ランダム機能


ユーザ登録




人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人

全て表示


パイ焼き ゲイザーが参加しました。

【人】 パイ焼き ゲイザー

[これは、速崎璥が高校生だった頃の話。
 料理部の学期末パーティーの時に、高校生速崎はその伝説を作った。]


  私はスターゲイジーパイ作るね!


[ある部員はあからさまに嫌な顔をし、ある部員は「やべーわ」と嘲笑し、ある部員は「ここ日本だから!」と叫び、ある部員はよく分からないけれどなんかすごいものを作って貰えるらしいことに期待して頷いた。
 顧問の教員は「とりあえずやってみなさい」とだけ促した。 
 そして、
速崎は本当にスターゲイジーパイを焼き上げた。
]
(2) 2023/03/01(Wed) 7:25:37

【人】 パイ焼き ゲイザー


 ほら、イイ感じでしょ?
 イワシのワタをちゃんと抜いてキレイに洗えば、
 マズいとか生臭いとか全然ないんだよ。


[したり顔ですらなく、さも当然と言わんばかりの調子でこう告げる速崎だったが、実際、パーティーに出されたこのパイは「食べると美味しい」と評判になる。
 これ以来、スターゲイジーパイメニューを堂々と貫いた速崎には「ゲイザー」のあだ名がつくようになった。

 なおこの件は、大学進学後に『Madam March Hare』にバイト志望として履歴書を持ち込んだ際の自己アピール欄に、
【良質なスターゲイジーパイを作れます】
の一文という形でも書き記された。
 「速崎(ハヤサキ)」の苗字が読みにくいとか紛らわしいとかの事情もあり、速崎本人は大学でもバイト先でも、この伝説の「ゲイザー」のあだ名で呼んでくれていいと周囲に話してはいたのだが――]
(3) 2023/03/01(Wed) 7:29:15

【人】 厨房担当 ゲイザー

[そんなゲイザーこと速崎璥は、今では『Madam March Hare』に正社員として勤務している。
 通し出勤の厨房担当として、ランチメニューの仕込みをこの日も行っていた。

 スモークサーモンとほうれん草を加えたトマト風味のクリームソースを、もちもちとした食感のタリアテッレと合わせれば、本日のランチタイムのパスタメニューのひとつが出来上がる。**]
(4) 2023/03/01(Wed) 7:40:37
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a1) 2023/03/01(Wed) 7:46:01

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a2) 2023/03/01(Wed) 7:50:34

【人】 厨房担当 ゲイザー

―『Madam March Hare』店内―


 おっはよーマシロん!
 今日も一日頑張ろうね。

[自分より少し後に出勤してきた同僚>>6に、いつも通りの挨拶を。
 ……「いつも通り」といっても、通し出勤でないこともある(休みの日も異なるかもしれない)大咲とは、昼営業で常に一緒という訳ではない。
 それでも、勤務歴三年で厨房の扱いも慣れた大咲との、仕込みや準備の連携>>7は滞りなく進む。]


( ミートボールのボロネーゼ、濃厚カルボナーラ、
  ジェノベーゼ、サーモンクリーム……
  ランチメニュー分のはこれでよし、と )


[勿論、評判のパスタランチ以外の軽食――サンドウィッチとか、季節の野菜を用いた単品のサラダとか――の準備だって抜かりなく。
 食後もしくは軽食代わりのデザートの準備も欠かせない。アルコールこそ今の時間は出さないものの、紅茶やコーヒーの準備だってそう。]
(13) 2023/03/01(Wed) 11:25:27

【人】 厨房担当 ゲイザー

[早速この「不思議の国の扉」を開いたお客様に、大咲が笑顔で声を掛ける>>8のを耳にしながら。
 速崎の方はまだもう少しだけ、オープンキッチンとバックヤードとを行き来しながら、開店間もないキッチンの業務に勤しむ。
 イヤーマフの耳元部、トレードマークのオレンジ色の鮮やかさは、カウンター越しの客の目にも目立って映るかもしれない。]


