人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:人


リヴィオは、ただのひとりの人間だ。
(a14) 2023/09/24(Sun) 9:52:02

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>15 >>16 リヴィオ

きっと女が昔のままの女だったなら。
あなたに贈られたものは『銀のヘアピン』であり、愛らしいヘアクリップは今も女の手元に残されていた。
そもそも、いつも通りに何の脈絡もなく突然ヘアピンを贈りつけるだけで全ては事足り、今こうして共にパラソルの落とす影の下語り合うことだってなかったはずだ。

そうしなかったことそうできなかったことが、女の敗因であり。
そして、あなたの救いであるらしかった。


女の手が止まる。
しゃくり、と匙をジェラートとコーンの隙間に刺した。
ミントブルーの瞳がそんなあなたを映す。
だけど女にはどうしても口にしなければならないことがあった。

「…リヴィオさん。」

#specchio
(17) 2023/09/24(Sun) 11:07:50
2023/09/24(Sun) 11:09:21

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>15 >>16 >>17 リヴィオ

「あたし、捕まる訳にはいかないんですよねえ。」

女は、中途半端な蝙蝠だった。
獣の仲間にも鳥の仲間にもなれないままの、そんな本物の半端者だった。
それでも、女の心だけはいつだってひとつであったつもりだ。
だから女の言葉はその通りで。
ただやっぱり少し困ったような顔で、あなたのことを見つめている。

「…見逃してあきらめてくれませんかあ?」

そんな甘言。
法を悪用した罪人の、それは最後の足掻きであるはずだった。
そして女は足掻かなければならないはずだった。
空浮かぶ雲の色濃く深い曇り空。パラソルの影と同じだけ、周囲の景色も暗くなる。

#specchio
(18) 2023/09/24(Sun) 11:10:00
ダニエラは、「…でも。」 #specchio
(a15) 2023/09/24(Sun) 11:11:11

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>15 >>16 >>17 >>18 リヴィオ

匙をとり、ジェラートをそっと口に運ぶ。

「そおいうわけには行きませんよねえ。」
「そおしたら、また別の人が逮捕されちゃうかもしれませんしい」

それはあたしも困ります、と。
女はここにきてようやく、いつものようにけらけらと控えめに笑った。

「ただひとつだけえ、聞かせてくださあい。」
「あたしはずうっと、
あなたたち
を探していたんですけどお。」

「…リヴィオさんは、最後のひとり…ですかあ?」

それだけは、聞けないと安心だってできないもので。
でも、もし違っていたら、どうしようか。
もう少し足掻かないといけないな、そのときは。

#specchio
(19) 2023/09/24(Sun) 11:12:42

【人】 リヴィオ

>>17 >>18 >>19 ダニエラ

こんな口説き文句だけじゃ、
君はきっと落ちてくれないだろうとは考えた。

自分の裏は隠し、『証拠』を突きつけ笑って、
君だけを責めてしまうことは簡単だったが……。
だけどそれが出来なかったからこそ、
まずは真っ直ぐな言葉で伝えるしかなかったんだ。

その後にどうするかなんて、その時考えるしかない。
お姫様抱っこでもして警察署お城に向かうのも悪くはないけどね。
そうじゃないと、彼の呆れ顔を見ることになってしまう。
まぁ、辿り着く前にお巡りさんへ通報されかねないが。

