人狼物語 三日月国


108 灰色うさぎと紫うさぎの冬支度

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【人】 オルテイシア

[間近に近づけば、表情がよく見える。
触れ合った吐息は、甘く余韻を残して、彼が囁いた言葉に目を細めた。

その言葉から連想させられるものは、もう少しずつ形になり始めている。]


 おじいちゃんとおばあちゃんになっても、
 またここに来て、デートしましょうね。


[もう一度、唇を掠めた。
観覧車の中は二人だけだし、きっと周囲も見ていない。
触れるだけのキスを長く交わして、
額をこつりとぶつけあって、笑いあった。]
(0) 2021/11/13(Sat) 0:39:15

【人】 オルテイシア

[上ってくる間は対面するように座っていたけれど。
観覧車が降りてくる間は、隣り合うようにして座って景色を眺めた。
途中、少し強く吹いた風に観覧車が揺れて、不安にぎゅっと彼の服を掴んだ。
丸い観覧車は、横の揺れには弱いものの、落ちることはなくゆっくりゆっくりと下降していく。

外からは見えない場所で、手はずっと繋がったまま。
次第に近づいてくる景色を名残惜しく感じた。
観覧車というものは、乗ってみればあっという間に時間が過ぎていく。

一台前のカップルたちが降りていくのを尻目に、]


 また、来ましょうね。


[と、隣に並んだ彼と約束をする。
観覧車のジンクスは、きっと此処へ訪れる度に更新され続けていくだろう。**]
(1) 2021/11/13(Sat) 0:39:51

【人】 オルテイシア

[向かい合い上った先に誓いのキスを立てて、
降りてくる時は二人で同じ方向を見る。

まるでこれからを思わせるような象徴的な観覧車も、
今を楽しんでいる二人は気づかないだろう。

多少の揺れにも支え合えるように、
自然と手に取った掌の温かさが互いに馴染むまで。

ゴンドラはゆっくりと下っていく。]


 ……はい。


[遠い将来よりも前に、感じた近い未来の約束。
家族が増えても、また此処へ。
その時はまた、グレーパールのネックレスを付けて。]
(5) 2021/11/13(Sat) 20:46:13

【人】 オルテイシア

[長く楽しんだ自然公園を後にして、車に乗り込み海へと向かう。
山間の冷たさとは違った海風の強さはまた冷え込むから。
車の中の空調の効いた場所がありがたい。

海が見えると同時に、対岸に見える工場地帯の夜景が見えてきて、わぁ……と感嘆の声を上げた。]


 本当、こんなに綺麗なのに。
 人は少なそうですね?

 みんな車の中から見てるんでしょうか?
 車の中からだと温かいですしね。


[車は等間隔を開けるように、ぱらぱらと海沿いに向かって停車しているが、夜の海に人影は疎らだ。
フロントガラスから見える夜景を眺めながら、彼の言葉に頷きを返す。]


 ……ぅ、ン……、
 

[陰りが落ちて、彼の気配を間近に感じれば唇が合わさる。
薄暗闇の中、二人の影が重なって、唇が離れれば甘い吐息が零れ落ちた。*]
(6) 2021/11/13(Sat) 20:46:52

【人】 オルテイシア

―― 冬籠り ――

[楽しかった旅行はあっという間に過ぎ去り、彼が施してくれた赤い花が肌から薄れていく頃。

再び仕事と日常に追われる日々が戻ってきていた。
休みを斡旋してくれた理英先輩には、お礼に林檎を使用したパイのお土産を渡した。
合コンで連絡先をゲットした彼とは、順調にいっているらしい。
「良かったですね」とつい自分のことのように喜んでしまう。
彼は旅行で休んだ分、連勤が続いていて帰りも遅い。
久しぶりに寄った夜のSASANKAで、美味しいご飯のご相伴に預かった帰り道。

彼の口から出たクリスマスの予定の多忙さに、眉尻を下げたけれど、続く提案にぱっと表情を明るくした。]


 クリスマスディナー?
 ……素敵。一緒に作ってもいいんですか?
 一日デートできるんです?
 嬉しいです。


[ぎゅっと繋いだ手を握り締めて、はしゃいだ声を上げてしまう。
世間とは日程が少しズレるが、週末なかなか休みが取れない彼とゆっくり過ごせるのならこれ以上嬉しいことはない。]
(10) 2021/11/14(Sun) 23:20:11