( あっぶな。カップ罅入ってるかと思った……。
  大丈夫だな、よし )


[そう確かめ直して元の位置に戻したティーカップとソーサーには、ワンポイントとして水色のウサギのシルエットが描かれている。
 コテコテな「不思議の国」っぽい主張のないシンプルな装飾は、店内のトランプとティーセットのモチーフの存在感にも似たささやかさ。
 それらは、造りの良い木製のインテリアで統一された内装を飾りすぎず、けれども確かに、不思議な物語へときめく童心を思い起こさせるような。きっと、そんな彩りだ。**]
(14) 2023/03/01(Wed) 11:49:25
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a6) 2023/03/01(Wed) 11:50:43

【人】 厨房担当 ゲイザー

[それは、今ではないいつかのこと。
 勤務中に尋ねられたこと>>16に、速崎はすぐさまに頷いていた。]


 うん。それで高校時代は「伝説のゲイザー」って
 部活でもクラスでももてはやされてさ。
 店長にもゲイジーパイのことアピって
 お店に採用して貰ったんだー。


[実際のところ、本当に採用の決め手がスターゲイザーパイの腕前だったのか否かはさておき]


 だからフィエちも、私のことは気楽に
 「ゲイザー」って呼んでくれていいからね。
 「速崎さん」なんて堅苦しいっしょ?


[そりゃ年下なら「さん」付けのほうが呼びやすいかもだけど、と付け加えながら笑ったものだった。]
(32) 2023/03/01(Wed) 16:55:27

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さて、この尋ね事ををした「フィエち」もといフィエ・黒原=ベイカーは今、勤務歴1年のれっきとしたフロア担当であり、この店の一員だ。
 夜シフト中心のその人に、今日、昼シフトが入っているか否かについては、ここでは置いておこう。]


 私もそろそろ出るねー。


[ひとまず自分がバックヤードに戻らなくても大丈夫そうになったところで、速崎はオープンキッチンからカウンターに向き合う。]
(33) 2023/03/01(Wed) 16:56:01

【人】 厨房担当 ゲイザー


 あ、タカノんだー! いらっしゃいませー!


[
「タカノさん」
ではなく
「タカノん」
呼び。
 フランクすぎるあだ名で人を呼ぶ速崎でも、流石に初対面のお客様相手にこのような呼び方はしない(名を知らなければそもそも呼べない、というのもあるが)。
 高野>>29のことを速崎がこう呼ぶのは、二年ほど通いに来ているこの客を常連だと認識しているから。]


 おすすめでしたら、そうですねー。
 私はサーモンクリームのタリアテッレ推しちゃいますね!
 今日も美味しくできてるから期待しちゃってください。


[なおこれはあくまで「ゲイザーのおすすめ」である。
 大咲やその他の厨房担当、或いは御堂店長の「おすすめ」は異なるかもしれない。
 だからこそ、ここで注文を承った速崎が出してくるのは――]
(35) 2023/03/01(Wed) 17:20:56

【人】 厨房担当 ゲイザー


 お待たせしました!
 こちらゲイザーの今日のおすすめになりまーす。


[カウンター席の高野に出したのは、ハーフサイズのボウルに、通常のハーフサイズよりも少しだけ少なめの量を盛り付けたパスタ。
 この一皿だけでは、仮に小食の客であったとしても満腹にはならないかもしれない――つまり、客が「他のおすすめ」も食べてみる、ということを前提にした量だ。

 さて、ゲイザーのおすすめであるこのパスタについて。
 麺はもちもちとした、リボンのように平たいタリアテッレ。
 トマト風味のクリームソースに入っている具は、小さく切られたスモークサーモンと、鮮やかな緑のほうれん草。
 寒さの残るこの季節に採れたほうれん草は、噛めば僅かに自然な甘さを感じさせるもの。

