて欲しい、かな……?
  もう近づいてきてないけど、もう一人いて、
  その男子は学校の先生の弟だったから
  先生たちにも相談できなくて。
  で、アイツ。
  ……正直誰に助けを求めて良いか分かんなくて
  大ごとにしたくないし、恭介に頼りたくないし、
  でも絶対好き勝手にされたく無かったから。

  すごく、……ホッとして、緩んじゃった。

  だから、もうちょっとだけ、……甘えさせてください。
(35) 2021/03/02(Tue) 15:40:49

【人】 上原 隆司

  ん、なら近いうちに……と言っても。
  俺、土日は仕事なんだよな……。


>>34水族館行きが決まったところで、上原はふと思い出す。高校生と休日が噛み合わないことを。
 今日明日は休みだとは既に伝えてあるが>>0:95


  警察へは寄っていこう。
  このまま有耶無耶にはしないほうがいい。


[付き合ってみたところで、向こうが落ち着く保証もない。矢川の高校卒業まで、二人の関係が安定し続ける保証もない。
 だったら他の手段でも安全は確保したほうがいい。
 上原に自然と浮かぶのはそういう思考だった]
(36) 2021/03/02(Tue) 17:42:41

【人】 上原 隆司

>>34 >>35ひとりで抱え込んできたことを明かす矢川が、自然と口にする「恭介」という名。
 彼女の中で大きな存在らしい、と上原はなんとなく察する。“大事な幼馴染”>>0:53とは彼のことかもしれないとも思った。

 そして、その彼に特別に思うことが、今は無いことにも気付いた。

 まだ、恋ではない。それがはっきりとしたのは、良いことなのだろうか?]
(37) 2021/03/02(Tue) 17:43:25

【人】 上原 隆司

[甘える彼女を見ながら、思い返す。

 >>34「作りに行っても良い」
 その言葉を聞いたとき、上原はほんの少しだけその光景を想像した。
 下手に自炊するより栄養面でも効率的だと惣菜を買って帰る日々だが>>0:93、味気ないのも事実。

 ――食事を作って待っていてくれる人が、もしいたら。

 それは、まだ諦めるには早い気がする憧れでもあり、今から叶えるのも難しい気がする夢物語でもあった。

 真剣に探せばどこかにはいるのかもしれなくても、その度に取材で見聞きした修羅場の数々が思い浮かんで気後れする。
 そうしていつも通りの日々を繰り返していた。

 その日々を変えるためのきっかけを作ろうと上原が動くことはなかっただろう。
 誰かが腕の中に転がり込んでくるような、今みたいなことでも起きなければ]**
(38) 2021/03/02(Tue) 17:44:40

【人】 矢川 蛍

  うーん、ゆっくり行けないのは残念だけど
  平日、放課後の方が目撃されやすいのは良いかも?


[そこはとても打算的になってはしまうけれど
 先ずは危機から脱することが最優先だった。
 それが終わったら?
 お付き合いも終わりになるのかな、と
 チラッとおもうけれど仕方がないのかもしれない。

 これは恋じゃない。
 ただとても感謝はしてる。とても嬉しい。
 恋に変わる事はきっとあるとはおもう。
 でも、やっぱり、それは未だだった。

 手を差し伸べてくれている大人の人。
 今の段階では、隆司さんのことを私はそう捉えている。]
(39) 2021/03/02(Tue) 18:42:56

【人】 矢川 蛍

[そうして、暫く頭を撫でてもらった後、
 お店を後にしたら交番に向かう。
 手を繋ぐか迷って、やっぱり繋がない。
 と、思っていたら店の前にいた例の彼の姿に
 思わず隆司さんの服の裾を握ってしまった。
 すごい顔で睨みつけた後、ハッ……、と
 どこかバカにするような顔を浮かべて去っていく。
 そんなアイツに、やっぱり気持ち悪さが募ってた。]


  偶然……?


[だと良いのだけど、現実は甘くないかも。**]
(40) 2021/03/02(Tue) 18:43:53

【人】 上原 隆司

  学校帰りに水族館か。
  あまり行かないよな。


[かえってデートとして面白い気はした。
 同じように学校帰りに水族館に向かう人がいるのかはさておき。

 店を出るとき、上原は飲み物1杯ずつだしと深く考えずに全額支払った。
 >>40服の裾を掴まれて、その先にいる“ストーカー”に気付いて眉を顰めた]


  ……なわけねえだろ……。


[上原は矢川の呟きを否定して、服を掴む手にそっと触れた。手を離させようと思ってのことだったが、もし握り返されても拒むことはないだろう]


  こうなったら、この先までついてくることを期待するか。


[警察署まで入ってしまえば逃げられてしまうだろうけれど。もしそばに留まってくれたなら、そのまま事情聴取ぐらいしてもらえるのではないか。

 そんなことを考えながら、歩いて警察署へ向かうことにした。
 そこそこの距離はあるが、ここからなら矢川の家から学校までとさほど変わらない時間で着くだろう]**
(41) 2021/03/02(Tue) 19:16:18

【人】 矢川 蛍

  ……デスヨネ。


[飲み物の支払いの時にはお財布を出したけれど
 支払ってくれたのできちんとご馳走様を伝えて。
 でも、偶然じゃないだろう、と
 ストーカーを見て私も苦い思いを再び抱えていた。

 でも、握りしめた手を離させるための手は>>41
 私を元気つけるために手を繋ごうとしてるんだと
 そう思ってしまったから、きゅ、と掴む。
 拒まれたり振り払われたりはしなかったから
 嬉しい、より、安心してしまう。けど。]


  ……それはご遠慮願いたいですけど……。


[だってやだもん、これ以上深入りしたくない。
 そんな気持ちでため息をついた。
 そんな私たちの事をストーカーは
 視認できる距離でついてきていた。
(42) 2021/03/02(Tue) 20:34:39

【人】 矢川 蛍

[そこから歩き始めたけれど、
 背後からすごく視線を感じるのは気のせいじゃない。>>42
 嫌だ気持ち悪い泣きそう。
 警察署に入ろうと言うのに、また建物の前にいる。
 ……正直とてもゲンナリだ。]


  隆司さん、言霊ってあるんですね……。


[そんな事をげんなり言いつつも、
 相談できる場所を探す。
 手早く相談先を見つけたなら
 ストーキングされてること、
 今も建物の前にいること、
 正直色々あったことを告げて
 私たちは事情を聞かれることになっただろうし
 アイツは……事情を聞かれ終わるまでいたら
 おそらく口頭注意はされるだろうけど。

 その頃までまだいたらしい。**]
(43) 2021/03/02(Tue) 20:40:31

【人】 上原 隆司

[離させようとして掴まれた手を、上原はそっと握り返した。
 なにせ、振り返ればそこにいるとわかる状態でストーカーがついてくる。
 心細いだろうと思えば、振り払う理由などあるはずがなかった。

 警察署にたどり着けば]


  現行犯で注意してもらえるいいチャンスだぞ。
  蛍の言うことも信じてもらえるだろう。


[期待>>41に込めた内容を矢川に伝えて、相談窓口を探した。
 事情はほとんど矢川に説明してもらうことになっただろうけれど、先日の店では公衆の面前で暴力を振るいそうに見えたことを上原も付け加えた。>>0:70 >>0:71

