人狼物語 三日月国


227 【身内RP】une jeune sorcière【R18】

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視点:人


【人】 爽快ブラスト チアキ


先生が画像を消してしまったことに私は驚きました。
だって、先生は魔法少女に興味があるようでしたから。
けれど、それは男子生徒も同じです。
驚いたように目を見張り先生に文句を言いかけましたが、それをやめてしまいました。
そして不服そうに立ち去っていきます。
私はそのやりとりを呆然と眺めていました。
だって。
とても、とても怖かったのです。
アムニャックとしての立場を守るべきか。自身を守るべきか。個人として。王族として。
私は王族としての立場を守るべきでした。本来ならそうでした。
でも怖くてそれができなかった。
そんな私を、先生は気遣ってくださいます。
先生に抱きしめられ──私はハッと目を見開きました。
こんなはしたない事。
 
 
「せ、先生、ありがとうございます…。
 でも、その、…叱られてしまいます。」
 
 
少しだけ手で先生の胸板を押しました。
助けて頂いたのです。それなのに拒絶するのは流石に申し訳なかったのです。
それに、ユスターシュ様にもこんな風に抱き寄せられたことは無かったはずです。
デビュタントの時、ホールでダンスを踊ったあの時くらい。
男の方にそんなことされたことがありませんから…私は震えながら、耳まで赤くしてしまっていました。
 
(0) 2023/10/18(Wed) 22:05:33

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
ぐす、と。様々な思いが綯交ぜになって、涙がまた溢れて。
 
 
それでいても、思ってしまうのです。
ユスターシュ様にお会いしたい。
ユスターシュ様に元に戻っていただきたい。
ユスターシュ様に、
でも、
 
ユスターシュ様の本当の想いは…どうなのでしょうか。
いつの間にか、私は先生の腕の中。
胸元に額を押し付けるようにして、縋り付いてしまっていたのです。
 
先生ですから、大丈夫。そう、信じて。**
 
(1) 2023/10/18(Wed) 22:06:43

【人】 爽快ブラスト チアキ


きっと抱きしめられている間。私が縋ってしまっている間。
無意識のうちに癒しの魔力が漏れたでしょう。
それも致し方ありません。
この能力はあまり医師の力は関係ないのです。
抱きしめれば、抱きしめられれば、相手を癒してしまう。
それを膝枕の時のように強める事はできても、弱める事はそうできませんでした。
 
先生が少しよろけて、それに謝罪してくれました。
私は首をゆっくりと横にふります。
 
 
「いえ、ありがとうございました。
 おかげで助かりました。」
 
 
涙がまだ残っていましたが、暖かな腕に救われたのは事実です。
ほんの少しだけ、ユスターシュ様に申し訳なくなりましたが──。
私は先生を見送ります。
顔を洗い、少し遅れて授業に戻りました。
その後は1日何事もなく過ごせるはずでした。
けれど。
 
(15) 2023/10/19(Thu) 20:14:19

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
私はまた屋上に来ていました。
それも、たった一人で。
サアヤは用事があるようですし、リッコは何やら考えたいことがあるようです。
私も考えたいことがありました。
だからこそ、昨日ユスターシュ様と再会したその場所で一人佇んでいたのです。
 
 
だから、生徒の姿のまま、魔力を乗せて歌を歌いました。
それはユスターシュ様にだけ教えた、内緒の──。
 
 
『瞼閉じれば 煌めいて
 美しき夢 果てしなく
 悲しまないで ここにいる
 愛しい日々の 子守唄』
 
(16) 2023/10/19(Thu) 20:14:49

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
かつて私の乗った馬が暴走する事がありました。
本来ならキツネリスだけで驚いて暴走してしまう子ではありません。
私は驚いて振り落とされまいと馬にしがみつきました。
悲鳴は皆に届いたのでしょう。
その悲鳴も一瞬の事で、私は必死にその子にしがみつくしかありませんでした。
 
 
その子がやがて落ち着いて、その子に水を飲ませようとした頃。
木に繋いでいたはずのその子が消えてしまいました。
その時点で私はやっと、何者かの悪意を悟りました。
音を奏でるミュジークの者たち。
けれどそれとは逆に、音を消し去る一派もいましたから──おそらくは。
 
 
途方に暮れていると雨が降ってきました。
雨宿りする場所を探します。
積極的に私を殺しに来るかと思いましたが、幸か不幸か私が防御の魔法に長けている事を知っていたのでしょう。
直接手を下すよりは事故に見せかけて。
その手段を取ろうとしていたのかもしれません。
或いは、もし身を潜めていなければ誰かに攫われていたのかもしれませんでした。
 
(17) 2023/10/19(Thu) 20:15:41

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
雨風が激しく、あたりは暗くなっていきます。
心細くて泣きそうになっていました。
こんな時に誰も探しにきてはくれないのです。
いいえ。
若しかしたら隠れているせいで見つけられないのかも。
そう考えましたが、雨風が酷すぎてここから出る事ができないのです。
そんな時に歌っていたのがその歌でした。
誰かが聞き届けてくれると信じて。
 
 
その歌が届いたのかどうかわかりません。
>>13けれど、私を見つけてくれた方がいらっしゃいました。
騎士のユスターシュ様。
私の姿は見窄らしく濡れそぼっていて、泥にも汚れて、とてもみられた者ではありませんでした。
それでも救いの手にパッと顔が綻び輝きます。
 