【人】 オルテイシア

 
 クリスマスの当日は、
 基依さんが好きなショートケーキにしようと思っていて。
 ブッシュドノエルとも、迷ってるんですけど。
 ……私もいちご好きですし。

 クロカンブッシュは食べたことないですね……?
 食べてみたいかも。

 メニューは何がいいでしょう?
 温かいものが食べたいな。
 クリスマスといえば、ターキーとか?
 でも二人だと余しちゃいそうですよね。
 うーん、鶏肉を使った何か、とか……。


[興奮冷めやらず、手を揺らしながらおしゃべりが止まらない。
今日のようにSASANKAで久しぶりに食べる食事も、特別感があって好きだけれど、自宅で「私のため」だけに振る舞われる料理を覚えて以来、随分と欲張りになってきたと思う。

特別な日に、特別な料理を二人で。
それも一緒に作れるのだと思うと嬉しさも一入だ。]


 初めてのクリスマス、楽しみですね。


[隣を見上げて、嬉しそうに笑った。*]
(11) 2021/11/14(Sun) 23:20:36

【人】 オルテイシア

[二人ということを意識してくれることに眦が緩む。
握り返された手がそのことを伝えるように。]

 
 一緒に作れるの、嬉しいです。
 めいっぱい助手しますねっ。

 プレゼントも考えなくちゃ。
 何がいいかなぁ……。


[空いた手を口元に当てて、ううんと唸り声を上げた。
欲しいものは本人に聞くのが一番だけど、サプライズのことを考えれば何も知らないままで居てもらいたくもある。
彼のことを思って考えている時間も好きだから、今回は聞かないままにした。

ポケットの中でカイロに温められた彼の手が心地良い。
ぽす、と腕に頭を凭せ掛けて、今の時期しか楽しめない距離を楽しんだ。]
(14) 2021/11/15(Mon) 0:09:53

【人】 オルテイシア


 前に見かけた時は飴細工がキラキラして綺麗でした。
 自宅で作れるのかと思うとわくわくします。
 シュークリームをたくさん食べられるのも楽しそう。

 クリスマスツリーに見立ててるんですね。


[少し先の楽しみを想像してくすくすと笑う。
自宅で作る分、高さは少し小ぶりになってしまうだろうが、なかなか作れないものだから特別感がすごい。
自分なら考えつかなかった案が出てくるあたり、さすがだなあと見惚れてしまった。]


 トマト煮いいですね。
 あーん、でもローストチキンも気になります。

 それも当日のお楽しみにしちゃダメですか?


[なんて、まるでクイズのように摩り替えて笑った。
寒い帰路を身体を温め合いながら歩く。
週末への話題は尽きることなく、家に着くまでリクエストと笑い声が続いた。*]
(15) 2021/11/15(Mon) 0:10:06

【人】 オルテイシア

 
 私がメイン……?
 んん〜、でも基依さんのお料理食べたいし……、
 あっ、でも「持ち寄る」っていうのはいいですね。

 なにか一品かぁ……。


[その発想はなかった。
彼は率先して作ってくれるし、それが一番美味しいと思っていたから。
美味しいものを食べてもらいたいという思いはある。
けれど、いつもそれ以上に美味しいものを作ってくれるし、作っている姿を見るのが好きだから、結局はメインを任せることにして、一品は自分でも考えてみることにした。
あまり難しいものは作れないから簡単なものになるだろうけれど、前菜ぐらいなら任されたい。
自身の中の小さな引き出しから考えるのもまた楽しい。]
(19) 2021/11/15(Mon) 20:00:06

【人】 オルテイシア


 へえ……、素敵ですね。
 二人分だから、高さは出せないですけど、
 クリスマス・ツリーらしさは出しましょう。
 抹茶の生地なら、苺とも相性良さそうです。
 緑と赤で、それっぽくなるかも?


