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天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。 2022/06/09(Thu) 23:01:58 |
【人】 晨星落落 ヌイバリ青年は、端末の連絡を見て。 資料室で自分が被っていた毛布に刺繍を始めていた。 こんな時に何をと自分でも思ってしまうけれど、 こうしている間だけは、余計なことを考えずにいられる。 昔みたいだな、とだけぼんやりと思った。 デフォルメされた青い目の狐。 その傍に葡萄。猫。一番星。 大きな白い狼。薔薇。雪だるま。 モチーフも何もかも整合性のないばらばらなものたちを、布の上に写し取って。 皆が帰ってくるまで時間をつぶしていたことだろう。 (0) 2022/06/10(Fri) 0:07:22 |
【墓】 妄執 ユウキ>>4:49 >>4:50 >>4:51 三十三 青年の瞳が、蛍光灯の輝きを反射してほのかに光っている。 ビー玉にも似た瞳が、ただじぃっと貴方を見つめ、過去をなぞっていく。 人の救出よりも現場の保存を優先した行動が批難されることは想像に難くない。けれど、青年は貴方が自分を貫いたことに対し酷く嬉しそうに微笑んでいた。 「……いいですね。とってもいい! 人を救うことは確かに大事です。でも、それまでの歩みを記録することだって同じくらい必要なことだ。 人の進化は日々の積み重ね。礎を築いて届くもの。 その礎となった者たちを忘れてしまったら。誰の記憶からも無くなってしまえば、その人の存在は誰からも証明されなければ、無かったものと同じことです。 人の進化の歴史と、今の俺たちは数多の生死の積み重ねで出来ている。それを知らずに生きていては、これからの歩みが軽いものになってしまいますよ。きっとね」 ▽ (+0) 2022/06/10(Fri) 17:08:08 |
【人】 ピントを合わせて ライカ>>+0 >>+1 結木さん 「そう…なのかもしれません」 「……いや、これは 僕がおかしいと思いたくないから。そう思っているだけかもしれませんけどね」 それでも。 今は肯定される事が救いだ。 自分の行為が背徳的なものだと分かっていても、少しだけ心が軽くなったような気がするから。 「有り難い?」 ぱち、と目を瞬かせて。 自分を覗き込む貴方の瞳を視界に入れる。 「……死にゆく人ではなく、死に直面したうえで、生きていく人。ですか」 「言うまでもないですよ」 「勿論、興味があります」 これまで、出会う機会がなかっただけだ。 命の危機を乗り越え、生きる姿は 死に近付いた者としてさぞ興味深いものなのだろうと。 三十三来夏は、考えている。 だから、迷いなく頷いた。 (1) 2022/06/10(Fri) 22:45:58 |
カナイは、言葉を発する事は無い。 (c0) 2022/06/11(Sat) 15:36:35 |
カナイは、血に塗れ、呼吸も鼓動も止め、指先一つ動かす事も無く (c1) 2022/06/11(Sat) 15:36:46 |
カナイは、当たり前に、誰の目にも死体といった有様で、けれど (c2) 2022/06/11(Sat) 15:36:56 |
カナイは、ただ眠っているように、深和に連れられ、そこに居る。 (c3) 2022/06/11(Sat) 15:37:14 |
マユミは、そのタブレットのファイルはほとんどがロックされている。 (c4) 2022/06/11(Sat) 16:46:58 |
マユミは、この場に残る姿もなく、遠くの仮眠室にいる。 (c5) 2022/06/11(Sat) 16:47:04 |
マユミは、ひとりぼっちだ。 (c6) 2022/06/11(Sat) 16:47:21 |
カナイは、ひとりぼっちの寂しさを知っている。 (c7) 2022/06/11(Sat) 22:03:44 |
マユミは、暗い夜をゆく人だ。そして、日向へ向かう人だ。 (c8) 2022/06/11(Sat) 23:49:22 |
カナイは、針の路を歩く。 (c9) 2022/06/12(Sun) 0:08:18 |
