人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

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プロローグ

【人】 銀鷹公 バルドゥイン

 ああ、ああ、問題ないとも。
 調律は完了した。じきに朝が来る。

 初代の───黒鴉公の道楽が蒐集だというのならばね。
 機構弄りこそが私の道楽、そして天命だとも。
 金庫の中にさえ入れれば安心、と宣うのは三流以下さ。
 正しい姿形を、色を、機構を、音色を伝える為には
 正しい技術を獲得・継承した者が面倒を見続けねばならない。
 
 今日訪れるという修復師には、私以上の仕事を期待したいね。
(0) 2022/11/03(Thu) 23:48:27






到着:修復師 ラシード

【人】 修復師 ラシード

─ 港 ─


 す、すみません!!
 私はその、商船ではなくて……修復師、修復師です!!
 何処か、どこか停められる場所はありませんか!?

[朝焼けに波が泡立ち、賑わいに満ちた港。
場違いのように紛れ込んだ小さな船が
巨船と巨船の間で潰されそうになりながら、
隙間を縫うように、必死に僅かな水面を進んでいた。]

 ああ、はい、そうですそうです!!
 クロゼルスから参りました、遺物修復工匠組合です!!

[幌を旗がわりにぶんぶん振りながら、
地上の衛兵に呼びかける若い男の背中は頼りない。
坊、これこれ!! とその背中を小突いた乗組員は、
半分に割られた魔術印付きの木の札を、彼の片手に握らせる。]

 っあ、わ、忘れてた、あります!!
 身分証明の勘合!!これです、ちゃんと持ってまーす!!
 
(1) 2022/11/04(Fri) 0:01:00
離脱:修復師 ラシード

到着:修復師 ラシード

【人】 修復師 ラシード


[辛うじて岸に船を寄せられれば、
今度は衛士たちが容赦なく、海賊のように乗り込んでくる。
1人が若い男が握らされたの札を取り上げ、
じ、と凝視してから部活に荷を検めるよう指示した。]

 あ、ええと、はい、乗組員は合計で……
 ってわああちょっと!? それ商売道具なんです!!
 触る時はそっと、そっとお願いしま……
 武器!? こんなちっちゃい鑿が武器な訳ないじゃないですかぁ〜!!

[次々と解かれていく積荷。慌てる若い男。
まぁまぁ坊、落ち着けって!と宥める乗組員たち。
衛士と共に乗り込んだ封印魔術の使い手は、
工具の一つ一つに『尖ってるな』『これは殴ると痛いぞ』と
姑のように文句を付けながら、異常な手際の良さで殺傷力を封じる術を掛けていく。

流れ作業で開かれていく荷の数々。
その殆どは工具であったが、
一つだけ、布の束を詰めた箱を見つけ
これは?と衛士が若い男に問いかけるように首を傾げた。]
 
(2) 2022/11/04(Fri) 0:03:06

【人】 修復師 ラシード


 ぇあ、その赤い布は……防呪マスクみたいなものです、
 今回”修理”をお願いされたのは魔術錠っていう話で、
 意図的に壊された鍵って、時々ですけれども
 触れたものを呪うとかあるじゃないですか。
 それで、念のため……

 そう、そうです!
 魔術錠修理のため、バルドゥイン様……
 銀鷹公>>0からお招き頂きました!
 ラシード・ヴルファです!!

[名乗りは辛うじて高々と、堂々と。
島に入る者への洗礼と言う名の圧を受けつつ、
その若い男は衛士の前で胸を張った、のだが。]
 
(3) 2022/11/04(Fri) 0:04:43

【人】 修復師 ラシード


 ……え。
 下着を?
 脱ぐんですか!?
 持ち物検査の一環で!!?
 今ここで!!???


 其処までやるんですかキュラステル〜〜〜〜!!!????


[男しか居ねぇんだからさっさと脱げ!
と急かす衛士の前、漣の中に響く情けない悲鳴。
狭い甲板で煙草をふかしながら、老いた乗組員が苦笑いする。
坊も役者よなぁ、という彼の小さな呟きは
船の軋む音に掻き消された。

甘く、生臭い匂いのする────異国の煙草の煙も、潮の濃い匂いの中に消えていった。]*
 
(4) 2022/11/04(Fri) 0:06:26
修復師 ラシードは、メモを貼った。
(a0) 2022/11/04(Fri) 0:16:13

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2022/11/04(Fri) 0:25:39

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2022/11/04(Fri) 0:31:55

修復師 ラシードは、メモを貼った。
(a1) 2022/11/04(Fri) 0:32:13

到着:給仕 シロタエ

【人】 給仕 シロタエ

―― 大衆食堂「仔狐亭」 ――
[海上の孤島でありながら、その特性>>n5故に人の往来が多いキュラステル
そんな島の様々な店が並ぶ一角に「仔狐亭」はある
朝の早い漁師のために早朝から開く店もあるが、この仔狐亭は昼から営業のごく一般的な食堂だ
売りはやはり新鮮な魚介料理で、小皿をつまみに一杯という客も少なくない

