目明き ブラキウムは、メモを貼った。 (a5) 2021/05/30(Sun) 20:53:17 |
甘夢 イクリールは、メモを貼った。 (c9) 2021/05/30(Sun) 20:54:42 |
目明き ブラキウムは、メモを貼った。 (a6) 2021/05/30(Sun) 20:54:58 |
ルヘナは、『先生』の言うことがきけない。 (c10) 2021/05/30(Sun) 21:03:42 |
【見】 わるいおとなの ラサルハグ>>3:101 メレフ バチンと三度乾いた音の後。甲高い悲鳴を上げた子供を後ろからぎゅっと抱きしめて、「よく頑張ったね」と囁いた。 カウンセラーにとって予想外だったのは見繕ってきた子供が予想に反し泣かなかった事。少年の掠れた声と態度を感じ取ったのだろうか。 ──ああ、子供は大人よりもはるかに気配に敏感である事を忘れていた。 「……メレフ。貴方もお疲れ様。これで覚えてくれたかな、人を傷つけることはいけない事だって。 あと──」 ヒールを鳴らし、子供をすり抜けて貴方の元へ。 警戒心の欠片もなく耳へ唇を寄せる。 (@1) 2021/05/30(Sun) 21:03:57 |
【見】 わるいおとなの ラサルハグ>>3:101 メレフ 「 」 ──ひとりで出来ることなんて、本当に少ないんだ。 これも覚えておくといい。はじめに言ったけれど、どのような立場であっても動く前に周りを見て。人に歩み寄りなさい。 特に貴方はカードが少ない。大人の、それも大多数に向き合うのならもっと考える時間を増やすべきだ それだけ告げると、有無を言わせず打たれた子供の手を引いて屋上を後にしようとする。 「『宿題』は終わりだよ。私はこの子を保健室まで送るから、ここで失礼させてもらおうかな。 ……メレフ、貴方からは何かある? 愛しい愛しい子だもの、お願いがあるなら聞いてあげるよ」 依然として警戒心の欠片もないままだ。止めるも、反撃するも、他の行動に移るも。何の邪魔もされず実行できるだろう。 (@2) 2021/05/30(Sun) 21:05:03 |
ブラキウムは、探しものを見つけた。朝食の後のお話だ。 (a7) 2021/05/30(Sun) 21:39:38 |
【置】 褐炭 レヴァティ子どもたちが屠殺ごっこをした話への所感。 屠殺屋役の子が、豚役の子を本当に殺しよるアレね。 殺人が死刑の町で、それでも子どもだからで 許されるか許されないかの話。 リンゴと金貨を並べて、屠殺屋役の子がリンゴを選んだら、 物の価値をまだ学べていないだけだから無罪放免って。 けどさァ、別にそれってイコールと違うでしょ? 金貨の方がキラキラしていて綺麗だ。 やけんほしいって言う子も居りますよね。 金貨の価値を知っていて、それでリンゴを沢山買えることを 知っていても、すごくおなかが空いていたら? そんなん今すぐリンゴが欲しいですよね。金貨は食べられん。 金貨の価値を知っているからこそ、 それくらい知識があるからこそ。 試されていることを理解してリンゴを選ぶんも あると思うなァ。俺は多分、これ。 無邪気に殺して、訳も分からず殺してもらえたらよかったね。 (L0) 2021/05/30(Sun) 21:52:36 公開: 2021/05/31(Mon) 0:50:00 |
レヴァティは、どこかで呟いた。「綺麗だからで金貨がほしい子になりたかったなァ」 (a8) 2021/05/30(Sun) 21:52:43 |
ルヴァは、ブラキウムに微笑んだ。 (a9) 2021/05/30(Sun) 21:53:52 |
ブラキウムは、ルヴァに微笑んだ。 (a10) 2021/05/30(Sun) 21:55:39 |
ラサルハグは、メレフを置いて屋上から立ち去った。三日目のとある時間のことだった。 (t0) 2021/05/30(Sun) 22:01:56 |
潰えた思い メレフは、メモを貼った。 (c11) 2021/05/30(Sun) 22:14:06 |
【人】 徒然 シトゥラ「…………」 朝食の席に訪れれば、あの席≠ノ向かって 真剣に栄養食のようなチョコレートの粒を眺めている。 「シェンかレヴァティ、手空いてない? …… ちょっと口の中にこれ放り込んでほしいんだけど。 願掛けみたいなもんでさ」 おやつ口に放り込んでくれと言う同級生は違和感かもしれないが、なんか真面目に言ってるので口の中に放り込んで欲しいんだろう シトゥラは、お腹が空いている (4) 2021/05/30(Sun) 22:19:15 |
【置】 褐炭 レヴァティ≪所感≫ ブラキウム:安心しました。 メレフ :あーあ。 キツそ〜本当に早く治してもらいな〜〜 シェルタン:え、すごい。がんばって〜 ルヴァ :無力な正義の味方って大変ですけん。応援しちょるんよ。 カストル :あーあ。 君はひとりやないですけんね〜 ポルクス :お片付けは終わった? ルヘナ :あー……あーあ。 まァ、期待なんて最初から。 サルガス :みんなみんな元気やとええけんね〜、ほんとう。ほんとう。 スピカ :あーあ。 ……君もなんか決意しています? イクリール:あーあ。 考えられる頭、なくさんてねぇ〜 シトゥラ :知らない分からないで気付けん時代の方がしあわせよ。 君はきっとそう。 俺もね。 ヘイズ :あーあ。 でも仲間がいっぱいの時期でよかったね〜〜 デボラ :お外で元気でねぇ? 帰ってこんてええですよ ラサルハグ:大人ですね。ハン。 (L1) 2021/05/30(Sun) 22:21:02 公開: 2021/05/30(Sun) 22:20:00 |
【人】 小さな心臓の サルガス「――……」 サルガスが朝食の席に現れたのは、朝食の時間も終わりかけの頃だった。 幽鬼のように動きはおぼつかず、顔色は昨日の午後に中庭に現れた時よりも一層に白い。 けれど、周りの子供たちは彼を"囃し立てた"。指をさして笑うものもいる。 治療を受けていないことの証左は、皮肉にも烏合の衆の反応によって成されている。 ふらふらと、自分が何をすべきなのかも忘れたような足取りで。 ぼんやり、食事をトレーに乗せようとして。でも、うまく選び取ることもできない。 (5) 2021/05/30(Sun) 22:23:29 |
メレフは、ぼんやりと椅子に座っている。 (c12) 2021/05/30(Sun) 22:30:35 |
スピカは、人を探して走り回っている。 (c13) 2021/05/30(Sun) 22:31:29 |
【人】 徒然 シトゥラ ぱくっと、器用に呑み込めば口元だけ笑った。 子供のようにあーんをされ返したいかを訪ねておく 「おう、ありがとうシェン。 そういえば風邪でも引いて寝込んでた? 」わざとらしい言い方で、チョコレートを呑み込み平然を装う。 若干咀嚼に時間がかかっていても、違和感は酷くない程度だ。 「最近寒くなってきたから気をつけろよ、寝相によれば起きたら布団がなかったりするか。 シェンだったら裸で寝ているかも知れないから、もっと注意しないとな」 (7) 2021/05/30(Sun) 22:32:57 |
ルヴァは、ブラキウムに優しく、触れた。 (a11) 2021/05/30(Sun) 22:37:22 |
【墓】 どこにいるの カストル自室で丸くなって泣いていた。 全てを、そのすべてが 死ぬときは二人だから怖くない。 ああでもけれどね、本当にボクは臆病で、本当のことを話すのも難しくて。 違うんだ 違うんだ 違うんだよ 「ねえ、カストル、悪ふざけなんて、よくない嫌だ」 「ルヘナ、カストル……ルヴァ……」 部屋のベッドの片隅で、ポルクスは震えて丸くなっていた。嗚咽を漏らして、涙を流す。 (+5) 2021/05/30(Sun) 22:41:38 |
【人】 愛情 シェルタン「ぶん殴るぞコラ!寮で裸族なってたまるか! 個室だけどさ!色々問題あるだろ! なあ、みんなもそう思うだろ〜?」 わざとらしく接されても、 なんてことなく受け答えして。 剰え、それを『他の人』にも向けたりして。 「……てか風邪じゃないよ?オレは。 大人に酷いことをされた んだ。シトゥラには、言った気がしたんだけどなあ?」 そして意趣返しのように言う。 大人との関わりがあったことを、大声で。 それは、 ここに居られるもの の特権だ。 (9) 2021/05/30(Sun) 22:43:46 |
シェルタンは、生徒たちの雰囲気を気にしない。いつもどおり。“それが何もおかしくない”とでも言うように、そこにいる。 (a12) 2021/05/30(Sun) 22:45:06 |
ルヘナは、スピカを『見つける』。 (c14) 2021/05/30(Sun) 22:45:58 |
レヴァティは、「ああ」 いつかのことを思い出した。 (a13) 2021/05/30(Sun) 22:46:39 |
ブラキウムは、ルヴァを嬉しそうに受け入れた。 (a14) 2021/05/30(Sun) 22:56:06 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:8 朝の食堂 レヴァティ 「ぅ、」 貴方の手、こどもよりも大人に近くて、するりと伸びた指先を見て。 何も入ってやしない胃の中がぐるりと回ったように、ひくりと喉を動かした。 なんとか込み上げるものをこらえて、こらえて、緩やかに首を横に振る。 「だい、じょうぶ……テーブルで、食べるよ。自分で、持てるから」 真っ白い指でトレーを返してもらうとそのままよろよろと席を探した。 (11) 2021/05/30(Sun) 22:56:22 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:10 朝の食堂 ブラキウム 少し二の足を踏み気味ながら、昨日と同じように席のそばまで行って。 遅れた時、いつかと同じようにまだ席に立たず、貴方の返答を待ち望む。 「……まだ、となり、空いてるかな。 ルヴァと……カストルは?」 状況に気づかない。気づけていない。それらをとりまく違和感に、目がいっていないのだ。 (12) 2021/05/30(Sun) 22:58:34 |
レヴァティは、離れていくサルガスに手を振った。 (a15) 2021/05/30(Sun) 23:04:14 |
レヴァティは、朝食の後、放送の指示書をもらった。昼休みに流すつもりだ。 (a16) 2021/05/30(Sun) 23:10:53 |
スピカは、ここにいる。 (c15) 2021/05/30(Sun) 23:13:25 |
メレフは、何もとっていない。何も食べていない。 (c16) 2021/05/30(Sun) 23:13:56 |
潰えた思い メレフは、メモを貼った。 (c17) 2021/05/30(Sun) 23:15:45 |
【墓】 どこにもいない カストルルヘナ と中庭に落とし穴を穴掘る約束してたのに。 すっぽかしちゃった、病気、違ういや、それもそうだろう。 こんなんじゃルヘナにも、ルヴァにもカ、カストル。カストル。ねえ、どうして。どうして。 なお。カストルは中庭に入ってったこともなく。 つまり、あまり思い入れも何もなかったから別に何も感じなかったろう。たのしい!と無邪気に笑ったろう。 それに遊びに誘われるのは嬉しかったし、落とし穴ランキングを作るレベルできっと遊んだろうに 約束、やぶっちゃった…… 泣き虫のポルクスは、ずっとずっと部屋の隅でぶつぶつと何かをいいながら、泣いていた。 泣いていた。 (+6) 2021/05/30(Sun) 23:21:40 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:13 朝の食堂 レヴァティ 「レヴァティは、どうして――……」 ほとんどぼやくように、ぽろりと。ここでは多くの者が目を逸らしていることを口にしかけて。 ぐ、と飲み込んだ。ここでは、こんなにも人がいるところでは。どうしても言葉は制限される。 まるで貴族の舞踏会のように、まつりごとが通い合うこの場所で。 ひとたび、口にすることが何を呼び起こすのかということは、はっきりとわかっているのだ。 「……ううん。なにか、おはなし、あったら……あとで、聞けるとおもうから」 ふらついた様子のまま、少年は既に出ていく方面に多くなっている人波に紛れていく。 (15) 2021/05/30(Sun) 23:32:45 |
レヴァティは、また後でをちゃあんと聞きました。 (a17) 2021/05/30(Sun) 23:39:43 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:14 朝の食堂 ブラキウム 「うん。うん、……そうだね。ごめんね。寝坊、しちゃって……。 ふたりとも、少し、遅れてるのかな。みんなつかれてるし、しかたないよね……」 言外に不安をいだきながらも、それを明確に言い表そうとはしなかった。 言ってしまえば現実になるような気がして。 聞いた者が眉をひそめたのも見ないふりして。 いつも以上に乗せられた品の少なく味気ない食事を並べて、それでも少しほっとした。 少なくとも目の前にいる彼の無事は確認できたのだ。 無事って、なんのことだろうか。 「……ちょっとだけ、へんなもの、見つけたりはしたんだけど。 でもやっぱり、これだって思うようなものは、見つけられなかったなあ……」 (16) 2021/05/30(Sun) 23:48:05 |
メレフは、ヴァイオリンの演奏を、聞いていた。 (c18) 2021/05/31(Mon) 0:05:07 |
【墓】 潰えた思い メレフメレフは、朝食を取りもしないまま 流れてきたヴァイオリンの音色に耳を傾けている。 死にたい。けれど。 この音は、旋律は もう少し聴いていたくて。 目を閉じて、耳を澄ませていた。 (+7) 2021/05/31(Mon) 0:10:35 |
スピカは、結局守れていなかったことに苦しんだ。 (c19) 2021/05/31(Mon) 0:11:49 |
ルヘナは、スピカの盾の外に歩み出たのだ。当然の帰結では、ある。 (c20) 2021/05/31(Mon) 0:32:15 |
サルガスは、研究員の一人がいなくなった噂を聞きました。 (a18) 2021/05/31(Mon) 0:42:51 |
【人】 目明き ブラキウム>>16 朝の食堂 サルガス 「本当に寝坊しただけ? 言わせてもらうけど……どう見ても疲労を通り越して瀕死に見える。 また無茶をしたんだねサルガス」 心配そうにあなたを見つめる。 そんなブラキウムもまたあなたと相違ないくらいの視線を浴びている。 ブラキウムの行いはもはや子どもにも大人にも目に余る領分にまで及んでいた。 彼が居なかった事は無くなった。 一方で一人分の子どもへの悪意は消えて無かったことにはならない。 失った矛先は敏感に新たな獲物を見つけていた。 「もちろん彼らの事も心配だけど、目に見えて心配なのは君の方だ。くれぐれも自分の身を守る事を第一にするんだよ。 ……ほら、まずは食事で栄養補給から」 お気に入りの贈り物で今日も果物を切り分ける。 昨日すっかり忘れてしまっていた青りんご。二つも用意してきた。 こうして何事も無いようにいつもの朝食を迎えたふたり。 触れるだけで崩れてしまいそうな砂のお城はそれでもまだ健在だ。 少なくとも、この瞬間は誰にも否定させない。 (17) 2021/05/31(Mon) 0:45:04 |
ブラキウムは、昨日よりもヴァイオリンの音色がよく聞こえた。 (a19) 2021/05/31(Mon) 0:46:34 |
スピカは、ルヘナに微笑んだ。 (c21) 2021/05/31(Mon) 0:51:51 |
ブラキウムは、嘲る視線を今まで以上にずっとはっきり見えている。 (a20) 2021/05/31(Mon) 0:53:28 |
【人】 演者 シェルタン奏でている。 いなかったときも、ここにいるときも、 特に上手くなったりはしていない、弦の音色を。 だが。 聞く人たちが変われば、聞こえるものも変わる。 話はとても単純で。 だからこそ、知らせなければならない。 いつか、此の場所を許せるようになる時まで。 ──朝食の時間が終わるまで、 暫く演奏を続けていただろう。 (18) 2021/05/31(Mon) 0:53:37 |
ブラキウムは、それでも好きなものを見るために目を閉じない。 (a21) 2021/05/31(Mon) 0:54:42 |
メレフは、食堂から人が少なくなってきたころに、あの日のように 中庭に向かう。 (c22) 2021/05/31(Mon) 1:07:49 |
ルヘナは、スピカの手を取った。 (c23) 2021/05/31(Mon) 1:14:53 |
いたかった ルヘナは、メモを貼った。 (c24) 2021/05/31(Mon) 1:32:19 |
ルヴァは、ブラキウムに、大切なことを尋ねた。 (a22) 2021/05/31(Mon) 2:17:43 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+8 るへな! 「 る、 るへなぁこんな、こんな時、一瞬喜んで跳んで行ってしまいそうになった。ごめん、カストル。 転んでしまってああ格好もつかないね、カストル。 一緒に悩みながら、真剣に文章を書いて、カストル。 ボクは、もう僕しかいないのに。 (+9) 2021/05/31(Mon) 4:03:24 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+8 転んだな、という音が二回ほど 出迎えない、そんな選択肢はない。 「……」 「わ、どうしたの、ルヘナ?」 二人分の生活物資、あたかもそこに居たような部屋。 丸められた幾つかの紙。 そして少年の瞳は散々泳いだ末に合ってしまった目線からは 『あの狂気』 が薄れていた。「今、中荒れてるけど、入る?」 そう言う カストルと (+10) 2021/05/31(Mon) 4:25:26 |
スピカは、少し自分を嫌悪した。 (c25) 2021/05/31(Mon) 6:43:44 |
ルヘナは、盾の内に入っている。少なくとも、今だけは。 (c26) 2021/05/31(Mon) 7:01:49 |