 やがて、事情を聞かれ終わって、校区の見回りを強化するとは言ってもらえて、警察署を出ることになるのだろう。
 >>43それまでの付きまといぶりから、早速注意されるだろうことは想像できた]
(44) 2021/03/02(Tue) 21:12:00

【人】 上原 隆司

[そうして警察署帰り。
 矢川が歩き出すならそれに合わせて、すぐには移動しないなら共に留まって、これからの懸念を口にする]


  今日も送って帰るけどさ。
  明日から……学校、どうするよ。

  明日は休みだし、朝迎えに行って
  学校まで送ってもいいが……。


[あれだけ付きまとわれたのでは、矢川が独りになれば手出ししてくるとしか思えなかった。
 家も当然知られているだろう。
 警察の見回り強化はどのくらい当てにできるものだろうか。
 安心できる理由を、上原はどこにも見つけられなかった]**
(45) 2021/03/02(Tue) 21:12:34

【人】 矢川 蛍

[相談窓口で話したこと。

 脅迫めいたラブレターに付き纏い。
 通学のバスで背後を取られて触られたこと。
 いくらなら? なんて聞かれたこと。
 昨日の……上原さんとのデートの最中に
 肩を掴まれ睨まれたこと。
 今日もここまでついてきていること。
 そんな事を、隆司さんの言葉も付け加えながら>>44
 婦警さんに相談する。

 状況はかなり悪質とのことで
 早速口頭注意をしてくれるようだった。
 痴漢の方の証拠は残せなかったけれど
 手紙と言われたことの録音、それに
 建物前に今いる事実がかなり効いたらしい。
 
 これで、少しは懲りれば良いのだけれど。]
(46) 2021/03/02(Tue) 21:38:26

【人】 矢川 蛍

  一時避難や引っ越しも有効、らしいですけどね。
  あとは学校にも相談して、相談実績作って、
  せめて来年同じクラスにはならないように……とか。


[こちらも安心しきってるわけではない。
 なんでこんなに執着されてるかわからない。
 けれど、今は一度気持ちを切り替えた。
 改めて隆司さんの顔を見て頭を下げる。]


  今日はありがとうございました。
  ……とてもありがたいですけど、それやると
  私とても噂の的になりそうですね?


[なんて、思わず茶化してしまう。
 だって、年上の男性と学校に来たら
 部活仲間やクラスメイトに根掘り葉掘り聞かれそうだ。
 聞かれた方が、きっと噂も広まって
 あの男が諦める一手になるとは思うけど。

 警察に注意されたことが強い抑止力になってほしい。

 また、隆司さんの手を繋ぐ。]
(47) 2021/03/02(Tue) 21:38:43

【人】 矢川 蛍

  でも、嬉しいです。
  ……ありがとう、隆司さん。


[だから自然と微笑むことができた。**]
(48) 2021/03/02(Tue) 21:39:09

【人】 上原 隆司

  ……一時避難ねえ。


>>47家族と同居である以上、引越しは難しいだろうし、矢川が単身で家を離れるのは安全とは程遠いだろう。
 が、「恋人の家に寝泊まり」ならありなのかもしれない。
 ……想い合った恋人同士ならば、の話である]


  噂は確かに。目立つだろうな……
  蛍は困るか。


[それに毎日同行するわけにもいかない。
 繋いだ手と反対の手で、上原は頭をかいた。
 校内で噂になったとき、一番不利益を被る可能性があるのも彼女ではないかと思った]
(49) 2021/03/02(Tue) 22:14:33

【人】 上原 隆司

  明日以降は蛍に合わせるとして……
  今日は送ってく。


[微笑む矢川を見つめ返して、安心させるように微笑む。繋いだ手を優しく握り返すと、矢川の家の方角へ歩き出した。

 あまり目立ちすぎないほうが良いのかもしれないし、注目を浴びたほうが手を出しづらくなるかもしれないとも思える。

 やりたいようにやりながら様子を見るのがいいだろう……上原はそういう結論に達していた]**
(50) 2021/03/02(Tue) 22:16:32

【人】 矢川 蛍

  いえ? 私は困りませんけど。
  ほら、高校時代は恋人とか諦めてましたし……。


[そう言う意味ではないのだろうか。
 それ以外では全く困る要素はない。
 年上の恋人ができた、それくらいで。
 ……物珍しさに色々聞かれはするだろうけども。
 だからきょとんと目を瞬かせてしまう。
 こんなに助けられて、実際助かってるのに
 何か困ることがあるだろうか。
 いや、自分よりもむしろ。]


  あの、もし噂されて上原さんが困ったなら
  ちゃんと相談してくださいね。
  私は、大丈夫ですから!

[例えばとても素敵な誰かに出会ったとか。
 自分と"お付き合い"する事で
 社会的に何か問題が生じるとか。
 迷惑になるならきちんと説明するし、
 いざとなったら身を引く覚悟は今はあるから。
 そう力強く宣言はしたけれど
 隆司さんの微笑みも、手の温もりもとても安心して
 また頭を撫でてほしいな、なんて欲が出る。
 そして帰り道、登校時間の話や
 学校までの道のりの話をしていたけれど
 家に着くと、ちょっと待ってて、と玄関で待ってもらう。
 足早に中に入って紙袋を一つ持ってきた。]
(51) 2021/03/03(Wed) 1:13:25

【人】 矢川 蛍

  あの、もし嫌じゃなければ。
  ココアパウンドケーキ、焼いてたので。
  ……食べてください。


[そう言って差し出す。
 お菓子を焼いても一人では食べきれないし
 部活に持っていくくらいしかないから。

 受け取ってもらえたら、嬉しいな。**]
(52) 2021/03/03(Wed) 1:13:44
村の更新日が延長されました。

【人】 上原 隆司

  あぁ、困らないんならいいんだ。

  俺は困ること……たぶんないと思うが。
  何か起きたときは相談する。


[上原が困るとしたら、社内で噂になったときに偏見の目で見られたら困りそうというくらいだった。
 それも罪に問われるわけでないなら構わないか、と思っていた。

 登校時間や道のりを話して、明日の朝に迎えに来る時刻も決まっただろうか。
 玄関で言われるままに待つと、矢川が紙袋を差し出してきた>>51


  お、……おお。
  ありがとな、家帰ったらいただく。


>>52突然の手作りお菓子の出現に少し戸惑いつつ、素直に受け取ることにした]
(53) 2021/03/03(Wed) 7:02:02

【人】 上原 隆司

  じゃ……また明日な。


[最後に軽く頭を撫でて、上原は矢川に微笑みかける。
 何もなければそのまま立ち去るだろう]**
(54) 2021/03/03(Wed) 7:02:38

【人】 矢川 蛍

[相談に対しては>>53ハイ、と笑って
 ちゃんと対処していく約束をする。
 助けてもらったのに迷惑なんてかけられない。
 そう思ったし、もし迷惑でないなら
 作った物を持っていって欲しかったのも本当。