[思いつきで案を出してみるが、実際に形にするのは難しいかもしれない。そこは本職の料理人の知恵を借りることにしよう。]


 ラタトゥイユもカプレーゼも好きです。
 うーん、どっちがいいでしょう。
 作りすぎちゃって食べれなくなるのは本末転倒だし、
 基依さんのお料理は食べたいですし……。


[食いしん坊の悩みは尽きない。
野菜のジュレ寄せも、サラダも、キッシュも。
次々に浮かぶアイディアに頭を悩ませる。
贅沢な悩みは尽きずに、帰るまで続いた。*]
(20) 2021/11/15(Mon) 20:00:43

【人】 オルテイシア

―― 迎えた週末 ――

[その日はゆっくりとした朝だった。
隣で目覚ましを止める音がして、ぐずるように寝返りを打つ。
目覚ましが鳴れば起きられるが、朝が強いという訳でもない。]


 ……ン、……


[身体を起こした後もしばらく頭が回り出すまでは、ぼうっと虚空を眺めて、ようやく大きな伸びをした。]


 ……おはよう、ございます。
 私はグラノーラにしますね。


[寝間着のままリビングへ顔を出せば、声をかけられてふにゃりと笑って眠たげな声を出す。
お互い寝間着姿で始まる朝は久々の休日が重なった珍しい日。
冷蔵庫に向かって牛乳を取り出せば、眠気もようやく覚めてきた。

朝ご飯を食べたら、いつもより少しオシャレして出かける予定だ。
それだけで「何でもない日」が「二人だけの特別な日」に変わっていく。*]
(21) 2021/11/15(Mon) 20:01:44

【人】 オルテイシア

[サプライズという響きにわくわくする。
同じものを用意したなら、笑い種の一つになるだろう。
それだけ好みが似ているということに嬉しさも募る。

何気ない家事の一つだった料理が、こんなに景色を変えてくれるとは思っていなかった。
それもまた、彼と付き合い始めて表れた変化。

好きなものが増えていって、時短ばかり気にしていた料理が好きになっていく。
迷ったら手解きを介して、作った料理は美味しいと言って食べてくれる彼をどんどん好きになっていく。

二人の繋がりを強くしたのは「料理」だから。
その行為を、これからも大事にしていきたい。]
(25) 2021/11/15(Mon) 21:24:53

【人】 オルテイシア

[そんな決意を胸に秘めた当日。
前菜のメニューは密かに決めたもののまだ彼には伝えていない。

彼が出してくれたカフェオレボウルにグラノーラとミルクを入れる。ドライフルーツがミルクの上を泳いだ。
彼のバナナヨーグルトもシンプルだけれど美味しそうだ。
「ひとくちください」と甘えた声を出して、スプーンを揺らした。
コーヒーはいつものように二人分。
食後に味わっていれば、彼が家事を名乗り出る。]


 お願いしちゃっていいんですか?
 ……じゃあ、急いで用意してきますね。


[支度に時間が掛かるのを考慮してくれたのだろう。
こちらが気にしないように言い回しを変えてくれるところに眼が細まる。
お言葉に甘えて、メイクと着替えを整えた。]
(26) 2021/11/15(Mon) 21:25:04

【人】 オルテイシア

[パーティという程ではないけれど。
「特別な日」だから、シックな黒の総レーストップスを選ぶ。首周りから胸の上にまで掛けてレースで編まれた服は、それだけで大人っぽく見える。
ボトムはローズレッドの膝丈フレアスカート。クリスマスカラーを取り入れても派手過ぎないように、足元はトップスと同じ色合いの黒のファー付きショートブーツで抑えめに。

首元には旅行中に彼がプレゼントしてくれたグレーパールのネックレスと、あの後、もう一度寄った1000円ガチャで出てきたパールのピアスを付けた。

メイクはいつもより少し明るめに、リップはスカートに合わせて明るめの赤のルージュを引いて。

鏡の前で一度くるりと回って自分の姿を確認する。
目一杯可愛くなれたかどうかは、彼にチェックしてもらうとして、チェック柄のロングコートと鞄を手に、彼の待つリビングへと向かう。*]


 おまたせしました。
 準備ばっちりです!

 
(27) 2021/11/15(Mon) 21:25:30

【人】 オルテイシア

[はちみつ入りのバナナヨーグルトは唇に甘さを運んでくれた。
共犯という悪い響きが蠱惑的で朝からドキリとする。
動く彼の唇を見つめて、俯いた。頬が熱い。

時間は気にしなくていいという彼に頷きながらも、メイクは丁寧に手早く施していく。
洋服だけは前日のうちに決めておいて良かった。
朝選んでいたら、それこそ彼を待たせてしまっただろう。

着替えた姿を彼に見てもらって、感嘆の声が上がって小さくはにかむ。]


