人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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視点:人


【人】 萩原 悠人

─ むかしのはなし ─

[妹が自分を特別ではないと思っていることを
痛感したのは一体いつだっただろう。

正確に言えば、兄としては特別だった。
けれどそれ以上の意味を持つことは終ぞなかった。
その事実に正直心を締め付けられる思いではあったが、
同時にほっとしたことを覚えている。


親無し同士、くっついたところでどんな未来がある。
あの子はもっと幸せになるべきだ。
偽りではなく本当にそう思っていた。


しかし心ってのは案外面倒くさいもので。
彼女に逢いに行くことをやめることは出来なかった。
愛していたから、報われなくとも傍にいたかった。
何も無い自分の中にあるのは、彼女への愛だけだった。

…………だから、気付くことが出来なかったのだろう。
あまりに周りへ無関心すぎて、自分に入れ込む女のことも
よく分かっていなかったのだ。
気づいた時にはもう、全てが遅すぎた。

仕事仲間たちが俺に忠告をしなかったのは、
歳が浅い割に上位の成績を収めていたからだろう。
少しは痛い目を見ればいいと思っていたのだと、
あとから懺悔するように言われたのをぼんやり覚えている。
]*
(11) 2019/04/19(Fri) 16:07:55