 元々、ちまちま作ったりするのと音楽が好き。
 出来れば家でも思い切り演奏できれば良いけれど
 生憎そこまでの装備を揃えてないから防音的にバツ。
 だからストレスを料理にぶつけることもあるけれど
 思い切りチマチマ餃子を作ったりすると食べきれない。
 冷凍するにも限界がある。
 そんな時は焼き菓子が適当なのだ。
 無心で混ぜて、混ぜて、混ぜて。
 その中でもパウンドケーキは結構雑でも良いし
 甘みを抜いて肉じゃがなどオカズを突っ込んでも良い。
 それでもきちんとした甘味にするのは
 日をおいて良し、学校でみんなに食べてもらうに良し、
 運びやすいと言う点からも優秀だからだった。
 だから彼に……、と言うわけではなかったけれど。
 昨日食べていたクッキーにチョコが入っていたから
 ココアを混ぜてみたのは本当の話。
(55) 2021/03/03(Wed) 7:48:58

【人】 矢川 蛍

[頭を撫でられている私はすっかり真っ赤になって>>54
 両手で顔を覆いながらこく、と頷いた。
 ちゃんと時間も確認してたし
 ちゃんと明日の朝目覚めれば良い。
 バタバタとそこから逃げるようにして
 さっさと玄関の扉をあけて滑り込んだ。

 うう、私は誰でも良いんじゃない。
 良いんじゃないのに、甘えすぎな気もする。
 気もするけど、喜んで貰えたのなら嬉しい。]


  ……やだ、顔、にやける。


[扉の内側で、顔の赤みが消えるまで
 一人座り込んで悶えてる姿なんて
 見せられない。*]
(56) 2021/03/03(Wed) 7:49:36

【人】 矢川 蛍

[そんな訳で、その日の晩は
 また色んな感情を消化するための作業祭りだった。

 刻んで、刻んで、刻んで。
 炒めて、冷まして、混ぜて。
 捏ねて、捏ねて、捏ねて。
 下拵えをして、焼き菓子を作って。
 そして翌朝、続きを作る。
 主に作っているのは自分のお弁当。
 だけどチラッと欲が湧いて、二人分。
 ううん、……結局四人分くらい?
 両親と私とでそもそもが三人分。
 ハンバーグにブロッコリー、いりどりにミニトマト。
 それと卵焼き。我が家の卵焼きは甘い派。
 胡麻塩とゆかりご飯のおにぎりが一つずつ。
 タッパーに詰めたのはごめんなさい。
 急な思いつきと衝動だったから。
 だから、翌朝の荷物にお弁当が二人分。
 自分の分と、隆司さん……が迷惑じゃなければ。
 夜勤の両親はまだ帰ってきてない時間、
 二つの包みを持って顔を出す。
 隆司さんが、きてくれてたなら
 「お弁当……、要りませんか?」
 そんな風に聞いてみるんだ。**]
(57) 2021/03/03(Wed) 8:01:49

【人】 上原 隆司

>>56顔を覆う矢川に別れを告げて立ち去った後、駅に向かって歩きながら、「ココアパウンドケーキ」と言っていたのを思い出す。>>52

 上原の家には買い置きのコーヒー豆があったが、しばらく前に開封したきり、放置状態だった。
 豆のままだし密閉しているし、そこまで酸化はしていないはず。

 たまに家でハンドドリップするかと思って帰路につきながら、そういうゆとりを近頃はすっかり失っていたことに上原はやっと気がついた]
(58) 2021/03/03(Wed) 8:13:26

【人】 上原 隆司

[翌朝。
 学校の始業時刻は、会社よりも早い。だから出社より遥かに早く家を出ることになった。
 朝食はいつもメニューが決まっているから、困ることはなかったけれど。

 学校に向かう学生らしき人々が疎らに歩いている中、流れに逆らって矢川の家まで進むのは複雑な心境だった。

 そうして矢川の家に着いたのは、待ち合わせの時刻よりほんの少し前。玄関から顔を出した彼女にお弁当と問われて>>57


  ……え?


[上原の想像の範疇になさすぎる言葉だったせいか、きょとんとして問い返すことになった]**
(59) 2021/03/03(Wed) 8:18:43

【人】 矢川 蛍

  あの、昨日、ケーキ喜んで貰えたみたいなので……。
  両親の分も作っておいておくので、
  もし良ければって作ってしまったんですけど……。

  あ、アレルギーとか大丈夫ですか?
  それともし要らなかったら大丈夫です、
  私の夕飯にしますから!


[大丈夫。食材は無駄にしない主義だ。
 それに今回は肉じゃがを再利用したコロッケなど
 いかにも、な使い回しメニューは入れてない。
 タッパーに入れてあるのは申し訳ないけど。
 だから断ってくれても良い、と言いながら
 もし断られたら一度冷蔵庫に入れるために引っ込む。
 断られなければ、そのまま出てきて施錠して
 スタパの紙袋に入れたお弁当の包みを渡すつもり。]
(60) 2021/03/03(Wed) 8:51:58

【人】 矢川 蛍

  これでも、料理するのは好きなんです。
  両親があまり居ないから必然でもあったけど。
  今日は二人とも夜勤明けだから
  帰ってくるのはお昼くらいなんですよね。


[大変ですよね、と笑いながら歩き始めよう。
 多分お隣さんはもう少し後に出て来るはず。
 若しくは、彼女の朝練に合わせて早く出たかも。
 どちらにしろ今はそんなに気にしないで、]

  隆司さんは花粉、大丈夫ですか?


[そんな当たり障りのない話を始めちゃおう。
 隣にいるのが恭介じゃないから、
 学校に近づけば近づくほどみんなが
 不思議に思うかもしれないけど。**]
 
(61) 2021/03/03(Wed) 8:52:26

【人】 上原 隆司

  ああ……、そうだ、ケーキ。
  美味かったぞ、コーヒーに合って。


>>60弁当の解説を聞いて、まず先にそっちが上原の口から出た。豆も思ったほど悪くなっておらず、なかなか良い休息になったのだった。

 そして家族の分のついでというお弁当は、受け取ることに抵抗感がなくて、素直に手を差し出した。
 元々自炊はほとんどしない。休日でも滅多なことがなければしなかった]


  なら、もらっとく。
  わざわざありがとな。


[微笑んで受け取ったのはスタパの紙袋。中身が何かはわかりづらいだろうことも、受け取りやすい理由のひとつだった]
(62) 2021/03/03(Wed) 9:13:10

【人】 上原 隆司

  親御さん、夜勤もあるのか。


>>61大きな家に、夜、独り。
 それも、ストーカーが身辺をうろついている状態で。
 それを想像するとどうしても心配になって、上原は歩きながら矢川のほうを見た。
 歩くペースは合わせているから、彼女は隣にいるのだろう]


  アレルギー無いんだよな俺。
  花粉もなんともない。
  花粉症はいつも他人事だ……。

  蛍は?