「……俺個人ではなく、
頼み
でもなければ、
 俺は多分君を見逃してしまっていたんだろう」

誰でも良かった。でも、誰でもいい訳じゃなかった。
知っている人間も、知らない人間も。
誰も彼も、無実の人間はあの狭い場所に行くべきじゃない。

本当はずっと分かっているし、
選ばないってのは責任逃れに過ぎない。
狡い人間なんだ、本当は。

#specchio

(20) 2023/09/24(Sun) 12:34:12

【人】 リヴィオ

>>17 >>18 >>19 >>20 ダニエラ

まぁだから、君が見逃して欲しいと口にするなら、
それもいいかと代わりに俺も見逃してくれと笑って、
きっとその後は自己嫌悪に陥っていたんだろう。

そんな過去も未来も、なかった訳だが。

「…だから、すまないね。見逃される諦められることを諦めてくれ。
 君を休ませて座らせてやりたいと言った
のためにもね」

誰が言ったかまで教える必要はないだろうが、
ヒントくらいはいいだろう。
あとはその当人が後で問い質されればいい。

座る場所はどうにも心地がいいとはいえなさそうだが、
仕事を休むって意味でも悪くはない。
しかしもしも彼女に何かをする輩がいるなら、
俺が殴っても噛み付いても許されるだろう。

彼女に何かを思う人間だった場合は?
…どうしようか、特に何も考えていない。
出来ることならそうならなければいいと願うだけ。

代わりに俺を殴る案でどうにかならないだろうか。
別にマゾヒストじゃないが。

#specchio

(21) 2023/09/24(Sun) 12:35:48

【人】 リヴィオ

>>17 >>18 >>19 >>20 >>21 ダニエラ

問いに誤魔化すことなく頷いて。

「あぁ、そうだよ。
俺達
は俺が最後のひとりだ。
 だからね、君がこれ以上に頑張る必要はないんだ。
 安心していいよ、俺は嘘吐きだが──そういう嘘は吐かない」

自分さえ食い殺したかった凶狼【A.C.A】一匹ひとりは笑う。

こんなにも綺麗にひとりになるとは思わなかったな。
最後が俺ってのもどうなんだって話だけどね。

「という訳でだ、ダニエラ君。
 『この街の執行役が全員いなくなれば平和だと思わないか』」

だってさ、これも君を座らせたいやつの言葉。

表舞台は残る人間に任せよう。幸い、そこに宛はある。
というか、黙って隠していたからでもあるが、
【A.C.A】のひとりに協力を頼む有能なやつがいるんだ。

それだけじゃなくて、流石にやり過ぎなこの状態じゃ
あの目がない代理様も残り僅かの天下になるだろう。

そうなって欲しいからそう願っておく。

#specchio
(22) 2023/09/24(Sun) 12:36:56

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>20 >>21 >>22 リヴィオ

「頼み…彼?……あー。」

わかるような、わからないような。
でもわかる寄り。理由なんかがそれらしい。
女が抱いた
協力者
への印象は、ひとつめのアジトを放棄したときからあまり変わりはないらしい。

だからそのことに腹を立てることはなかった。
彼に伝えた言葉に嘘なんてなかったから。
女は裏切られてもいいと思える相手だけを、信じていた。

それにしても、その
はさておきだ。
ではどうしてあの人は、あなたのことを知っていたのだろう。
…こっちには少し腹が立つ。
顔を合わせぬ間に、伝えたい文句ばかりが増えていく。
それはそれで、女の信頼の証ではあったけど。


#specchio
(23) 2023/09/24(Sun) 14:36:42

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>20 >>21 >>22 >>23 リヴィオ

コーンを崩して、口の中。
歯触りに微かな香ばしさとイチゴfragolaの味が少しして。
ふう、と一息。口元にはいつもと同じ笑み。

「…でも、そおですかあ。」
「リヴィオさんで、ほんとおに、最後…。」

そんな中、沁みるような声に滲んだのは、安堵だっただろうか。
少しだけ、違うような気もしている。
でも肩の荷がひとつ降りたのだけは、紛れもない事実であったらしい。

あなたの胸中こそ知らないが、女はずっと、早く地獄に堕ちればいいと思っていた。
静かに座る権利なんてどこにも残っていないと思っていた。
だからこれから往く先が、冷たく狭い地獄だとしても構わない。
そういう場所に、女はあの優しい人たちを送り込んできたのだから。
手錠をかけたとき、誰一人として、女を責めた人はいなかった。
女は本当にそのことが、ずっとずっと、哀しかった。


