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【人】 オルテイシア[引っ越した先は以前住んでいた場所よりも会社に近くなり、部屋も広くなった。 ワンルームの狭さでの一人暮らしに慣れていたから、同棲生活ということに多少の不安はあれど、できるだけ彼の負担にはならないようにしたい。 新しい自分の生活に彼が当たり前のように存在することが、少し擽ったくも嬉しくて。 こうして少し外に出るだけでも、表情が緩んでしまう。 いつか、兄たちのようにちゃんと籍を入れて。 家族が増えていくこともあるかもしれないけれど。 二人きりで暮らす生活は今しか味わえないのだから、思う存分「独り占め」させてもらうつもりで。] (14) 2021/08/11(Wed) 22:12:02 |
【人】 オルテイシア[ショルダーバックを肩に掛けて、出かける支度をする。 お財布は以前に使った共用のものを手にした。 買い物リストを脳内で作り上げる彼に笑って、] 洗濯洗剤はありますけど、 お風呂場の洗剤が足りないかも。 大丈夫です。お洗濯は好きですから、 基依さんのお洋服もふわふわにしますからねっ。 [ふふ、と得意げに笑ってぎゅっと拳を作る。 彼が一人で暮らして居たときも、時折お手伝いと名乗り出て彼女面をして掃除や洗濯はしていたけれど。 同棲するとなればそれが当然のようにできるようになるのだから、少し気分がいい。 家事は手間だと言う人も居るけれど、自分が洗ってしっかりとアイロン掛けまでしたカッターシャツを着て店に向かう彼を見送るのが好きだから苦にはならない。 家事の分担という響きが、尚更、二人で暮らすことを意識してしまって、……はい。と緩んだ顔で頷きを返す。 乗り慣れないトラックに彼の手を借りて乗り込んだなら、お買い物デートですね。なんて浮かれた声で言った。*] (15) 2021/08/11(Wed) 22:12:48 |
【人】 イウダ今日からずっと一緒に暮らすのに、出かける時に「デート」って言ってくれるんだ? [浮かれ声の彼女に目を細めて唇を寄せた。 真昼間の屋外だが、高い位置の座席は通行人からは見えていないだろう。] (16) 2021/08/11(Wed) 22:39:14 |
【人】 イウダスーパーは最後として……浴室洗剤もホムセンにあるよな? ハンガーラックとまとめて買うか。 食事は紫亜が手伝ってくれるなら、思ってたよりも品数作れそうではあるけど、何食いたいか考えといて。 [今日は引っ越し当日だから昨晩はそれぞれの旧家で過ごしたし、作業の為に着ているジャージとTシャツは自分で洗濯したものだが、これからは彼女が泊まった時にしてくれていた洗濯やアイロンがけの後の「ふわふわ」がより高い頻度で味わえるのだ。 そう思うと此方も浮かれてしまう。 糊のきいたパリッとしたシャツに「出来る彼女」の存在を見て、告白を諦めた女性客が居たことは卯田は知らない。] (17) 2021/08/11(Wed) 22:39:50 |
【人】 イウダ[ホームセンターではハンガーラックの他に、部屋干し用の布団も干せる畳める物干し台も買った。 一人暮らしの時には梅雨や雪の季節には干すのを諦めていたし気にしなかったが、彼女と一緒に寝るなら気にしておきたい。 同棲開始カップルあるあるかもしれないが、その他にも色々な便利グッズなどに目移りして、あっという間に時間が過ぎてしまった。 冷静になって見れば、「裏側がモップになっているスリッパ」なんてあまり履かない気もするのだが、同棲ハイとは恐ろしい。] こんな時間か。 明日も一応休み取ってはいるけど、食事が遅いと胃もたれで眠れなくなるかもしれないし、急いで作ろう。 何食いたいか決まった? [二人分だし、冷蔵庫が冷え切っていない真夏だと余りそうな生ものは今は買えない。 彼女が何かひとつ食べたい食材を思い浮かべてくれれば、それを基に考えるつもりで、冷蔵の要らない缶詰と明日朝用のパンをまずカゴに設置したマイバッグに入れた。 最近のスーパーは便利だ。 端末でバーコードを読み取って最後に精算機で精算するという最新式のレジがいつのまにか導入されていた。*] (18) 2021/08/11(Wed) 22:40:17 |