[なんでもない世間話は、昨日まではしていなかった。だからかえって新鮮に感じるくらいで。
 話しているうちに、あっという間に学校に着くのかもしれない。

 学校が近づくと物珍しげな視線を受けることになって、上原の気は少し重くなった。
 けれど自分から言い出したことだけに、不満を言う気は無かった]**
(63) 2021/03/03(Wed) 9:13:38

【人】 矢川 蛍

  あ、良かった。
  隆司さん、チョコ系好きなのかなって。


[それに家にある珈琲に合ったなら良かった。
 お世辞かもしれないけれど思わず顔が綻んでしまう。
 それにお弁当も受け取ってもらえてホッとしていた。
 ホッとしたついでに機嫌もかなり上向きになる。]


  そうなんです。でも仕事が好きらしくて。
  中学くらいからは私も家事に慣れてきたから
  心置きなく仕事してるみたいですよ。
  恭介……、幼馴染のお隣さんはもっといなくて
  よく出張しては出払ってるから
  纏めてご飯作って食べる、もよくあったんです。
  だからか、料理は必要ですしたくさん作るの楽しいです。


[だから、一人分くらい増えても手間じゃなかった。
 むしろその分楽しかった。
 恭介に恋人ができるようになってからは
 そんな機会もぐんと減ったし、避けていた。
 だから久々に作れて嬉しかったのもある。]
(64) 2021/03/03(Wed) 10:36:49

【人】 矢川 蛍

  私も無いです。お互い良かったですね!
  この時期、辛そうな人は本当辛そうで……。
  料理の好き嫌いとかも教えてくださいね。
  またお弁当作りたいですし……、
  あ、でも、仕事の日は辞めた方が?


[今日は休みだと聞いていたし、来てくれたから。
 あっさり渡せたし、何の気兼ねもないだろうけど
 仕事の日の朝まで早起きさせるのは可哀想だし
 現状、私が届けにいくのも危ない気がする。
 それに会社では会社の世界があるだろう。
 外で食べる必要があるとか、
 仕事柄取材とかもあるだろうし。]
(65) 2021/03/03(Wed) 10:37:08

【人】 矢川 蛍

   先ずは、お弁当もお口に合えば良いんですけど。


[何よりはそこだ。
 基本的なことは出来ているはずだけれど
 家庭の違いは文化の違いとも言うし
 友達のお弁当の卵焼きの味に驚いたこともある。
 ほうれん草入れちゃうんだ、みたいな。
 そんな風に話しているとあっという間だった。
 あんなに気が重かった学校への道のりが。
 チラチラ、視線は感じるけど
 校門が見えたあたりで足を止める。]


  ここまでで大丈夫です。
  ありがとうございました、隆司さん。
  ……また、後でね?


[そんな、言い方になったのは。
 「帰りもよろしくお願いします」なんて言い方は
 少しよそよそしいかな、と思ったから。
 だから少しでも距離を詰めるために
 詰まってるように見せるために
 そんな言い方をして、軽く手を振るけど。

 ……うん、やっぱりちょっと恥ずかしい。
 照れ臭くてほっぺが熱かった。**]
(66) 2021/03/03(Wed) 10:37:38

【人】 上原 隆司

  チョコは……そうだなあ、
  コーヒーに一番合うと思ってるな。
  定番なんじゃないか?


[上原の職場には自由に使えるコーヒーメーカーがあるが、しばしば妙に苦いコーヒーができている。
 お湯が少ないのか、それとも粉が多いのか、それともその両方なのか。一定の味ができるはずなのに、作る人によって味が違った。

 そこで個包装の一口チョコレートを上原がコーヒーメーカーのそばにこっそり置いたら、いつの間にか常時補充されるようになっていた。

 「コーヒーにチョコレートは定番」と元々思っていた上原は、改めてそう認識したのだった]
(67) 2021/03/03(Wed) 13:12:40

【人】 上原 隆司

  仕事好きで仕事する分には問題ないよな。
  嫌々働いて忙殺されるんじゃ気の毒だが、
  本人が楽しいなら止める理由がない。


[そう言いながら自分のことを思ってみると、上原もなんだかんだで仕事は好きなのかもしれなかった。
 取材で聞く話には嫌気が差しつつも、仕事を辞めてやろうとは思ったことがなかった]


  今から家事ができると、この先楽だろうな……。
  遠くの大学でも自炊に抵抗無いだろ。


[学生時代、やたらと軽視することになった食生活を上原は思い出していた。
 食費を抑えようとして自炊をするか、安くて雑な食事になるかは人それぞれであるが、自炊に慣れていれば学業を圧迫することはない。
 将来、一人暮らしの学生生活になったとしたら、間違いなく有利であろう。

 ちなみに「いい嫁になれる」的な前時代の発想は上原には浮かばないのだった。同僚には女性も多いせいなのかもしれない]
(68) 2021/03/03(Wed) 13:13:09

【人】 上原 隆司

>>65 >>66仕事の日のお弁当はさすがに頼みづらかった。
 上原の昼食は社員食堂か外食がほとんどで、自分で用意するときはだいたいが買ったものなわけで、人目が気になる。
 いつ、どうやって受け取るかという問題も確かにあった]


  仕事の日はさすがに気が引けるな……。

  好き嫌いはそこまで激しくないから、
  大抵のものは美味しく食えるよ。


[それはお世辞でも嘘でもなんでもなかった。日常の食事の範囲では、上原に特に嫌いな食材は無かった。代わりに際立って好きなものも無かったのだが。
 だからよその家庭の味でも、意外に思うことはあるかもしれないが、食べられないことはないだろう。

 そんな風に雑談をしながら歩いていれば、校門が見えて、そこを目指す人の数も増えていた。
 このくらい人目があればもういいだろうと、矢川が足を止めれば上原も足を止めた]


  ああ、じゃあまた帰りに。
  気をつけてな。


[同じように手を振って、校門を通るまでは見送ることにしたが。
 人目がどうしても気になって居た堪れない気持ちになって、上原は赤くなるよりもむしろ、少し顔色が悪かったのだった]**
(69) 2021/03/03(Wed) 13:14:08

【人】 矢川 蛍

  進路は……まあ悩んではいます。
  管理栄養士とか慣れたら良いですけど。
  楽器は趣味で続けたいなあって。


[去年はバリトンサックスでのソロパートを任されたが
 それはそれで、プロの道を目指す……とかはあんまりだ。
 確かにそれはとても魅力的な世界だけれど
 そこまで自分が没頭して練習できるかと言えば
 わからない、と言うのが本音だった。
 たまに"吹いてみた"で動画を上げるくらいが丁度良いし
 それに見合う実力くらいは身につけたい。
 ちなみに、まだそうしたことはしていないけれど
 去年ディープ・パープル・メドレーを演奏した
 その時の動画はネット上にアップされていたりする。
 でも仕事にするなら、親の健康も考えて
 食事に関することかなと思っていたのだ。]
(70) 2021/03/03(Wed) 13:57:33

【人】 矢川 蛍

  じゃあ、休みの日はまた作って良いですか。
  今度はお弁当箱も用意しますから。


[仕事の日はやはりちょっと、らしい。>>69
 だから今度はまた休みの日に、と提案して
 少し赤い顔のまま学校に向かった。
 後ろで顔色悪くなってる隆司さんに気づいたなら
 もう謝り倒していたとは思うけど
 あいにく、それには気づけないまま。]
(71) 2021/03/03(Wed) 13:57:50

