人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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視点:人


【人】 商人 J

[ 続いてジュダスもた笑った。
去っていく男の背には目もくれず、ただ笑った。]


 勇敢な方だ。


[ だが、愚かな女だ。
盲目で、何も知らぬ、知ろうとしない。]


 でも、行きましょう。


[ 場に静寂が戻ると男は女を先導するように、卓を離れた。
薄暗い会場を歩き慣れた足取りで。

──── 日付は今まさに替わろうとしていた。]
(74) 2022/03/19(Sat) 18:13:31

【人】 商人 J

[ 案内されたのは執務室の様な場所だった。
男は机に座る。窓から差し込む月明かりを背に。]


 では、商品の受け渡しといきましょう。
 ジャンヌ・アンペール。


[ 部屋の隅にはもうひとり居た。
それは二歩前に出ると灯りがその顔を照らす。]


 貴方が落札したマリーだ。
 いや……マリエル……だったか。


[ 檻に囚われていたときとは違い、意識もはっきりしているし、マリエルは強い視線で女を見ていた。
その服装はオークション会場の係の者と似ていた。]*
(75) 2022/03/19(Sat) 18:14:04

【人】 商人 J

[ 女の言葉にマリエルは首を横に振る。
それを可笑そうに男は笑う、喉を鳴らしてクツクツと。]


 それでは、
 商品の引渡しの前に精算と行きましょう。


[ 男は紙切れ一枚を取り出すと、マリエルがそれを受け取って女へとある渡す。そこには宝石を手に入れるまでにかかった費用が記されていた。
この町のあらゆる富豪への調査の費用、それから実際にハズレ≠買い入れた費用、それらが相場の3倍から5倍の値段で記されていた。
それは女が1年折っていた時に使った費用からみてもかなりの高額とわかるほどだった。]


 費用については依頼者の負担とする。
 契約書に記された内容です。


[ さらには落札価格の2割。高騰したそれは2割といえどもかなりの額だ。それらを合わせれば女の残された資金では到底間に合わないことは明白だった。]
(81) 2022/03/19(Sat) 21:33:39

【人】 商人 J

[ 男は調子を変えずに女に問う。]


 一応確認しますが。
 支払いは可能ですか?


[ 今すぐそれが不可能であることはわかっている。
そして、女がどれだけ金をかき集めても届かないことも。
件の元婚約者とやらがアンペールの所領や資産を彼女に返せばそれも可能かもしれないが、それは現実的ではないだろう。]


 もちろん今すぐでなくても構いません。
 ただし、私は商人です。

 当然ですが利息は取らせてもらう。


[ つまり、時間が経てば経つほど借金≠ヘ膨らんでいくということ。]
(82) 2022/03/19(Sat) 21:33:54

【人】 商人 J

 
 『お嬢様、ケリオス商会の利息は十日で1割です。』


[ 男ではなくマリエルが静かに告げる。
それに男はゆっくりと首を縦に振って追認する。]


 私は聞きましたよ。
 いいのですか?と。


[ 男は薄笑みを浮かべたまま問う、払えるのか?と。]*
(83) 2022/03/19(Sat) 21:34:08

【人】 商人 J

[ 契約とは誓約であり、制約である。
互いに血を以て交わしたそれは呪いの如く魂を縛り付ける。
それが、──── ギアス。]


 待て。
 勝手に出ていくことは許さない=B


[ 否、それは確かに呪いなのだ。
古代魔法によるギアススクロール。期限は7日間。契約を破った者に服従を強いる呪いの契約書。女は確かにそれに血を吸わせた。

男がパチンと指を鳴らす。
その瞬間に、まるで無数の針が体中を貫き通したような激しい痛みが女を襲う。傷はない、失血もない、ただただ紛らわすことさえできない激しい痛みだけがそこにあった。]
(93) 2022/03/20(Sun) 7:23:30

【人】 商人 J

[ 女という生き物は痛みに強いという。
耐えることは不可能ではない、傷ができるわけではない、身体能力も損なわれない。だが、この呪いに抗えた者など男は知らない。]


 もう貴方は私のものなのです。
 契約が破られたその瞬間から。
 
 貴方は既に依頼者でもなければ客でもない。

 私の、──── 大事な商品だ。


[ 月を背に男は嗤う。
馬鹿な女を、その心を踏み躙り嗤う。]
(94) 2022/03/20(Sun) 7:23:53

【人】 商人 J

[ 可笑そうに嗤う男は確かに女の知る男そのものだった。
もしも、女の目に違う様に写ったのなら、変わったのは男ではなく女の方だろう。]


 悲観的になることはない。

 貴方を買う人間が、
 貴方を大層気に入って、
 妻に迎えることを望むかもしれません。


[ クツクツと喉を鳴らして男は嗤う。
そんなことはあり得ない、世界はそんなに優しくはできていない。

嗤いながら、男はもう一度パチンと指を鳴らした。]*
(95) 2022/03/20(Sun) 7:24:47