 はい。
 おうちでもちょっと上品な感じにしたくて。
 ……ありがとうございます。


[新しい服をお披露目する度に、褒めてくれる彼にきゅんとする。
初めてディナーに訪れた時にも、彼が一番に気付いてくれたのを思い出して目元が緩む。

彼からもらえる「可愛い」は世界一の褒め言葉。
差し出された手を取って、冬の街へ繰り出した。]
(31) 2021/11/15(Mon) 22:53:55

【人】 オルテイシア

[スーツにタイを結んだ彼は、グレーに薄い紫を合わせたシックな姿。
二人の色を取り入れてくれたことが嬉しくて、彼の首筋にはプレゼントしたうさぎのネクタイが揺れている。
体格が良いから、スーツが良く似合っていて格好いい。]


 基依さんがくれるものなら何でも嬉しいですよ?
 でも、欲しいもの、考えてみたんですけど……、
 いつも使ってるブランドの限定コスメが出ていて。
 それがいいかなって、考えてました。


[旅行から帰ってきて洗ったクッションは綺麗に元通りになっている。
今はもう旅行の名残はない。
シートベルトを締めながら、赤いリップを乗せた唇が動く。]


 新色のリップとネイルなんですけど。
 ……リップなら、
二人で、使えるかなって……。



[使えるという意味を暗に濁して、頬を染める。*]
(32) 2021/11/15(Mon) 22:54:24

【人】 オルテイシア

[基依さんと一緒に暮らすようになって、敬語がすっかり口に馴染んだ。
会社に入社した頃から周囲が年上ばかりになり、敬語で話すことが多くなったという理由もある。
たまに言葉が崩れてしまうこともあるけれど、その時も彼から指摘されたことはない。
この言葉使いはきっと、これからもこのままだろう。]


 はい、えっと。
 この前出掛けたデパートの方で……、


[道中までは分からないから、デパートの店名を口にする。
以前にも二人で出掛けたことがあるし、ナビがあれば大丈夫だろう。
現地に着けば、彼の手を引いて道案内は任されることにして。]
(35) 2021/11/15(Mon) 23:47:21

【人】 オルテイシア

[デパートの化粧品フロアは男性にとっては少し居づらい場所かもしれない。
あまり長居はしないように気をつけたいが、リップを試すなら少し時間が掛かるかも知れない。
居心地が悪いようなら他のフロアを見て回ってもらうことも考えていれば、運転席から溜め息が聞こえた。

溜め息と共に聞こえた言葉にドキリとする。
リップの話は彼の何かを刺激したようで。]


 ……はい。


[照れて俯いてしまいながら、小さく頷きを返す。
分けることに抵抗はないけれど、今はまだ日も高く出かける前でもある。
両頬を抑えて、頬の熱が冷めるのを待った。]
(36) 2021/11/15(Mon) 23:47:31

【人】 オルテイシア

[デパートの近くのパーキングに車を停めて、また手を繋いで歩き出す。
歩く時は、自然と手を繋ぐ習慣がついた。

デパートに入れば、クリスマスソングが流れる。
コスメフロアは週末とあって女性客で溢れていたが、中には同じようにカップルでフロアを巡っている人たちも居た。]


 ……えーっと、確か。
 こっちです。
 

[ブランドは決まっているから、彼の手を引いて人の波を掻き分けてコーナーへ向かう。
ちょうどタイミングよく人が捌けたタイミングだったのか、店員はすぐに捕まえることが出来た。]


 すぐ終わりますから、待っててくださいね。
 他のフロアで見たいのがあれば、
 終わったら連絡しますから、
 見てきてもらっても大丈夫ですよ?


[そう一声掛けて、メイクスタンドに座る。
クリスマスコスメは、いつもと商品のデザインも違っていて可愛らしい。
それだけで気分が上向くから女の子は単純だ。

それからは店員さんと何色かのリップを試してみて、一番気に入ったピンクのリップとベージュのネイルがセットになっているものを購入することに決めた。*]
(37) 2021/11/15(Mon) 23:48:26

【人】 オルテイシア

[きっと居心地が悪いだろうに、彼は傍らで待ってくれていた。
新色を塗ってもらったリップを見せて、どうですか?と尋ねたら、似合ってる、とお決まりの言葉が返ってくる。

プレゼント包装を彼がお願いしたら、店員さんに「素敵な彼氏さんですね」なんて言われて、気恥ずかしくも「はい。」と微笑って応えた。

リップは服装に合わせて、同じ新色シリーズの赤いリップを塗ってもらった。
そちらの方はサンプルを貰うだけにしておく。
メイク用品は集め始めればキリがないので、時には我慢も必要だ。

ショッパーを持った彼が戻ってきたら、それを受け取って]


 ありがとうございます。
 ……大切に使いますね。

 さ、次は基依さんの番ですよ?
 