 盛り付けられた白磁のボウルの縁には、トランプのクラブのマークがひとつ、淡い緑色で印字されている。]
(36) 2023/03/01(Wed) 17:24:20

【人】 厨房担当 ゲイザー



 あ、カンちゃんいらっしゃいませ!
 空いてるよ〜……じゃなかった空いてますよ〜


[一応店員らしく言葉遣いを正しながら、速崎が神田>>30にこう声を掛けた時は、まだあの常連さん(速崎はそう認識していた)>>38>>43は来店していない頃。
 いつも通りにカウンター席を選ぶその人からの注文>>30>>31は]


 ボロネーゼですね、かしこまりました〜
 コーヒーも後でお持ちしますね。それで、今日のデザートはー…


[速崎はちらっとバックヤードの方を見る。
 さて、今の『Madam March Hare』の厨房担当にパティシエは居ただろうか?
 デザートに定評のあるスタッフといえば、黒原=ベイカー>>16もその一人だが――。]
(53) 2023/03/01(Wed) 18:05:40

【人】 厨房担当 ゲイザー

[ともあれ、ここで速崎が高野に告げたのは]


 ベイクドチーズタルトになりますねー。
 ハートの女王のタルト仕様じゃなくて、
 シンプル、ちょーシンプルなやつです今日は。


[「ですます」口調ながらも大変砕けた言い回しで答える様は、高野の砕けた調子に合わせているかのようにも聞こえるかもしれないが……ゲイザー速崎の接客は、余程の相手でない限りだいたいこうである。]
(54) 2023/03/01(Wed) 18:06:38

【人】 厨房担当 ゲイザー

[こうして、速崎の手はオープンキッチンでランチ用のボロネーゼを作っていく。
 ミートボール入りのソースは仕込み済みなれど、パスタをゆでるのは注文を受けてから。
 ランチタイムの多忙(といっても満席になる程の人入りの店でもないのだが)をも捌ききる、慣れた調子での手早い作業。]


 はーいカンちゃん、お待たせしました!


[こうしてカウンターの上に現れたのは、ハーフではなく一人分のサイズの白磁のボウル。ボウルの縁にはオレンジ色のダイヤのマークがひとつ印字されている。
 ボロネーゼに使われているパスタも、もちもちとした食感の平打ちのタリアテッレ。
 ラグーソースの中の挽肉の粒は、ミートボールの食感を邪魔しない程度に細かい。
 そしてパスタのソースの上に、イタリアンパセリの緑が彩を添えている。**]
(55) 2023/03/01(Wed) 18:08:01
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a14) 2023/03/01(Wed) 18:13:50

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a18) 2023/03/01(Wed) 18:54:49

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a19) 2023/03/01(Wed) 18:54:58

【人】 厨房担当 ゲイザー



 いらっしゃいま……ってシャミーじゃん。


[この時に来た昼間の「常連」は、客は客でも、夜間は厨房の同僚>>46
 「同僚」ではあるものの、勤続暦から言えば明らかに大先輩で(速崎もそれなりの勤続年数だが)。
 「大先輩」ではあるものの、速崎がシャミーもとい遠藤に接する態度は、やはり、他の同僚に対して同様馴れ馴れしい。]


 はいはーい、おすすめ了解〜。


[「おすすめ」と「ミートソースがいい」という、一見矛盾した(?)ように見える注文をすんなり承諾する程度に、速崎は遠藤のこのオーダーの意を解していた。]
(76) 2023/03/01(Wed) 19:31:27

【人】 厨房担当 ゲイザー

[盛り付ける器は、薄赤紫色のハートマークが器の縁に印字された、ハーフサイズの白磁のボウル。
 ゆで上げたフェットチーネは、ハーフサイズよりもさらに少ない小盛り分。
 その上に、仕込みを済ませていたいつものミートソースと、ささやかな彩と香を添えるバジルの葉ひとひら。 ]


 お待たせー! じゃあごゆっくりー。


[今は客としてカウンター席にいる遠藤が、先程この「うさぎ」の扉を潜って(他の常連面子とは離れた>>45)席に着いた葉月>>52に声を掛けるのを見て、速崎はひとまずこの大先輩のもとを離れた。]
(77) 2023/03/01(Wed) 19:31:39