左手小指のエナメルを撫でる。
いつもはつるりと陶器みたいな感触なのに、その表面は傷だらけで少しざらついて感じる。

「…わかりましたあ。」
「デートのお誘い、お受けしますう」

そうして女は、歌うような声で、朗らかに告げた。

#specchio
(24) 2023/09/24(Sun) 14:37:33

【人】 傷入りのネイル ダニエラ

>>20 >>21 >>22 >>23 >>24 リヴィオ

女の虚実は意図しない限り曖昧だ。
今こうして晴れた心地でいることが、本当なのか嘘なのか、女にだってもうよくわかりはしなかった。

でも、ひとつだけ。

「――ところでリヴィオさん。」
「そんなお身体で、まさかエスコートなんて言いませんよねえ。」

半日休むって、言ったくせに。
それについて抱いた感情は本物だろう。
まだあと少しコーンが残っていたけれど席を立つ。
座るあなたを、見下ろして。

「病院でも、風邪薬でも、何でもいいですけどお。」
「雨が降る前に、少し寄り道しませんとお。」

「…デート相手が素直だった分」
「時間に余裕は、まだありますよねえ。」

…聞くところによると、今日は通り雨が降るらしい。
そんなものに、今のあなたを晒すわけにもいかないだろう。
…これが、女が『銀のヘアピン』について、言い訳ひとつしなかった理由だ。

きっと、してやったりと、女はにこりと笑っていた。
#specchio
(25) 2023/09/24(Sun) 14:38:28

【人】 門を潜り ダヴィード

街中を歩きながら端末を引っぱり出し、アジトにいるであろう幾人かに向けて連絡をする。
道中に屋台に寄ってアランチーニを買い、はふはふと食べながら。
近況を上に報告するなんていつも通りの日常だ。なにもおかしくない。

『昨日から付けられてるみたいです
 今日はアジトに顔を出せなさそうです』

「ううん。
 この際温泉でも行こうかなあ……
 見つかったらサボってるって思われないかなあ……」

観光客に紛れられると思って、とか。
街がこのザマじゃあ言い訳っぽいなあ。
次はどこへ行こう。
油の染みた包み紙をゴミ箱に放り投げて、またため息をついた。

#街中
(26) 2023/09/24(Sun) 17:28:31

【人】 コピーキャット ペネロペ

入っていた連絡に舌打ち一つ。
やっぱり車で刑務所にでも突っ込んでやろうか。
今はできない最終手段、
もとい単なる憂さ晴らしをふと思い返しながら。

夕暮れの街を行く。
ペネロペ・ベリーニは知っている。
今この街にいつも通りなんて無い事を。
そして、それはいつかは終わるという事を。

今はいつも通りを装うのが、きっと大嘘吐きの役目だろう。

#街中
(27) 2023/09/24(Sun) 18:55:46
ペネロペは、いつも通りだ。
(a16) 2023/09/24(Sun) 19:21:42

ペネロペは、知っている。
(a17) 2023/09/24(Sun) 19:38:46

【人】 リヴィオ

>>23 >>24 >>25 ダニエラ

君はやっぱりどこか、自分によく似ていると思った。

どんな理由であれ【A.C.A】に所属していたんだ。
地獄にひとりで落ちてしまえばいい、落ちてしまいたい。
そう思う心はまだ、ずっと、胸の内にあるまま。
だと言うのに、お迎えがなかなか来ないから
こんなに留守番して、ここまで残ってしまった。