スピカは、ルヘナの頭を撫でた。 (c27) 2021/05/31(Mon) 7:29:42 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:17 朝の食堂 ブラキウム 「無茶なんて……ううん。無茶、したのかな。何も……しないのは、はばかられて。 なんか、今日のブラキウムかっこいいね。……ブラキウムこそ、なにかあった?」 成果が得られず、ただ日々を過ごすことにも気を咎め。けれど、それにしたってぼうっとしている。 隠して、ごまかそうとしているよりは、もはや何も具体的に考えることすらできないようで。 そのくせ人の変化には漠然としたものながら気づきがあったようだった。 立ち振舞いになにか、覚悟ともいえるようなものを感じ取っている。 「そうだね、なんでもいいから、食べなきゃ……。 きのう、青りんご、おいてきぼりにしちゃったね」 緩慢な動きながら食事に手を付け始める。 つやつやと魅力的にみつの気配を知らせる青りんごだけが、かがやかしい食べ物に見える。 何事もなく、二人揃って席につけたけれど。ここに呼びたかった者達はどこだろう。 "明日、また明日、また明日と"。 歩み続けるでしかないのに、その足取りがこうも重いのはどうしてだろうか。 前を、顔を上げて前を見つめる彼と、一転して何かが頭を擡げて離れない少年は。 歩みゆく行き先が少しずつ違えてしまっていても、同じものを見つめていると言えるだろうか。 (19) 2021/05/31(Mon) 7:44:37 |
【人】 小さな心臓の サルガス「ああ、……ああ。シェルタン、戻って、来たんだ……」 耳に聴こえるバイオリンの旋律が、誰しもが耳を傾けるそれに戻っている。 気づいて、顔を上げて。そのまぶしい姿に、人知れず目を細めた。 今なら声をかけられるだろうか、 或いは自分にその資格があるだろうか。 あまりにも貴いその姿を、食堂の片隅でただぼんやりと見つめている。 (20) 2021/05/31(Mon) 7:46:58 |
サルガスは、朝食の後、自室で祈りを捧げていた。 (a23) 2021/05/31(Mon) 7:49:48 |
サルガスは、自分がどうして咎も受けずにここにいるのか、わからない。 (a24) 2021/05/31(Mon) 7:50:10 |
メレフは、鞭で打った子供を、中庭で見かけた。 (c28) 2021/05/31(Mon) 8:22:10 |
【見】 平衡役者 アルレシャ「あらぁ。道、迷っちゃいましたねぇ。 何分こっちの方はあまり来ないから仕方ないでしょうか。 似た形の建物も多いし、本来の僕の担当はこちらではないし」 慌ただしい教員棟から、随分と適当な説明だけを受け── 己の知るよりも明らかに異質な雰囲気の食堂を横目に見やる。 「まあ配置換えはこれはこれで楽しそうなのでよしとしてぇ。 ふふ、……“欠員”ですかぁ。」 『それは実に楽しいこと』、と。 夢見るように両手を合わせて、顔を綻ばせる。 “欠員” 「それが出る事を、理解できない【大人/子供】が、もし。 もしもですよぉ。少なくないのだとしたら、 」 「 ──実に興味深いな。 」 パチンと音を鳴らす様に手を叩いて『先生』は歩を進めた。 (@3) 2021/05/31(Mon) 8:37:54 |
ルヘナは、アルレシャにお辞儀をした。 (c29) 2021/05/31(Mon) 8:43:31 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+11 ルヘナ 「気になるけど、それどころじゃ ない、みたいな 」ポルクスは、周囲をちょろっと見てから 「 ん 袖を引っ張って、抱きしめるように引き込んだ。 執着心と愛情と喜びはそのままに、けれどいつもの大型犬が飛びつくようなものでもなく。 それは何時にでも、砕け散ってしまいそうな、ものだった。 (+12) 2021/05/31(Mon) 8:50:53 |
平衡役者 アルレシャは、メモを貼った。 (t1) 2021/05/31(Mon) 9:04:44 |
いたかった ルヘナは、メモを貼った。 (c30) 2021/05/31(Mon) 9:51:38 |
スピカは、これでいいと自分に言い聞かせた。 (c31) 2021/05/31(Mon) 10:16:25 |
【置】 小さな心臓の サルガス【吊り懇願ロール】 教員用の生活上水の中から、研究員 おとな の死体が発見された。幸いに死体は全身へ腐敗ガスが行き渡るよりも早くに発見され、人物の特定に障りはなかった。 遺体は内密に保管され、子供たちがそれを知ることはない。と言うことになっている。 実際には、速やかに"犯人探し"が始まった。 まず、大人たちに指令が走らされ、現場の精査が進められた。井戸の周辺に小さな足跡が見られたことから、子供が関わっている可能性が挙げられた。 次に、教員棟付近に出入りのあった子供の特定のために、大人から子供への聞き込みが行われた。 小等部から高等部まで、考えられる限りほとんどの人間に匿名、直接様々な方法で詰問が行われた。 時間は刻一刻と、過ぎていく。 (L2) 2021/05/31(Mon) 10:18:43 公開: 2021/05/31(Mon) 13:00:00 |
【人】 徒然 シトゥラ「……、大人にひどいことを。 シェン も されていたなんて驚いた。体は辛くないか? ムチを打たれていたら動くのもきついだろうし、 殴られていたら声がでなくなる。 食事を抜きにだってされることも…」 誰の耳に届いても気にせず、悪口を口にすれば あっ、と後で気づいたように 周りに対して口元にひとさし指を当てて笑った 「これは大人に内緒にしてくれ」 (21) 2021/05/31(Mon) 10:52:52 |
【人】 徒然 シトゥラ シェルタンの前を離れたあと 食事が終わっていない子どもたちの面倒を見に行った、 配膳を片付けて多くの異変を目にする 「……」 もしかして噂が変わりはじめているのだろうか? 連れて行かれた子供が見えるようになって、 話しても許される空気ができつつある。 他の子供まで願ってもいいのなら、……早く、会いたい。 「早すぎると、気まずいけどなぁ」 いじめてるみたいで。 自分の描いた彼らの絵を眺めてため息をついた (23) 2021/05/31(Mon) 10:57:41 |
スピカは、キノコを食べている。 (c32) 2021/05/31(Mon) 11:36:19 |
スピカは、おいしく食べた。 (c33) 2021/05/31(Mon) 11:38:24 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:22 朝の食堂 シェルタン 「シェルタン……お、おは、おはよう!」 食器も下げ、手持ち無沙汰になってしまった頃だろうか。声に振り向き、柔らかい足音が向かう。 見えても、触れても、それでも取り払われなかった見えない暗幕が取り払われているかのよう。 子犬のように駆け出しかけて、足が一度止まって、勇気を出すようにもう一度歩き出した。 「……なんだろう、なにか……どう、お話ししていいか、わからないね。 ぼくは、だめだなあ……なんともないようにしなきゃって、おもってたのに。 ああでも、おかえり。おかえり、シェルタン、きみが……ここにいてくれて……」 『治療』されたもの、されていないもの。分け隔てなくあるようにしたいと思っていながらに。 それでも確かに受け入れられたものとして立ち振る舞う貴方の姿を見て、少年の鼻はつんと童謡のトナカイのように真っ赤になった。 「ぼく、どうしたらいいだろう? どうやって、立ち向かっていけばいいだろう?」 (24) 2021/05/31(Mon) 12:15:10 |
メレフは、"復讐"を始めた。 (c34) 2021/05/31(Mon) 12:24:18 |
メレフは、『宿題』を守れなかったことになるのだろうか? (c35) 2021/05/31(Mon) 12:26:22 |
【墓】 一番星じゃなくても スピカ中庭にやってきた。 シェルタンは『そうでなくなった』らしいが、 依然としていない者はいる。 まあ、私もそうなのだが。 個々人の事情なんて、わからない。 でも、動かなければ人を救えない。 だから、とりあえず中庭に来た。 昨日はここに人が集まったから。 表の担当がシェルタンならば、 私の担当はこちらだろう。 笛を吹くような風流な真似はできないので、 とりあえず食べられそうな草を物色していた。 (+14) 2021/05/31(Mon) 12:27:57 |
スピカは、みんなを支えられたらそれでいいと思おうとしている。 (c36) 2021/05/31(Mon) 12:29:43 |
サルガスは、自分の手がいつも水浸しであるように感じている (a25) 2021/05/31(Mon) 12:29:47 |
【人】 演者 シェルタン>>シトゥラ 「大袈裟〜。今元気だから全然大丈夫。 それに先生も心配してくれたし、な」 大人もみんなみんな悪いものではない。 教員棟に顔を見せて、それを理解して。 「でも、秘密な! 悪い大人たちに聞かれたらまた何されるんだか わかったもんじゃねえしな〜」 そう、“公然の秘密”を言うのだ。 (25) 2021/05/31(Mon) 12:31:18 |
メレフは、水底に手を伸ばす。 (c37) 2021/05/31(Mon) 12:32:00 |
サルガスは、知らない生徒に声をかけられ、逃げました。 (a26) 2021/05/31(Mon) 12:33:23 |
【墓】 迷子 メレフ「………」 無意識のうちに、シェルタンの部屋の前に足を運んでいた。 今の自分が会っていいものなのかも、分からないけれど。 メレフは、扉をノックした。 (+15) 2021/05/31(Mon) 12:36:22 |
【人】 演者 シェルタン>>24 サルガス 「いいんだよ、今は無理して言葉にしなくても。 ゆっくりでいい、大丈夫だからさ」 視線を合わせるように屈んで、笑いかけて。サルガスを取り巻く暗い空気も、払拭してあげるように。 「オレたちは“いつもどおり”、そこにいればいい。 いつもみたいに、毎日を楽しそうにしていたらいい。 ……今は難しくても、いつかはそうできたらいいんだ。 少なくとも。オレは、ずっとそうするつもりだ。 ま、もちろん弱音は吐くけどな。 悩みなんてあって当たり前なんだし」 再び受け入れられて、尚“ギムナジウムの暗黙の了解”から逸脱したことを繰り返すのに。胸を張って。 いつものように。優しく、あなたの頭を撫でるだろう。 (26) 2021/05/31(Mon) 12:40:09 |
シトゥラは、シェルタンに笑いかけた (a27) 2021/05/31(Mon) 12:45:39 |
シトゥラは、この日自分の部屋で眠りにつくことはない (a28) 2021/05/31(Mon) 12:46:33 |
【人】 演者 シェルタン>> 『メレフ』 ノック音を聞けば、 楽器の手入れから顔を上げて。 「今開けるからちょっと待て〜」 少しだけ散らかった部屋を整理し、 すぐに出迎えにいく。 (27) 2021/05/31(Mon) 12:47:45 |
メレフは、鮮血を浴びた。深夜の話だ。 (c38) 2021/05/31(Mon) 12:49:43 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+14 中庭 スピカ 「……ごきげんよう、スピカ。 今日も会えてうれしいわ。」 イクリールは、今日も変わらず中庭に居る。 まだ部屋から出てはいけないと言われてはいるけれど、 大人達だって四六時中イクリールに掛かり切りとはいかない。 『イクリールは、大人達のお気に入りだ』 そんな噂が流れるのは、何も今に始まった事ではない。 そして、単なる噂と断言する事もできはしない。 だって、イクリールは現に大人達ととても仲が良くて、 そして何より、その噂はそもそもの話 イクリールから、子ども達を遠ざける為のものだ。 それでも、イクリールにはそんな事は関係無い。 恐れるものなど、やはり無い。 野草を物色するスピカを見て、少し困ったように笑うだけ。 (+16) 2021/05/31(Mon) 12:50:47 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:26 朝の食堂 シェルタン 「……ああ、ああ。"ごめんなさい"、"ごめんなさい"。 ぼくらにできることは、それだったのかもしれない。何があっても負けないことだったのかもしれない。 きみが、つよくて、まぶしくて。いつもその音色があったことに、もっときづけばよかったな」 ヘイズがいなくなった時。自らがいなくなった時。自らがもとってきた時。 いずれの時でも美しい音色でそこにいることを訴えていたあなたを、ひょっとしたらよく見ていなかったかもしれない。 もっとそばに居たならば、もっと良い気づきを早くに得られただろうか。 抱き着くというには弱々しく、伸べられた腕に両手を引っ掛けた。 きゅうと、小さい指が袖を握りしめる。 「そうだね、シェルタン。いつでも、どうあっても、おたがいの傷を癒やしあえれば、それが救いになったんだね。 きみのやってきたことが、どれほどだれかの助けになったか。 ……メレフとカストルを、見かけないんだ。 おねがい、シェルタン。かれらを、みつけてあげてください」 (28) 2021/05/31(Mon) 12:53:44 |
サルガスは、逃げている。それがいじめっ子たちの心証を悪くした。「逃げたネズミを捕まえろ!」 (a29) 2021/05/31(Mon) 12:55:53 |
サルガスは、追いかけられている。足をかけられ (a30) 2021/05/31(Mon) 12:56:24 |
サルガスは、転ばせられた。子供たちの好奇の目と、無邪気な猜疑心を刺激した。 (a31) 2021/05/31(Mon) 12:57:13 |
カストルは、いない。 (c39) 2021/05/31(Mon) 12:57:51 |
【人】 演者 シェルタン>>『メレフ』 「……入りなよ。 少なくとも外より居心地いいと思うし」 ドアを大きく開けて、 顎で室内を指す。 「何か用があって来たんでなくても、 ゆっくりしていったらいいよ」 (29) 2021/05/31(Mon) 12:57:59 |
サルガスは、助けを求めない。求められない。諦めたように俯いて、唇を噛んで。けれども何が言えるだろう。 (a32) 2021/05/31(Mon) 12:59:22 |
サルガスは、だって。己のしたことを知っている、彼らは知らない、でも自分は、知っている。 (a33) 2021/05/31(Mon) 12:59:48 |
ルヘナは、スピカの行いに報いたい。 (c40) 2021/05/31(Mon) 13:03:17 |
【置】 演者 シェルタン「え?いやオレが教員棟に行ったのは、 授業欠席に対する謝罪、反省の為ですよ。 先生に会いに行った後はすぐ帰ったんで、 特に何にもしてませんけど……」 今日の分の授業終わりに、大人に呼び止められて。 これ幸いと堂々と受け答えをする。 でも、何かが引っ掛かった。教員棟に来たことを、 わざわざ今更問いただすようなことがあるものか?と。 何か。 何かが。 ──取り返しのつかない、何かが起きている? ただその時点では、ただの予感であり。 体格も決して“小さな足跡”ではない彼は、 特に何事もなく、そのまま解放されたのだった。 (L3) 2021/05/31(Mon) 13:10:35 公開: 2021/05/31(Mon) 13:30:00 |
シェルタンは、確かな違和感に気付いた。 (a34) 2021/05/31(Mon) 13:11:14 |
シェルタンは、悪い予感がしたことを、誰にも言えないでいる。 (a35) 2021/05/31(Mon) 13:11:48 |
シェルタンは、“いつも通り”であることを、自分に課している。 (a36) 2021/05/31(Mon) 13:12:20 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+13 君しかいないんだよ。 部屋には散乱した文章、いくつかの本、お菓子、お茶。 大きな兎のぬいぐるみ。 纏めかけられている、荷物。 「に、にいさんがいなく、なるわけ…… か!鏡、鏡の中 にとじこ 」……そ、それ で……「 ……待って、 ルヘナ どうして「どうして、僕を呼んで、 今の 」カストル を、僕だって思ったの?「どうして カストル じゃないって治ってしまった双子は、優しく聡明で、無論ポルクスだってそうである。 気弱な分、細やかに所に勘付き、勉学では兄より少し優れていて。集中力もあり、やさしく。多くを重んじるっことができた。 張り巡らされた狂気が目減りしている以上、盾としては使えないが…… ルヘナとカストルと、ルヴァは(?)別だ。 「ごめん、ごめんなさい」 めそめそしながらもルヘナを片手にお茶を入れようとする。間違いなく手遅れだった。 取り合えずベッドの上に座らせて、お茶を飲む。 「 何から、どれが。何の話を。 」僕から何が、聞きたい? (+19) 2021/05/31(Mon) 13:31:10 |
カストルは、友達が少ない。 (c41) 2021/05/31(Mon) 13:32:12 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+19 知ってるよ。 「何年の付き合いがあると思ってるんだ、それくらいわかる。 お前だって俺のこと、少しくらいは分かっているんだろ?」 ずっと彼ら『二人分』の狂気を受け取っていたのだ、 明らかに目減りしたそれに気付かない訳もない。 ……それはきっと、自分だけではないだろうけど。 謝られる間も片手に確保されているため お茶を入れる手伝いができない。 とはいえこれもある種いつものことではあった。 三人でお茶会をする時はいつも、二人が用意してくれていて、 自分が用意したのはテーブル上を片付けるくらいだったから。 ベッドの上、彼を見上げながらお茶を一口飲む。 「……正直、つい最近までお前達がどうして 『そうだった』のかを俺自身忘れていたからな。 お前の口から聞きたいよ、お前の…… 事件も、悪性も。 それ以外でもいい、お前が話したいことならなんでも」 (+20) 2021/05/31(Mon) 14:03:21 |