カナイは、正しい路は今もわからない。ただ、待つ人の居る方へ。 (c10) 2022/06/12(Sun) 0:08:28 |
マユミは、目を瞑って、冷たく暗い天井を見上げている。 (c11) 2022/06/12(Sun) 1:01:31 |
マユミは、本当はその向こうを見ている。いつか日が 迄。いつか月が 迄。 (c12) 2022/06/12(Sun) 1:03:37 |
ライカは、カジヤマを背負って 皆が集まっている部屋に向かうのだろう。 (a0) 2022/06/12(Sun) 1:39:56 |
ライカは、ユウキにも声をかけていたはずだ。一緒に行きましょう。 (a1) 2022/06/12(Sun) 2:03:45 |
フカワは、タブレットのロックの向こうをいくつか想像してみた。 (a2) 2022/06/12(Sun) 4:24:14 |
フカワは、マユミとカナイの様子を鑑みるに、未来と叶い損ねた願いばかりが詰まってるのだろうと想った。 (a3) 2022/06/12(Sun) 4:28:28 |
フカワは、一度沈んだらもう登れない、一方通行を行く。西に沈んだ夕焼けの残光がなければ今にも消えてしまいそうで。 (a4) 2022/06/12(Sun) 4:33:55 |
フカワは、ひとりぼっちの寂しさを智♂していた。 (a5) 2022/06/12(Sun) 4:35:24 |
フカワは、ただ、そこにいたかった。 (a6) 2022/06/12(Sun) 4:35:34 |
【墓】 妄執 ユウキ>>1 三十三 「おかしいおかしくないなんて、そんなもの個人の価値観で如何様にでも変わります。大衆に平等に与えられた倫理道徳の物差しで考えるなら、ある程度反応は揃ったものになるとは思いますが。 思い込みでも、俺は貴方の背を押しますよ。それで貴方らしさを守れるのなら。貴方がやりたい事をして、どんどん活躍できるのなら」 世間から、常識から見て批難されるものであるかどうかは一応この青年も判断が出来る。 それでも、分かっていて青年は背中を押すのだ。 「はい。俺は人の歩みを見るのが好きです。可能性を見るのが好きです。 人がどのように進化していくのか、その成長を見守ることが好きで、その果てを見届けるのが夢なんです」 ああ、思い出した。 そう、自分は、その為に動いている。 「だから俺の知らない場所で知らない人がどんな事をしたのか、その軌跡を保存してくれる方というのは大事な存在なんですよ。 三十三さん。貴方のような、死という忌避されるべきことを記録してくれる方は特にね」 ▽ (+2) 2022/06/12(Sun) 17:55:54 |
【墓】 妄執 ユウキ>>1 三十三 「……えへへ」 迷いのない回答に、青年は吐息混じりに小さく咲う。 「よかった。うれしいな。あのね、三十三さん。 どうか、願わくば── 理不尽に巻き込まれ、それでも尚生き延びた人たちと可能な限り連絡を取って、彼らのその先を記録してほしい。 ここで喪われた命を、この組織の進化の歩みを、どうか可能な限り覚えていてほしい」 「三十三さんが聞く義理もない勝手なお願いなんですけど。でも、託すならきっと貴方が一番だと思って。 きっと、此処で起きたことは揉み消される可能性が高い。そして生きて帰った人たちがこの件を世間に明かすことは恐らく難しいことだと思うんです。社会という世界も結局のところ力を持った生き物が全てですから」 ▽ (+3) 2022/06/12(Sun) 17:56:35 |
【墓】 ひとがすきな ユウキ>>1 三十三 「俺はこれもまた人の進化の過程だと思っているんです。 ダート製薬という組織としても、理不尽に巻き込まれた人たちとしても。 人を変え、考えさせ、己の意思と選択を以って次の一歩を踏み出させる転機です。 俺はそれが無きものにされるのがたまらなく寂しい。 だから……だから、どうか。貴方だけでも。 どこまでも悼ましい事実にも目を逸らさずちゃんとフォーカスを当ててくれる貴方だけには。 此処で人々が何をしたのか、切り取り、アルバムに収めてほしい。 人の意思を、記録してほしいんです」 冷え切った腹が、じくじくと痛む気がした。 自分はもう、人の進化を見届けることが出来ないから。 こうして動いて喋ることができるけど、外に出ることは叶わないから。 だから貴方に。三十三来夏に。 世界に真正面から目を向けてくれる貴方に。 願いを託したい。 名前の知らない者達も含めた、人の進化の過程を記録して、存在を証明してくれることを。 (+4) 2022/06/12(Sun) 17:58:07 |