まぁ最後そうじゃなきゃ、未来の話はきっとなかった。
誰かとの未来に笑う自分が、許せなかったから。

別に、今も許せているわけじゃあないが──。
あの物好き達の顔を思い浮かべてまたため息が零れかけた。
多分、惜しいと口にしたのが自分の敗因だった。

案外、責められるよりも責められない方が苦しむらしい。
暫くはそこに身を下ろして、生きていこうと思う。

勿論、石や罵詈雑言も歓迎しているよ。
マゾヒストじゃないけどね。

#specchio

(28) 2023/09/24(Sun) 20:18:57

【人】 リヴィオ

>>23 >>24 >>25 >>28 ダニエラ

「…あぁ、最後だよ。本当の、本当にね」

繰り返すのは、嘘じゃないよともう一度伝えたくて。
君の本当の心までは理解出来ないが、
そのひとつの事実に、男はひとつ安堵する。

もしもまだ心配なら二人の名を伝えようかとも考えたが、
問題なさそうなので浮かべた顔に頭を振ってかき消した。

「………ありがとう」

こんな色気のない口説き文句で、
落とせるとは考えていないし思いもしない。
それでも、真っ直ぐに伝えることが今出来る全てだったから、
君が誘いに乗ってくれたその事実にまた安堵して、
強ばっていた肩の力を抜いた。

──瞬間、意識が一瞬点滅する。

まだ全てが終わった訳ではないというのに、
どうやら力を抜きすぎたらしい。
再び君の様子を確認すれば、既に君は立ち上がって。

#specchio

(29) 2023/09/24(Sun) 20:19:55

【人】 リヴィオ

>>23 >>24 >>25 >>28 >>29 ダニエラ

…まずい。意識が飛んでも何を言いたいかは大体分かる。

「…………はは」

分かるのだが、まずは笑って誤魔化そうとする。
誤魔化す必要はないが、感じた圧から逃げたくなったせいで。
体を逸らして少しだけ距離を取り、悪足掻きをする。

「……いや、えっと。あー………はい、そうだね。
 それについては、うん……俺も諦めるとするよ………」

そのまま少しだけ悪足掻きを続けようとするが、
流石に君が諦めたのに、諦めないのはどうかと思った。
病院に行ったら長めに拘束されそうだが──。

「…病院へのデートも付き合ってくれるかい?」

仕方がない。医者に怒られるよりも君の方が恐いんだ。
デートの前にデートに誘って、
君の時間を長めに頂戴するとしよう。

熱の本当の理由を向かう途中で明かそうか。
出来れば、怒らないでいてくれると助かるよ。

…あぁ、そうだ。語るついでに言いたいことがもうひとつあった。
多分、辿り着くまでに時間はまだあるだろうから。


#specchio
(30) 2023/09/24(Sun) 20:20:49
リヴィオは、「ねぇ、ダニエラ君。俺と友人になって欲しいんだ」 #specchio
(a18) 2023/09/24(Sun) 20:21:15

リヴィオは、少し照れるようにそう言って、言葉を続ける。 #specchio
(a19) 2023/09/24(Sun) 20:21:22

リヴィオは、「きっと仲良くなれると思うんだ。…これから、もっとお互いに知っていこう」 #specchio
(a20) 2023/09/24(Sun) 20:21:33

リヴィオは、君と友人として、犬カフェに行くのがこの先の夢だ。 #specchio
(a21) 2023/09/24(Sun) 20:21:42

リヴィオは、そうして「通り雨の後、虹が見れたらいいね」と笑って。 #specchio
(a22) 2023/09/24(Sun) 20:22:30

リヴィオは、曇り空の下君とふたり、同じ足並みで歩んでいくのだった。 #specchio
(a23) 2023/09/24(Sun) 20:22:53

【置】 傷入りのネイル ダニエラ


マフィアを幇助する目的で、
【A.C.A】のメンバーを探り盗聴器を仕掛けた


出頭し、そのように己の罪を告白した女が逮捕された。
女もまた波魔【A.C.A】であったために、余罪は多いとされ尋問の手配がとられることとなる。
それを待つまでの暫しの時間、檻の中での待機を命じられた女は落ち着いた様子だった。

ただ痛いだけならいくらでも我慢してやれる自信はあったけれど、
爪を剥がれるのは少し嫌だなと小指の爪を撫でていた。
(L4) 2023/09/24(Sun) 22:23:53
公開: 2023/09/24(Sun) 22:30:00

