人狼物語 三日月国


187 『Ambivalence』

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プロローグ

【人】



  【ambivalence】
    ・・・両価性、両面価値感情
      同一対象に相反する感情を同時に持つこと。


(0) 2022/12/09(Fri) 0:09:13
村の設定が変更されました。

到着: 椎名 葉月

到着: 入江 修

【人】 入江 修



  「じゃあ今日の授業はここまでな。
   来週はテストだ。ちゃんと勉強しとけ。

   こら、そこ。えーじゃない。
   あとシューくんって呼ぶな。先生って呼びなさい。」


(1) 2022/12/09(Fri) 1:29:41

【人】 入江 修



   ぶつぶつと文句を言う生徒達に
   俺は呆れたような声で勉強を促す。

   まぁ気持ちは分かるけども。
   こんななんの面白みもない教科書で
   面白おかしく学んでいきましょうなんて
   無理難題もいいところだ。


    「大丈夫。俺がテストに出るって
     言ったとこしか出さねーよ。

     平均点70超えたら次の授業は
     自由タイムにしてやるからな。頑張れ。」


   カリキュラム的なところなんて
   暗記ばっかさせるたかが社会科の
   しかも日本史ならさほど問題じゃない。


(2) 2022/12/09(Fri) 1:31:23

【人】 入江 修



   担任の先生ということもあってか
   日本史、世界史、政治経済と、社会科目を
   全て引き受ける俺は自分のクラスの生徒達とは
   特に接点が多かった。

   俺自身こんな権威のけの字もないようなやつで
   それが良かったのか悪かったのか
   生徒達からは友達のような感じで接される。

   まぁでもその方がいいかもしれない。
   その方がこいつらのことをより近い目線で
   見守ることができるし、
   そのためなら権威なんて要らないってもんだ。

   なんたってこいつらは俺の可愛い生徒達なのだから。


(3) 2022/12/09(Fri) 1:33:49

【人】 入江 修



   「そうだ浅見。
    放課後帰る前に俺んところ来い。
    お前に手伝ってもらいたい事がある。」


(4) 2022/12/09(Fri) 1:36:51
到着: 浅見 律

【人】 入江 修



   自分のクラスの生徒の一人に
   呼び出しをかけて俺は教室を後にする。

   俺からの呼び出しなんて大抵ろくでもないから
   なんで呼び出されたかなんて本人が言わなきゃ
   周りの生徒からは浅見がゆるゆるの教師に
   こき使われてるようにしか見えないだろう。

   浅見という生徒はやけに問題があって
   担任の俺としては大変な生徒だ。

   もっとも問題がなのは浅見というよりも
   本人の周りなわけだから余計面倒な話だが。

   特別扱いする気はさらさらないものの
   少しばかり目をかける機会が多い。それだけだ。



(5) 2022/12/09(Fri) 1:39:23

【人】 入江 修



     そう、可愛い可愛い

        
哀れな
俺の生徒だ。**



(6) 2022/12/09(Fri) 1:40:17

【人】 浅見 律




    私に居場所なんてなかった。
    生まれたときから、ずっと。



  
(7) 2022/12/09(Fri) 2:28:34

【人】 浅見 律



    家にも学校にも、
    何処にだって居場所はなかった。
    そう、
なかった


  
(8) 2022/12/09(Fri) 2:29:41

【人】 浅見 律


  
  来週のテストの告知に、文句の声が上がる教室。
  二色の文字しかないノートを閉じて、
  私は目線を窓の外へと移す。

  
(9) 2022/12/09(Fri) 2:30:12

【人】 浅見 律



  暗記しかない日本史なんて、
  少し勉強すれば満点取れるのに
  周りの子が文句を言う理由が微塵も分からない。

  どうせ家に帰っても勉強しかすることがないから
  暗記科目くらい満点取れて当たり前。
  地頭がいいわけじゃない私ですらできる科目が
  暗記ばかりの科目だと思ってる。

  多分、そんな思考から澄ましたように見えるせいで。
  嫌われるのだろうけど。


  
(10) 2022/12/09(Fri) 2:30:45

【人】 浅見 律



  嫌われても仕方ない。
  私には価値なんてないんだから。
  仮に友達ができたとしてその子が不幸になる。
  だって、私と話しても
  何も楽しくなんてないはず。
  流行りの歌も、服も、漫画も。
  同い年の子たちが興味を示しそうなもの。
  その全ての話に、私はついていけないから。