大衆向けに安価に抑えられた価格もあって、今日も開店から賑わっている]

 「はいはい、今日はいい貝が入ったからそれもお勧めだよー」

[などという店主の声に、それならと注文の声が上がり
そんな店内を数人の給仕が忙しく動き回っていた]
(5) 2022/11/04(Fri) 2:25:19

【人】 給仕 シロタエ

 はーい、お待たせ!
 ピノス貝の塩ゆでとビールで500コルドだよ!

[給仕の娘がそう言って料理をテーブルにおいて手を差し出すと、客はあからさまに困ったような顔をした]

 うちは料理と代金引換だよ?
 入口に書いてあるの見なかった?

[初めてみる顔の男はきっと島に来たばかりなのだろう
そんな客でも料金システムを言えば大体はすぐに払ってくれるのだが、この客は視線を泳がせたままもごもごと口を動かしている
娘はそんな様子を見て「あぁ」という顔をして]

 もしかして……お金持ってない、とか?

[その一言で男が思いっきり動揺するのを見て「やっぱりぃ」と呟く
本当に持ってないかは置いておいて、混んでいる隙に食い逃げする輩は結構いた
だから今の代金引換になったのだけど、つまりはこの男は食い逃げする気だったということで]

 大将ー、ちょっといいー?

[厨房にいる店主に声をかけ事情を説明する
まだ食われてはいないのだからそのまま追い出せばいいだけなのだけど
前にそれをやったらちょっと怒られたりもしたので]
(6) 2022/11/04(Fri) 2:27:16

【人】 給仕 シロタエ

 「お客さん困りますよ……」

[なんて言いながら店主が対応する
本当に持ち合わせがないのかとか、島で何をしているのか、とか
そして結局、貝の塩ゆでとビールの代金分皿洗いで話がついた]

 もー、大将ってばほんと甘いんだから……

[実のところこういう対応は「いつものこと」で
研究目的で島に来る人たちの中には「本当に」困窮してる人もいたりするから、無碍に追い出したりしないっていうのが大将の言い分だった
それには、本人が昔そんなふうに世話になったというのがあって、そう聞いてしまえばそれ以上何も言えなくなってしまう

何より、娘本人も大将に拾われたようなものだったから**]
(7) 2022/11/04(Fri) 2:28:30
給仕 シロタエは、メモを貼った。
(a2) 2022/11/04(Fri) 2:45:24

到着:住職 チグサ

【人】 住職 チグサ

── 夜明け前 『慈厳寺』にて ──


[外に一歩踏み出すと、銀に冷えた風と共に、宵っ張りの虫の声に包まれました。
 東の空は僅かに白んではいても、天空にはまだ星々が息づいておられます。この頃はずいぶんと夜明けが遠くなったものです。
 しかし、お寺の朝とは得てして早いもの。修行僧たちは起き出して、まだほの暗い寺に灯を灯し、朝餉前の作務に精を出しておられました。
 あるいは掃除に。あるいは料理に。
 広い境内をひと歩きし、僧の修行を見て回り、望ましくない行いを細かく指摘していくのが、私の朝のお勤めです。老いて節々が痛くなった体とともに、私は歩き回りました。]
(8) 2022/11/04(Fri) 6:52:26

【人】 住職 チグサ

[縁側を歩くうち、掃除中の一人の小僧が目に留まりました。あらかた掃除を終えたのか、水桶の中身をあけようとしています。]

 そのような粗末なことをしてはいけません。

[言われた小僧はなぜ叱られたのか分からぬようでした。
 子供から水桶を受け取ると、縁側から外に出て、まだ夜霧の底で眠る木にかけてやりました。やがて日が登れば、この水は朝日を受けて輝くでしょう。]

 あなたにとっては役目を終えた汚れ水でも、渇いた草木にとっては待ち望んだ一杯かもしれません。
 一滴の水に感謝して、無駄にせぬ慈悲心を育てなさい。

[言われても、小僧は未だ納得できぬ様子で、しぶしぶと水桶を受け取りました。今は住職となった私に、表立って不服を示せるのは、がんぜない子どもの特権でしょう。]
(9) 2022/11/04(Fri) 6:53:39

