人狼物語 三日月国


241 【身内】冬の物語

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視点:人


【人】 高井 柊

[ すれ違っていたか。

それは夢ではなかったし、戸惑いや迷いがなかったと言えば嘘だけど、決して夢の中で告げた言葉ではなかった。
雪奈もそうだと思っていた。思っていたかった。

友人には戻れない。
なら進むしかない。
それが恋ではなくても、愛情は確かにあったと信じたかった。
友情から変化したものであっても。

だからこそ
を作りたかったのかもしれない。

でも、だけど、熱が冷めてしまえば───… ]
(0) 2024/01/10(Wed) 20:53:19

【人】 高井 柊

[ 雪奈が眠ったのを確認すると、ベッドから抜け出して、部屋から抜け出して、自分の部屋に戻った。
冬の寒さが部屋の空気を冷たくしていた。

そこで初めて泣いた。
先輩に振られてから、初めて涙を流して泣いた。
届かなかった想い。
浮かし切れなかった熱。

押し寄せる後悔に苛まれるように。
静かに泣いた。

残ったのは自己嫌悪と、罪悪感だけ。]
(1) 2024/01/10(Wed) 20:53:47

【人】 高井 柊

 
[ それからは今度は自分から雪奈を避けるようになった。]*
 
 
(2) 2024/01/10(Wed) 20:55:15

【人】 高井 柊

[
は癒える。
時間と共に、失ったもの、空いた穴を塞ぐように何かで埋めていく。
埋める何かは何でもいい。
人の心はそう強くはないのだから。
ドラマチックでもヒロイックでもなく、ただ時間と共にそれは日常へと戻っていく。

雪奈との一夜から半年が経った。

先輩との関係は良好だ。
元々泥沼になりようのない関係性。素敵な女性に憧れた年下の男がいただけで、何も関係性なんて生まれてすらいなかったから。
仕事ではよき先輩と、その後輩。
失恋の痛みが消えるにはそう時間は要らなかった。

確かに好きだった。
でも、終わってみれば、痛みが消えて仕舞えばただそれだけのこと。
大人になりかけの、まだ青い恋がひとつ浮かんで消えた。
それだけのこと。

そして、大切な友人を失った。
その事実だけは消えることなく大きな穴を空けた。
それもまた日常の中で少しずつ埋めていく。きっと出会ってから失うまでと同じだけの時間をかけて癒えていくのだろうと、そう漠然と考えていた。]*
(7) 2024/01/11(Thu) 19:39:16