  つまり、私に話しかける時間が無駄だ。
  だから、周りが私を気にかけないのも
  私に友達がいないのも、仕方ないこと。


  
(11) 2022/12/09(Fri) 2:34:20

【人】 浅見 律



  同い年の子が興味を示す娯楽が
  一切与えられてない私に、
  与えられてる数少ないものは、
  生きるために必要な最低限のもの。

  外に出たときに外聞の悪くならない服と
  栄養失調にならない程度の食事と、
  温かさなんてどこにもない住む場所。

  その環境が異常だってことくらい
  流石に分かってる、普通じゃない。


  
(12) 2022/12/09(Fri) 2:34:44

【人】 浅見 律



  でも、生かされているだけまだマシ。
  こんな価値のない私が生きてていいって
  言われてる間はまだ、マシだと思う。


  
(13) 2022/12/09(Fri) 2:35:19

【人】 浅見 律


  
   「わかりました、入江先生。」


  窓の外に目をやっていたら
  呼ばれたから、簡素な返事を返して。>>4

  なんで呼び出されたのか聞かれるほど
  私の周りに人がいるわけではないし
  話しかけるような人なんて一人もいない。

  
(14) 2022/12/09(Fri) 2:35:45

【人】 浅見 律



  呼び出しは何度もされてるから
  普通なら周りからはいい加減不良生徒だと
  疑われててもおかしくないけど、
  そこは、先生の人柄なんだろうか、
  そこまでの疑いはかけられてないから
  ひそひそ話の対象になることもなく。

  
……人柄というより周りが私に興味ないだけ、か。


  
(15) 2022/12/09(Fri) 2:37:01

【人】 浅見 律



  たとえ、良くないことを言われたとして。
  私は先生のところに行くことをやめたりはしない。
 
  どうしてかって?
それは―――――。


  
(16) 2022/12/09(Fri) 2:37:22

【人】 浅見 律

 

  
入江先生が


     
私にとって
いい先生、だから。


  
(17) 2022/12/09(Fri) 2:38:03

【人】 浅見 律



  「それで……。
   手伝い、って何ですか?」


  呼び出された資料室で聞いた質問。
  
あなたにとっても私にとっても、白々しかった?


  それでも、いつもそう聞いていたし。
  私は、あなたに言われることを言われるままに。

  あなたのW手伝いWをしようと。**

  
(18) 2022/12/09(Fri) 2:38:41

【人】 入江 修


 ─── 半年前 ───

   学校の先生をやめたくなる瞬間三選のうち
   大きなウェイトを占めるのが保護者との面談だ。
   学期半ばと末で年に4回行われる所謂クソイベ。

   こっちが下手に出てるのをいいことに
   保護者という名のクレーマーの処理をさせられる。
   時には子供である生徒と俺を置き去りにして
   一人で延々とキレ散らかしてる保護者さえいた。

   だが、そういうときこそ
   生徒たちの雰囲気を探れば
   そいつらの隠された本音がみえたりもする。


(19) 2022/12/09(Fri) 3:45:47

【人】 入江 修



    それが顕著だったのが、浅見律だ。



(20) 2022/12/09(Fri) 3:46:17

【人】 入江 修



    決して口に出すことは出来ないが
    浅見律との面談はよく覚えている。

    あの時感じた強烈な違和感が
    俺にはどうしても気になってしまい、

    他のやつがいないタイミングで
    俺は思わず聞いてしまったんだ。


(21) 2022/12/09(Fri) 3:47:02

【人】 入江 修



   「なぁ、お前、あんま両親と仲良くねぇの?」


(22) 2022/12/09(Fri) 3:48:10

【人】 入江 修



    無粋な質問だったなら悪かったなと思う。
    でも担任としちゃ見過ごせなかったのさ。*


(23) 2022/12/09(Fri) 3:49:25

【人】 入江 修



   さてそんな浅見なのだが
   未だにクラスに馴染む様子もなく>>11
   机の周りには立派な絶壁が立っていた。>>12

   そしてこれもまた難しい問題だ。
   クラスに馴染めと強要することが
   かえって浅見を苦しめることになるかもしれないし
   俺がテコ入れしすぎると浅見を特別扱いしたと
   これもまた面倒くさい話になりかねない。


   先生とはなんて無力な存在なんだろうと
   俺は思わず自分を呪ってしまったよ。


(24) 2022/12/09(Fri) 3:52:25