【人】 オルテイシア……ンッ、 [車内とはいえ真昼の最中のキスに瞬いて、頬を染める。 見上げた視線から、嫌ではないのが伝わるのは言わずもがな。] 一緒に暮らしてもデートはデートですよ? いつか子供が生まれたとしても、 お休みの日にはデートしましょうね。 [はにかんで、お返しにと頬に掠めるだけのキスを送ってシートベルトを締めた。] (19) 2021/08/11(Wed) 23:23:41 |
【人】 オルテイシア そうですね……、 あと新しいところだから大丈夫だとは思うんですけど、 虫除けとかも買っておきたいなー…。 [一人暮らしの時は幸いにも出くわさなかった虫にも、殺虫剤での駆除は怠らなかった。 出来れば新居でもご対面はしたくない。念の為と準備しておくのは悪いことではない。もし出会ったら泣いてしまうので。] うーん、食べたいもの。 簡単に作れるものがいいですよね。 何がいいかなぁ……。 [思案に天を仰ぎながら、先行く彼のTシャツの裾を掴んで足を止める。 これからは洋服からも同じ香りがするようになるのだろう。 やっぱり、洗濯洗剤も買い足しておこうなんて口添えをしながら。] (20) 2021/08/11(Wed) 23:23:54 |
【人】 オルテイシア[ほんの少し買い足すつもりだった買い物も、見ているうちにいろいろと手が伸びてしまって結局は軽トラックで来て正解になった。 「裏側がモップになっているスリッパ」は、幼少の頃に見ていた児童向け番組に出ていた緑の怪獣の子供がデフォルメされていて、つい懐かしいなんて話が弾んで赤い雪男もセットにして手にしてしまったのは余談の話。 基依さんが調理中にキッチンで息抜きに座れるようにと、シルバーのハイスツールも購入した。 手の混んだ煮込み料理などをする時には便利だろうと思って。 ホームセンターからスーパーへ移動する頃には日もすっかり落ちてきていて。 晩御飯へのリクエストには、道中悩んだ挙げ句思いついた一品を口にする。] はい、冷しゃぶとかどうでしょう? さっぱりしてるし、簡単に作れるし。 お野菜も食べれるし。 冷たーいトマト食べたいです。 [野菜は実際のところ、好物を言っただけなのだけれど。 彼にならそれも暗黙の了解として伝わるだろう。*] (21) 2021/08/11(Wed) 23:25:43 |
【人】 イウダ[「子供が生まれてもデート」なんて約束を果たして数年後までお互い覚えていられるか―― 今のドキドキは日常に紛れて落ち着いていくとしても、「デート」の時には新鮮な気持ちで楽しめる、紫亜とならそういう関係を築いて行けるという確信がある。 虫除けコーナーではパッケージに印刷されたデフォルメのその虫を触るのも嫌かと卯田が率先して手に取った。 もし遭遇した時には泡で出てくるスプレータイプの台所洗剤が良いと聞いたのでそれも。 卯田は丸めた雑誌で潰せるし殺虫剤も使えるが、自分がいる時に出てくるとは限らないのがあの虫だ。 少しでも彼女の不快を減らす為に、死体も泡で隠せるようにと考えて。 Tシャツの裾を掴む彼女の可愛さに、陳列棚に隠れてまたキスしてしまいそうになったのは秘密。 防犯カメラに映るだろうから今回は我慢した。] (22) 2021/08/11(Wed) 23:57:59 |