【人】 住職 チグサ

[もっとも、こういった不服自体は彼だけのものではなく、この寺全体の僧から感じるものでした。私のお説教は何かにつけてケチケチと意地汚く見えるようです。

 気づきを得るのは、昔よりも難しくかったのかもしれまけん。このお寺は昔ながらの質素な──あるいは不便な生活を保っていますが、街に降りればずいぶんと豊かになりました。
 足腰を使って井戸水を汲み、かじかむ手を冷水にさらさずとも、魔法一つで温かいお湯が生み出せ、その熱を保ち続けることさえできるのです。

 そういった豊かな、心地良い社会に浸かれば、お寺の生活など、ただ苦しくて貧乏くさいだけでしょう。良くも悪くも大きく育ってしまったこの『慈厳寺』では尚更。]
(10) 2022/11/04(Fri) 6:54:45

【人】 住職 チグサ

[私はこのお寺と共に育ち、生きてきました。
 修行に励むうちに、何が功を奏したのでしょうか、そう大きくもない、歴史が長いだけの貧乏寺だったはずのこの慈厳寺は、すっかり大きく、膨れ上がってしまいました。
 それにつれて、修行に門戸を叩く僧侶の性質も、向上心の強い、良家のご子息が増えていきました。お釈迦様の教えを広くお伝えしていくのがお役目のはずのお寺に、威厳と権威が満ちていく様は、悲しくも皮肉なことです。

 しかし、このような懊悩もまた仏の教えの内。

 ── 一切皆苦、諸行無常。

 物事は思い通りにはならず、全ては移り変わっていくもの。]
(11) 2022/11/04(Fri) 6:56:03

【人】 住職 チグサ

[一礼して立ち去っていく小僧の背中をじっと見送りました。時代の写し鏡である子供は、このお寺でどのように育っていくのでしょう。

 自ら訪れる者が多い慈厳寺においては珍しく、彼は訳あってこのお寺に拾われました。
 野垂死のうとしていた場所が境内ではなく街中であったなら、大衆食堂に拾われたのかもしれません。
 例えばそう、あの情け深い対象が働く大衆食堂であれば>>6、世俗の刺激の中で、年の近い女給などとともに育っていったのかもしれませんが、現実として縁があったのはこのお寺です。
 そうであれば、娑婆っ気のない枯草のような老婆と共に、寺小僧としての在り様を見つけていくのが理です。しかし、どのように?

 小さな背中から受け取る責任は、こんなにも重い。この移り変わり行く時代の流れの中で、私はどのように彼らを育てていけばいいのでしょうか。]
(12) 2022/11/04(Fri) 6:56:58

【人】 住職 チグサ

[すっかり登った朝日の下で溜息をつくと、朝霧の中を梵鐘に向かって歩き出しました。

 まもなく、僧が朝の鐘を打つ時間です。低く響く鐘の音は、朝日の届かぬカーテンの向こうで眠る人々にも、朝を届けることでしょう。

 遠く、数々の宝が集まる港。その波間を縫って浮かぶ、小さな船>>1までにも。]*
(13) 2022/11/04(Fri) 6:58:03
住職 チグサは、メモを貼った。
(a3) 2022/11/04(Fri) 7:06:22

到着:隻影 ヴェレス

【人】 隻影 ヴェレス



            
☦︎︎


       哀しみの兆しが鳴り響く。
       空の棺が聖堂を後にする。


(14) 2022/11/04(Fri) 7:41:56

【人】 隻影 ヴェレス

 

 ──── 先刻;へレース聖堂

 [故人への別れを終えた聖堂の境内では、
  祈りを捧げる者、喪主に言葉を掛ける者等が疎らに残る。

  出棺の準備が着々と進む傍ら、
  最前列のベンチに座したまま膝元を見詰める少年は
  喪主としてこの場を取り仕切るには余りにも若い。]
 
(15) 2022/11/04(Fri) 7:42:26

【人】 隻影 ヴェレス



  「あんなにも若くて綺麗な人だったのに」

                「即死だったから苦しまずには済んだ」

    「当主さえ参列しないとは一体……」


 [ヴェレス・エルドレッド・アスター。
  周囲の囁き声に反応すら見せないその少年は
  最愛の母を失い、心を取り落としているように見える。

  出自を、キュラステル最大の研究機関を束ねる一族。
  その指導者は知恵の民たる人間ヒューマでありながら
  ありとあらゆる種族を娶る事で自らをも実験台とした……

  魔人の血を継いだが、混血故に魔力を持たず。
  賢者の血を継いだが、次男坊故に跡取りでなく。
  虚弱で、出歩く事も稀な籠の鳥。
 
  ────それが少年に対する
世間一般の認識
である。]
 
(16) 2022/11/04(Fri) 7:43:53