【置】 リヴィオ


ダニエラとの病院での診察一度目のデートの後、
男もまた出頭し己の罪を告白する。

様子の可笑しい人間で、職務態度も良いとは言えないが、
渡された仕事をきっちり熟す点においては知る人ぞ知る。
勿論、仕事を遣り遂げるのは当たり前のことではあるが、
その速度は人並み以上のものであった。

さて、そんな男の罪は何かと言うと、

マフィアからの押収品である銃の所持だ


どうやら押収品として保管される前のものを
持ち出したらしいが……直接的に行ったのは、
同部署に所属する警部補の一人だと語っている。

実際、やり取りの証拠となる音声が録音された
ボイスレコーダーを所持していたことや、
リヴィオ・アリオストによる証言から
その警部補へも詳しい事情を確認する運びとなったらしい。

そうして肝心のリヴィオ・アリオストもまた、
詳しい事情の確認が必要となるため、
ダニエラ・エーコと共に檻の中での待機を命じられていた。
 
(L5) 2023/09/25(Mon) 2:36:15
公開: 2023/09/25(Mon) 2:40:00

【置】 リヴィオ

檻の中での男は横になり、動く様子がない。
一見そのまま死んでしまったのではないか、
そう思うほどに微動だにしなかった。

しかしそれもそのはず。

限界を超えた体はすべきことを成し遂げたことで、
電池切れのロボットのようにスイッチオフ状態。

出来ればそのまま起こさないで欲しいと
意識を落とす前に考えはしたものの、
そう上手くいくはずもないと理解していた。

せめてそうなるまでは休息していたい。
それが今の男の願いだ。

何かあった時の世話は
に任せた。

約束通り会いに来たんだ。
それくらいのことは任せて許されるだろう。

増えた仕事の見返りってやつだ。


#収容所
(L6) 2023/09/25(Mon) 2:38:21
公開: 2023/09/25(Mon) 2:45:00

【人】 路地の花 フィオレ

>>+55 テオ

「花にも蔦があるばっかりに、見誤ったわね?」

可憐な花も、絡めとる蔦も、侵さんとする毒も。迂闊にふれれば傷付ける棘も持っている。
そんな花を相手にした時にはもう手遅れだったのかも。
あなたが突き放そうとするたびに、強固になるものだから。
やはり、どうしたってろくでもない。

「危険な花こそ美しく見えるというものね」

食べさしのサンドを揺らしながら。
満足気に笑ってみせている。内容がどうあれ、特別視されるのは嬉しいものなのだ。
枯葉剤をまかれたって枯れてなんかやらないつもりだ。

「逮捕されてるのによくそんなこと言えるわねえ」
「でも、そうね。
 テオに捕まえられるのなら、それはそれで」

良いかもしれないわね。なんて。
嫌な気がしないどころか、楽しげに笑ってみせるのだ。
(31) 2023/09/25(Mon) 9:38:00

【人】 門を潜り ダヴィード

「うお〜、こんな人少ないことあるんだ。
 ラッキー?」

こうなればヤケだの思いで有言実行、男は温泉にいた。
白くもくもくと湯煙が立ち込める中、いつもは観光客でごった返すここにも遠くに人がまばらに見えるのみ。

そこらで売っていた水着に着替え浅い湯に足を浸ける。
丸腰になることが躊躇われたのか、背後に感じる視線は遠い。

「でもまあ、低温調理されるわけにもいかないし」

数時間はのんびりとしていてもおかしくないだろう。
これはただの休日、平穏な日常だった。

#温泉
(32) 2023/09/25(Mon) 10:02:57
ダヴィードは、メッセージを送ってから、やっぱりちょっと恥ずかしくなった。
(a24) 2023/09/25(Mon) 22:02:54