【人】 矢川 蛍

[その後、先ず自分に質問してきたのは友人の凛だった。
 例のストーカーの、前の被害者でもある。
 お付き合いを始めたといえばなんだかとても喜んでくれて
 ほたるには年上の方が合うと思ってた、だって。
 他に質問してきたのは部活の仲間。
 朝の人は? と昼休みに聞かれたから、同じように。
 室井くんとできてると思った、だって。
 室井くん……つまりは恭介と。
 恭介は幼馴染でお隣さんだよ、と笑う。
 振られたまでは言わなくて良いよね。
 そんな中、遠くから睨みつける姿はあった。
 あったけれど、友達や仲間がそれとなく傍にいてくれて
 一人になる時間がなかったのは有難い。
 ありがとね、とお礼を言ったなら
 今度はマカロンで良いよとか、チョコチップクッキーとか。
 うん、今度焼いて来るねと穏やかにいられたのは
 昨日からの出来事が一番大きかったと思う。]
(72) 2021/03/03(Wed) 13:58:06

【人】 矢川 蛍

[でも、凛と二人でいるときに
 あいつが一度だけ此方に近づいてきていた。
 少し怖かったけれど、怯んじゃいけないと
 警察でも指導されたようにキッパリ拒絶しないと、と
 私は頑なな姿勢を崩さないでいられた。]


  私は君のこと何にも思ってないし
  むしろ迷惑です、これ以上構わないで!
  お付き合いしてる人もいるし、もうやめて。


[真っ赤になって、何か言いたげに口をモゴモゴさせていた。
 そんなアイツは、私と凛とを纏めて罵倒して
 背中を向けて去っていった。
 あの言い分が合っているなら、
 彼方から願い下げだそうだから、もう来ない……
 と、いいな……?

 今の会話も録音したし、ホッと肩の力が抜ける。
 凛も怖がってたから纏めて証拠にしてしまおう。
 ごめんね、と凛にも謝っておいた。
 凛の方が可愛くて胸も大きいし
 ちゃんと好き合っての恋人がいるんだから
 守ってあげないと、……だよね。

 ……一先ず、このまま収束していく事を願ってる。]
(73) 2021/03/03(Wed) 13:58:29

【人】 矢川 蛍

『ほたるです。
 他の子といる時に接触があったけれど
 彼方から願い下げだ、この○○○との言質を得たので
 たぶん離れていくんじゃないかな……?

 甘いですかね?』



[待ち合わせの時間と場所を決めるときに
 そんな情報もチラリと送る。
 ○○○は好きな文字を入れてください、の気分。
 普通に挨拶して勘違いされるだなんて
 恐ろしい世の中だなとは思ってた。**]
(74) 2021/03/03(Wed) 13:58:53

【人】 上原 隆司

  楽器のプロ奏者は、才能もいるだろうしな。


[趣味でと言われたとき、上原も口を挟む気にならなかった。
 仕事にしようと思うなら、ハードルが高いだろう。
 普段、なんでもない普通の人たちの薄暗いエピソードを取材することが多いせいなのか、楽器奏者のような輝かしい人たちが住むのは遠い世界だと上原は感じていた]


  休みの日なら、ありがたくいただくよ。


>>71お弁当の申し出にはそう答えた。
 矢川が己の顔色に気づかず去ってくれたことには、上原は密かにほっとしていた]
(75) 2021/03/03(Wed) 16:13:38

【人】 上原 隆司

[その後、矢川からお弁当をもらって買い物の予定もなくなり、上原はまっすぐ帰宅することになった。
 休みの日に片付けたい用事は昨日のうちにだいたい済んでいて、あとは文字通り休むだけ。
 食事の用意も、もらったお弁当を食べるだけ。

 それでのんびり過ごしすぎて、いつの間にかうたた寝するなどして、>>74メッセージの着信音でハッとしたのだった]
(76) 2021/03/03(Wed) 16:14:01

【人】 上原 隆司

>>74メッセージの内容を見て、上原は悩んだ。
 そう単純に終わってくれるなら、実にありがたい話である。
 が、あれほど執拗に付きまとう相手が、そう簡単にやめてくれるとは想像しづらかった]


『しばらく様子を見てみるか。
 本当に去ってくれるのかどうか。』


[待ち合わせ時刻と場所の了解の返信に、上原は情報へのコメントを付け加えた。

 無いものを証明するのは難しい。
 ストーカー行為が止んだと判断するにも、日数がかかるだろう。
 1日やらなかっただけなのか、1週間の間が空いただけなのか、たまたま1ヶ月何も無かっただけなのか……。

 矢川が「もう大丈夫」と心から安心して日々を過ごせるようになって、思い出すこともなくなれば、そのときには「終わった」と言えるのだろう]
(77) 2021/03/03(Wed) 16:14:57

【人】 上原 隆司

[それからお弁当を食べることにした。>>57
 容器がタッパーという色気のなさで、かえって気楽だった。
 ハンバーグと卵焼きは別の皿に移して温め直して、他はそのまま食べることにした。

 上原は甘い卵焼きは食べ慣れなかった。
 慣れない味の卵焼きを食べながら、母親がいろんなものが日替わりで混ぜ込んでいたのを思い出していた。
 桜海老、しらす干し、ソーセージ、ウインナー。
 野菜を入れることは無い人だったが、混ざるものがものだけに、上原にとって卵焼きとは塩味がするものだった。

 それだけに甘いと別の食べ物のようだったが、だからといって不味いわけではない。
 これもバリエーションのひとつと思うと、母親が作っていたものを自力で作ってみたい気がした]
(78) 2021/03/03(Wed) 16:15:44

【人】 上原 隆司

[おにぎりは出先で食べるときに上原がよく選ぶメニューだったが、人が握ったと実感できるものを食べるのは随分久しぶりだった。
 子どもの頃に母親の手伝いで作ろうとして、思ったより難しくて驚いたことがあったのを思い出した。

 肉類は毎食欠かしたくない主義の上原には、ハンバーグがあるのも嬉しかった。
 好き嫌いがあまりない分、栄養バランスでメニューを選ぶことが多かったからだ。
 そういう意味で、野菜と肉類がちゃんと揃っているのは満足感があった。

 そして何より、食事を自力で用意する必要が無いことの気楽さがありがたかった。
 それで直前までのんびりできたのだ。

 実家を離れてからも、他の人が家まで来て料理をしていくことはあった。
 だが人からお弁当を渡された経験は上原には無くて、新鮮だった]
(79) 2021/03/03(Wed) 16:16:46

【人】 上原 隆司

[食事の後はタッパーを洗って水気を拭き取って、元通りスタパの紙袋に入れた。

 時間通りに待ち合わせ場所に向かうとき、忘れず持参するだろう]**
(80) 2021/03/03(Wed) 16:17:06

【人】 矢川 蛍

[今日も部活はないから、放課後に早めに帰路につく。
 待ち合わせ場所は学校からほど近い本屋前。
 流石に帰りは自分が待たせる側なのもあって
 校門で待ってもらうのは申し訳なかったのだ。
 掃除も終わり、足早に待ち合わせ場所に向かおうとする。

 ストーカーの加害者は警告や口頭注意を受けると
 その約8割から9割の人はストーカー行為をやめるらしい。
 学校では文句を言われたけれど身に覚えはないし
 あいつもこの大多数の枠に入っていれば良い。
 辺りを注意しながら玄関までやってきて
 靴を履き替え、下駄箱に何もなかったことに安堵しつつ
 学校の外まで出てきた。
 その先でも少し緊張したけれど
 今日は、追いかけていないみたいだ。
 私が知らないだけだけど。
 思った以上に緊張しながら約束の場所に向かう。
 隆司さんの姿が見えるとホッと肩の力が抜けた。]
(81) 2021/03/03(Wed) 17:29:38

【人】 矢川 蛍

  隆司さん!