【人】 イウダ[ハイスツールは彼女が選ばなければ存在を思い出しもしなかった商品だ。 店には背の低いスタッフがいた時の名残で置いてあるが、今のキッチンスタッフは紅一点も含めて揃いも揃って長身なので踏み台としての出番はない。 煮込みの番の時に座って待てるというのを聞いて、「おお〜」と感動の声を上げた。 そして暮れなずむ町を軽トラで走ってスーパーへと。] 冷しゃぶいいな。 豚バラ薄切りとー、トマトとー、レタスとー、きゅうりと大葉? 二人分だし、レタスは半玉にしとこう。 紫タマネギはもう旬が終わってるから見当たらねーなぁ。残念。 お。でもおかひじきがあんじゃーん。 胡麻和えにして添えて良い? 大好物なんだよな。 [バラ売りの野菜は「バーコードのない商品」のタブから選んで個数を入力。 トマトの目利きは紫亜に任せた。 冷え冷えにする為に、氷も買っておこう。] (23) 2021/08/11(Wed) 23:58:13 |
【人】 イウダポン酢派?ゴマダレ派? 家じゃー俺はどっちも市販のをガンガン使うよ。 どっちも手作りできるけど、保存料は入れられないから傷みやすいし時間も材料費もかかるしな。 [時間があればポン酢はジュレにするという一工夫をするが、今日は固まらせる時間もなさそうだ。 特に反対がなければどちらの瓶も買うことにする。 一晩位なら、冷え切っていない冷蔵庫でも傷むことはないだろう。 後は簡単にわかめスープを作ろうと鶏ガラスープの素と乾燥わかめ、チューブの生姜を買う。 卵も欲しいところだが、二人分を作った残りを置いておくには冷蔵庫が気になるので見送った。 シンプルな工程で出来上がる献立にしては中々上出来ではないだろうか。 今までも何度か紫亜には下拵えを手伝って貰ったことはあるし、新居は前よりもキッチンが広いからより二人で料理しやすくなるだろう。 ダイニングに置いたテーブルは元の家から持ち込んだもの。 紫亜も座り慣れた椅子に座って向かい合う。] いただきます!** (24) 2021/08/11(Wed) 23:58:48 |
【人】 オルテイシア[車窓を眺めながら、ガラス越しに映る横顔を覗く。 運転する腕も眼差しも普段通りだけれど、隠しきれていない耳朶がほんのりと色づいていることが分かれば、小さく笑って。 何気なく口についた一言が、照れ屋の彼を垣間見せる。 一方で、殺虫剤の話をした時には率先して買い揃えてくれるので頼り甲斐もひとしおで。 見るもの触るのもダメだと打ち明ければ、色々と考えてくれた品が買い物かごに入れられていく。 そんな些細なことでも、二人で居るという安心感が胸を満たした。 日々、好きになっていくことに上限はないのだろうか。 カートを押して買い物をするだけで、募っていく思いは留まることを知らない。] (25) 2021/08/12(Thu) 1:16:34 |
【人】 オルテイシア[ハイスツールは思いの外評判で、感嘆の声を上げる基依さんににこにこと笑って、荷物を運ぶ。 大物は基依さんに任せて、細々したものは任される。 自然と役割分担のようなものが出来つつある。] 大葉! 入れたことなった。 おいしそうですね。 [彼の口から「紫」という言葉を聞くと、たまにドキッとする。 自意識過剰かもしれないけれど、自身の名前を思い当たるところがあるから。 逐一反応していては身が持たないのだけれど、こればっかりは慣れない。 当の本人は好物を手にご機嫌な様子で、苦笑を浮かべる。 一品だけでなく、すぐに添え物を思いつくあたりがさすがだと感心して。 もちろん断るはずもない。] いいですよ。 胡麻和え、私も好きです。 [トマトはずっしりと重くて、スターマークがついているものがいいと聞いたから、いくつか手にとってみて気に入ったものをかごに入れた。] (26) 2021/08/12(Thu) 1:17:50 |