スピカは、自分の本音から逃げ出した。 (c42) 2021/05/31(Mon) 14:25:56 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:30 朝の食堂 シェルタン 「ありがとう。ほんとうに、ありがとう。 いつだって、弱音をはいていいからね。ぼくでなくても、寄りかかれるだれかに、そうしてね。 ……たとえば、メレフとか。ぼくは、なにも聞いていないけれど……」 二人の間に、あの日の深夜に何かがあったのだと言うことは聞いている。それが何かは、敢えて問いたださなかった。 けれど、二人がそれを同じく抱えているのなら、二人なら何とかできると、信じている。 言葉少ない彼と、優しさで口を隠した貴方が。互いを大切にしようとしていること。 互いの言葉の中に言外に抱えた見えないものを、なんとなく、信じているのだ。 「いつか、また、あのひの音色を聴きたいな。 愛の喜び 、こんどはあたまからちゃんと、さんにんで……」くしゃくしゃになった涙声は、俯いた頭の下側からのぼるやうに聞こえる。それを、鼻を啜って押し返して。 あまり小綺麗ではなくなってしまった顔をぱっと上げると、両手をやさしい腕から離した。 人のほとんど捌けかけそうな食堂の出口へ、くるりと足を向けて、振り返らないように駆けていく。 「じゃあね! みんなのこと、よろしくね!」 (31) 2021/05/31(Mon) 14:42:20 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+16 「こんにちは、イクリールさん」 まあ、実際のお目当てはイクリールだった。 スピカから見て、もっともわからない子、 それがイクリール。 「ねえ、私ずっと疑問だったの。 こうなった子って、多かれ少なかれ変わるものじゃない? 私だって、多少は変わってると思う。 だけど、あなたは変わらない」 「他人からの扱いなんて関係ないかのように振る舞うし、 今日もこうして、まるで『いる』ように、ここにいる」 「みんな救いたい、なんていうけど、 あなたに関してはとっかかりも、問題も掴めない」 これは詰問とか、そういう意図はないんだけど、 と前置きして。 「ねえ、あなた、一体何を抱えてるの?」 (+21) 2021/05/31(Mon) 14:48:14 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+21 スピカ 「なんだと思う?」 その疑問の向けられた先が自分だった事に、 ほんの一瞬だけ、イクリールは瞠目した。 てっきり、スピカは手を差し伸べるべき『誰か』を 探しに来たものだと、そう思っていたから。 けれどそれも一瞬の事で、 その後にはいつものように穏やかな笑みを浮かべていた。 「ここに居る子は……ギムナジウムに居るわたしたちは。 かならずしも『何か』を抱えていなければならないのかしら? それは、全てが全て、解決しなければならないもの? わたしたちの中に、けっしてあってはいけないものかしら」 ねえ、スピカ。 イクリールは、問いに問いを返す事を恐れない。 だって、自分が答えた分、相手だって答えても良いはずだ。 「わたしは……なにも、ではないけれど。 それでも、みんなと比べたらずっと。 悩みごとは、少ないはずよ。不便なことだって、一つも。 だから、みんなのことを気にかけてあげたいの 『せんせい』も、きっとそれを望んでいるわ。」 それでもまだわからないことがあるのなら、 これからもっと知っていけばいいわ。 そう言って、イクリールはもう一度、スピカに笑い掛けた。 少なくとも、それがイクリールにとっての『真実』だ。 (+22) 2021/05/31(Mon) 15:02:10 |
アルレシャは、 が向けてくれたお辞儀に、笑顔 を返した。 (t2) 2021/05/31(Mon) 15:08:07 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+22 イクリール 「ああ、確かにイクリールさんの言う通り。 手を施さなくてもいい病気だってある。 それが病気かどうかすらわからない子も。 ただ、大人から見たら異常というだけで、 ここにいる子もいますものね」 自分だってそうだ。 こんなところに押し込められるという点で、 スピカはこの病気が嫌いだったが、 今はもうそうではない。 彼の盾になれるから。 「オーケー。私が間違ってるわね、確かに。 いない子と向き合うのに、 偏見を持っていたらどうしようもないわ」 「……あなたに余裕があるのなら。 イクリールさんも手伝ってくれる? 私に何ができるかなんてわからないけど、 でも、こうやって私たちが日常を過ごすだけで。 人を受け入れられると示すだけで。 助かる子たちがいるはずなのよ」 そう、ルヘナに教えてもらったから。 (+23) 2021/05/31(Mon) 15:51:41 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+23 スピカ 「うん…わたしのこと、わかってくれてうれしいわ、スピカ。 でも……レヴァティのいうように、 きっと、それを受けいれられないことだって 誰かには、受けいれられてもいいはずなのよね。」 でも、と続く言葉はぽつり、独り言のように。 人には誰だって許せない事と許したい事があって、 間違ってしまう事だって、何度でもあって 知らなかったのなら、知った上でそうしたいと思うなら。 自身の誤ちを、正したいと思えるなら。 誰かの事を、好きになりたいと思えたなら。 つまりまったく、それでいいのだ。 「いいわ。わたしにできることなら、なんだって。 なにができるかは、わたしにもまだわからない。 だから、これから一緒に考えましょう?」 大丈夫。 あなたはもう、 弱くて小さな、独りぼっちのスピカではない。 一緒に手を取って、戦ってくれる人が こうして確かに居るのだから。 (+24) 2021/05/31(Mon) 16:08:54 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+20 「 ……7年弱? 人生の半分か全部くらい?四十割。 これは素だ。 「だよね、カ スト…… 」いつか虚空に話しかけていたブラキウムを、思い出した。 どんな気持ちだったかなんて想像するのも難しいけど。 「少しは知っているつもり、だけど。 ルヘナのストーカー めいた部分は、あるし、僕らブラキウムは、凄い人だ、今なら尊敬できる。 今なら少しルヴァが怖がった理由も、ちょっとだけ。 それにイクリールだって、そうだ。 シトゥラ。良くしてもらってたのに、たまに名前を間違える。 メレフは僕ら普通に叱ってくれた。 他の子の、名前や良いところも今なら分かる。 ヘイズの名前くらいは。デポラが言っていたこと。 「それは僕が悪いと思う。確証は持てないけど」 「認識の伝搬……みたいな。」 「例えば、 風紀委員のスピカはご飯いっぱい食べて 森に行ってキノコを食べる のは、まあそういうものとして認識するだろ?」 (+25) 2021/05/31(Mon) 16:12:49 |
スピカは、ルヘナに抱かれている。 (c43) 2021/05/31(Mon) 16:15:06 |
ルヘナは、スピカを抱きしめた。また傷付けてしまった、のだろう。 (c44) 2021/05/31(Mon) 16:16:41 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+25 「これ、 普通におかしい んだよ。何もかも。ここの風紀ってそもそもなんだ? 」兄とルヘナだけにしか興味はなかった。 いる子、いない子の意味も分からないくらいに。 「……改めて考えて、この後も考えると、本当に 『僕らお前?!』 とも思う。思うよ。いやだ、やだ。いえないよ。いやなんだ。」 「 皆、 」いろんな虐待されてた みたいだし「……たまにそこから雑に手を引いたり、ごまかしたり。 視野から隠して、 他の子に罪を作ったり。塗ったり。 」「 うわぁ……こわすぎる 」「 るへなぁ ……まだまだ余罪もある。 狂気と愛情の災害めいた奴に手を出そうとする奴は子供大人関係なく。 そして一部には有益な部分をチラつかせて。 ヤバそうなやつがいるときは、ほどほどに それらしく しておいて。ああ、手を出すも、出さないもないなぁ。 「 僕ら、 」狂ってるけど、大分頭が良すぎた 発言はただのアホなのが、さらに問題だったのかもしれない。 (+26) 2021/05/31(Mon) 16:18:49 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+25 >>+26 ポルクス 「それは盛り過ぎ。四十割は人生四周してるだろ」 前前前世から? 「まあでも、長い付き合いなことには変わりないよな。 ここに入ってからほぼずっと一緒だったはずだ」 自分も自分で知識欲の権化だったし彼らも頭が良いから 懐に入った時に居心地が良かったのは確かだ。 だからこそ周囲が寄り付かない三人きりでも過ごせていた。 こっそり夜更かしをして読書会もした。楽しかったな。 ……彼らの狂気と悪性は、多くのものに向けられた。 自分や彼らを害そうとした者が至った結末を、 自分はいくつも知っている。 彼らという台風の中心に収まった自分は その様子をただ遠くで認識するだけだった。 出ようとすれば彼らはきっと自分を害するだろうと思っていたから。 「人には一長一短がある…… では済ませられない気質があることは知ってるよ。 お前は自然や草花……あとは家族か。 それら以外には 残忍 ……その残忍さが俺に向けられたことはなかった、がな」 彼らから向けられているものは一貫している。 ―――― 執着 と、狂気 と、愛。 彼らの持つそれが愛なのか、自分は知らないけれど。 (+27) 2021/05/31(Mon) 17:40:43 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+24 イクリール 「そうね…… 受け入れられなかった子を、 受け入れられればいいんだけど」 スピカは裏切られても許したいと思っていて、 誰にだって隠し事はあるから、それも許したくて、 話したくないことを話さなくても 受け入れたいと思っていた。 止まり木になるべきだと言い聞かせてきたスピカには、 当然の道理だった。 「うん……やっぱり、イクリールさん、年上じゃない?」 精神的に勝てる気がしなかった。勝負するものでもないが。 「ま、毎日増える『いない』人を探すところからですかねえ」 解決すべき問題があろうとなかろうと。 孤独に完全に耐えられる子供は、きっといないだろうから。 (+28) 2021/05/31(Mon) 17:52:10 |
【人】 目明き ブラキウム>>19 朝の食堂 サルガス 「焦る気持ちもわかるんだ。 好きなものの為にできることを探したくなる気持ちも否定したくはない。 僕だってそうだったから。 だけどそれだけじゃうまくいくとは限らない」 人の顔も随分と認識できるようになってきた。 あなたの事もよりはっきりと認識できる。 自分の身体中に張り付いた重みを振り払いながら、もっと多くのしがらみに囚われようとしているあなたを連れ出そうとする。 「そう言ってもらえると上に立つものとしては誇らしいね。 少しだけ頑張ったんだ。 サルガスも変わったのがわかるだろう? まぁこれは僕一人じゃなくてみんなの頑張りだから、きっと凄いのはここの子ども達なんだよ」 もちろん君もその一人だよ。 そう笑いかけて食事に取り掛かる。 「もう見失わないように、逸れないようにしたいんだ。 僕は君を置いてきぼりにはしたくないよ」 足取りが重いなら肩を貸そう。 足並みが揃わないなら手を引こう。 それでもあなたはいつのまにか穴の中に飛び込んでしまうんだろうね。 昨日も一昨日もそうだったように。 それがとても残念で緑色のうさぎを齧りながら願いを零していた。 (32) 2021/05/31(Mon) 18:06:20 |
スピカは、スピカを鼓舞した。 (c45) 2021/05/31(Mon) 18:08:07 |
スピカは、スピカを鼓舞した。 (c46) 2021/05/31(Mon) 18:08:16 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+28 スピカ 「受けいれられればいいのになって そう思えるなら、きっとスピカは大丈夫よ。」 『みんな』がそうかはわからないけれど。 そう言って、少しだけ寂しそうに、 けれどやはり曇り無く笑って見せた。 「…あら、どうかしら。 でもね、スピカ。考えることって、ひとを思いやることって そこに年上とか、年上とかって、そんなに重要なこと?」 3年前より以前にも。 このギムナジウムで、イクリールの姿を見た者が居る。 この学校の関係者の大人に連れられて。 高等部のスピカなら、それを目にした事もあるかもしれない。 イクリールは、その頃から何も変わっていない。 外見の話ではない。その在り方の事だ。 イクリールは、その頃からずっと、『誰か』に手を差し伸べ続けて来た。 「うん……まずは、そこからね。 まだ誰が『いない』のかもわからないのだもの。 これは…手わけをして探したほうがよさそうね。」 まだ幼く、監視の目もあるイクリールの行動範囲は きっと、スピカほど広くはない。 教師や生徒達に聞くという手段も、今や通用しない。 けれど、『わたしたち』には立って歩く足があるのだ。 今はそれだけで十分だ。 (+29) 2021/05/31(Mon) 18:26:51 |
イクリールは、スピカに笑い掛けた。あなたが許す限りは、イクリールはあなたの味方だ。 (c47) 2021/05/31(Mon) 18:28:02 |
【置】 目明き ブラキウムあの日あなたに抱いた黒いきもち。 僕がいっそーー そう思った気持ちも嘘じゃない。 間違いだと戒めて繋ぎ止めてしまえと、 醜い支配欲が簡単に消えはしない。 中庭でのあなたを見てしまった。 会いたい人に会えて喜ぶあなたを。 僕が君に手を伸ばすことの方が君を苦しめるのだろうか。 あぁサルガス。いい子で馬鹿な子。 いっそ全部"お願い"してくれればいいのに。 (L4) 2021/05/31(Mon) 18:36:43 公開: 2021/05/31(Mon) 18:40:00 |
ブラキウムは、あなたを悲しませる為に手を伸ばしたくはない。 (a37) 2021/05/31(Mon) 18:41:07 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+27 「 はい 」狂気で構成される世界と、大昔の温厚な感性で見直した視界。それは本当にまるで違うものだから三十割だった 「自然とかは趣味の方向性が 過激になってそこそこ酷いことしました。」 ( ルヘナぁ…… どうしようカストル……)簡単な言い方をすれば、元から 解剖も観察も好き なのである。「 ルヘナが大好き これはいつもの、言いたい、し言っているしことだ。 いやというほど、しってるだろうけれど。 「 あ〜……ルヘナに見えないってことは、カストルはホントにいないんだね 」少し落ち着いたのかもれない、お茶をのんでひと息つく。 「それじゃあ、うん。はなすよ。 『ボク』 がやったこと……」「 意地悪なだれかと、カストルを壊した話 「 最後の話は、さいごにさせて 」 (+30) 2021/05/31(Mon) 18:47:40 |
【人】 大好き ルヴァ――森の中で、一人寝転んでいる。 朝食も取っていない、どうしても食欲が湧かなかったし、 何より今日誰が居なくなっているかを確かめるのが、 怖くて怖くて仕方がなかった。 だから、逃げてきたというのが正しいのだろう。 小さいころから、自分が逃げる先はいつもこの森の中だった。 森は、外と中とを明確に隔ててくれる。 そこに寄り添うように寝ていると、 羽を持った自由な鳥が空を横切っていく。 それが羨ましく思うのと同時に、 自分のいるこの閉じられた世界も、 まだ外側と繋がっていると感じられて おれさまは、とても好きだった。 (33) 2021/05/31(Mon) 19:03:37 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+30 ポルクス 「そうか。お前にとってそうならきっと、そうなんだろうな」 二人が見ている世界を自分は知らない。 だから、二人が見る世界を否定はしない。 彼らの『人生』に口を出せるほど自分は多くを見ていない。 「過激性、上がっていたのか…… そういえばあまり、園芸部に行けてなかったな 」色々あって様子を見に行く頻度が減っていたのは確かだ。 ここ数日は特に、全く行けていなかったと言ってもいい。 彼から受け取ったいつも通りの言葉に、 今までまともに受け取って来なかった感情の大きさを 改めて実感する。 「好きな順番で話すといい。俺はちゃんと聞いている、 ……最後までちゃんと、な」 (+32) 2021/05/31(Mon) 19:07:18 |
【人】 大好き ルヴァ小さなころから、その森の向こう側に、 きっと『正義の味方』がいて、 自分が本当に困ったら、鳥のように空を飛んで、 助けに来てくれるんだと信じていた。 どうしようもなくなったとき、 自分が助けを求めたときに、 自分の前に降り立って助けてくれる。 そんなヒーローの存在を、信じていた。 「………」 森は、深く、そして静かにざわめくだけだ。 ――心のどこかで。 正義の味方なんていうものはどこにもいなくて、 自分が心の底から助けてほしいときでも、 誰も助けてくれないんじゃないかということに、 ずっと怯えてもいた。 本当に、喉奥が枯れるほど叫んでも、 誰も助けに来てくれなかったら、 自分は、どうすればいいのか。 考えるだけで、夜も眠れない日が続いた。 (34) 2021/05/31(Mon) 19:09:41 |