ロメオは、生きとし生ける人間は皆病気だと思っている。
(a25) 2023/09/25(Mon) 22:38:58

ペネロペは、約束をした。
(a26) 2023/09/25(Mon) 23:37:01

フィオレは、結局ローストチキンの方は、そのまま差し入れしてあげた。
(a27) 2023/09/26(Tue) 12:49:57

リヴィオは、叩き起された後、その場から姿を消していた。
(a28) 2023/09/26(Tue) 14:01:16

【人】 花浅葱 エルヴィーノ

――その日男は、朝礼の後姿を消した。
一箇所牢屋に立ち寄ったけれど、それを知るのは本人のみだ。

「じゃあ、そろそろ始めましょうか」

人気のない会議室でノートパソコンを開き、協力者に指示をする。それは事前に手を回した、マスコミの折り紙付きの情報発信者インフルエンサー

僕はこれから、警察としては褒められない手を使って、ある人物を告発する。

(33) 2023/09/26(Tue) 14:54:51

【置】 花浅葱 エルヴィーノ



『反社会組織取締法』施行の立役者、
ヴェスペッラ警察署長代理、ナルチーゾ・ノーノ氏。
使用された多額の献金は、違法献金!
資産家、アリソン・カンパネッロ女史の正体は、
アレッサンドロ・ルカーニア
マフィアのカポ・レジーム、
”黒眼鏡”
だ!

これを皆は許せるだろうか?
あの署長代理を即刻更迭せよ!

(L7) 2023/09/26(Tue) 14:58:18
公開: 2023/09/26(Tue) 15:00:00

【人】 花浅葱 エルヴィーノ

SNSで唐突に発信されたニュースは、瞬く間に広く拡散された。
発信者が何万ものフォロワーを抱えるインフルエンサーだからというのもあるが、その内容があまりにも衝撃的だったからだ。
拡散され、炎上し、その矛先はすぐに警察へ向かう。
今頃きっと、署の電話はなりっぱなしに違いない。

その状況をしかと見届けた僕は、直ぐに告発文を手にして署長代理の部屋へ移動する。
そこに前日約束した彼は居ない。
ずっとSNSに齧り付いていたから、彼が自首をしたことは……まだ知らない。
それでもともに来てくれた警官と、どさくさに紛れて逃げられぬよう、すぐに取り押さえることができる場所に陣取っていた。

逮捕令状?
そんなものは必要ない。……と、思っている。
自分が施行した法律をもって、今はまだその男を逮捕可能のはずだ。
証拠の証言もしっかりと抑えてあるから、取締法がなくなったとしても署長代理を勾留することは可能だろうし。
警察はそもそもがこういったスキャンダルを重く捉える組織だから、
罪はどうあれ、彼を署長代理に据えたままにはもう、出来ないはずだ。

(34) 2023/09/26(Tue) 15:00:45

【人】 花浅葱 エルヴィーノ



―――そうしてその日、銃声がひとつ、鳴った。



これはヴェスペッラ警察署長代理、ナルチーゾ・ノーノが
電光石火で逮捕されることになる少し前の出来事だ。
(35) 2023/09/26(Tue) 15:03:03
ダニエラは、笑っている。
(a29) 2023/09/26(Tue) 15:37:02

【置】 コピーキャット ペネロペ

「あーーーー、……ハハハ……無茶苦茶するな」

街中に燎原の火のように広がっていく報せ。
反社会組織取締法に則って、署長代理を告発せよ。
そのさまを見て、猫被りは一人笑っていた。

確かに、何か考えあっての事だろうとは思っていたが。

「……車回すか」
(L8) 2023/09/26(Tue) 15:50:32
公開: 2023/09/26(Tue) 15:50:00
リヴィオは、「ほら、もうすぐ外は晴れるよ。───」
(a30) 2023/09/26(Tue) 16:08:24