【人】 オルテイシア[タレを作らずに市販のものを使うのは少し意外だった。 理由を聞けば、確かに量を多く作るものではないしコストもかかるなら頷ける。] どっちも好きで選べないんですよね。 だから、その時の気分で選んでました。 甘いのが食べたい時はゴマダレで、 さっぱりしたのが食べたい時はポン酢。 [ジュレと聞いたら美味しそう!とついつい返事をしてしまったけれど、今日のところは通常のもので。 二つ買うならどちらの味も楽しめて、お得な感じがする。 夏は本格的に始まったばかりだし、またタレが活躍することもあるだろう。 鶏ガラスープのいい香りがする隣で、トマトをくし切りにして、きゅうりは食べやすいように千切りに。 基依さんほど速く正確に切れる訳ではないから、トントンとゆっくりとした一定のリズムでまな板を叩いた。 お店では見つめているだけだったけれど、こうして隣に並んでキッチンに立つのも、特別な気がして目尻が下がる。] (27) 2021/08/12(Thu) 1:18:58 |
【人】 オルテイシア[支度を終えて、料理がテーブルに並ぶ。 新しく買い揃えたばかりの食器が早速出番を迎える。 向かい合って、両手を合わせて口を揃えた。] いただきます。 [最初はポン酢で。 レタスで豚肉ときゅうりを挟んで、最後に大葉で包む。 シャキシャキとしたレタスの食感と柔らかい豚肉が口の中で蕩けた。仄かに香る大葉の香りが鼻を擽って苦味を和らげる。] んー……ッ、さっぱり。 おいしい〜…… タレが二種類あるって贅沢ですね。 [トマトは氷水にさらしたおかげでとても冷えていて、まるでデザートのよう。 箸休めにおかひじきの胡麻和えを食べれば、食欲が進む。**] (28) 2021/08/12(Thu) 1:20:02 |
【人】 イウダ[初めて自分の家に紫亜を呼んだ日も、こんな風に会話をしながらスーパーを回ったなと思い出す。 彼女の為だけに特別なディナーを作るなら、材料も拘りぬいて金額も気にしない。 時間をかけて手間もかける。 これからも、彼女の誕生日やイベントの時(当日は間違いなく仕事だから後日改めてになるが)には腕によりをかけて作るだろう。 けれど今日は「同棲開始一日目」という特別な日だけれど「これからも続く毎日の初日」なのだ。 記憶に残る初日にハードルを上げてしまうと、「頑張れない日」が訪れた時に今日と比べてしんどい思いをしてしまうかもしれないから。 だから今日のテーマは「出来る範囲で」だ。] 旨いよ大葉。 千切りにしてふわっと肉の上に乗せんの、味のアクセントになる。 [横を歩く彼女を置いて行かないように歩くスピードを落とすのにももう慣れた。 その位一緒にいるけれど、卯田はまだふとした時に紫亜が見せる仕草にときめいて耳を赤くしてしまうし、紫亜の方は「紫」という単語に狼狽えかける。 きっと「好き」の上限なんて、死ぬまで最高値を更新し続けて到達出来ないのだろう。] (29) 2021/08/12(Thu) 16:17:28 |
【人】 イウダ[紫亜が冷しゃぶ用の野菜を切ってくれている間、卯田はさっとおかひじきを茹でた。 アクの少ない野菜だから、茹で汁はそのまま豚バラ肉をしゃぶしゃぶするのに使える。 氷水に少しごま油を垂らしたものを張ったボウルに、茹でた肉を一枚一枚くぐらせて冷やし、キッチンペーパーで水気を拭く。 トマトは綺麗な放射線で維管束が見えているから、そこを切ればゼリー状の部分が弾けずに切れるだろう。 切り方含め、彼女に任せ。 下に生野菜を敷き終わったタイミングで豚肉を乗せ、千切りした大葉をふわっと多めに乗せた。 茹でて水気を切ったおかひじきは一口大に切り、すったゴマと砂糖としょうゆで調味して小鉢に盛る。 肉を茹でるのとは別のコンロで作ったわかめの中華スープを汁椀に注いで、濃口のごま油を少し回しかけた。 そんな訳で、副菜にごまの香りがついているものだから、卯田は冷しゃぶはポン酢で。 紫亜の方は2種類ともを試すらしいので、取り皿にする皿をもう一枚だした。] (30) 2021/08/12(Thu) 16:17:46 |