【人】 厨房担当 ゲイザー

[かつて特撮ヒーロードラマの重要な敵役の座を勝ち取った役者>>24>>25
 その役者が被った事故と風評、フェードアウト、現在の境遇>>26>>27>>28
 そのいずれをもまるで意に介していないような顔で、速崎は「タカノん」に応対する。]

 ありがとー!
 うさぎのスタッフとして鼻高々ですね〜。


[「ゲイザーちゃんのおすすめ」>>49への評には、そうストレートに笑っていた。
 そして実際に、その「おすすめ」のサーモンクリームパスタを出して>>50>>51
 高野が口にした感想もまた、先程告げられた期待が裏切られていないと判るもの。]


 うんうん、
 店長がいいトマトとサーモン仕入れてきてくれて
 いい感じのソースに仕上げられたんですよねー。


[今は表に居ないその人のことをちらっと話題に挙げつつ――。
 もうひとりのサキ>>66……もとい大咲>>67からのおすすめに席を譲る形で、速崎は一旦バックヤードに退く。**]


 それじゃあ、タカノんもごゆっくり!
(80) 2023/03/01(Wed) 19:53:19
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a23) 2023/03/01(Wed) 19:57:46

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 回想:とあるバイトの履歴書 ―

[大学にも進学し意気揚々と都会に出てきた速崎璥は、小遣い稼ぎ目的もあって、一度ランチタイムに客として訪れたことのある『Madam March Hare』のバイトに志願した。
 学生特有の(?)「調子に乗ってます」という態で、持ち込んできた履歴書の自己アピール欄には、高校時代の伝説たる
【良質なスターゲイジーパイを作れます】
>>3の一文を堂々と書き込んだ訳だったが――。]
(257) 2023/03/02(Thu) 8:39:33

【人】 厨房担当 ゲイザー

[その当時の速崎の服装はファストファッションのカジュアルな装いで、コーディネートだけを見れば男女どちらとも取れないもの(現在でもオンオフ問わず、そんな感じの服装が多い)。

 そしてこの履歴書、速崎が提出した当初は、
 
性別欄に何の書き込みも為されていなかった。

 この当時市販されていた履歴書には、「男・女」の○囲み式のものしかなく、性別欄が任意記述式にはなっていなかった――そんな頃の話だ。

 この件でもし採用担当の店長に記載不備を指摘されたならば、次に持ってくる履歴書は「女」の項に○をつけるか、或いはバイト志願自体をやめるか――。
 自己アピール欄に相当なバカを書き込む程度に調子に乗っていた速崎の頭にも、採用決定前にそんな思考が過ってはいた訳だった。]
(258) 2023/03/02(Thu) 8:40:33

【人】 厨房担当 ゲイザー

[経緯はともあれ、速崎は『Madam March Hare』の一員となった。

 店長の御堂、オープニングスタッフの遠藤。彼女らと共に働く人々に、賑わう客たち。
 単に「不思議の国」のときめきを重視したような佇まいと、食事の確かな美味しさ、イギリス料理をテンプレ的に「まずい」ものとして排斥しない姿勢(当時、速崎はそう捉えた)――といった要素だけではない何かを、この店の屋根の下に集う人の中に見たような、そんな感覚。
 言葉の形では思い描けず何とも言えないけれど、何かあるような。
 『うさぎ』から感じたそんなところが、速崎にバイト志願を諦めさせなかったのだ。

 ……そこには、「遠藤さん>>52みたいな恰好の人がいられる職場なら私も」という期待も、あったのだろう。
 それは、後にこの『うさぎ』の門を叩いた後輩>>137の気づきとも、少し似ていたのかもしれない。]
(259) 2023/03/02(Thu) 8:48:10

【人】 厨房担当 ゲイザー

[ちなみに、履歴書に他に書き込まれていたのは――。

 高校までの学歴で挙げられていた学校名は、いずれもここではない地方都市の学校。
 自己アピール欄には件のスターゲイジーパイや高校での料理部所属のことの他、「英語対応可能」「UKイギリスその他の海外文化に関心あり」「天文サークル所属」「配信ドラマ好き」という内容。