【人】 大好き ルヴァ「だからずっと。 『団長』に、なりたかったんだよね……」 ずぶ濡れの中で傘も挿せずにいる誰かを。 夜の暗がりから現れる手が怖くて泣いている誰かを。 生きているだけで辛いと思うような苦しい誰かを。 団員だからっていう理由だけで、 助けられる誰かに、ずっと、なりたかった。 自分では。 なれないことも、 一番最初から知っていたけれど。 カストルと、ポルクスのことを。 ルヴァ団と名乗ってくれたみんなのことを思い出して。 何もできなかった自分の無力さを噛み締めながら。 ただ一人、森の中にいる。 (35) 2021/05/31(Mon) 19:14:37 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+27>>+32 「たまにさ、石とか投げたりそういうひといるよね?」 「入って、まだ完全に恐怖が行き渡っていないころ さ、殴られたんだよ。何人かに。」 当然だと思う、と眉間をほぐして。 「見てる 『ボク』 はなにもできなくて、状況を見てて」「眩暈がしたころ、視界が変わって。 僕の位置には 見えていた道具を使った いっぱい血が出て 、思ったんだ『ボクでも役に立てる』 それが嬉しくて、ちょっと笑っちゃったら 何人か逃げて、 起き上がろうしたから 、そいつの足を何回かさした。 それで、どうしようかなっていう時に 呼ばれたんだ。でも」 『ボクはカストルじゃない』 「それで、次に起きた時、兄さんはもっと狂ってしまった。もっと無邪気?……に・」 「 おしまい 」 (+33) 2021/05/31(Mon) 19:19:46 |
カストルは、いない。ポルクスはとても苦しく思うことが、一杯あった。 (c48) 2021/05/31(Mon) 19:22:15 |
ブラキウムは、盲目のまま約束の為に頑張ってきた。 (a38) 2021/05/31(Mon) 19:35:33 |
ブラキウムは、知るべきことも知らない方が良い事も知らない。 (a39) 2021/05/31(Mon) 19:37:13 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+33 ポルクス 「――――……ああ、あの時の騒ぎか。 あの後にお前、何日か寝込んでた……」 血濡れの"カストル"がそう言っていた、とは聞いている。 騒ぎの場に自分はいなかったから詳細は知らなかったが、 きっと彼自身が語るそれらのことは真実で ……殴る蹴るの暴力の代償としては 相当大きなものを支払ったのだろう、とどこか遠くで考えるも。 ポルクスは、家族が大切なポルクスは、 家族を守っただけ なのだろう。そのための手段とその程度については少し、間違ってはいたが。 先程から少しずつ飲んでいた、 彼から入れてもらったお茶を飲み干して。 「なるほど。……話してくれてありがとう」 結果的にポルクスは、 守りたかった家族を狂わせ、壊してしまったのだ。 自分もまた、壊れた様子の彼について特段気にもしないままで。 殺してしまった、ようなものなのかもしれない。 「ポルクス。お前はこれからどうしたい?」 (+34) 2021/05/31(Mon) 19:51:01 |
【墓】 乙女座 スピカ>>+29 イクリール 「っあー……駄目ね。全く。 年齢とか、病気とか、 そんなものに囚われる頭は、なかなか直らないわ」 自分の想い人だって、結構な年齢差だというのに。 ――記憶の端にいるイクリールの姿が、 ようやく理解に及ぶ範囲にやってきた気がした。 ああ、なるほど。彼女は私なんかよりも、ずっと…… なんて強くて、立派なんだ。 「あ、それはイクリールさんも知らない感じなのね。 なんとなく、なんでも知ってる感じかと思ったけど」 それじゃあ、一緒に探しましょう、 と微笑んだ。 一人より二人、そこにある意思は、 確かに何かを変えると信じているから。 (+35) 2021/05/31(Mon) 20:05:48 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+35 スピカ 「…きっと、ゆっくりでいいのよ。 今日や明日に何かが変わるなんて、そうないわ。 スピカが無理をしすぎてしまわないように、 疲れてしまわないくらいに。それでいいの」 きっとそれが、誰かをおもうってことよ。 そう言って、スピカの微笑にまた一つ笑顔を返した。 少しずつ、確かに前を向いて、変わりつつある『みんな』を その想いを、イクリールは何よりも愛している。 「わたしの知ってることなんて、ほとんどは 誰かから聞いたことか、それか本人から聞いたことよ。 だから…こうなってしまうと、むずかしいわね。」 でも、大丈夫。 言葉にできる根拠なんて何処にも無いけれど、 それでもきっと、やろうと思ってできない事なんて 優しくて、それでいて向こう見ずな子ども達の世界には ただの一つだって、ありはしないのだ。 (+36) 2021/05/31(Mon) 20:27:11 |
イクリールは、スピカに小さくあたたかな手を差し出した。みんなで一緒に答えを探しに行こう。 (c49) 2021/05/31(Mon) 20:27:44 |
スピカは、イクリールの手を握った。未来へ、一歩ずつ進んでいこう。 (c50) 2021/05/31(Mon) 20:37:37 |
【人】 演者 シェルタン>>『メレフ』 「うん。……茶とか菓子とか気の利いたモンなくて悪いな」 招き入れて、 以前彼が来たときに座ってた辺りに座布団をぽい、と出す。 そして、自分もその横に座布団を置いて座った。 目線を合わせたくて、用意してもらったものだ。 「ま、ゆっくりな。 焦って何か言おうとしてもあんまりよくないし」 (36) 2021/05/31(Mon) 20:39:25 |
スピカは、答えに期待していない。 (c51) 2021/05/31(Mon) 20:41:19 |
メレフは、返り血を浴びて、寮の廊下を歩いている。深夜の話だ。 (c52) 2021/05/31(Mon) 20:47:06 |
ブラキウムは、やっとルヴァの顔が見えたよ。 (a40) 2021/05/31(Mon) 21:04:36 |
ブラキウムは、ルヴァが大好きだ。 (a41) 2021/05/31(Mon) 21:04:54 |
ブラキウムは、二人ならきっと。きっと。きっと―― (a42) 2021/05/31(Mon) 21:08:33 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:32 朝の食堂 ブラキウム 「……ごめん、ごめん」 貴方の声を聞くごとに。人を率いるものである姿を見るごとに。その成長と認めるごとに。 自分がやはりどれだけ愚か者であったかを知るのだ。貴方が最初に見出した通り、愚か者なのだ。 いかに貴方が自分を利用しようとしていたかを、傀儡にしようとしていたかを、どうして。 どうして、最初に理解してしまって、踏み込んで論戦することなく見ないふりをしてしまったのか。 少年を取り巻く多くのからかいと一緒くたにしてしまわなければ、今は同じ高さで戦えただろうか? いまや、貴方の前にあるのは今にも泣き出しそうなくしゃくしゃの顔ばかり。 「どうしてだろう、どうしてきみと語り合うのを、あきらめてしまっていたんだろうね。 きっとひとこと、嫌だと、いっていたなら。たがいのほんとうにほしいものを、わかっていたかな。 もっとこどもらしく、心の中の白も黒も、あかしていれば、よかったかな」 食器を持つ手が止まる。取り落とすように落ちた腕は、伸びかけて、やめてしまった。 あなたを引きずり込んでしまわないために。 大人でも、子供でも、患者でも、被害者でも、もう、なんでもなくなってしまった。 ぼろぼろと涙をこぼしながら、少年は貴方に唯一で、最後の"お願い"をする。 「ねえ、ぼくのこと、さんざんにうらんでしまってもいいよ。 きっとこれはとても残酷になるのかな。これほど、歩み寄ってくれたきみを、おこらせるかな」 → (37) 2021/05/31(Mon) 21:08:47 |
【人】 小さな心臓の サルガス (38) 2021/05/31(Mon) 21:11:42 |
イクリールは、進み続ける。手の中にあるものを、優しく、そして確かに握り締めながら。 (c53) 2021/05/31(Mon) 21:21:09 |
ルヘナは、スピカの望む答えは出せない。 (c54) 2021/05/31(Mon) 21:33:20 |
ルヘナは、けれど、そこにいる彼女を"一番星"だと思っている。 (c55) 2021/05/31(Mon) 21:33:48 |
サルガスは、一つ、一つ。握ってくれた手を放して。彼らを、解放する。 (a43) 2021/05/31(Mon) 21:33:52 |
ルヴァは、ブラキウムの首筋に優しく指を当てた。 (a44) 2021/05/31(Mon) 21:36:15 |
【置】 あなたと一緒? ブラキウム(1/2) 3日目の深夜のお話。 ブラキウムは賭けに出ていた。 まずは力技では勝ち目のないがっしりとした大人に先制を奪うための策。 回した左手に隠された銀が窓から差す月の光に照らされた時、大人は一瞬おののいた。 予想だにしていなかった凶行は一瞬の隙を生んだ。 もちろんこのまま振り下ろしたところで、致命傷にはならない。子どもは殺せても大人は殺せない。 本命は別にある。 左手を跳ねさせると同時に懐から取り出したのは白いナフキン。 とっておきの香 を染み込ませた秘密兵器。凶器を止めようとした大人の腕は逆方向から顔面に飛び込むそれに無防備だった。 ブラキウムが調香師の家からひとつだけ秘密裏に持ち込んだ香は独特の甘い匂いを余すところなく大人の体内に染み渡らせる。 ひとつ。麻酔効果。 屈強な体も一瞬で崩れ落ちる。 ふたつ。思考能力の低下。 もはや何が起きているのかすら理解できなくなる。 みっつ。記憶の混濁。 己の制御を失った脳は、容易く塗り替えられてしまう。 あとはじっくりと仕込みを行うだけだった。 (L5) 2021/05/31(Mon) 21:36:16 公開: 2021/05/31(Mon) 22:00:00 |
ルヴァは、サルガスと―― 同じ―― 。 (a45) 2021/05/31(Mon) 21:37:34 |
【置】 あなたと一緒? ブラキウム(2/2) ――だから僕は僕のままだった。 大人もギムナジウムの地獄も知らないまま。 あちら側を無遠慮に踏み荒らして帰ってきた。 今度は守る為に使ったから君も許してくれるかな。 … …… ……… さぁさぁ! あとはご存知の通り。 全ては上手く収まったのでした。 これがブラキウムにできた事。 約束は無事に守られたでしょう。 ブラキウムは今日も明日もそれは変わらないと信じられる。 (L6) 2021/05/31(Mon) 21:37:34 公開: 2021/05/31(Mon) 22:00:00 |
メレフは、深夜、一つの復讐を終えた。少なくとも、自分はそう思っている。 (c56) 2021/05/31(Mon) 21:39:33 |
【人】 演者 シェルタン>>『メレフ』 まだ殴られたのが痛むかな、 と、心配するような目線を向ける。 「……仕方がないよ。 行きたくて行くわけじゃないのは分かってるから。 オレは、アンタが無事ならそれでいい、メレフ」 僅かに擦り傷の残る手を、すり合わせて。 「だから気にすんな。 何があったって普段通りに接するって、決めてるしな」 (39) 2021/05/31(Mon) 21:40:03 |
ルヴァは、ブラキウムが、ずっと、ずっと必要だった。 (a46) 2021/05/31(Mon) 21:40:26 |
【人】 演者 シェルタン>>31 サルガス 「……メレフにも、サルガスにも。頼れる誰かに。 沈んだ顔はしないで、でも辛かったらちゃんと言う。 オレは、絶対に抱え込まないようにするんだ」 二人の繋がりだけじゃない。辛いことをより多くに分担できるんだったら、それに越したことはない。ただ、二人だけ大切にしたもの。みんなで大切にするべきもの。 それらを積み重ねて、何かを成し遂げて行くのだから。 「…… 喜び も、悲しみ も。その音色に含まれてる意味だって、聴こうぜ。 堂々とそれができる日を、オレは作りに行くから」 「じゃあな。あんたこそ、元気にしてろよ!」 (40) 2021/05/31(Mon) 21:53:21 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+34 「イクリールみたいな子が、苦手になったのもそのころかなぁ……」 一区切りついてしまった恐怖、ああけれど。 これから 「こっちは……これからのいえないこと。いったら。 ルヘナ僕らのこと、 」じゃあ って、置いていっちゃいそうで。「……兄さん、この体がカストルなのは、間違いないんだよね、だったら」 「今まで悩んできたけど、さ。僕らは、どうやっても死ぬ間際には二人でいられるから、死ぬのは恐くなかったんだ。でも、今は別。元々の僕らなら、まず」 「僕らが、この環境を許すはずがない」 (+38) 2021/05/31(Mon) 21:57:50 |
カストルは、ここにいるから。息を吸い込んで話をつづける。 (c57) 2021/05/31(Mon) 21:59:03 |
サルガスは、シェルタンの"手"を放した。もう、彼が暗がりに再び立つことのないように。 (a47) 2021/05/31(Mon) 22:09:05 |
【人】 あなたと一緒? ブラキウム>>37 >>38 朝の食堂 サルガス 「ね。どうして謝るんだい」 零れる涙を止める事はできない。 ひとつも動くことができない。 「みんなを助けるんだろう。 君がやっと口に出来た"お願い"なんだろう。 泣くなよ。これからだろう。 まだ何も始まってない。 これから一緒に助けに行くんだよサルガス。 君の言っていることがわからないよ」 何にでもなれるはずのあなたをブラキウムは待っていた。 ターニングポイントはたくさんあったはずだ。 馬鹿な子どもたちはそれをいくつも通り過ぎてきた。 向かう先がずっと変わらない同じ明日だから進路を改める事をしてこなかった。 こんなところに来てしまってようやく繋いだ手の意味を知る。 歩いてきた道の行く末を予感する。 「ありがとう、だろう」 "お願い"を聞いてもなお君の願いがわからないよ。 あぁ。わかりたくない。わかりたい。 僕は君の為にどうすればよかったのかな。 すべては遅すぎた。 (41) 2021/05/31(Mon) 22:18:35 |
【置】 褐炭 レヴァティ『ぴんぽんぱんぽーん♪ ほほほ〜い お知らせですよ〜 門限の頃やと聞きよらん人 居るんかなぁて感じやけんこの時間〜 夜の森に入らないでね〜っていうんの改めてのお知らせです ここ数日、そんなことをしていた人らが いるのは聞いちょります? 探しに行った大人にもね、 "いなくなった人"が居るんですよぉ それくらいですけん、こわいもの見たさの冒険心とか、 居るかもわからない"犯人"探しの正義感とかで 入らないでくださいね これ聞いてこわがる子も居るでしょうけど、 本当にね? 聞きよらん子が多くって 自分でええ子と思っちょる子も、悪い子と思っちょる子も、 ええ子になりたい子も、悪い子になりたい子も、 夜の森には入ったらいけませんよ おっけー? ありがと〜 ぴんぽんぱんぽーん♪』 昼休みに入った頃、そんな放送が構内に流れた。 (L7) 2021/05/31(Mon) 22:23:39 公開: 2021/05/31(Mon) 22:25:00 |
レヴァティは、少し話を聞きました。 (a48) 2021/05/31(Mon) 22:23:45 |
ルヘナは、スピカをまた傷付けた。 (c58) 2021/05/31(Mon) 22:31:28 |
ルヘナは、それでも、"特別な望み"が叶う日が来るのを希う。 (c59) 2021/05/31(Mon) 22:33:11 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:41 朝の食堂 ブラキウム 「ああ、そうだね……ぼくは、どうしてこうも、ばかなんだろう。 きみに、ここまでみんなに声をかけ、あつめ、のりこえてくれたきみに、ちゃんと言わないと。 ――ありがとう」 "今まで"。 半ばまでを食べただけの食器を下げて貴方に微笑みかけ、確かに言葉にする。 さあ、まだ、遅いことなんて無い。これは悲しい離別ではなく、旅立ちなのだから。 "明日、また明日、また明日と"。今日という日を乗り越え、行くべきだ。行かなくてはならない。 明日のわれら (us) を思うのならば、貴方は自らの大切なものを守るべきだ。決してこれは、絶望のための決別ではない。 貴方が幸せになることを、祈っている。 (42) 2021/05/31(Mon) 22:44:14 |
サルガスは、サルガスは、ブラキウムの"手"を放した。もう、彼が思う人々を見失わないように。 (a49) 2021/05/31(Mon) 22:45:16 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>+38 カストル・ポルクス 自分が誰かを置いていくことは、ない、とは言い難い。 だからそちらに対しては沈黙のみを答えとして、 あなたの言葉の続きを聞いていく。 「お前の身体は間違いなく『カストル』のものだ。 『ポルクス』の肉体は……病院にあるはずだな」 以前大人達が聞いているのを盗み聞いてしまったのか、 それとも何かしらの書類を盗み見てしまったのかは覚えていない。 けれど、 『ポルクス』が過去の事故以降『植物人間』で病院にいる その事実を自分は知っていた。 あなたがカストルを『ここにいる』というのなら。 自分もその前提で話をしよう。 「……行くのか? 『ポルクス』を取り戻しに 」 (+40) 2021/05/31(Mon) 22:46:16 |
レヴァティは、また少し話を聞きました。 (a50) 2021/05/31(Mon) 22:50:35 |
レヴァティは、話を聞きました。井戸のあたりでも。 (a51) 2021/05/31(Mon) 22:52:31 |
スピカは、ルヘナの腕の中で泣いている。 (c60) 2021/05/31(Mon) 22:58:30 |
アルレシャは、朝方、食堂の近くで、シトゥラからある話を“承諾”した。 (t3) 2021/05/31(Mon) 23:05:01 |
シトゥラは、アルレシャに と伝えた (a52) 2021/05/31(Mon) 23:06:37 |
シトゥラは、レヴァティに頼み事をした (a53) 2021/05/31(Mon) 23:07:38 |
ブラキウムは、三度、銀を閃かせた。 (a54) 2021/05/31(Mon) 23:10:02 |
シトゥラは、深夜、 に手を伸ばしてる、『 』 (a55) 2021/05/31(Mon) 23:11:49 |