【人】 イウダ味付けが変わると違う料理食ってるみたいな不思議な感覚になったりするよな。 [しゃく、と口の中でレタスが音を立てた。 大根やサラダ水菜があっても旨いから、次回は違う野菜で試そう、なんてお喋りをしながら食事をするとあっという間。 口の中が冷えたタイミングで飲む中華スープの滋味が身体に沁みる。 ごちそうさま、と手を合わせた。] 洗い物、折角買った食洗器使いたいから置いといて。 作業で汗かいただろうし、先にシャワーでも浴びて来な。 [二人で並んで洗い物をするのも楽しいけれど、これも「出来なかった時のしんどさ」を軽減する為の手間抜きのひとつ。 機械に食洗器用の洗剤を計って入れて、皿も箸も突っ込んでいく。 茹でた大鍋は入らないから手洗いだが、俎板も合わせてこの程度なら、紫亜が出てくるまでに終わる筈。*] (31) 2021/08/12(Thu) 16:19:00 |
【人】 オルテイシア[手間を省くつもりで選んだ料理も、彼の手にかかれば一手間かかるから不思議なもので。 一人暮らしの手前、それなりに包丁を握った経験があったとしても、耳にする度に新鮮な驚きを得るから面白い。 多分それは、興味の度合いの違いでもあるけれど。 食べるためだけに料理を作っている私と、趣味と仕事を兼ねた基依さんとでは知識の豊富さが違うのだろう。 彼がさりげなく話題の端に付け足す情報も、今後のためにとスマホのメモアプリに書き足すようになったのはいつからか。 いつの間にかそれなりの量にはなっている気がする。 普段は任せっきりだけど、料理が好きな彼のことを自分の手料理でもてなしたい時もきっと訪れるだろう。 例えば、仕事で疲れた時に。 例えば、特別な日に。] お料理、私も上手くなりたいです。 プロの味までは行かなくても、 一緒に作れるように、なりたいから。 [だから、これから教えて下さいね?なんて。 今更だけど口にして、弟子入り志願を申し出た。] (32) 2021/08/12(Thu) 19:29:34 |
【人】 オルテイシア[ゴマダレに、胡麻和え。 中華スープにはほんのりとごま油が浮かぶ。 薬味の中でも特に好んでいるから、香りが広がるのを楽しんだ。] 素材は一緒なのに、不思議ですね。 温かいしゃぶしゃぶも、つい色々試しちゃいます。 [ポン酢を楽しんだ後はゴマダレに切り替えて。 冷えた野菜と共に楽しんで、仕上げにはスープが身体を温める。 身体が温まるとほっと息をついて、箸を置いた。 片付けに立ち上がろうとしたら掛かった一言に、新たに増えた強い味方を思い出す。 出来ることはするにしても、文明の利器があるなら使うに越したことはない。 彼がおすすめした食洗機はこれからもきっとたくさんお世話になるだろう。] ありがとうございます。 じゃあ、お願いしてもいいですか? [使い方は基依さんの方が手慣れているだろうからお任せすることにして、席を立った。] (33) 2021/08/12(Thu) 19:30:15 |
【人】 オルテイシア[新しいバスルームは一人で暮らしていた頃よりも随分と広く、私一人でなら足を伸ばせる程。 夏場でもゆっくりとお湯に浸かりたい時はあるけれど、今日はさっぱりとシャワーを浴びるだけにした。 埃や汗で汚れた身体を洗い流して、新しいショーツを身につける。 最近、困ったことにブラのサイズが少し窮屈になった気がして、ワンサイズ上のものを身につけるようにした。 思い当たるフシは、なくはないのだけど。 だが、本日は胸元は窮屈な思いはしない。 同棲一日目。 何かを期待する訳じゃないけれど、気にしないはずもなくて。 彼の同僚と買い物に行った時からずっと眠っていたものを引っ越しの際に取り出した。 淡いピンクのベビードールは、胸元や裾にはフリルが広がっていて心もとないぐらいに肌が透けてみえる。 着てみて鏡越しに確かめれば、改めてそれを実感して恥ずかしくなった。] でも、せっかくだし、 ……いい、よね? [何を確認するのか自問自答して、一つ頷く。*] (34) 2021/08/12(Thu) 19:31:29 |