 そんな、当時18歳の記した履歴書だった。*]
(260) 2023/03/02(Thu) 8:48:39

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 現在:『Madam March Hare』 ―

[こうして今や、バイト時代を含めて勤続9年のベテランとなった速崎璥である。

 勤務中の服装は今も昔も、シンプルなジレにボウタイにズボン(あと店のエプロン)、ヒールの低いローファー、といったマスキュリンな装い。
 一方で髪は長く伸ばしているし、メイクもそれなりに。
 衛生上の理由もあっての三角巾は、いわゆる「女性向け」を謳うほんわか可愛い雑貨店で購入したもの。ややサイバー風味の奇抜なデザインのイヤーマフは、昔、天文サークル員とのノリで通販でゲット。
 つまるところ「どんな性別で見られても気にしない」を地で行っている格好。
 声がそれなりに高かったこともあって、女性として見られることの方が多くはあったかもしれないが。]
(261) 2023/03/02(Thu) 9:05:10

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さて、速崎が一度バックヤードに向かったまま暫く戻ってこなかったのは、電話対応を行っていたから。
 多忙の店長がこの時対応しきれなかった分を、代わりに丁度その場に居合わせた速崎が務めた、という訳だ。

 裏に引っ込む際、厨房に立つ同僚の瑞野>>220に会釈はすれど、嘉数>>140の姿は見えなかった。
 非番なのだからいないのは当たり前――なのだが。
 自分が裏に引っ込んでいる間にまさか、遠藤同様に客よろしくやって来ていた>>167とまでは知らなかった。]
(262) 2023/03/02(Thu) 9:05:20

【人】 厨房担当 ゲイザー

[なので、まさかあのミートボールのボロネーゼでわんわんだとかポッキーゲームがどうのこうのという話題になっていたなどとは露知らず。

 カンちゃんの感想聞きそびれたな>>217>>218>>219、などと思いながら、再びオープンキッチンに復帰する。
 場を離れている間に、お客様は増えていた。
 そして増えた面々の中には、非番の筈の後輩の姿>>240>>243もあった訳で……。]


 おーいチエりんどうしたよ?
 シャミーともども腹ペコの極みで来ちゃったー?


[至って何の裏話も意味深な話もない、ただただ素材と製法にこだわりがあるだけのミートボールのボロネーゼを頬張る嘉数に、気さくにそんな挨拶を。]
(265) 2023/03/02(Thu) 9:38:30

【人】 厨房担当 ゲイザー



 と、私も大分離れちゃってたから
 こっち手伝うねー、ナギー。


[丁度その時ぱっと目についたのが洗い場に立っていた瑞野>>254だったため、その名を(速崎命名のあだ名で)呼んでいたが、調理を続けている大咲>>198のほうも、また厨房側に来ていた遠藤>>263>>264のほうも一瞥して。
 無論、手伝うのは洗い物だけではない。
 黒原=ベイカー>>205経由でのオーダーも受けて、オーブンで生のタルトを焼き上げていく。
(生地作りはこの新人が行ってくれているが、注文を受けて焼き上げるのは厨房作業に手慣れたスタッフだ>>58)**]
(266) 2023/03/02(Thu) 9:38:53
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a46) 2023/03/02(Thu) 9:46:56

【人】 厨房担当 ゲイザー

― オープンキッチンからの眺め ―

[さて、同僚(見習いだが)チエりんもとい嘉数の他に、速崎が新たに把握した来客>>63>>146の顔ぶれは――。]


 カッチにクリリンじゃん! いらっしゃいませー!
 ハヅキんもさっきは挨拶できなくてごめん〜いらっしゃいませ!