リヴィオは、どこかでそう、呟いた。
(a31) 2023/09/26(Tue) 16:08:36

【置】 門を潜り ダヴィード


「アハハッ」

お行儀悪く端末をいじりながらの街歩き。
鬼ごっこに時間制限が追加されそうだ、という知らせ。
それなら張り合いも出ようと言うもの。

「こんなの、頑張れちゃうじゃないですか。
 はあ〜……かっこいい……」

足取りが軽くなる。
まだ、歩ける。
(L9) 2023/09/26(Tue) 16:26:48
公開: 2023/09/26(Tue) 16:25:00
フィオレは、インフルエンサーの発表で聞いた名前に、ええ!?と声が出た。色々な意味で。
(a32) 2023/09/26(Tue) 18:02:18

ダニエラは、真実を、自白した。
(a33) 2023/09/26(Tue) 20:46:12

ダニエラは、嘘を、自白した。
(a34) 2023/09/26(Tue) 20:47:11

ダニエラは、笑っている。
(a35) 2023/09/26(Tue) 20:47:35

【置】 門を潜り ダヴィード

「はっ、はっ……」

夜。
痺れを切らした追跡者たちが、距離を詰めてきているのを感じた。
悲しいかな木っ端の下っ端に付いていた追跡者は一人だけで、意を決して走り出せば慌てて向こうも走り始めた。

勝手知ったる路地裏に誘い込めば逃げ切れるか、と暗く細い街路へと走り続ける。
あと少し、そう思った時のこと。
どっ、と腹に強い衝撃が走った。
勢いのまま転げて、なんとか頭を庇って縮こまる。

「さんざ走り回りやがって、このクソガキが」

「オラ手ェ出せ、手錠嵌めてやる」


待ち伏せされていたと気付いたのは罠に嵌ってから。
逃げ回って翻弄したつもりでいて、実のところは追い込まれていたの自分だったのだ。

「アハハッ、なんの根拠があって?
 俺の何が悪くて、どうして逮捕されるんです?
 説明し、あ"、ぎッ……」

罵声と共に降ってきたのは拳。口の中が血の味でいっぱいになる。痣が出来るだろうなあ、とぼんやり思う。

「見えるところはやめて、くだッ 
 やめろって言ってんだ い"〜〜ッ……」

減らず口で時間を稼ぐにも限度がある。彼らだって曲がりなりにも警察官なのだ、『抵抗したから』以上の危害は加えられないだろう。
いやだ、いやだ、約束を守らないと。
嘘を吐くのはいやだ。
(L10) 2023/09/26(Tue) 20:50:44
公開: 2023/09/26(Tue) 20:55:00

【置】 門を潜り ダヴィード

「……あ?電話?
 チッ、んだよ……張り込み中に電話すんなッて!誰だよ!
 今いいとこなんだから邪魔すんなって!
 ……ア!?失効だあ!?」


ざわ、と周囲の男たちが騒がしくなる。
どうすんだよこいつ、知るかよそんなもん、とりあえず行くぞ、ここにいるのはまずい。


先ほどとは違うばたばたとした足音が引いて行けば、周囲に人の気配はなくなっていた。

「……失効……?ってことは……時間切れ?
 おいおい、俺偉いんじゃない?
 アハハッ、アハハハハッ!」

あいててて。思わず大笑いすると腹に響いて鈍い痛みが戻ってきた。
さっき聞いたことが本当なら、付け狙われていた根拠が効力を失ったというのが本当なら。

「は〜〜〜〜〜〜ぁあ」

特大のため息も漏れようというもの。
ああ、俺は約束を守れたんだろうか。
腹も顔もじんじんと熱を持っている。おそらく腫れて、痣になるかもしれない。でも生きているし、無事だ。

「使わなかったな、お前も」

懐から愛用のナイフを取り出して、鞘は払わないまま撫でてやる。
警察は嫌いだし、殴られた分はお返しを計画するだろうけれど、死んでほしいとは思わない。
暗い空を見上げて、またひとつ笑いが溢れた。
(L11) 2023/09/26(Tue) 20:51:15
公開: 2023/09/26(Tue) 20:55:00
ダヴィードは、「うるせえ!」と近所の窓から空き缶を投げられた。そんな。
(a36) 2023/09/26(Tue) 20:55:16