人狼物語 三日月国


230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら

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視点:人


【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 ― 楽園の片隅、メディウムと ―


 [ あれから同胞たちへ然るべき申告をした。
   人間でいうならば休暇申請だろうか。

   しかし、その時が来るまで機械の仕事はいつも通りだ。
   故に、大したことではないと思っていたのだが
   ……そうでもなかったのだろうか。>>54

   それぞれに視線をやりつつ、
   機械は彼らの提案、あるいは希望を聞いていた。>>55


   メディウム。あなたは親しい者が離れ行くことを
   「寂しい」と認識しているというのに、
   離れ行く己に親しさをもって友になろうとするのですね。

   承認を得なくとも、あなたの中では
   己は既にあなたにとっての"友"なのではありませんか?


 [ 彼らは、傷つくためにやっているのではないのだろう。
   意識を複数の景色が走って行く。

   ……人とは、皆そのような物なのだろうか。
   機械は思案する。今伝えるべき話を。 ]
 
(84) 2023/11/29(Wed) 10:57:31

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 
   ……友人とは、"ある一人のみを指す物"だと
   己は定義しているわけではありません。

   孔雀革命の主との関係が"友"と定義されている故に
   己たちが互いをそう呼んでいるだけです。
   ――その点においては、"友"は唯一の物ではありますが。

   ですが、我々の原則を守っていただけるのであれば
   己はどのような者とも友人になりますよ。


 [ 人はまた異なることを思うかもしれないが。
   機械にとっての"友人"とは、そのようなものだ。

   過去、どれだけ言動を違えようとも
   現在が"正しく"そうであるなら、そのように在る。


   ……その正しさを捉えるのは、
   機械にとっても困難であるかもしれない。

   ――それでも。
   それこそが、孔雀革命の求める多様性を描くのならば。 ]
 
(85) 2023/11/29(Wed) 10:58:27

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   ……あれは、面倒極まりない形で
   自身の行き先をしれっとデータに遺していました。

   そして、己は呼びつけられていたことを認識しました。
   故に向かうというだけで、大した話ではありません。

 
 [ 機械は握られたままの手を柔く握り返す。

   拒んだつもりも、線を引いたつもりもなかったが
   己から触れたことは、確かに無かったかもしれない。 ]
 
(86) 2023/11/29(Wed) 10:58:50

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   ですので、数か月もあれば戻りますよ。
   用件がくだらなければ、もっと早く戻ります。

   その時に、と。――約束しましょうか。 *

 
(87) 2023/11/29(Wed) 10:59:37

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 ― □□、楽園の外 ―


 [ とある都市部、とある建物の中。
  
――これらの情報は機械には開示されていない――


   その部屋は静かだった。
   ようやく再会した友人らは、視線も合わせず座していた。

   一人は散らかったデスクの前に。
   大小様々な粒子モニターを宙に浮かべながら、
   指と視線とを細かく動かしている。

   一人は退かした機材の跡が
   くっきりと残ったままの一人掛けソファに。
   その背凭れには埃が薄く積もっていたが、
   当人である機械は、特に気に留めていなかった。 ]
 
(109) 2023/11/30(Thu) 3:18:10

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 
   ……結局は機械いじりですか。

   『庭いじりもいいけどね。
    僕はこっちの方が性に合うみたいだ。』

   気が合いませんね。
   それがあなたの見出した己の仕事ですか?