メレフは、深夜、血に濡れた棒を焼却炉に投げ捨てた。 (c61) 2021/05/31(Mon) 23:14:11 |
ブラキウムは、ルヴァと目が合った。 (a56) 2021/05/31(Mon) 23:16:29 |
シトゥラは、深夜、血の中に沈んでいる (a57) 2021/05/31(Mon) 23:17:00 |
ブラキウムは、ずっとこの日を何よりも恐れ、何よりも夢見ていた。 (a58) 2021/05/31(Mon) 23:17:26 |
シトゥラは、一刻も経たずにその場から消えていた (a59) 2021/05/31(Mon) 23:17:42 |
ブラキウムは、誰かに必要とされる人間だったでしょうか? (a60) 2021/05/31(Mon) 23:19:57 |
ブラキウムは、ルヴァに微笑んだ。 (a61) 2021/05/31(Mon) 23:21:22 |
シェルタンは、いつも通りであることを、自分に課している。 (a62) 2021/05/31(Mon) 23:22:33 |
シェルタンは、周りがいつも通りでないことに気付いている。 (a63) 2021/05/31(Mon) 23:22:44 |
シェルタンは、いつも通りであることを、自分に課している。 (a64) 2021/05/31(Mon) 23:22:59 |
シェルタンは、いつも通りである。 (a65) 2021/05/31(Mon) 23:23:07 |
【人】 演者 シェルタン >>『メレフ』 「……うん。メレフにはまだ伝えてなかったけど。 オレは、あの”治療”から。今までよりずっと良くなった。 歪んだ欲への執着は捨てられて。”正しい愛”が分かって。 自分が変わったら、ギムナジウムも変えられることがわかって。 その方法は。もっとも都合のいいものになるだけで」 目を伏せている。 自分が”治療”でされたこと、したことは、 到底、直ぐに忘れられることじゃないから。 「…………でもな。オレは何よりも。 メレフ、アンタが無事でここにいることが嬉しいよ。 死ななくてよかった。それだけで、いいんだ」 (43) 2021/05/31(Mon) 23:29:31 |
徒然 シトゥラは、メモを貼った。 (a66) 2021/05/31(Mon) 23:30:07 |
サルガスは、知らない生徒から逃げ、自分の部屋に帰ってきました。 (a67) 2021/05/31(Mon) 23:31:28 |
サルガスは、扉の下に正式な通告書を見つけました。 (a68) 2021/05/31(Mon) 23:31:46 |
サルガスは、覚悟を決めました。 (a69) 2021/05/31(Mon) 23:32:04 |
迷子 メレフは、メモを貼った。 (c62) 2021/05/31(Mon) 23:36:08 |
演者 シェルタンは、メモを貼った。 (a70) 2021/05/31(Mon) 23:38:37 |
演者 シェルタンは、メモを貼った。 (a71) 2021/05/31(Mon) 23:38:55 |
スピカは、決心をしたようだ。 (c63) 2021/05/31(Mon) 23:42:00 |
『一番星』 スピカは、メモを貼った。 (c64) 2021/05/31(Mon) 23:42:39 |
【人】 一人の少女 ブラキウム>>42 朝の食堂 サルガス 「うん……それでいい。どういたしまして。 僕たちはみんなを助けられるように頑張るよ」 "お願い"とありがとうだけがあれば十分。 考えるべきはこれからだ。 あなたにかける言葉は決まってる。 「また明日。サルガス」 これはもう"お願い"じゃなくてただの挨拶。 隣に並ぶともだちにそんな"お願い"は無くてもよかったのだ。 時よ止まれ。いつまでもこの日々を。 そんな事は言わない。 ふらふらと迷子の手が離れてしまったならまっすぐに歩くしかない。 いつも通りのよりよい明日を祈るあなたに応えよう。 泣きそうになるのを必死に我慢してふんわりと、しかししっかりとした笑みを返した。 「こちらこそありがとう!」 (44) 2021/06/01(Tue) 0:07:51 |
ブラキウムは、あなたと一緒に朝食を終えた。 (a72) 2021/06/01(Tue) 0:08:35 |
ブラキウムは、サルガスの手を"離した"。明日までお預けだ。 (a73) 2021/06/01(Tue) 0:10:45 |
ブラキウムは、帰ってきたばかりの朝の出来事だった。 (a74) 2021/06/01(Tue) 0:11:28 |
ルヘナは、図書室を去っていく。そこにスピカを置いて。 (c65) 2021/06/01(Tue) 0:11:35 |
スピカは、ルヘナを笑顔で見送った。 (c66) 2021/06/01(Tue) 0:13:53 |
星の加護を得た ルヘナは、メモを貼った。 (c67) 2021/06/01(Tue) 0:14:44 |
スピカは、誰もいない図書室で、もう一度泣いた。 (c68) 2021/06/01(Tue) 0:15:25 |
イクリールは、誰も居ない部屋の前を後にした。きっと、良い子の『悪い子』との約束を果たせる明日を探しに行こう。 (c69) 2021/06/01(Tue) 0:15:41 |
一人の少女 ブラキウムは、メモを貼った。 (a75) 2021/06/01(Tue) 0:18:49 |
スピカは、図書室から立ち去った。 (c70) 2021/06/01(Tue) 0:25:48 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ「……――――」 図書室からゆっくり離れていく足は次第に早くなり、 最終的にはどこまでもどこまでも駆け出していく。 誰かに会いでもすればその走りも止まるだろうが、 よく慣れ親しんだ人気のない道ばかりを足は選ぶ。 ……息を切らして、壁に手をついて、崩れ落ちる。 ひゅうひゅうと鳴る喉が苦しさを訴え、 はくはくと開かれる口が酸素を求めている中で、 零れ出した言葉は、 「ありがとう」 の一言だけ。 想ってくれてありがとう。 救おうとしてくれてありがとう。 諦めないでいてくれてありがとう。 そのどれもが自分勝手で、 より彼女を傷付けるとわかっていて、 それでもやめろとは言えなかったものばかりで。 (+41) 2021/06/01(Tue) 0:26:28 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ自分の望む救いが訪れるまで、まだ呼吸が続けられる。 まだ呼吸が続けられるし歩いて行ける。 まだ、続けられる。 まだ。 「……よし、」 俺は、まだ、待てる。 (+42) 2021/06/01(Tue) 0:30:10 |
ルヘナは、まだ、『いない』。それでも確かにここにいる。 (c71) 2021/06/01(Tue) 0:32:23 |
ルヴァは、ブラキウムを抱きしめて、"愛"を囁いた。 (a76) 2021/06/01(Tue) 0:38:44 |
ルヴァは、血にまみれている――。 (a77) 2021/06/01(Tue) 0:39:59 |
ルヘナは、"その時"を待ち続ける。いつもたらされるものかもわからずに。 (c72) 2021/06/01(Tue) 0:42:25 |
【置】 小さな心臓の サルガス【吊り懇願ロール】 封筒、封蝋、滑らかなインク。"大人"からの呼び出しだった。 授業が終わり、夕刻を過ぎ。夕食を受け取って、その後の時間が指定されている。 悠長にも思えるような通告は、しかしふつうの子供には十分なものだった。 もはや逃れようのない事を示し、穏当な手段からそうでないものに切り替わる最終通告。 逃げ延びようとしたところで、守りに囲まれた院から出ることはできない。 追い詰めたと獲物に知らせるためのものではなく。喉元に刃を突きつけるようなものだった。 そして、サルガスもまた。それに逆らおうとはしなかった。 まだ、すこしの猶予を与えられながらも。再び反目を手にすることはなかった。 己の罪が、確かに罰せられる機会を与えられるのであれば。 最早それを否定する理由さえも、少年の真直ぐな心の中にはなく。 自らの意思を持って受け入れるものであり―― 時間は刻一刻と、過ぎていく。 (L8) 2021/06/01(Tue) 0:55:09 公開: 2021/06/01(Tue) 2:00:00 |
ブラキウムは、ルヴァを抱き返して、"愛"を受け止めた。 (a78) 2021/06/01(Tue) 1:33:22 |
ブラキウムは、二人でどこまでも―― (a79) 2021/06/01(Tue) 1:34:25 |
イクリールは、ギムナジウム中を巡る。見付けなければならないものを、捜し人を求めて。 (c73) 2021/06/01(Tue) 2:07:11 |
ルヘナは、イクリールから、 を、震えを隠しもできないまま受け取った。 (c74) 2021/06/01(Tue) 2:10:32 |
アルレシャは、深夜、『約束』を守るためにやってきた。 (t4) 2021/06/01(Tue) 2:42:41 |
アルレシャは、『先生』だ。だから、血に塗れた彼を『助ける』のも当然だ。 (t5) 2021/06/01(Tue) 2:43:48 |
【置】 褐炭 レヴァティ子どもたちが屠殺ごっこをした話への所感。 お兄ちゃんが弟を殺しよったのはええやないですかァ? 母親がお兄ちゃんを殺すのも、まァわかるんですよ。 『ついカッとなって』ってこういうのよね〜 赤ん坊が死んでんは事故で。父親が死ぬんも、 大事なものを全部失ったからで狂う理由はわかるし、 狂ったら正常で居られんもんですけん、 平時ならしていただろう『生きる』って判断が できませんでした言うんはわかるんです。 けど、母親はなして死んだんです? 悲しくってとはあるけど、必要性や因果関係がわからんくて。 父親と書き分けていますし、 この悲しいはイコール狂ったではないですよね? まァ、衝動的だったのはそうかもしれませんけど…… …おかしくなったからやないと思うちょるんですよ。 『悲しいから』で死ぬのはどうして? 答えはもらえていません。 (L9) 2021/06/01(Tue) 2:50:23 公開: 2021/06/01(Tue) 2:50:00 |
レヴァティは、苦しみから逃れるために死ぬことを許されていません。 (a80) 2021/06/01(Tue) 2:50:37 |
レヴァティは、"死は救い"という価値観を、欠片も持たされていません。 (a81) 2021/06/01(Tue) 2:50:45 |
レヴァティは、この場所でそう教育されてきました。 (a82) 2021/06/01(Tue) 2:50:51 |
【見】 カストル と ポルクス「臆病で怖がりな僕も、決して強くない僕でも」 「いくら嘆いても、いくら罪深くても、幾ら糾弾されても いくら夢見がちでも、一度こうと決めたら」 「 『 僕たちは止められないんだよ 』 」 」 「でしょ、ルヘナ。君がそばに居ればなんだってできる、やって見せるから。兄さんだって、此処にいるから」 (@4) 2021/06/01(Tue) 3:39:51 |
【見】 カストル と ポルクス>>+38 愛するルヘナへ 「……うん、でもそれは無理かもね」 「 僕は兄さんといるのは本願だったけど。 」此処までくると、いっそ清々しい。 「病でもあって、周囲にすら負担をかけるんだから」 「一つになって、正気にもどったら。それは完治らしいよ. 現場では気が動転していて、僕は何も言えなかった。」 「昨日連れていかれた先は病院で、僕を見た。 それで目の前で 生命維持装置を取った 所をみたんだ」「物理的に、無理なんだよ」 (@5) 2021/06/01(Tue) 3:59:27 |
ポルクスは、今後の話を、するつもりらしい。 (t6) 2021/06/01(Tue) 4:02:47 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>@5 ポルクス 「そ、っか」 ……友人の、友人の完全な『死』を聞いて。 思わず漏れたのは本当にそれだけの返答だった。 カストルの精神が死に、ポルクスの肉体が死に。 歪な彼らは、本人の望まぬ形でひとつになってしまった。 「……完治おめでとうとは言わない。それだけは絶対に言わない。 それで、『お前』を取り戻しに行けないのなら、ポルクス。 お前はこれからどうするんだ」 問いの示すものはなんでもよかった。 ギムナジウムに残るか出ていくのか、園芸部をどうするのか、 明日は何をして過ごすのか、 飲み終わったお茶のカップをどうするのか。 (+44) 2021/06/01(Tue) 4:09:45 |
ルヘナは、イクリールから受け取った を開いた。 (c75) 2021/06/01(Tue) 4:22:10 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナそれは夜の帳が下りて暫くした頃のことだった。 恐る恐る目を通した は、 からのものだった。 緊張しながらそっと目を通した の一文目を見た瞬間、 『いなくなる』前に交わした約束を彼が 律義に守っていてくれたことが分かって、少し笑ってしまった。 彼が自分を見てくれていたからこその精度の高さに やはり彼は尊敬に値する人物だと認識を改める。 そこから更に目を通して彼の考えの一端に触れて。 ――ある一文を見た瞬間、もうそこにはいられなかった。 走り出す。『いなく』なった自分がずっと『見て』もらうことを待ち続けた彼のもとへ。 (+45) 2021/06/01(Tue) 4:26:14 |
ルヘナは、図書準備室へと走る。 (c76) 2021/06/01(Tue) 4:27:11 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナそうして、非力な自分で駆け抜けて、 ローブの重さにこの時ばかりはもどかしさを感じて、 ようやくたどり着いたその場所に駆け込む。 通常の生徒であれば入る機会のないこの場所に こんな時間にいるのは、 あの手紙の差し出し人だけだと思ったから。 「――シトゥラ!」 (+46) 2021/06/01(Tue) 4:30:54 |
【見】 カストル と ポルクス>>+44 「前は本を書く人か、植物に関わる職に就くとか考えてはいたんだ。あとは情報を沢山知ることができるような職」 「ルヘナをお嫁さんにしたいんだったら兄さんは居た方が良いとかな、だから医療、すぐにどうにでもなるわけじゃないけれど何か得られるものもある。でもそれだけじゃ足りない、優先順位が低い。その理由はルヘナが生きていれば、傍にいてくれたら、それ十分だと兄さんも思ってる。できれば、もっと権力があったほうがいいんだろうけど。今はまだ子供だから、難しい。僕は兄さんみたいな最高の愛らしさ、向日葵の似合う人にはなれないけれど。考える癖はついたし、ルヘナの傍で本を読むのが好きだったから多少の教養は身に着いたのは運命がよかった。ありがとう。兄さんとルヘナが居ない世界に用はあんまりないんだ。それでさ、出来るだけ強欲にいくなら、ルヘナを養いつつ、用のある世界である限り。僕らはこの施設の悪しき風習を何度でも打ち砕きたい、尻尾じゃなくて頭が欲しい。けれどそれを考えるのは今を変えてからだろ?ちょっと寂しいけど、ルヘナと仲がいい子も何れやりあいそうなやつも僕らが苦手な人も多いさ。それでも、君を愛しているなら、家に無理やりにでも置いておくより、350%良い。 うん、それで、皆真面目に考えているんだ。それぞれの個性は豊かだし、具体案は見つかってはいないけれど、同調圧力も世間からの目も利用しない手はない。それでも最悪の時は、きっと最低なことになるんだろうけど。」 「それ以前にさ、人として 不安定で夢見がちで都合のいい話かもしれないけど」ボクとカストルは皆に謝らなきゃいけない。 そして様子を見るべきなんだ。それから僕が何になるか決める。 「ルヘナが居てくれるなら、何になるのも容易いよ。」 「 盛りすぎたかな…… 」「……どう、かな。今からでも遅くないかな」 (@6) 2021/06/01(Tue) 4:32:44 |
ポルクスは、とても残念なことに、これは素だ。 (t7) 2021/06/01(Tue) 4:33:31 |
【見】 カストル と ポルクス>>0:0 「どこにやられたかも知らないけど、彼女にも謝らないといけないな」 「……もう見つかってたりする、のかも。しれないけど」 「 浅い言葉しか思い浮かばない。それでも『罪深い』と想わせてほしいな 」>>0:@0 「あの人が、どういう人だったかも」 考えるのって、疲れるなぁ…… (@7) 2021/06/01(Tue) 4:58:58 |