[と、彼の手を引いて男性用のフロアへ向かった。]
(39) 2021/11/16(Tue) 1:13:53

【人】 オルテイシア

[辿り着いたフロアは男性用の財布や小物が陳列されているフロア。
ネットで調べていたものと同じものがあるか、キョロキョロと辺りを見回しながら進めば、革製品のシリーズが取り扱っている場所にそれはあった。

ハンドメイドの一点物の革製品が並ぶ一角。
グレーの革で作られたキーケースを手にして、彼に見せる。]


 ……グレーの色が残ってて良かった。
 これ、プレゼントさせてくださいね。


[二人の家に帰ってくる鍵が嵌るキーケース。
それを特別に彩りたくて選んだもの。
彼が自宅に帰るのが楽しみになるように。

その願いを篭めて、キーケースを手にレジに向かった。]
(40) 2021/11/16(Tue) 1:14:17

【人】 オルテイシア

[それからは、彼の新しい服の物色なども楽しんだり、デパートでしか買えないような食材を見て回ったりして、デパートを後にする。
いつもより値段の張るワインも、少しだけ試飲させてもらって、気に入った赤ワインを購入した。
互いの手にはプレゼントの小さなショッパーがある。

帰り際に寄ったスーパーでは夕食の食材を買い込んだ。
私の分からないものは彼が見立ててくれる。
私の好きな野菜も多めに仕入れて、余ったとしても翌日繰り越せるように。

両手にいっぱいになったエコバッグを二人で分けて車に乗り込む。
帰路に着く頃には、少し日が傾きかけていた。**]
(41) 2021/11/16(Tue) 1:14:48

【人】 オルテイシア

[僅かな色の変化にも気づいてくれるから、彼のためにオシャレをするのにも力が入る。
いつでも彼の前では可愛くありたいと思うけれど、変化にすぐに気づいてくれるから、それが独り善がりではないと思わせてくれる。

エスカレーターに乗る時はいつも彼が下りに立つ。
日頃見上げることが習慣づいて居るから、同じ高さは珍しい。
鏡越しに微笑みを交わす。
スーツの袖を握りしめて、思わずキスしたくなるのをぐっと堪えた。

プレゼントは彼の目にもお気に召しただろうか。
グレーのカラーは彼を表す色。
その色が年数を重ねると共に深みが増していくのが楽しみだ。

恙無く終わったプレゼント交換、手には互いに手渡した袋が下がる。
彼がキーケースを使う度、私がリップを使う度に、きっとこの日を思い出す。
「特別」が少しずつ彩られていく。]
(45) 2021/11/16(Tue) 20:09:45

【人】 オルテイシア

―― 自宅 ――

[エプロンを締めて、並んだ食材たちを見つめる。
約束通り当日まで悩ませてくれた彼に感謝しつつ、]


 はい。
 悩んだんですけど、トマト煮が食べたいかなって。
 赤も使うし、クリスマスっぽくなりそうです。


[ローストチキンも悩んだが、それは次回に持ち越す事にして。
蛇口を捻り、手を洗って準備を済ましたら、ここからは彼の腕の見せどころだ。]


 何から手伝えば良いですか?


[気分はすっかり新米助手。
食材と彼を交互に見比べて小首を傾げた。*]
(46) 2021/11/16(Tue) 20:10:55

【人】 オルテイシア


 はぁい。
 バターライスいいですね。

 えーっと、お米2合とバター大さじ1……。


[バターライスはオムライスのイメージしかなかったから、どう仕上がるのか楽しみだ。
隣でサクサクと手際よく進んでいく彼を見留ながら、お米を測って2合分取り出す。
プラスチックのザルにお米と入れて、水を流して研ぎ始める。
冬場の水は都会でもよく冷えていて冷たい。

お米を研いだらザルを引き上げて、深めのフライパンに移した。
火を付けて、バターを入れて炒め始める。]


 お米、炊くんじゃなくて、炒めるんですね?