[姿が見えたところで声をかけて手を振った。
 顔が綻ぶのがわかる。
 隆司さんの前まで駆け寄って小首を傾げた。]


  お弁当、お口に合いましたか?
  何かリクエストがあれば教えてください。
  ……あと、隆司さんのお休みの日って
  曜日決まってるんですか?


[つまり、次に作れる日はいつだろう? と。
 今日が比較的平和に終わったし
 ここは自分が安心して良い場所何だって分かってるから
 私はきっと、昨日までよりも
 肩の荷が降りた穏やかな笑顔だったと思う。**]
(82) 2021/03/03(Wed) 17:30:00

【人】 上原 隆司

>>81待ち合わせ場所の本屋で上原が眺めていたのは、写真集のコーナーだった。
 風景写真集と、動物の写真集、その境界あたり。ときどき手に取ってページをめくっては棚に戻す、その繰り返しで時間を潰していた。

 そろそろ来る頃かと店の出口に向かおうとした頃、>>82ちょうど矢川がこっちに向かってくるのが見え、上原も微笑んで片手を挙げた]
(83) 2021/03/03(Wed) 18:51:53

【人】 上原 隆司

  おう、美味かったぞ。
  作ってくれる人がいるありがたみを実感した……。

  けどやっぱ、家庭の味ってあるもんだよな。
  合う合わないより、「違う」と言うか。


[弁当のことを問われると、素直に答えながらスタパの袋を差し出した。中にはきっちり洗ったタッパーが入っている>>80


  休みはだいたい水曜と木曜だが、
  たまーに火曜と水曜にずれるな……
  あとは有給次第。


[休みの曜日を答えながら、ずいぶんと気が楽になったような微笑みを浮かべる矢川を見つめた。
 可愛らしく見える反面、もうそんなに自分のそばで安心しているらしいことに、上原は思うところがあった]
(84) 2021/03/03(Wed) 18:52:14

【人】 矢川 蛍

  ですよね、とは言っても私も
  母の味はあんまり覚えてないんですけどね。
  今は美味しければ良いのかなって感じです。
  お正月におせち食べた記憶もないし。
  お刺身とお雑煮とレンコンサラダなんですよね、うち。


[お雑煮もコンソメ味だったりする。
 それは、父が好きだからそうなったらしい。
 レンコンサラダは定番かと思いきや、
 そうでもないと知ったときには本当に驚いた。

 スタパの紙袋を受け取りつつ>>84
 隆司さんの休みを大まかに把握する。]


  でも、美味しいって言ってもらえたから嬉しい。
  作り甲斐があるってもんですね。
  じゃあ、基本的に水曜はお弁当作ります。
  ……朝、大丈夫そうですか?


[時間とか、体力とか、そんなもの。
 実際今日は学校まで来てもらったし
 朝も家に来てもらったが、大丈夫だろうか。
 あんまり甘えてはいけないような、
 でも今のところは安全優先で甘えたいような。]
(85) 2021/03/03(Wed) 19:24:22

【人】 矢川 蛍

  無理はしないでくださいね。
  休みの前の日って飲み会とかもあるんでしょう?
  残業とかもあるだろうし……。


[本当に、良いのだろうか。
 そんな想いが不意に迷いを生む。
 少しだけ視線を伏せて言葉を濁らせた。
 確実に隆司さんに負担はかけている。
 それをどうにか軽減はしたいけれど
 自分ができることは何だろう。

 ……積極的自衛、だろうか?

 悩んでもあまり良い考えは浮かばない。
 浮かばないなら、積極的に
 恋人、お付き合い、で良いの……だろうか?]
(86) 2021/03/03(Wed) 19:24:42

【人】 矢川 蛍

  あの、今日はどうします?
  どこか行きますか?


[水族館とか、映画とか?
 一般的なデートコースを頭に思い浮かべる。
 少し手を伸ばして、けど、
 その手を降ろしてスタパの紙袋を持ち直した。

 ……どのくらいの距離感が。
 お付き合い、にちょうど良いのかな?**]
(87) 2021/03/03(Wed) 19:25:02

【人】 上原 隆司

  んじゃあ矢川家というより、蛍の味か。
  ……れ、レンコンサラダ?


>>85深い意味なく感想を述べつつ、レンコンサラダはさすがに意外性が高かった。
 雑煮の味は家庭によるだろうけれど、上原家は醤油味だった。全国的に多い例ではあるらしい]


  そんなに毎度作ってもらうのも悪いな……。
  作ってもらえるのは嬉しいんだけどさ。


[学校の行き帰りに付き合うだけだし、毎日というわけでもない。
 それでお弁当を作ってもらうのは、と気後れしたのを上原は素直に口にした。  

 とはいえ、普段出かけるより早くに出て登校に付き合い、帰りも迎えに出るのは、長く続けると負担になるのかもしれない]
(88) 2021/03/03(Wed) 21:51:43

【人】 上原 隆司

[上原の不安が通じたのか、矢川も気遣う言葉を言う。>>86
 独りで迷っているような、……独りで頑張ろうとしていたときのような。そんな矢川の表情を見て、上原の手は自然に彼女の頭に伸びた。
 そしてそっと触れる程度に髪を撫でて、すぐに手は離れた。人目がある場所だからだった]


  俺はあまり残業はしないな……。
  飲み会は日によるが……、そんなに頻繁にはやらないよ。

  だから、そう心配するな。
  そこまで負担には感じてない。


[上原は元々、徒歩での移動に慣れていた。取材であちこち行くのに車じゃかえって小回りが利かなくて、電車になりがちという理由もあった。
 仕事で外を歩くのと比べたら、学校の登下校に付き合う体力的な負担は軽かった。
 その代わりに精神的には居心地が悪かったものの、それはそのうちに慣れるだろうと見込んでいた。

 だから負担でないという言葉は上原の本心から出たもので、それが伝わってほしいと言うかのように矢川を真剣に見つめていた]
(89) 2021/03/03(Wed) 21:52:43

【人】 上原 隆司

  どこか行きたいところあるか?
  あるなら付き合うが、連日寄り道ばかりで疲れないか。


>>87昨日デートの話が出たばかりだし、どこかに行きたいのかもしれないとは思った。
 それなら上原はもちろんついていくつもりだった。

 が、心労もあった中であちこち歩き回って疲れないのだろうかと、先に気遣いが浮かんだ]**
(90) 2021/03/03(Wed) 21:53:16

【人】 矢川 蛍

  うん、レンコンサラダ。
  年末になると大量に茹でてマヨと塩胡椒で。
  ……なんでか、お正月の定番なんです。

[あれこそは矢川家の味だと思う。
 あれを食べないとお正月な気がしないし、
 お正月にアレがないと何だか物足りない。
 けれど、その他のものは確かに自分の味かもしれない。
 いや、コンソメ味のお雑煮も矢川家、か。
 けれどだからこそ変えることに抵抗はない。
 驚いたりはするけれど、美味しいなら良いかなと。]


  どちらかって言うと、私が作りたいんです。
  たくさん作るの楽しいし、
  美味しいって言ってもらえると嬉しいし。
  私の楽しみの一つ……ではダメですか?