【人】 徒然 シトゥラ >>ルヘナ >>+45 >>+46 シトゥラの姿はそこに無かった だがここで交わされたいくつもの話を あなたは覚えているだろうか 好きな本のはなし、まだ読んでいない本のはなし。 ずっと知識だけを追って人に興味を持つことも多くなく ただ、異変が見えるとすぐに調べたくなるような ちょっと奇妙な知識人達がここにいた。 誰かが座っていた椅子、一冊の冊子がある。 委員の交換日記がわりにされる日誌には、 当番の名前やおすすめの本、 時々落書きが書かれたりしていて 真面目にやっている人間とそうでない人間がよくわかる 座っているだけでいい委員で、 普段から図書館にいるルヘナやシトゥラは 格好の当番の押しつけ役になっていただだろう。 まったく二人とも文句を抱いていなかったのだが。 冊子を覗くと、折られた紙が挟まっていて 一枚の絵が、ルヘナが本を読んでいる姿が描かれていた。 触ると指に黒い粉末がつき、時間がたってないのを思わせる (45) 2021/06/01(Tue) 5:01:27 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>@6 うんうん。なるほどポルクスらしい選択だ。 ……と思ったのはついさっきまでのことで、 それから滝のようにあなたの口から飛び出していく言葉の密度と ところどころに生じているツッコミどころの多さに 何も言えなくなった。 「 お嫁さん……?養う……??家に無理やり……??? 」言えた。やったね。 「……とりあえず、俺はお前達の嫁にはならないのと、 お前の教養レベルは間違いなく高いのと? 養われるつもりがないのと……ふむ。 俺は俺の自由に動かせてもらいたいよ、ポルクス」 愛の重さも執着の重さも知っていたが、 これだけ具体的展望を語られてしまうと ほんの少しだけでも修正したくなってしまう。 自分が愛を向ける先がもう決まっているから、というのもある。 ……そんなちょっとしたことはともかくとして、 彼の語る展望の姿を、自分は少し見て見たくなって。 「何かを始めることに遅いなんてことはないさ。 俺達はここで多くを学び成長していく子供だし、 卒業までいるならあと4年もある。色々変わっていけるはずだ」 自分が誰かを想うことができたように。 自分が誰かに想われることができたように。 (+47) 2021/06/01(Tue) 5:05:48 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>45 シトゥラ 「いない、……っは」 息を整えながら入るその部屋は、 自分達にとってとても馴染み深い場所だった。 多くを語り多くを学び、舌の上に乗った本の名前は数え切れず。 そうして知識を追い求めた者同士の、 互いの知識欲を認め理解しあった者同士の、 思い出ばかりが真に溢れた部屋。 日誌に書かれた本の名前とその内容がほとんど思い出せるほど、 自分達二人は多く目を通していたことだろう。 図書室に住んでいる、という言葉も過大評価ではなく、 普段からいる自分達はある意味ここの名物だったかもしれない。 「ふふ、……?」 冊子に挟まれた紙を見る。 そこに描かれた者と描いた者との関係性を思えば笑みが漏れ、 愛おし気に指がその上を滑る。 ……描いてそこまで時間が経っていないが故の黒が指を汚して。 (+48) 2021/06/01(Tue) 5:17:34 |
【人】 徒然 シトゥラ>>ルヘナ バサバサバサバサ…ドシーーーーンッッッ (扉の外で本がなだれ落ちて雑誌用棚が地面に引き寄せられるように倒れ床がきしんだ音) 「 うわ 」轟音と小さな声が夜の静寂響いて目の前の扉が開かれる。 シトゥラは、そこに立っていた。 そしてあなたと前髪越しに目が合い、――――手を取れば部屋の少し奥、入り口からは死角にになるような場所に二人で座り込むことになるだろう。 「……ルヘナが来たから隠れて慌てて帰ろうとしたんだ。 そうしたら――― 大惨事 大人が来たら嫌だから少し隠れていようか」 一体何をしているんだ、この最高学年は (46) 2021/06/01(Tue) 6:05:32 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>46 シトゥラ 突然の轟音に思わず肩をすくめて驚いてしまう、が、 そこにいたあなたの存在が、 あなたが自分を『見て』くれたことが、 本当に嬉しくてくすくすと小さな笑いが零れた。 手を引かれるままに向かう先が容易に想像できてしまったのも やはりこの部屋で過ごすのに慣れていたからだろう。 大人しく座り込んだ後、あなたに握られた手をこちらからも 握り返して逃がさないように捕まえる。 「 そもそもどうして帰ろうとしたんだよ 。あんな手紙寄越しておいて俺から逃げるな、シトゥラ」 大惨事を引き起こしたあなたに追い打ちをかけるように はっきりと文句を垂れるあたりも含めて (小声で話しているという点はあれど)至って普段通りで、 「……俺は俺のままだから、ちゃんと『見て』くれ。 頼む 」けれど、そう告げる時だけはほんの少しだけ不安が滲んだ。 (+49) 2021/06/01(Tue) 6:25:52 |
【見】 カストル と ポルクス>>+47 「……?」 何も言えなくなった。 「 ルヘナが自由に、なんて当然だよ。 世界は君のためにある ……流石に スピカみたいなこと し始めたら止めるけど」これだけ言っても本来は、博愛的な二人だ。 他を蔑ろにしているわけではなく、一般以上には優しく親切である。重い。 「ルヘナがなりたいものになれて、それで君が幸せなら」 言い切れなかった。 「ま、たまにこうやって、お茶して取り留めもない話をして。僕らのことを見捨てたり、しないでくれたらそれでいいかな。 一生 」彼らは未だ自分達が敗北者であることを知らない。 ポルクスが頑張る四年間。頑張ってポルクスが独りぼっちになりかねないという事実を、なんとかしよう。 「それなのに、嘆かわしい。ちゃんと直さないとね、 カストル。 」そして彼の言葉を聞かない、という器用さはないため。 意味が分からずとも、動揺にショックを受けていた。 カストルはいないし理解を拒んだ。 時間が来るまで、お互いに色んな話をして聞いて。 したいことをして、子供なんだよ。いつも通り過ごそう。 時間が 来るまで。ずっと (@8) 2021/06/01(Tue) 7:42:47 |
スピカは、くしゃみをした。 (c77) 2021/06/01(Tue) 8:43:10 |
小さな心臓の サルガスは、メモを貼った。 (a83) 2021/06/01(Tue) 9:04:53 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+49 ルヘナ 「帰っ……明日"以降"に会わないと、 覚悟が鈍りそうだから、誰とも会うつもりがなかったんだ …大人に怒られる用事があってさ。 巻き込まないようにしていた」 恐る恐る少年に手を伸ばして頬に触れれば よかったと小さく言葉を小さく漏らす 「ルヘナは、あれから変わっていない……そっか。 『見』る、なんてはじめて、 どうして不安そうなんだルヘナ。大人になにか言われた…?」 明確な見ないふり、 大人の指示でやっていたし変わってしまったかもしれない あなた達を見たくなくて、本当に目を閉じてきた。 同じクラスメイトでも、幼い後輩でも、友達でも、 それがシトゥラに求められた"いい子"であるから。例外はない 「慌てて、声を荒げてルヘナらしくもない …まるで数日前みたいだ」 (47) 2021/06/01(Tue) 10:18:08 |
【墓】 星の加護を得た ルヘナ>>@8 カストルとポルクス 「……うん。ありがとう、ポルクス」 あなたたちは狂っているが頭がいい。 ……狂っていたが、頭はいい。 自分の言葉の意味だってきっと分かっていて。 「俺がなりたいものになれるかは、ちょっと分からないけど」 それでもこうして受け入れてくれることの優しさと、 あなたたちの好意を利用してしまっている後ろめたさで、 ほんの少しだけ眉が下がった。 「お前達のことを見捨てることはありえない。 俺だってお前達とのお茶会は好きだし、二人とも大切だ。 変わろうとするのならなおのことだ、 どう変わっていくのかについて興味がある。 ……これからもよろしくな」 時間が来るまで。 時間が来てからも、道が完全に分かたれるまで。 (+50) 2021/06/01(Tue) 10:51:45 |
【墓】 『一番星』 スピカ森の近くを歩く。 「あ、看板残ってる、よかった」 わざわざ、口に出して言う。 それは彼女が考えた決まり事の一つーー口に出すこと。 そこにいる、と主張するために。 ほとんど日にちは立っていないのに、 色々あったなあと思い返す。 突然大人に呼び出されて、 殴られて、他にも色々されて。 恋をして、失恋して。 「あっ……まずいまずい」 意中の相手のことを考えてたら泣きそうになったので、 慌てて思考を切り替えた。 「いない人に目を向けようとする人も増えたもんね」 こっそりと『見る』、それでもいいのだ。 それは確実な一歩だから。 しばらく、森の近くを散策しているだろう。 (+51) 2021/06/01(Tue) 11:04:19 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ>>47 シトゥラ 「そうだ、俺はそのことについてもお前に聞きたかったんだ。 イクリールと食事ができなくなる、とは穏やかじゃないな ……明日"以降"に何がある?」 恐る恐るといった様子で伸ばされた手を受け入れた頬に いつかのように少し擦り寄ってもあまり表情は晴れない。 ――――明日"以降"には何かがある。 その"何か"の内容が読めない。分からない。不安だ。 そういった不安の蓄積があったからこそ、 数日前を思わせる問いについても隠し事ができない。 あなたと離れた時間だけでも多くのことがあった。 「…… 少し、大人の甘言を飲みこみそうになりもしたけど 。結局のところ、『いなく』なってからの俺も、 ほんの少し『知る』ことに恐れを抱いただけで、 貪欲であることに変わりはなかったんだ。 お前が無事であることを願いながら他のヤツに協力する。 お前の味方だと言いながら友達の願いを応援する。 相手が傷付くと分かっても手を放すことができなくて」 俺は何人の好意を受け取ろうとしなかったんだろう。 「ああ、でも……そのおかげで自覚できたこともあって、 それがこの不安の原因だけど悪い感情はないんだ。 単純な話だ、お前に何もかもが届かなくなってしまうのが 怖くて仕方ない。 お前のこと、好きだからな 」 (+52) 2021/06/01(Tue) 11:22:30 |
【置】 一人の少女 ブラキウムーーギムナジウム全体がざわついているのがわかる。 授業を終えてふらふらと一人で歩き回っていればその内容も嫌でも耳に入る。 「……さぁね。僕がそんな時間に出入りしてたら誰か覚えているんじゃないかい?」 もちろんブラキウムの元にも聞き取りは回ってきた。 あれだけの大立ち回りをしたばかり。 小柄なブラキウムの足は決して大きくも無い。 けれど、そもそも外を走り回るようなことなどしていない。 最初は自分のことかと焦ったけれどこれはおそらく、と思い当たる節があった。 そんなものなければ良かったのだが。 結局有耶無耶のまますぐに解放された。 短い聞き取りを終えて ため息混じりに思い浮かんだ君を想う。 窓の外はすっかり夕陽が赤く染めている。 時間は止まりはしない。 どんな形でも明日はやってくる。 「明日は何をしようかな」 (L10) 2021/06/01(Tue) 11:22:47 公開: 2021/06/01(Tue) 12:00:00 |
メレフは、サルガスを探している。 (c78) 2021/06/01(Tue) 11:45:40 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+52 >>ルヘナ 「いつもの、ルヘナに聞こえる。 なにか落ち込んでいそうだが」 あなたのいつもを詳しくも知らない。 知るためならなんだってする、 何でもかんでも一口かじるそんなイメージだろうか。 「 ボクだってあなたのことが好きだ……? みんなが変わってしまって忘れてしまうことが嫌だった、でももしかしたら思ったよりも早く見れることもあるのかもしれな、いから希望は持ててきて……」 妙な違和感を感じる、 なにか大切なことを勘違いしているような。 「……、……それで手紙の件は。あー ……喧嘩を。 上級生が喧嘩して朝食に派手な傷を作ってきたらみんな怖がったり心配するだろう、だから…しばらくはみんなの前で食事を取るのをやめようかと思っている。 イクリールを驚かせてしま…… うかもしれないし 」途中までいって驚かないなと思ったが。 その上今までも食事とっていなかったが。小さくうなずいて 「それだけだ」 (48) 2021/06/01(Tue) 11:59:54 |
【墓】 迷子 メレフずっと復讐の事ばかりを考えてきた。 その結果の空回り。空回り。失敗。 間違っていたのだろうか? 自分は、姉さんの仇を取りたかっただけで。 その為に生きてきたのに。 それは間違いだったのだろうか。 ―――やり方が良くなかったんだろう。分かっている。 (+53) 2021/06/01(Tue) 12:00:11 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ>>48 シトゥラ 「そりゃあ落ち込むに決まってるだろ。友人の好意をふいにして その上泣かせてもいるんだ、気分はあまりよくない。 明日になったら各所に謝罪に駆け回るべきだろうか」 結構本気ではあるが、そもそも自分の内情を打ち明けても 特段自分を責めもしなかったお人好したちのことだ、 しれっと許されてしまうんだろうなとも思う。 「……喧嘩で派手な傷を負う前提なんだな、 なるほど、なるほど。 いいよ別に、それをお前の望んだことなら俺は止めない。 怒りはするし不安になりもするけど許す。 ただし死んだら本当に許さないからな。 本当に 」しっかりと念押しするくらいは自分にも許されていいだろう。 あなたの全てを許すことと比べたらきっと、小さいことだから。 「それと、あー、と。これ絶対伝わってないなお前」 他人に興味をあまり持たなかった同士、仕方ないかもしれない。 自分からもあなたの頬に両手を添えてぐいと顔を近づける。 「俺の言いたい好きはそういう方向じゃなくて。 愛してるのほうの意味で、言ってる」 (+54) 2021/06/01(Tue) 12:12:34 |
ルヘナは、シトゥラにキスをした。 (c79) 2021/06/01(Tue) 12:12:51 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+54 >>c79ルヘナ 「……、うん。 (十中八九殺されるとだろうと言えないな) 」ルヘナにまで許されないのか、と念押しをされながら 正直者の鳥はうそぶく 「 愛し 、」 一瞬思考が止まったが塗りつぶされるような口づけで目が覚めていく、逃げも隠れもこれ以上はするつもりはなかったが反射で後ずさりそうになってあなたの体を支えた。 「………… ありがとう? 嬉しい、一方的かなと思っていたしすぐに次の人を知りにいってしまうと思っていた」 何か、何かが明確にねじれて歪んている。 あのときのような手応えを全く感じさせないし、欲が見えない。 好意は伝わってもいるし伝えているつもりだが、真意が知らされているかは別問題。 単に思考が全く他所に行ってしまっている場合を除くが、大惨事になったカウンターとか。 「でも、……この間のようなことをするなら時間がなくて。 教えてあげたいのは山々なんだが、 もう少し待っていてくれないか」 近付いた瞳からはうっとりとしたような碧の双眸が覗く。 それに相反して声も態度もいつもどおりの穏やかさだ (49) 2021/06/01(Tue) 13:08:39 |
シトゥラは、口付けを受け入れる、そして『お腹が空いていた』 (a84) 2021/06/01(Tue) 13:15:36 |
シトゥラは、死んではいけない、約束の為にも死ぬつもりなどなかった (a85) 2021/06/01(Tue) 13:16:28 |
レヴァティは、アルレシャの発言にちょっと引いた。 (a86) 2021/06/01(Tue) 13:51:11 |
アルレシャは、別段いつも通りの通常運行である。 (t8) 2021/06/01(Tue) 14:11:16 |
アルレシャは、同僚の手伝いをする気がまるでない。 (t9) 2021/06/01(Tue) 14:16:41 |
アルレシャは、煙草の煙がとても苛つく。『そんな事』をする気分ではない。 (t10) 2021/06/01(Tue) 14:17:32 |
鏡の前の ポルクスは、メモを貼った。 (t11) 2021/06/01(Tue) 14:39:59 |
【置】 褐炭 レヴァティ(──Wikipediaより) 黒玉 は、水中で長い年月を経て化石化した樹木によってできている。褐炭 の1種であるが、宝石として扱われる。非常に軟らかく、軽い。独特の柔らかい光沢を持つ。ただし、乾燥するとヒビ割れができることがある。また当然ながら褐炭のため、火が付けば燃焼するなど保管には注意を要する。 (──宝石言葉bot @Jewelword_botより) 名称:ジェット(黒玉-こくぎょく) 言葉:沈静・ 忘却 ・魔除け・吸収・浄化備考:海底で生まれた「木の化石」 (L12) 2021/06/01(Tue) 15:00:01 公開: 2021/06/01(Tue) 15:00:00 |
【置】 褐炭 レヴァティ≪所感≫ ブラキウム:安心しました。 メレフ :あーあ。 キツそ〜本当に早く治してもらいな〜〜 シェルタン:え、すごいですね。がんばって〜 ルヴァ :無力な正義の味方って大変ですけん。応援しちょるんよ。 カストル :あーあ。 君はひとりやないですけんね〜 ポルクス :お片付けは終わった? ルヘナ :あー……あーあ。 まァ、期待なんて最初から。 サルガス :卒業できんて"卒業"しそうですね。 スピカ :あーあ。 ……君もなんか決意しています? イクリール:あーあ。 考えられる頭、なくさんてねぇ〜 シトゥラ :知らない分からないで気付けん時代の方がしあわせよ。 君はきっとそう。 ヘイズ :あーあ。 でも仲間がいっぱいの時期でよかったね〜〜 デボラ :お外で元気でねぇ? 帰ってこんてええですよ ラサルハグ:大人ですね。ハン。 アルレシャ:カウンセラァには向きよると思いますよ。 俺は話すんいやですけど。 (L13) 2021/06/01(Tue) 15:04:59 公開: 2021/06/01(Tue) 15:05:00 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ>>49 シトゥラ 「……シトゥラ、お前、今の返事 『味』がしなかった 」『味』がしないと思った最初はレヴァティの言葉だったか。 それがあったからこそ彼に興味を持ち、 あなたに相談を持ち掛けたのが始まりだった。 ここで、ただ二文字だけの言葉で、『味』がしない理由は。 「 死ぬのか? 誰と喧嘩して? どういう理由で?それでお前は満たされるのか? ……それでお前はいいのか」あなたが歪んでいることなどとうに理解している。 けれど、あの時のあなたは、自分を欲しがったあなたは、 少なからず『人間らしい人間』であるところが見えたのに。 満足いくまで『食った』ら離れてしまう自分が、 散々互いに『食事』をしておいてなお留まり続けたいと思えた ……それがルヘナにとってのシトゥラだったはずなのに。 「これから『喧嘩』するならこんなところで体力を使うな。 そもそもお前ってどれくらい動けるんだ……? ……お前のこと、まだまだ『食い』足りてないな俺」 先程、絵に触れて指についた黒い粉末は あなたの頬を汚してくれていただろうか。 (+55) 2021/06/01(Tue) 15:11:14 |