[お米はいつも炊飯器だよりだから、フライパンを使うのは珍しい。]
(49) 2021/11/16(Tue) 22:08:52

【人】 オルテイシア

[包丁の音が傍らで聞こえる。
手慣れた所作、下味を付けている姿はいつもお店で見ている彼と同じ。
家でも随分と見慣れるようになったが、調理をしている姿はやはり、お店の方が印象的だ。]


 水2カップで、弱火で12分、と……。


[お米が透明になってきたところで水を差し入れて、ふつふつと音が立つまで待つ。
沸き立ってきたら言われたとおりに弱火に。
キッチンタイマーをセットして、一息つく。]


 終わったら10分。
 ……うん、いい匂い。


[言っている間にも出来上がっていく料理に、わぁ、と目を輝かせる。
トマトとブイヨンのいい香りがしてきて鼻を擽った。*] 
(50) 2021/11/16(Tue) 22:09:01

【人】 オルテイシア

 
 特別……。
 ふふ、嬉しい。

 バターの香り好きですよ。
 出来上がるのが楽しみですね。


[隣を見上げて微笑う。
火の元から離れて、タイマーに視線を落としていれば、不意に眼の前が翳る。
顔を上げれば、ちゅ、と音がして。
キスされたのだと気づいて、頬を染めた。

いつもより赤い彼の唇に、ふっと笑いが漏れる。]


 あはっ、基依さんの唇、あかい。


[くすくすと笑いながら、指の腹で彼の唇を撫でて色味を取った。]
(54) 2021/11/16(Tue) 23:18:11

【人】 オルテイシア

[タイマーが鳴れば、火を止める。
そこから更に10分タイマーをセットした。

じゃがいもが好きだと言ってから、彼の料理の品の中に使われることが多くなった気がするのは、自惚れじゃないと思いたい。
マッシュポテトがリング状に盛り付けられていくのを見つつ、声を掛けられれば、はいっ、と二つ返事で頷いた。]


 飾り付け、みたいな感じでいいですか?
 ……パプリカ、可愛い。


[お皿の真ん中が空くのなら、何かそれに見合うものを作ればよかったと少し後悔を覚えつつも、チーズチップスの魅力にも勝てなくて。]

 
 チーズチップス、いいですね。
 パリパリの食感好きです。


[リング状のマッシュポテトをベビーリーフと色とりどりのパプリカで彩っていく。
その見た目は、そのままクリスマスリースのようだ。]
(55) 2021/11/16(Tue) 23:19:21

【人】 オルテイシア


[お皿の盛り付けが終われば、手を洗い直して。
自身に任された前菜の用意に取り掛かる。

冷蔵庫から取り出したのはズッキーニとプチトマト、それと真鯛。
プチトマトは4つに切り分けて、ズッキーニはヘタを切り落としてピーラーで縦に薄くスライスして横半分に切る。
それを白ワインビネガーとオリーブオイルを混ぜたものにつけておく間に、真鯛はお刺身用のものを薄く削ぎ切りに。

少し大きめのお皿に真鯛を丸く盛り付けて、塩を軽く振りかける。
時折、不安になって手を止めて、スマホでレシピを確認しながら進めていった。
丸く円を描くように並べた真鯛を彩るように浸けておいたズッキーニとプチトマトを盛り付けていく。

緑と赤、クリスマスカラーの色合いはイベントに合わせたもの。
仕上げに浸けていたビネガーとバージンオイルを上からかけて、粉チーズとブラックペッパーを振りかければ一品の完成だ。

火を使わないで出来る簡単な一品はテーブルの端に並べさせてもらおう。]
(56) 2021/11/16(Tue) 23:21:05

【人】 オルテイシア

[前菜の一品を作っている間にも彼の手は止まらない。
時間を掛けて焼かれていくシュークリームの甘い匂いがキッチンに広がっていく。]

 
 ……ん〜……、いい匂いがします。


[お料理の時の香ばしい匂いも好きだけれど、お菓子特有の甘い香りは女の子には特別で、それだけでわくわくしてしまう。
使い終わった器具を洗い終え、少し遅れて作業に混ぜてもらえば、共同作業というキーワードが心を擽った。]


 わぁ……、グレーと紫のシュークリームなんて初めて。
 どうすればいいですか?
 ……シュークリーム積んでいけばいいです?


[シュークリームを手にわたわたと慌てる。
彼のアドバイスが入れば、その通りにシュークリームを並べ立て、少しずつツリーが出来上がっていく。
カラメルの少し焦げたような香ばしい香りに、息を吸い込んで味を想像した。

これは、絶対に、美味しい!

二人で作っていくクロカンブッシュは、二人の時を重ねるように積み重なっていく。]
(58) 2021/11/16(Tue) 23:34:18