人狼物語 三日月国


112 【R18】アルステラのもとに婚姻を

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視点:人


【人】 怪力 シャオロン

――翌朝――

[長年染みついた習慣というのは不思議なもので、どんなに疲れていても、違う寝具で寝ても、隣に別の人間が寝ていても、早朝には目が醒めた。
彼女の方は処女を失ったばかりだというのに初めて達する感覚を知ってから何度も高みに登り詰めたので、小龍以上に身体に負担がかかっているだろうからまだ寝かせてやりたい。

そっと寝台を抜け出して、まずはどろどろの身体を先に清めた。
別室に運んだままの荷物から普段着を引っ張り出し身に着ける。
この荷物も寝室に運んでしまおう。

もう、それが許される立場になったのだから。]


 ……おお、寒っみーな……
 えーと、指輪指輪…………。


[持参した水晶の指輪は、中心の穴を彼女の指のサイズに合わせて広げるつもりでいた。
出来れば完成してから起きて欲しいけれど、どうだろう。

一度指に当ててみて、目安の位置に爪で印を掘る。
そこから指先で削り、最後のやすりは流石に自分の身体ではなく仕事道具を使った。]
(5) 2021/12/15(Wed) 23:37:27

【人】 怪力 シャオロン

[金銀のような輝きはない。
立派な装飾や宝石をあしらえる財力も今はない。

嫁に贈るには子どもじみているかもしれない水晶の指輪をそっとレイの左手の薬指に嵌めた。]


 おはよう、レイ。俺の可愛い奥さん。


[約束通り、くちづけで起こす。
さて、彼女は指の違和感に気づくだろうか。**]
(6) 2021/12/15(Wed) 23:37:40

【人】 怪力 シャオロン

[レイがゆっくりと瞼を持ち上げる。>>7
その顔がまた可愛らしくて胸が苦しくなった。
毎秒彼女に恋をしている。]


 しんどいなら寝てて良いんだけど、
 「起きたかった」って後悔しちゃいけないからな。


[半覚醒のとろりとした喋り方を聞いていると小龍の方も眠くなりそうなくらいには身体に気怠さが残っている。
猫のようにぐぐっと伸びをした彼女が、指に嵌る水晶に気づいた。]
(11) 2021/12/16(Thu) 8:33:48

【人】 怪力 シャオロン


 ?
 どうしてって……昨日言ってたやつ。
 結婚相手にあげる心算で作ってたのを、レイのサイズに合わせて今さっきここで調整した。


[サイズがぴったりだったことに驚いているのかと、工程を説明する。
だが驚き方が半端ではない。
何故これ程までに動揺しているのかわからない。

貰って恐縮するような贅沢品とはとても言えない。
新しい村を担う「旦那」衆の中では家の格を含めて最も貧しい男である。]


 レイが無くした「ロン」の指輪の代わりとしてじゃなくて、
 これをずっと嵌めててくれよ。

 相手の名前が「レイ」って聞いた時に「作りたい」って思った指輪だから、
 出逢う前からレイのものだったんだ。


[見知らぬ結婚相手の名前が「レイ」じゃなかったら、作りたいと思ったかどうかすらわからない。
その場合でも、出逢って彼女に恋をしたら、永遠を約束する環をその指に嵌めて欲しいと用意はしただろうが。]
(12) 2021/12/16(Thu) 8:34:15

【人】 怪力 シャオロン


 ……リル族には子どもの頃虐められたことがあって、

 ほら、昨日俺らが出逢った泉。
 あそこで急に集団でやられて……
 その後傷からバイキンが入って熱が出たからそれより前のことを色々忘れてて、
 今となっちゃなんで虐められたのかも覚えてねーんだけど。

 あれでリル族全体を一緒くたにして嫌ってた筈なのに、
 「レイ」って嫁の名前聞いたら何か作りたい気持ちになったんだよな。


[シンプルなつくりの指輪に閉じ込めた白い花は、昨日の婚礼衣装にくっついていたものだ。
ふたりの出逢いを永遠にするために、花弁を挟んで薄い水晶で蓋を閉じた。]
(13) 2021/12/16(Thu) 8:34:35