褐炭 レヴァティは、メモを貼った。 (a87) 2021/06/01(Tue) 15:19:34 |
褐炭 レヴァティは、メモを貼った。 (a88) 2021/06/01(Tue) 15:19:51 |
褐炭 レヴァティは、メモを貼った。 (a89) 2021/06/01(Tue) 15:30:43 |
ラサルハグは、説明をした後、少し嫌そうな顔で煙草を捨てた。煙草は教育に悪い。大嫌い。 (t12) 2021/06/01(Tue) 15:44:35 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+55 ルヘナ 「昼間は寝ていたから体力はあるか? お腹は空いているけど、明日まで大丈夫だし。 ルヘナは何を気にしているんだ……」 わからない、なんの言葉を続けていいのか。 ルヘナの求めている言葉は何だろう? 『味』に関しては、やらかしたと内心思った。 嘘をついたほうがよっぽどルヘナは見逃してくれたのかもしれない 「死なないよ、誰かは内緒、その子の為に喧嘩をする、別にボクが満たされるためじゃない ――――……いや、セキレイ がしてあげたいことだ」いい子のボクがそうしたいらしい、 それが誰かにとっては悲しいことで間違いだとしても。 「ボクなんかを殺して殺人犯になったら可哀想だろう、 魔術師ならセキレイに怒りたかった人がいるのもわかるはずだ。 その一人に会いに行く。 ちょっと殴られるつもりなだけだから心配しないでくれ」 黒が少し頬を汚して、擽ったそうに笑う。 「あの絵、結構うまくかけてるだろ。 先生にも内緒にしていたんだ、みんながいる所を今度は描きたい」 外から教師の足音はしばらくなかった、 きっとあの騒音は見逃されてくれたのだろう。 離して良いかと身体をよじりあなたから抜け出し立ち上がろうとした (50) 2021/06/01(Tue) 16:30:04 |
【置】 褐炭 レヴァティ>>a16 朝食後 「ああ、大人がいなくなったんですか」 放送の指示書を読みながら、 目の前の大人にこともなげに言った。 「え? 俺がそんなことできると思いよります?」 悟られるつもりがなかった大人は逆切れをして来た。 が、レヴァティは至って普段調子だ。 「できませんよ、よくご存じでしょう? 放送終わったら、大人に心当たりを言うんが こわそうな子たちに聞いてはみますね」 生意気な態度を理由に数度殴られ、最後には蹴り捨てられる。 まぁ、これも日常の範囲内。この後が授業でよかった。 (L14) 2021/06/01(Tue) 16:44:15 公開: 2021/06/01(Tue) 16:45:00 |
レヴァティは、指示書に書いていないことも放送しました。だから、後で怒られます。 (a90) 2021/06/01(Tue) 16:53:28 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ>>50 シトゥラ 「俺が気にするのはお前のことだよ馬鹿。本当馬鹿。馬鹿」 誰かに興味を持ってもらうために、誰かを引き留めるために、 そんな目的で言葉を探したことなんて全然なくて、 だから何を伝えたらいいのかが分からなくて、揺れる。 俺が「行かないで」と言ったら応えてくれる? 俺がもっと求めていたら何か変わった? 伝えたいものは、ただ愛であったはずなのに。 ……そうしてあなたが告げる言葉を聞いていれば、 思い当たる人物の顔だってすぐに浮かんだ。 『お前に殺されるのは痛そうだ』とあいつに話したな。 ならきっと、とてもとても痛いのだろうな。 感じる『味』がどれも 不味い。 クソ、クソ。「お前からは俺がああ見えていたのか、と勉強になったよ。 ……お前から見える皆はどういう姿なんだろう…… 描き終えたら俺に見せてくれ、ずっと待ってるから」 静寂の中、立ち上がろうとしたあなたを引き留めるのは 力のない指先が引っ掛けたあなたの服の袖だった。 「お前に伝えた"特別な望み"、 いつ、叶えてくれるんだ」 (+56) 2021/06/01(Tue) 16:59:16 |
ルヘナは、子供だ。 (c80) 2021/06/01(Tue) 17:00:30 |
【墓】 夢の続きを イクリール「カストル、ポルクス、それにメレフ…… どこにいるの…?」 携えた想いは、あと二つ。 届くべき先も、あと二つ。 或いは、屋上? 或いは、園芸同好会の花壇? 或いは………… たとえやみくもでも足は止めない。 声を上げる事を、手を伸ばす事を諦めはしない。 大人に何度窘められようと、 傍から見れば気味が悪い程に優しく宥め賺され、諭されようとも。 その度に、我儘を言って屁理屈を捏ねた。 イクリールは大人にとって『都合の良い子』だったけれど だからといって別に、良い子でなんかなかったのかもしれない。 初めから。 (+57) 2021/06/01(Tue) 17:06:25 |
イクリールは、カストルとポルクス、そしてメレフの姿を探している。届けるべきものの為に。 (c81) 2021/06/01(Tue) 17:07:09 |
【見】 鏡の前の ポルクス>>+57 「あ、ああ。こんにちは。イクリール。こないだはごめんね」 カストルの姿をした少年が気まずそうに出てきた。 「ほら、これはね、 お花 (@9) 2021/06/01(Tue) 17:31:47 |
【人】 徒然 シトゥラ>>+56 ルヘナ 「………、………?」 あなたからの特別な望み。 果たして伝えられていただろうか、 といくつもの記憶をさかのぼって。 「……??」 どれを思いあたっても、 それが望みだとは思えなくて 「………え?」 随分味を持った困惑の言葉は僅かに図書室に響き渡り、 ゆっくりと視線をそらすシトゥラの周りで霧散していった もしかして。 随分と長く素っ頓狂な返答を 彼にし続けていたような気がする。 「いつ……、それは―――」 すべてのみこんで、今は道化でも。 大人に褒められるいい子は そろそろ卒業しようとしていたところだ。 引かれた裾を掴む手を包み込むように手を重ね 口元だけ愉快そうに笑いかければ、その耳にそっと囁いた (51) 2021/06/01(Tue) 17:41:27 |
【墓】 夢の続きを イクリール>>@9 『カストルとポルクス』 「──ああ、よかった、ここにいたのね… ……この間?」 二人に謝られるような事をされただろうか。 記憶を手繰り寄せても思い当たる節は無くて、 それでも謝りたいという気持ちは受け入れたくて。 差し出された花を、素直に受け取った。 「……ありがとう、カストル。それからポルクスも… わたしも、あなたたちに渡したいものがあるの」 それから一歩、イクリールは歩み寄って その小さな手に持っていたものを、『二人』に差し出した。 (+58) 2021/06/01(Tue) 17:53:10 |
【置】 小さな心臓の サルガス【吊り懇願ロール】 子供たちが夕食を終え、一人は自主学習に勤しみ、一人は消灯までの時間を友人と楽しむ。 ひそやかな変化を肌の外に感じながらも、おおむねの子供たちはいつもどおりの生活を送っている。 多大な変化があったとしても、己の身に降りかかるものがなければ、みなそれと気づくことはないのだ。 ひとりふたり、消えたとて。それが自分の友人でなければ、想人でなければ。 見ないふりをして、本当に見ずに済んでしまうのさえ、たやすいことであるのだから。 だから、加えて少しの異変があっても、それを疑う者はなかった。大人が関わるならば尚更。 よけいなことを考えないほうが幸せになれると、みな、知っている。 一人の教員が一人の生徒の部屋までわざわざ訪れ、迎えに来ても。余計な詮索は、なかった。 少年は教員に連れられて歩く。背中の傷を庇うように、動きはかすかに鈍い。 顔色は未だ青白さがありながらも、おもては惑いもなく状況を受け入れているように見えた。 少年も、教員も。なるべく人気の少ない廊下を渡り、棟を渡っていく間、一言も喋らなかった。 教員のほうは抵抗に備え多少の緊張が見られたが、警戒に引っかかることなど何ひとつなかった。 少年の目はまっすぐに前を向き、不要に周りを見ることもなく、然るべき場所へと歩み入った。 後ろでかすかな喧騒が聞こえる。風がざわめくようなそれは、こどもたちの声だ。 悩み、苦しみ、痛みを負った子供たちは数多くいた。そしてその多くは、反目を示さなかった。 いなくなった子供のことを探さない。いなくなる子供のことを顧みない。 もはや見えなくなってしまったことの者など、意識の内側にはなくなってしまっている。 今日も、ギムナジウムはささやかな幸せと無邪気に彩られていた。 これより"治療"される少年の姿を、大人の領域は格納する。 (L16) 2021/06/01(Tue) 17:55:03 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス ――…… ひどく、ひどく憔悴した様子のまま、少年は部屋へと戻された。 深夜のことだった。もはや誰もが寝静まり、或いは素知らぬ出来事として聞かぬままを決め込んだ。 本当ならば歩くのもやっとなのだろうか? けれど、異常を抱えた体は神経を鋭敏に尖らせ、 ふしぎなほどに少年の体を突き動かし、からくり人形のように歩ませてみせた。 解放された少年が何を受けたのか、或いは何を見たのか。如何程の懲罰を下されたかはまだわからない。 「は、は、はは。ははは、はは」 けれど、少年は笑っていた。想像の埓外のものを見て、或いは受けて。 このギムナジウムがどのような施設であるかを、理解してしまった。故に、受け止めきれなかった。 小さな体は誰にも届かない空笑いを水滴のように廊下に落としていきながら、 幽鬼さながらにまっすぐに、歩いていた。手には、外から拾い上げた襤褸と輪縄を持って。 見るものが見れば怪談としてひそやかに噂しただろうか、でも、見たものはいない。 柔らかな足音はいびつにかすかな旋律を響かせながら、まっすぐにひとつを目指している。 「ああ、ああ。ぼくは、なんて。おろかで、残酷だったのだろう。 これほどまでなんて。このばしょが、こんなところだったなんて。なのに、なにも、知らずに。 ぼくは、なんて無責任に、おもみのないことばを、みんなにかけてしまえたのだろう」 笑っていた。笑っていた。あらゆる望みを絶たれ、体と心は支えを失った。 冷え切った涙がまるい頬をそろそろと伝って襟首を濡らす。 言い表しようのない感情の荒波が、少年の心を襲った。ゆえに、壊れかけてしまったのだ。 ついには足取りは一つの部屋へたどり着き、誰もいない室内へと歩み出す。 食堂は、まだ朝の用意もせずに静まり返っていた。 この場所が動き始めるのは生徒たちが起き出すよりも少しばかり早いだろう。 働くものさえいない暗い大部屋は、普段の陽気を忘れたようにしんと冷たくなっている。 (L17) 2021/06/01(Tue) 17:55:19 公開: 2021/06/01(Tue) 18:20:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム*スピカへ* 君の善意を利用してすっかり頼ってしまった。 もう『保険』は要らなくなったんだ。 色々気を揉ませたみたいで悪いね。 今回も返信不要だからよろしく。 *ブラキウム* (L18) 2021/06/01(Tue) 17:55:25 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス「いないものにされた、あなたがたを。ぼくはどれだけ理解できていただろうか。 ごめんなさい。きっとそのなかには、無神経なことばさえもあっただろう。 ありがとう。おろかで、正しくあなたがたのことを守れないぼくを、見守ってくれて」 懺悔の言葉は、誰にも向けてはしまえない。言ってしまったところで、何になる? 自己満足にすぎない韜晦を明けっ広げにしたところで、かれらの苦痛は取り去れない。 「けれど――……ああ、それならば。ぼくが、見ないひとにも、わかってもらえるよう。 この場所がけっしていいものではなくて、身を守るものがそこにはないということを。 みんなに、わかってもらうから。あなたがたを、ひとりきりにはしないから。 あなたがたを守れなかったぼくの、これがさいごの献身です。 おとなが触れられたがらないものを、ぼくが、みなにおもいださせます」 少年は知らない。決死の覚悟が、"回収"の終了により無為になることは。 少年のしたこと、それを見るものの記憶は、ほとんどが少年そのものの記憶と共に消失するだろう。 布石にはなりえないのかもしれない、それでも、何か一つでも。 "大人"へ対抗するきっかけになればと、その身は魂の使命感で動かされていた。 それは絶望の熱が突き動かす妄念だったかもしれない。冷静で正当な決起ではなかったかもしれない。 それでも、少年は。祈っていた。 食堂の梁に縄が通され、人間ひとりぶんの体重を支えるに十分なしかけが作られる。 いつも座って談笑し、食事をしていたあの椅子は。今は靴の下にある。 ぴんと引っ張って確かめ、用ごとを果たすに支障ないことを確かめると、縄に両手をかけた。 「どうか、ぼくで。ぼくで、さいごでありますように。 だれも、見ないふりなどさせず、しないように済みますように」 (L19) 2021/06/01(Tue) 17:55:38 公開: 2021/06/01(Tue) 18:40:00 |
【置】 小さな心臓の サルガス 椅子に登り、自分の首に縄をかける。重みで滑ってしまわないようにしっかりと首の下に通し、 食堂の真ん中で少年の体は宙に浮かされるようになった。 涙が縄をしとどに濡らし、皮肉にも皮膚にしっかりと食い込むようになった。 人間の脳は活動を停止する前に、幸福を呼び起こす物質を出して苦痛や不安を取り除くのだという。 まるで酒に心地よく飲まれているような幸福感を覚え、愛するものらが想像の中に現れ、 走馬灯のようにしあわせな光景を映し出す。それが現実に非ずとも。 間際に彼は何を思うだろうか。きっと、自分の友だちと、その友だちのことだろうか。 想像の中の風景には大人はおらず、身の回りに居たひとびととそれらが大切に思うひとびとを、 若木と青草の匂いでいっぱいに囲まれた、青空の下で笑い合っているのだ。 そこには苦痛もなく、不運もなく、かれらをくるしめるものは何一つ無い。 こどもたちの楽園ばかりを少年はただ願い、そっと、微笑んだ。 "みなさまがたの御手を借りての拍手の御力で、なにとぞこの私めの呪縛をお解き下さい。 みなさまがたのご好意の息で私の船の帆を一杯にふくらませて頂かねば、 みなさまがたをおもてなそうとした私の企てはすべて失敗です。 今や命令すべき精霊もなく、魔法を行う術もなく、 みなさまのお祈りによって救われるのでなくば、 私の終末は絶望あるのみでございます。 そのお祈りは上天に達し、 慈悲のお耳にあらしとなって吹き荒れて、 すべての罪のお許しを。 みなみなさまがよろず罪からの許しを願われるように、ご寛容のほど願います、" 少年は、足元の椅子を蹴った。 "どうぞ私めにもこれにて自由を。" (L20) 2021/06/01(Tue) 17:55:59 公開: 2021/06/01(Tue) 19:00:00 |
ブラキウムは、また人伝に手紙を贈った。 (a91) 2021/06/01(Tue) 17:56:15 |
【置】 一人の少女 ブラキウム*イクリールへ* 君の言う通り、ギムナジウムは良いところなのかもしれないね。 みんなのことを好きで居てくれる君が居てくれて良かった。 できるだけ君のお願いも守ろうと思ったんだけど……悪いね。いろいろあったから。 でもみんなのために、好きなもののためだから許してくれないかな。 ちゃんと言ってなかったからこれで。 *ブラキウム* (L21) 2021/06/01(Tue) 17:56:57 公開: 2021/06/01(Tue) 18:00:00 |
ブラキウムは、今度は『おともだち』にを伝って。 (a92) 2021/06/01(Tue) 17:59:42 |
スピカは、手紙を読んだ。嫌な予感がした。 (c82) 2021/06/01(Tue) 18:03:12 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ>>51 シトゥラ 「――――――――…………」 たっぷりの沈黙の後に最初に吐き出したのは 力のない吐息だけだった。 こっちばかりがずっと勘違いして、届いていなくて、 馬鹿みたいに苦しんで、泣いて、ああ、けれど。 やっぱりそう、なのだ。 愛の宿った瞳も、未来を望んでくれることも、 真実ではあってもそれだけだ。 知識を求めるだけの盲目で貪欲で愚かなままなら きっとこんな思いも知らずにいられた。 『知りたいと思う情は飢えているものを満たす』 そう教えてくれたのもあなただったな、とどこか遠くで思う。 包まれた手の感触も、囁く声音も、全てが痛い。 「……ああ、わかった。 それじゃあまた、次に会った時にでも『食わせて』もらうよ。 引き留めて悪かったな」 あなたに包まれた手に一度だけ、一度だけ強く力を入れて。 それからそっと力を緩めた。 (+59) 2021/06/01(Tue) 18:14:22 |
【置】 徒然 シトゥラ この日、シトゥラは朝食以外姿を見せなかった。 シェルタンと言葉を交わし アルレシャ先生に会いに行き レヴァティに頼み事をして放送室を観察した うたた寝をしそうになり昼間の放送を聞きながら 午前と同じ理由で授業をサボって秘密の部屋で眠っていた いい子の自分は連れて行かれた彼らへの 干渉をするつもりがない。 だけど、連れて行かれた子との約束は、 いつまでも胸の中に残っている。 卒業をしても会いに行く、些細な明日を永遠に望んでいる。 だから、もし自分の部屋を訪れる人がいたら 彼らに手紙が届くようにほんの少しだけ手回しをした。 自分はいい子でいつづけなければいけない。 そう思いながら書いたのに。 いつまでたっても文面は 未練しかない会いたいの気持ちであふれていた。 変わってしまった子が怖い、直接話すことなんてできない 犯人≠ニわかったときに幻滅をされたくない。 全部最初から自分のためで ようやく自分がいい子じゃ無いことに気づいた。 に気づかされてしまった、皮肉にも。 (L22) 2021/06/01(Tue) 18:22:57 公開: 2021/06/01(Tue) 18:25:00 |