 
「ユスターシュ…!?」
 
 
けれど、その手を取ろうとした時。
ユスターシュは剣を手に何かに攻撃しました。
巨大なクマが近づいていたのです。
私は恐ろしさに蒼白となりましたが、彼の剣技に見惚れました。見惚れましたが、彼が傷つく事が耐えられずに防御魔法で敵の攻撃を弾いたり、彼の一撃に力を与えたりしたのです。
そんなふうに補助をしましたが、それでも彼の怪我は多くなってしまいました。
 
(18) 2023/10/19(Thu) 20:16:08

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
「ユスターシュ…、あなた怪我を…!」
 
 
そう。その頃はただの姫と騎士でしたから、敬称をつけていなかったと思い出します。
それでも彼は憧れの方で、そんな彼が傷ついているのをみていられずに彼に近寄りました。
そして戸惑いながらも腕を差し伸べます。
そっと、雨に濡れても血に濡れても構わないと言うように、彼の胸元に縋りました。
 
 
「…はしたなくて、申し訳ありません。
 けど、私を守るためだからと言って
 傷ついたままでいて欲しくありませんから…。」
 
 
そうする事で発動する癒しの魔力。
それがきっと彼の怪我を治してくれるでしょう。
そしてきっとそれが、ダンス以外での唯一の抱擁だったに違いありません。**
 
(19) 2023/10/19(Thu) 20:16:31

【人】 爽快ブラスト チアキ


あたりに結界が貼られたことを感じます。
私は辺りを見渡しました。
そして彼と目があったのです。
ユスターシュ様。やはりいらしてくださった。
いつも見つけて下さるのはあなた。
あの時も優しい言葉をくださったけれど、その時の私のときめきをあなたは知らないでしょう。
あなたが婚約者に選ばれた時の私の歓びも。
あなたが失踪した時の絶望も。
私は彼に微笑みかけました。
微笑みかけて、そして両手を組み合わせて祈りの姿勢をとります。
私の身体は淡い光に包まれて。
 
(42) 2023/10/20(Fri) 20:59:50

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
再び彼を見た時には、本来の姿に戻っていました。
 
 
「ユスターシュ様…。」
 
 
けれど、武器は持ち合わせていませんでした。
想いは決意。そうだと言うのなら。
 
私の武器は武器足り得ません。
彼にとっての私の武器は、ユスターシュ様への想い。
それしかないと思えましたから。
 
 
「ごきげんよう、ユスターシュ様。
 お会いしたかったです。

 ──結界まで張って、私をどうなさるおつもり?」**
 
(43) 2023/10/20(Fri) 21:00:11

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
「私も存じませんでした。
 ユスターシュ様が精霊を呼べる事を。」
 
 
そう。ユスターシュ様の剣技は素晴らしいものでした。
けれど、彼は音を扱う魔法は使っていたでしょうか?
少なくとも、精霊を扱う様は見ていなかったのではないでしょうか。
だから私は彼の中にあった秘密に眉を下げます。
それは、彼が別人という事なのでしょうか。
それにしては似すぎています。
そして名前まで同じだなんて。
 
 
彼は影武者だったのでしょうか。
婚約者であるユスターシュ様。
その姿に似せ名前まで同じにして、私の心を惑わすための?
いいえ、それでも魔力を似せることはできないはずです。
双子? いいえ、双子なのにユスターシュ様の名を二人とも名乗るのは違和感がありませんか?
私にはわかりません。
わかりませんでしたから。
 
(54) 2023/10/20(Fri) 23:04:47

【人】 爽快ブラスト チアキ


「ええ。もし貴方が私のユスターシュ様では無いのなら
 命を失う覚悟はできています。」
 
 
貴方がそうであると信じたかったのです。
だって魔力が似ていました。まるで同じ方のもののように。
姿形も瓜二つでした。
ただ、記憶が違い、精霊を伴うだけ。
だから私は半ば確信していました。
一縷の不安はありましたが、だからこそここまで肌を晒して彼の治癒を望んだのです。
ここまでして間違っていたのなら──私は命を失う事になっても構いませんでした。
仲間たちや国の皆様には申し訳ありませんが、故意に殉じて使命を果たせぬ愚か者となじってくれて構わないのです。
彼の晒す肌にどきりとして頬が熱くなりました。
けれど、そっと彼に身を寄せ、抱きしめて──。
 
(59) 2023/10/21(Sat) 9:23:58

【人】 爽快ブラスト チアキ

 
「えっ? …きゃっ!?」
 
 
>>58ユスターシュ様の呟きに目を見開きました。
そして突き飛ばされよろけてしまいます。
そのまま尻餅をついて呆然と彼を見上げました。
貧民街?攫われた?ミュジークの騎士が…ドローイグの子供を?
あまりの言葉に理解が追いつきません。
ただ、そう。
別の意味でも私は呆然としていました。
いえ、顔面蒼白となり愕然としていました。
ユスターシュ様は騎士でした。
由緒正しいミュジークの貴族であったはずです。
それなのに。私が癒して彼が取り戻した記憶は。
──あまりにも別のもので。
 
(60) 2023/10/21(Sat) 9:24:18