[少し前から店にいることは把握していた葉月の名も含めて。
 お客様同士>>256>>269、或いは他のスタッフとの対話を妨げない程度の軽い挨拶だ。

 なお、「カッチ」もとい貝澤玲羅に対しては。
 彼女の名を店で聞いた当初、最初の最初は「カイちん」と呼ぼうとしていた。だがそのあだ名を口に出す前に「なんかちょっと響きがアブナいかもしれない」と躊躇い、慌てて「カッチ」に言い換えた――。
 そんな顛末があるのだが、まあそれは些細な話としておこう。本当に些細な話だ。]
(272) 2023/03/02(Thu) 10:28:05

【人】 厨房担当 ゲイザー



[さあ、ここでパイの話をしよう。]


 
(276) 2023/03/02(Thu) 11:37:15

【人】 厨房担当 ゲイザー

― そのライターは……>>38

[勇者だった。

 いつかの夜、今日のお薦めとして自らブラックボードに書き込んだ「スターゲイジーパイ」の文字。
(店長が上物かつ大きめのイワシを仕入れてきてくれたのだ!)
 伝説のゲイザー速崎といえど、このメニューは実のところ、そこまで頻繁には出さない。
 見た目その他で忌避される故の需要の懸念……というよりも単に、このパイの由来に起因する理由で。]


 ハヅキん、運がいいですね〜。
 ゲイジーパイは元々お祭り事の料理だから、
 毎日毎日出せるメニューじゃないんですよ?


[嵐の海に船を出し、大漁で村を飢餓から救った漁師を讃えるコーンウォールの伝説が起源だと語られるパイ。
 そんな詳細な話は兎も角として、それこそパーティーで出すような特別な料理、という触れ込みで。
 葉月にインパクト大の見た目のこのパイを薦めた、という次第である。]
(277) 2023/03/02(Thu) 11:37:56

【人】 厨房担当 ゲイザー

[件のパイを目の当たりにした時の葉月の表情を速崎は見逃していない。
 それでも、彼はちゃんと一口それを食し――。
 丁寧に下処理したイワシのパイの美味さを実感したことを、穏やかな紳士たる立ち振る舞いらしからぬ率直な声で伝えてくれたのだ。]


 やったー! ……しつれいしつれい。
 ちゃんと食べて貰えて良かったです!


[伝説のゲイザーにとって、この瞬間は忘れ難い。
 譬え葉月本人にとっては消したい記憶だろうが何だろうが、速崎にとっては忘れ難き、素晴らしき瞬間だったのだ。*]
(278) 2023/03/02(Thu) 11:38:26

【人】 厨房担当 ゲイザー

― その会社員は……>>142

[相容れない者だった。少なくとも部分的に。

 栗栖が肉の信望者、それも魚肉ではなく獣肉の信望者であるという認識は、栗栖の初来店時>>127>>145以降の速崎も持っていた。
 その時点でこの客は魚のパイとの縁はない、あっても薄い、と思われた訳だったが――]


 ……クリリンも折角だから食べてみます?
 毎日は出せないレアメニューですぜ?


[注文したのは他の客だったが(葉月だったかもしれない>>275)、パイの大きさ上、その客一人で食べきれるパイではない(余りが出たなら、それはスタッフ内で消費される)。自然、ホールではなくピースに切り分ける形で提供される訳だったが――。

 このゲイザーは、あろうことか。この機に栗栖に薦めた。
 無論、商品として料金が発生するという意味でも、無理強いはしない心算だったが……
万が一
のこの提案に、栗栖が乗るという
万が一
の事態が発生した。]
(281) 2023/03/02(Thu) 11:40:36

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さて、件のパイを目にしたお客様の率直な感想は大変予想通り。
 それでも栗栖はなんとか、ピースに切り分けて出された分を、文句の一つも零さずに完食してくれた。
 「美味しい」の感想も無かった訳だったが、それでも、速崎はあくまで嬉しげに笑っていた。]


 ありがと〜クリリン!
 いや、お魚も食べて貰えると思ってなかったんで、
 正直すっごくびっくりしたんですよ〜。


[「美味しい」が返ってこなかった理由なら察せられた。
 ――単に、この人はとにかく肉が好きなだけ。
 そのように理解していたから、速崎は、嫌な気分も悲しい気持ちも抱かなかったのだ。*]
(282) 2023/03/02(Thu) 11:41:39