【人】 イウダ元々料理が苦手って訳でもないし、 つきあいはじめの頃よりも随分上達したと思うよ。 [千切りのスピードはプロに軍配が上がるけれど、斜め薄切りにしてから細く切るその細さはほぼ同じだ。 均一に切られたものは見た目も美しく仕上がるし、食べた時の食感もトゲがなく噛みやすいのだと褒める。 料理中だから、頭を撫でる代わりに目を細めて頷いた。] 「好きこそものの上手なれ」ってね。 紫亜は食べるのも―― 「俺」も、好きだろう? すぐに「教える側」くらいに上手くなるんじゃねぇかな。 [弟子はその内、将来ふたりの間に出来る子どもにとっての「師匠」になるだろう。 卯田が料理中に放つちょっとした蘊蓄もスマホにメモを残しているくらい勉強熱心な子だから。] (35) 2021/08/12(Thu) 20:16:13 |
【人】 イウダ冬はテーブルにIH調理器置いて鍋でしゃぶしゃぶしような。 鍋でしゃぶしゃぶするレタスも旨いしスライスもちも楽しめる。 [食べている最中なのにもう別の機会の料理の話をするのが根っからの料理人。 きれいさっぱり平らげて、後片付けは請け負った。 大鍋とはいえ業務用と違い重さは軽い。 使う頻度はそうないだろうから、拭いて仕舞うのは上の棚。 紫亜が取るなら今日買ったスツールが役に立つだろう。 食洗器のスイッチを回してテーブルの上を拭き、布巾を洗って干しておく。] (36) 2021/08/12(Thu) 20:16:27 |
【人】 イウダ……。 [紫亜が出てくるまで暫し、そわそわと。 シャワーの水音に聞き耳を立てるなんて、本当に10代みたいだ。] ……おかえり。 じゃ、俺もさっと浴びてくるな。 [すれ違う紫亜からはシャンプーの良い香りがする。 卯田は職業柄香りが極力しないものを通販で買うようにしているので、きっとこれから長く暮らしても毎回この香りにどきっとすることになるだろう。 寝室へと向かう彼女のしっとりとした髪の艶に暫し見惚れた後、バスルームに向かった。] (37) 2021/08/12(Thu) 20:16:45 |
【人】 オルテイシア本当ですか? だったら、嬉しいな。 [彼の肯定にぱっと目を輝かせて喜んで。 思わず跳ねそうになったけれど、今は包丁を手にしているからぐっと堪えた。 彼が口にした言葉は、私よりずっと彼を表していたけれど。 その後続いた問い掛けには、頷くほかなくて。] ……はい、好きです。 教える側になるまで、練習あるのみ。ですね。 [「好き」には存分に意味を込めて。 いつか教えられるのなら、将来一緒にキッチンに立つであろう子供を思い浮かべて、はにかんだ。] (38) 2021/08/12(Thu) 21:01:02 |
【人】 オルテイシア[冬の楽しみも、将来への夢も、一緒に考えられることが嬉しい。 一人で恋に焦がれていた時とは違うのは、こうして話し合うことが出来るようになったこと。 浴室に置かれた二種類のシャンプーも、 広くなったベッドも、 これから毎日見慣れていくようになる。] (39) 2021/08/12(Thu) 21:01:10 |
【人】 隣人 ツクモん?何だこれ、手紙……? 『隣に引っ越してきました。 ご不在のようでしたので 改めてご挨拶に伺います。 卯田・織戸』 へえ〜同棲?ルームシェアかな。 今時引っ越しの挨拶とは…… (40) 2021/08/14(Sat) 17:44:14 |
イウダは、メモを貼った。 (a0) 2021/08/14(Sat) 19:20:27 |
オルテイシアは、メモを貼った。 (a1) 2021/08/14(Sat) 20:26:53 |
【人】 イウダ――翌日―― すみません、隣に引っ越してきた卯田です。 ご挨拶に伺いました。 [出てきた隣人は男性だった。 警戒したが、今ちょうど旅行中の奥様との二人暮らしだそうだ。 紫亜と一緒に菓子降りを渡して「よろしくお願いします」と頭を下げた。**] (41) 2021/08/15(Sun) 23:58:02 |
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