ユウキは、人が好き。ただ、それだけ。 (c13) 2022/06/12(Sun) 17:59:16 |
【置】 棕櫚の主日 コゴマ「……」 人に、誰かに。託して、それで。 託したものが帰ってこなかった時、人はどのように片割れを迎え入れれば良いのか。 帰り路、つかず離れずの距離で資料室までの道をついて歩き、 その間にどれほど言葉を交わせたものか、おそらくは片手で数えられるものだったろう。 駆けつけるも間に合わなければ、手を貸すことも出来ず。 気にしないで良いことなのだろう、それは当人の資質として出来ないことだった。 「……はい。前線を守っていただいたおかげで、こちらは特には。 状況としては新しいものを見つけられたわけではないですが、まあ。 聞く限り当面の最も警戒すべきには、対処できたのではないかと」 資料室に入り、状況についていくらか言葉を交わす。 これからどうするか。脱出すべき手立ては、どれだけ見つかったか。 歯がゆさのまま、鉄パイプを握り締めて資料室を出た。 果たして自分はどれだけ彼らを慮れただろうか、わからない。 投げ出すだけを投げ出して、この中で負った苦しみを肩代わり出来たか。 暴れるもののいなくなった廊下はどこまでも静かだった。 遠くの方で聴こえる足音は、幾人かの隊員を失って警戒態勢にあるようで、 あまり広範に見回っている様子でもない。 多少なり不用意にふらついたところで、困るようなことはなさそうだ、と思った。 (L0) 2022/06/12(Sun) 18:39:11 公開: 2022/06/12(Sun) 18:45:00 |
【置】 晨星落落 ヌイバリ伊縫 玻璃にとって。 針は自らの境界を知るための道具だった。 たとえば、自分の指を一本たてて。 カラフルな待ち針を一本、その指に向かって突き立てる。 にんげんの皮膚は脆く、破れやすい。 あと少し力を入れればぷつりと傷ができて、真っ赤な血の玉があふれてくる。 そのほんの少し手前で均衡を保つと、痛みも、自分の気持ちも、 全部思い通りに、『意思』のままに支配下に置けていると――錯覚する。 ただ自傷するだけだと両親を心配させてしまうから、 大切な裁縫箱に全てをしまい込んで。 玻璃は壊れて戻らないものだった。 10年前のあの日、姉と友人の――瑠璃姉と、真珠さんからの手紙を皆に配った時に。 『皆への感謝の手紙だから、私たちがいってから皆に配ってあげてね』 その言葉を鵜呑みにして、任せられた仕事に張り切って配って歩いて。 自分への手紙を開けようと喜び勇んで家に帰った時には、もうすべてが終わっていた。 青年は、少年は、知っていたのに。 姉とその友人が何かに悩んでいたことも。 ラベルのない薬の瓶を、こっそり机に隠していたことも。 それを、『願いを叶えてくれる魔法の薬』と呼んでいたことも。 だから今も、手書きの手紙が嫌いだ。 (L1) 2022/06/12(Sun) 20:44:23 公開: 2022/06/12(Sun) 20:50:00 |
【置】 晨星落落 ヌイバリ守ってあげたかった。 皆を助ければ、取りこぼさなければ、今度こそ、 愛することを許されるはずだと信じて。 でもそれはとんだ勘違いで。 守るどころかずたぼろになって、助けてもらって、大泣きして、 そうして今ここにいる。 青年の指先は、 焔 を灯したかのように熱を持っていた。時間なのかな、と青年はぼんやり思う。 幾人かの人々の顔が脳裏に浮かんで、消えて、 誰かを泣かせるようなことにはならないといいな、と思った。 (L2) 2022/06/12(Sun) 20:44:56 公開: 2022/06/12(Sun) 20:50:00 |
ヌイバリは、目を閉じた。 (a7) 2022/06/12(Sun) 20:46:57 |
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