【人】 恋と、愛と シェルタン>>『メレフ』 「……メレフ」 恐る恐る近づいて。手に触れようとする。 迷うから手を引く、なんて、月並みな表現だけど。 あんなことがあって、嫌がられないか、 拒絶されても仕方ないかな、とは思いながら。 「オレは、自分以外にまで、 何かを信じることを強いたりなんてできないよ。 でも、どう生きればいいか分かんないんなら、 ひとつだけ、できることがある」 すう、と深呼吸を挟んで。 「 オレの側で、生きててほしい。 それだけでいい。オレがきっとなんとかしてやる。 勿論何だってはできないだろうな。みんなが、誰かが傷つくのを見たくないように、メレフもオレが傷つくのは嫌だろうから。 ギムナジウムのことは嫌いでいい。オレも、許せない。 だけど……アンタにも、笑っていてほしいから。 怖さや、嫌な気持ちを、出来る限り無くしてやりたい。……これが……シトゥラの言う、 本当の愛 か、メレフの言った恋 か、分かんないけど。オレにとっても大事なことなんだ、これは」 (52) 2021/06/01(Tue) 18:37:48 |
ポルクスは、シトゥラに微笑んだ。 (t13) 2021/06/01(Tue) 18:40:26 |
ポルクスは、イクリールから貰った手紙を、そっと懐にしまった。 (t14) 2021/06/01(Tue) 18:41:41 |
【置】 徒然 シトゥラ 午後は日が暮れるまでずっと眠っていた そして夜になってふと、 忘れ物をとりに図書室に向かったのだ。 ほんの少しの期待と未練をもって。 大好きだった後輩は 協力関係を続ける前に大人に連れて行かれた。 知的好奇心の塊は、きっと大人に染まってしまう 自分のことを見てくれるはずもない、そう思うと 大切にしていた切ない思いがわずかに痛んで壊れそうだった。 誰かを好いているあなた達に妬けてしまう。 誰かに好かれているあなた達に妬けてしまう。 自分が才能があるわけでもないのに、 努力を人何倍やってきたわけでもないのに馬鹿げた話だった だから、……全部すんだらここでまた話そうと約束した。 夜に彼の姿が見えたのは驚いた、 なぜならこのあと喧嘩をしに行くところだったのだから。 そして困惑した。 何故、自分はこんなにも心配をされていて、 命の危険があると思われているのだろう。 死ぬつもりなどない、 できる限りの手段手配をした 。自分の立場だからできることだった。 (L23) 2021/06/01(Tue) 18:59:13 公開: 2021/06/01(Tue) 19:30:00 |
イクリールは、全ての手紙を届け終えて、そして受け取った。それから、まったくもう、とだけ呟いた。 (c83) 2021/06/01(Tue) 19:01:22 |
スピカは、ブラキウムの行く末を案じた。 (c84) 2021/06/01(Tue) 19:02:24 |
【置】 徒然 シトゥラ「ルヘナ、ボクが死にたいように見えていたかな」 約束は破らないのに 「……どうして悲しい顔をしていた?」 やっぱり顔を合わせない方が良かっただろうか 「大人に、ちゃんと許可をもらわないと。 みんなと話したい、触りたい」 大人に何をされるかわからないけれど、 ご褒美でどうにかならないだろうか 「はやく、会いたい」 ただそれだけを考え続けていた (L24) 2021/06/01(Tue) 19:02:30 公開: 2021/06/01(Tue) 19:30:00 |
一人の少女 ブラキウムは、メモを貼った。 (a93) 2021/06/01(Tue) 19:04:59 |
恋と、愛と シェルタンは、メモを貼った。 (a94) 2021/06/01(Tue) 19:11:31 |
【置】 徒然 シトゥラ 深夜になり、 誘い出したメレフはやっぱり来た。 そして――――躊躇無く自分に対して その 復讐 を振り下ろしてくれた「―――――」 鮮血 が舞った復讐ができたらそれでよかった? ここで死んだら、あなたは救われない。 殴っていたいのは、あなただっただろう いたくなかった こんなもの、 いたくなかった 一番痛んでいるのはあなただから もっとつらいのはみんなだから 自分が痛いはずがなかった。 いたみを味わうのはきっと愛されたときだけだ。 きっとそれは、切なくて、苦しくて、 何物にも代えがたい忘れたくないものになるだろう (L25) 2021/06/01(Tue) 19:15:00 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ「――あ……」 彼を見送った後、改めて思い出だらけの部屋を見た顔からは 自然と彼の余裕が、見得が、強がりが、剥がれ落ちて行く。 若草色の瞳が滲む。『これから』を認識することを恐れた。 両の手が震える。抑えようにも指先の感覚がない。 呼吸が乱れる。息をすることはこんなに難しかったっけ? 歯の根が合わない。おかしいな、まだ冬は来ていないのに。 いやだ、みたくない、わかりたくない、うけいれたくない、 だっておれは、おまえは、おまえの、 ――――俺は、お前のものじゃなかったの。 そう思いながらも思考を巡らせることはやめられない。 よく慣れた行いで、簡単に心が追い詰められていく。 「――シトゥラ。シトゥラ……」 呼ばれたらすぐ駆けつけると言ったのはお前だろ。 それなのに、こんなに呼んでいるのに、お前は来てくれない。 お前の手で大人のもとに連れて行かれた夜に、 大人のもとに連れて行かれる前に、お前のものになった時に。 俺のことをちゃんと見ててって伝えたし。 愛してる って、お前に応えた、はずなのに。それもすべて、届いていなかったの? (+60) 2021/06/01(Tue) 19:19:56 |
【置】 徒然 シトゥラ 耐えきれずに膝から崩れた 何度も叩かれた 頭上からは放っておけば死んでしまうほどの 血 が流れている。ただでさえ意識を強く持っていなければ、耐え切れそうにない 霞んでる視界にあなたがうつらない。 メレフの声が聞こえない。 ふと、とある夜が頭に浮かんだ。 あの子からもらっていたあれが本物の 愛 だったのならずっと欲しいと願っていたものが手に入っていたとしたら 一日だって我慢はできない。 今すぐ欲しいと手を伸ばして、どこへも行かせなかっただろう。 あれはかりそめだと、思い込んでいた。 勘違いしたらいけない。 苦しい、会いたい、欲しい。欲して欲しい。愛して 見ないふりをしないわるい子をいい子の自分は許さない。 どうすればいい子をせずにすむのだろう? 「(もしここで、死んでしまえば)」 「 セキレイ のシトゥラは死んでしまえるだろうか」「そうしたら、……みんなと会ってもいいのかな」 「これ以上、……みんなに辛い目に遭って欲しくないな」 「手を引きたい、早く大人になりたい――――」 (L26) 2021/06/01(Tue) 19:20:05 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「みんなにとって、 このギムナジウムはどんな場所だったんだ?」 朝。演奏を終えた後、残っていた人たちに向けて。 楽しいところだ。否、窮屈なところだ。 特にどうも思わない、好き、嫌い、様々な感情の詰まった言葉を、音楽でも聴くように耳にして。 「──そっか。 そう思うんだな、みんなは。……みんなも。 この ギムナジウム に、沢山の思い出が、籠もっているんだな。 良いことも。嫌なことも。沢山。 オレも同じだよ。色んな良いこと嫌なことがあった」 (L27) 2021/06/01(Tue) 19:21:39 公開: 2021/06/01(Tue) 19:40:00 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ「……でも、いいよ」 己のやるべきことは変わらない。 『知識』を求め、大人を利用するために近づこうとした少年は 己のことを"魔術師"と呼んだ。 大人に従う意味、大人に従う事情、与えられるモノの真実、 知る度に湧き上がる更なる興味と感情に振り回されながら、 より多くの『知識』を求めて他者と関わり『情』を得て、 ――――そうして、『いなくなった』。 己が不和の種である事実は少年を苛み、 苦痛から逃れるために情を捨てようとするもそれは叶わず、 他者から差し出された手を結局は受け入れて未来を望んだ。 自分の望む未来など訪れない。 自分の心など変えようがない。 そうしてたったひとつに追い縋り、 だからこそこの先にある『地獄』をはき違えて。 ああ、けれど、そこで交わした約束を、 少年は決して破りはしない。それも誠意と、愛のため。 「俺は全部許すから」 『情』を知り、『愛』を知り、動けなくなった愚者のはなし。 (+61) 2021/06/01(Tue) 19:22:02 |
【置】 一人の少女 ブラキウム恋は盲目だという言葉がある。 僕はそうは思わない。 僕はずっと盲目だった。 差し込んでくる光が怖くて傷つかないためにカーテンを閉じていた。 最初から見えないものは怖くなかった。 痛みを感じる事もなかった。 ここに来て僕の目を最初に開かせてくれたのはルヴァだった。 なんとなく、上に立つ僕の隣に居てくれそうな気がして。 上に立った時に僕の隣に居て欲しくて。 知るために目を開いた。 少しずつ恐怖も痛みも耐えらるようになった。 こうしてやっと君の顔を見ることが出来た。 世界がはっきり見える。 ギムナジウムの光をその目で受け止めて、 黒々と伸びていく影を知った。 恋は盲目なんかじゃない。 閉じた瞳を開く最後の決め手はきっと、恋だった。 (L28) 2021/06/01(Tue) 19:22:30 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「本当に、 ちょっと前までは最悪の場所だと思ってたんだぜ? 皆に内緒で勝手に外の大人に会いに行って。 で、最近無理矢理連れてかれたかと思えば、 それをみんなにバラされて、無視されまくってさ」 なあ?と問えば、 気まずそうな。或いは訝しげな。それとも、 それを心から恥じているような……さまざまな表情。 「大人も。大人たちも。 良い人、悪い人がいた。 授業を欠席したら心配してくれるような人。 或いは、寄ってたかってオレを虐めるような人。 ここには、良いものも、悪いものもたくさんある」 昔話でもするように瞳を閉じて。 (L29) 2021/06/01(Tue) 19:24:58 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム僕は約束を果たしに行くよ。 みんなの事も大切だけれど。 守りたいけれど。 これが僕の一番好きなものだから。 冷静な判断じゃないかもしれない。 間違っているかもしれない。 僕はこんな人間じゃなかったんだけどな。 ……やっぱり恋は盲目なのかも? (L30) 2021/06/01(Tue) 19:26:37 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
受容者 ルヘナは、メモを貼った。 (c85) 2021/06/01(Tue) 19:27:08 |
スピカは、二通目の手紙を読んだ。誰も救えない、と思った。 (c86) 2021/06/01(Tue) 19:30:25 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「……みんな。変わらないんだ。どんなに変わっていっても、みんな、みんな。 “同じところに空の下に生きている”んだ。 だからオレは、それを伝える為に、帰ってきたんだよ」 だから人々は、千差万別である。 憤慨して席を立つもの。困惑げに話を聞くもの。 心の底から、話に聞き入っているもの。 ──皆が、同じ星仰ぐ、ギムナジウムの子らだ。 「なあ。次にここから消えるのは誰だと思う? アンタか。 そこのアンタか。 ──それとも、またオレか。 いや、違う。 もう誰も消えたりなんかしない」 流星の如く。瞳を瞬せて、不敵に微笑む。 「オレたちがしっかりと見つめてあげて。見つけてあげて。 ここから、絶対に消さないようにしよう。 だってみんなみんな、同じ場所に思い出を持ってるから。 嫌いでもないのに、仲間外れにするのはかわいそうだろ」 (L31) 2021/06/01(Tue) 19:31:03 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
ブラキウムは、澄んだ視界を愛おしそうに見つめた。 (a95) 2021/06/01(Tue) 19:31:32 |
【人】 恋と、愛と シェルタンギムナジウムは直ぐには変わらないかもしれない。 けれど。 『変わっていった』自分たちもまた、 “他のみんなと何一つ変わらない”ものであること。 もう仲間外れができないように。 記憶を綴った。 (53) 2021/06/01(Tue) 19:33:05 |
シェルタンは、希望は、自分だけのものであることを知っている。 (a96) 2021/06/01(Tue) 19:35:51 |
シェルタンは、自分にできることは希望を見せることだけだと知っている。 (a97) 2021/06/01(Tue) 19:36:03 |
【置】 徒然 シトゥラ赤い血 の中に沈んで居ればレヴァティの足音が聞こえた。ねえ、 赤ずきん 。どっちが赤ずきんかわからなくなってしまったね 軽口もたたけない。今度お礼をしないと。 アルレシャの声が聞こえた。 ねえ、 先生 。助けてください。 自分の命を救った大人から聞いたのは本当の真実。 あなた達は似ていた、とても 親切で、とても残酷だった。大人たちは、 『君』の事なんて、さぁ。 『考え』もしなければ、 『愛しい』も思わなければ、 『いい子』とすら、これっぽっちも、考えていない。 大人はすべての価値観を壊していった。 誰よりも先生をしてくれて、 知りたくなかった 知りたかったことを教えてくれた。 赤ずきんもわかっていたんだ。 だからずっと優しくしてくれていた。 すべてがわかって朝日が昇る頃、一人で居るのがとても辛くなった。 会いたい、……ボクを許して欲しい。 まだ声は届くのかな (L32) 2021/06/01(Tue) 19:36:18 公開: 2021/06/01(Tue) 21:50:00 |
シェルタンは、それが“いつも通り”であればいいな、と思った。 (a98) 2021/06/01(Tue) 19:36:29 |
シェルタンは、いつもどおりだ。 (a99) 2021/06/01(Tue) 19:36:36 |
【置】 徒然 シトゥラ 友人に迎えに来てもらって、先生に傷を治してもらって。 親切≠ノ真実を教えてもらって。 これは、よっぽど愛された行為では無かったかと 今は追いつかない感情はその思考をかき消していた。 「……やっぱり、食堂にいけそうにない。」 自分の友人は皆、似たことを言ってくれた。 愛される人間は理由がある。 愛嬌に、特技に、人望に――――自分は足りていない。 絶望した気持ちと同時に湧き上がったのは歓喜だ。 それでも、『見』てくれる人がいるじゃないか。 みんな、『見』てくれるのを待っていてくれていた。 気づくのが遅すぎてしまった、悲しいのに嬉しくて 「こんな泣き顔でいけるわけがない……っ」 見られることもないのに、馬鹿みたいに繕って 大好きな大人と、大好きな子供たちへの気持ちに気づくのに こんなに時間がかかってしまった。 「っ、うぁ……うぁああああああ……」 頭にわずかに赤がにじむ包帯を巻きながら、 図書室の委員だけの秘密の部屋で 朝からシトゥラは泣き続けていた (L33) 2021/06/01(Tue) 19:41:43 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
スピカは、心にヒビが入っていくのを感じている。 (c87) 2021/06/01(Tue) 19:52:56 |
【置】 褐炭 レヴァティ (──参考:Wikipedia) 初期の赤ずきんは、赤ずきんが狼に食べられたところで物語が終わり、猟師は登場しない。 版を重ねるごとに話の内容に手を加えられ、赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるエピソードは、比較的新しく作られたものである。 (L34) 2021/06/01(Tue) 19:54:16 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
【墓】 戸惑い メレフ>>52 シェルタン 「…………」 少年は、触れられたなら それを拒まなかった。 今は、顔色も変わっていない。 「お前の、傍で?……はは…お前、本当に……本当に、馬鹿だよ。 ぼくは、人の肉を食べないと生きていけない。お前を……たまらなくなって、殺してしまうかもしれない。 だから、言いたくなかったんだ。 お前達と幸せに暮らす事は出来ないから、ぼくは ぼくは…………」 死にたかったんだ、と。静かに、頬を涙が伝って。 重なっている君の手の上に落ちる。 「わだかまりがなくせるのなら、おまえ達と……未来を、見たい…… どうすれば、幸せになれるか 分からない。分からないけど…… 許されるのなら、ぼくは…普通に生きていきたい……」 少年は、愛を知らない。返せるものは、持っていない。 だから、ただ そうありたいという気持ちだけを。 君が一緒に見つけてくれるのなら、と。 涙と一緒に、気持ちを 不器用にこぼした。 (+63) 2021/06/01(Tue) 19:54:19 |
レヴァティは、何かを思い浮かべながら呟いた。「帰りますけど、帰りたくないなァ」 (a100) 2021/06/01(Tue) 19:54:31 |
ブラキウムは、恋に落ちた。 (a101) 2021/06/01(Tue) 19:57:53 |
ブラキウムは、二人でどこまでも――落ちていく。 (a102) 2021/06/01(Tue) 19:58:16 |
サルガスは、メレフの"手"を放した。もう、彼が触れ合うことに恐れを持たないように。 (a103) 2021/06/01(Tue) 19:59:08 |
レヴァティは、卒業したら幽霊になります。 (a104) 2021/06/01(Tue) 19:59:58 |
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