[両親のことを考えて作るお弁当は、普通だ。
 そして特に感想ももらえない。
 最近は話す時間もかなり減っている。
 だから。もし嫌でなければ、と思ったけれど。
 私の負担ではなくて、私の楽しみにしたくて。
 でも隆司さんの負担になるなら……。
 と、躊躇いながらそう尋ねてみる。
 もちろん、口に合わない時はそれもそれで言って欲しい。
 誰かを思って作るご飯は、楽しいのだ。
 だから自分が作るのが楽しいからなのだと
 控えめながらも主張はしておく。]
(91) 2021/03/03(Wed) 22:29:29

【人】 矢川 蛍

  ……ぁ。


[頭に伸びてくる手。>>89
 その手に自然と頭を寄せようとしてしまったけれど
 その手がすぐ離れてしまった事に残念そうな声が漏れた。
 人目のある場所だし、学校も近いから
 仕方がないと言えば仕方がないのだけど。
 
 デスヨネ! 人の目がありますもんね!

 そう、頭ではわかっているのに
 つい自然と甘えた仕草をしてしまった自分に気づいて
 かあっと頬に赤みがさす。
 その上、優しい言葉をかけながら真剣な眼差しで
 見つめられたものだから、恥ずかしくて。]
(92) 2021/03/03(Wed) 22:29:52

【人】 矢川 蛍

  それなら……、良かった、デス。


[つい、とそこから視線を外してしまった。
 外してしまったけれど、そっと手を伸ばす。
 隆司さんの指先を繋ごうとした。]


  疲れてはいませんけど、肉体的には。
  精神的にも昨日よりすごく楽ですし。
  ただ、特別にどこか……となると、あんまり?
  でも、もう少し隆司さんといたいです。

  …………、何て言うか。


  …………。
  …………………。


[今のこの想いを、何と伝えたものか。
 口を開いては噤んで、噤んではまた開いて。
 少しの間それを繰り返したあと。]
(93) 2021/03/03(Wed) 22:30:23

【人】 上原 隆司

  それは……一回食べてみたいな……
  ……正月に。


>>91正月に、大量のレンコンサラダ。味付けはマヨと塩胡椒。
 普通のおせちが多かった上原にとってはあまりに奇妙なものに思えて、逆にそれを食べる正月を過ごしてみたくなってしまったのだが。
 それはつまり、約一年後という話になりかねなかった]


  あぁ、楽しいってんなら……。
  俺も作ってくれる人がいるのは嬉しい、し……


[正直に答えながら、恋人同士にしか聞こえない話になり始めていることに気付き、上原は片手を額に当てた。
 自然に頬が熱くなって、思わず矢川から目を逸らした。
 今すぐ場所を変えたい心境であった。

 ちょうど同じくらいに、矢川も真っ赤になっていて。>>92
 傍目には初々しいカップルに見えたのかもしれない。
 そう、公衆の面前である]
(94) 2021/03/03(Wed) 23:14:22

【人】 上原 隆司

>>93下ろしたままの上原の指先には矢川の手が触れてきた。
 それを拒みこそしなかったが、人目はますます意識してしまう状態だった。

 その上で矢川が続ける言葉に、上原は本当に反応に困っていた]


  …………えー、と。
 
(95) 2021/03/03(Wed) 23:15:01

【人】 上原 隆司

[途方に暮れた末に上原が選んだ行動は
 「とりあえず本屋を出る」
 であった。

 といっても矢川を置き去りにする気はなかった。
 振り返って着いてくるかは確かめたし、来ないようなら手を引いただろう。

 行き先はそれから決めることになるだろう]**
(96) 2021/03/03(Wed) 23:16:34

【人】 矢川 蛍

[隆司さんの頬が赤くなる。>>94
 それに気づいて私もさらに赤くなった。
 アレ、いま、そんな赤くなるようなことを言っていた?
 私にはその自覚はない。お弁当のことだけだったのに。
 それとも私が頭を寄せようとしたから?
 それに気づかれたんだろうか。
 それとも、一年後までこの関係が続く前提のお話?
 私にはよくわからなかったけど。


 私のお願い事に戸惑う声。>>95
 ああ、やっぱり甘えすぎたかな。
 そんな風にちょっと我に返って気持ちが凹む。
 もちろんこんな人前で甘えるつもりはないけれど
 歩き始めたその理由がどちらなのか測りかねて
 私のでは隆司さんの指先を掴むのをやめていた。
 それでも、歩き始めたその横にいる。
 手は、……繋いでくれたなら嬉しいけれど。]
(97) 2021/03/04(Thu) 6:09:47

【人】 矢川 蛍

  ……。


[申し訳なくなってしゅんとする。
 自然と言葉少なになった。
 遠回しに断られたのか、違うのか。
 移動自体に不服は全くない。
 けど、どうしたら良いのかわからなくなって
 私はただその足取りについて行く事にした。**]
(98) 2021/03/04(Thu) 6:10:10

【人】 上原 隆司

[本屋から出た後、2人は店の裏手で少しだけ話して、その場を去って家に向かうことになった。
 歩き出すときには手を繋いで、いつものように歩調を合わせていた]


  そんな先でいいのか?

  ジャズバーも行ってみたいんだったろ。
  仕事帰りでも付き合うぞ。


[デートの申し出には微笑みながら、矢川が持ち出した約束事について話す。
 店の裏から出てきたとき、ストーカーは周囲にいたのだろうか]**
(99) 2021/03/04(Thu) 18:42:42

【人】 矢川 蛍

  だって、よく考えたら水族館って
  基本的に閉館時間早く無かったですか?
  16時とかでしょ? 放課後は厳しいです。
  だからどうせならゆっくり行きたくて。

  ……ジャズバーなら、うん。行きたいです。


[ストーカーはまた背後を追い始めた。
 私はあいつがどうしているかなんて
 気付くことはなかったけれど。

 約束事を一つ一つ重ねていく。
 重ねながら帰路につく。
 それが、ふわふわと浮き足立つような
 多幸感を覚えさせていく。]


  調べたら、19時半入店、20時から演奏で
  結構値段かかるんですよね。
  ドリンクだけならそうでもないんですけど、
  演奏聴きたいと3000円くらい……かな。
  でも、それは私の希望なんでちゃんと払うので!
  だから、うちの親が夜勤の日で、
  隆司さんと一緒に行ける日、かな……。


[いつになるかな、なんて話しかけながらも
 私の家までの距離は近づいていく。**]
(100) 2021/03/04(Thu) 19:39:31

【人】 上原 隆司

>>100水族館の閉館時間は上原の思考からは完全に漏れていたことだった]


  あー、そうだったか。
  俺が有給とってもいいが、
  春休みももうすぐだもんな。


[上原は話しながらそれとなく背後を窺ってみたが、矢川に不安を抱かせないようにと思うとしっかり見回すわけにもいかなかった。
 その範囲では不審者はいないように見えた]


  自分が行きたくて行くものは、
  やっぱ自力で払いたいよな。

  俺は夜の予定はあまり入れないし、
  次の日半休取る手もあるし。
  蛍の都合に合わせられると思う。
  いつがいい?