   『どうだと思う?』

   己が知るのは、お前の道楽までです。
 
 
(110) 2023/11/30(Thu) 3:18:26

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 [ 機械がこの地を訪れることを決めたのは、
   あの日々の中で、友の思わせぶりな言動の数々と、
   当人がかつて真剣に向き合ってきたものを
   信じることに決めたことに由来する。

   故に、今も機械は何も知らないままだ。
   疑問は多く残されている。しかし、関心は持たない。

   本来、道具というものはそういうものである。 ]


   『つれないなあ』

   お前の期待に応えるために、
   己は多くのリソースを手放さざるを得ませんでした。
   自業自得ですね。


 [ そうだね、と友は頬を緩めた。
   まったく、と機械は冷ややかな視線を送る。

   やがて、いつまでもにやついている友の視線を
   鬱陶しそうに機械は手で払った。 ]
 
(111) 2023/11/30(Thu) 3:21:38

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   ……己は、これからもあの楽園を広げ続けます。

   それを"途方もない"と呼ぶのは人間の尺度に過ぎません。
   存在するかも定かではない奇跡を乞うより
   よほど現実的だと己は思います。


 [ 長い時と命を費やしながら、
   かつて人類は、地球滅亡までの道を歩んでいった。
   機械は、それと同じことを行うだけだ。 ]


   「あなたの理想は美しい。」
   人も機械も、己たちをよく褒めました。

   ならば、示し続けて見せる必要があると己は考えます。
   「これは人の成せることなのだ」と。


   ――それが己の考える"この世界の救い"です。
 
 
(112) 2023/11/30(Thu) 3:22:30

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   ……我が友よ、あなたの解を求めます。
   久しぶりに会ったわけですし、
   それぐらいの成果は期待してもいいのでしょう?
 
 
[ 周到に面倒な手続きでもって、友は機械を呼び出した。
  その動機はおおよそ道楽だろう。
  しかし、楽園を出た動機までもが道楽だとは思わない。

  己は友であり、友は己でもある。
  それは、"親"と"子"の関係と決定的に異なる点のひとつだ。

  機械は友に視線を向けた。
  二人を隔てていたモニターは姿を消していた。


  ――視線が交わる。
  友は相変わらずにやついていたが、
  ようやく己に関心を向けたのだと機械は認識した。


  やがて、ソファの前までやって来ると、
  座る脚の横に片膝を押し込み、友は機械を抱きしめた。
  鼓動は早く、腕は微かに震えている。

  その機敏と熱を数字で捉えながら
  倣うように、機械は友に我が身を預けた。 ]
 
(113) 2023/11/30(Thu) 3:24:18

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 
   『…………。』

   『親愛なる我が友よ。』

   『とてもいい答えだ。ああ、それでこそ君だ。』


   『"それは秩序か? それとも救世主か?"』

   『――僕の答えを出そうか。』

 
(114) 2023/11/30(Thu) 3:24:57

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   『――僕の考える救世主すくいはお前だよ、リヒトーヴ。』

 
(115) 2023/11/30(Thu) 3:25:20

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 
 ― 福音、楽園の外 ―


 〈 その身に収められた記録データを複製する間、
   狭いソファの上、僕は眠る友を抱き続けていた。 〉


   ……本当、君って冷たいし硬いな。

   別にいいけどね。
   僕も、君の立場ならきっとそうしていた。

   インダラクスもヘローもヌエヌエも。皆、同じさ。


 〈 悴んでいく指先さえ今は愛おしい。
   君の心臓に熱が灯るのは一体いつになるだろう?
   憂い、嘆き、歓喜する日は?

   その肩口に頬を添わせれば
   物言わぬ友からは、あの庭の匂いがした。

   ……どうして人類は失い続けてしまったのだろうね。
   存在しない奇跡の夢でも見てたのかな。

   それとも、夢を見ることさえ――
   とっくに諦めてしまっていたのかな。 〉
 
(116) 2023/11/30(Thu) 3:26:20

【人】 朧广灯 リヒトーヴ

 

   ……これが僕の『孔雀革命』。

   僕たちはどこにも還らない。
   誰よりも高く飛び、誰よりも遠い世界を目指そう。

   僕たちであの空を、大地を、海を、
   木々を、星空を、動物たちを――――
   あの美しかった青色を取り戻そう。

   ……後のことは、きっとそれからで充分さ。*

 
(117) 2023/11/30(Thu) 3:26:54