[手を繋いで歩く間、デートの具体的な計画が出来始めて、上原は少しだけ心が弾むのを感じていた。
 誰かと予定を合わせてどこかに出かけるなんて、久しくしていないことだった]**
(101) 2021/03/04(Thu) 20:18:34

【人】 矢川 蛍

  えっと、それじゃあ……来週の金曜日?
  私の家に荷物置いてから行きませんか?
  ふふ、楽しみ!


[細かく日程を詰めていきながら
 その楽しみに顔が綻んだ。
 背後にいるストーカーは徐々に距離を開いていく。
 手を繋いで嬉しそうに話しながら歩く私の姿を見て
 諦めてくれたら良いのに。どうなのだろう。
 背後から見られていたことに気づいてない私は
 家まで送ってもらうと両手で隆司さんの手を握りしめた。]


  今日も有難うございました。
  ……また。時間が合ったら。


[でも、その前に。
 隆司さんの手を自分の頬に添えて
 その手のひらの暖かさに目を細めた。

 少し名残惜しいけど。
 そうしてから、やっと言えたの。**]


  隆司さん、またね?
(102) 2021/03/04(Thu) 20:41:29

【人】 上原 隆司

  ん、来週の金曜だな。定時で上がらないとだな。
  次の日は午前休みとっとくよ。
  そうすれば夜遅くなっても心配いらない。


[土日は取材が入りやすいが、午前になることは少なかった。だから上原は午前だけなら土日も休みやすいのだった。
 日程がはっきりすると楽しいのは上原も同じで、それが表情にも表れていた]
(103) 2021/03/04(Thu) 21:15:26

【人】 上原 隆司

[家までたどり着いて、矢川に手を両手で握り締められて、その行動にとても想いが込められている気がして。

 さすがに鼓動が強まったところで、その手を頬に当てられる。

 上原は思わず矢川の唇に指を触れたくなって、それを耐えながら彼女の頬に手のひらを沿わせていた]


  ああ、またな。
  連絡待ってる。


[矢川の声で我に帰って、そっと手のひらを離れさせた。その手で彼女の頭を軽く撫でて、微笑んで手を振って背を向けた]
(104) 2021/03/04(Thu) 21:15:57

【人】 上原 隆司

[帰り道、上原は辺りを見回した。
 ストーカーが近くに潜んでいやしないかと。
 自分の自宅までついてこられるのはさすがに避けたくて、たびたび後ろを警戒することになった。

 いないならいないで、矢川の身を案じることになるのだが。

 特別なことが起きなければ、次の水曜と木曜にまた登下校に付き合うことになるだろうか。
 それが必要がなければ、次の金曜日までは連絡を取り合いながら各自で過ごすことになるのだろう]**
(105) 2021/03/04(Thu) 21:16:30

【人】 矢川 蛍

[私がふわふわした気持ちで家の中に入って行った頃、
 ストーカーは諦めたのか帰って行った。
 それはともかく、どうしよう。
 ウキウキと手帳にデートの予定を書き込んで
 一人浮かれてしまっていた。
 お金もおろして、ああ、服もどうしよう!
 どんな服が好きか聞いても良いかな?
 それともそこは自分で考えるべきなのか。
 私はストーカーのことも気になってはいたけれど
 家に着いたからかどうにも能天気で
 だからこそ狙われやすかったのかもしれないとは
 気づけないままだった。
 恭介が他に恋人が出来たからとも、
 それまでは笑顔で普通に挨拶していたからとも、
 私がストーキングされた始まりだなんて
 知らないままなのだった。]
(106) 2021/03/04(Thu) 21:44:48

【人】 矢川 蛍

[それからは、比較的平穏な日が続いていた。
 朝は出かける時におはようのスタンプと
 行ってきますのメッセージ。
 学校に無事つきました!のメッセージの次は
 お昼休み、放課後、下校時、帰宅時とが
 だいたい定期的にメッセージを送るタイミングだった。
 あれから、あいつはこちらに近づいてこようとしない。
 登下校中に気配を感じることもなかった。
 ちなみに、水木の登下校の付き添いが要らない?>>105
 そんな事はない! ので、きて欲しい。
 必要性がなくなっていたのだとしても
 せめてお弁当は作りたくて、食べて欲しくて
 朝のどこかで待ち合わせて渡したがるんだ。私は。
 何か食べたいものは? とも、聴きたがるし。

 だって、……一緒にいたいじゃない?]
(107) 2021/03/04(Thu) 21:56:06

【人】 矢川 蛍

  ……会える時は、会いたいです。


[だからどこかで、そんなことをぽつりと呟いた。
 落ち込んでいて、ストーカーから守るために
 繋いでくれた縁だとは思うけど。

 ……もっと。

 そんなことを思う私は、わがままかな?**]
(108) 2021/03/04(Thu) 21:56:23

【人】 上原 隆司

[帰りにストーカーの姿を見かけることはなかった。>>106
 矢川の家の付近に潜んでいないかと心配はしたものの、自宅には帰らなくてはならない。

 それでその日はいつも通りの夕食にする予定で、買い物をしに行って、卵焼きのことを思い出した。>>78
 惣菜のついでに生卵少量パックとしらす干しを買って帰り、母親の卵焼きを思い出して作ってみたところ、食べられるものは無事できたのだが。
 なんとなく、どこかが違う。
 親の味を引き継ぐのは難しいことなのかもしれない。

 そして買ってきたものと、自力で作ったものと、人が作ってくれたもののありがたみの差も実感することになって、上原は矢川に作ってもらったお弁当が早速恋しくなったのだった]
(109) 2021/03/04(Thu) 22:35:34

【人】 上原 隆司

>>107翌日からは、こまめにメッセージが届いた。
 朝出るのが早い分、起床も矢川のほうが早かった。学校に着いたと連絡が来る頃はちょうど出社前で慌ただしい時間。
 それでも電車に乗ってから、安堵を伝える小鳥や小動物のスタンプを送り返していた。

 昼休みは時間が合う分、文章のやりとりになることもあっただろう。
 矢川の下校時や帰宅時は上原は仕事中だったが、無事帰宅できたことがわかれば一言返信していた]
(110) 2021/03/04(Thu) 22:35:56

【人】 上原 隆司

[月曜日。
 下校時のメッセージが届いたときにちょうど社外にいて、「少しだけ会わないか」と返信したことがあった。
 学校から近い場所で待ち合わせられそうだった。

 水曜日まで待てば会えるのだけど、その前に声をかけたのは、数日連続で会っていたあと会えなくなったからだろうか。
 上原が矢川の顔を見たいと思うは、安否を確認したいだけではないのだろう。

 >>108呟きを聞いたのは、そのときだった]


  今みたいな感じでよけりゃ、
  仕事の日でもたまに会えると思う。


[微笑んでそう返して、頭を撫でて別れることになった。
 もしかしたら食べたいものも聞かれただろうか>>107。そのときには自分の母親が作っていた卵焼きの話をしただろう。

 そうして水木は請われるままに登下校に付き合うのだった。頼まれたからというだけでない。上原もそうしたかったから、応じることに苦がなかったのだ]**
(111) 2021/03/04(Thu) 22:37:06
 




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