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【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>49 黒眼鏡 「それじゃキミの顧客は上客ばかりだね」 飲まない人間もそれなりにはいるだろうけれども。 差し出された紙袋の中身を確認すると、確かに何か他のものが入っている。 「おや、今日はおまけ付きかい。 飴も焼菓子もありがたくいただいておくよ」 渡されれば特に嫌がる様子は見せないし、素直に受け取っておく。 シエスタの時のいいおやつになりそうだ。 「はは、キミにそういうお節介をいただくとはね。 まぁ、大事なときはこれでちゃんと寝てるさ。あまり常用すると薬が効かなくなるだろう?」 #Mazzetto (57) 2023/09/12(Tue) 16:19:43 |
【人】 日差しにまどろむ ダニエラ>>55 ニコロ 「んふふー。」 「上を見たらきりがない〜ってやつでしょうかあ?」 控えめにくすくすと喉が鳴る。 あなたが曲名を口にすると、「あー。」と短い感嘆詞。 「そのまんま、子守唄なんですねえ。曲名。」 そんな短い感想だけ残し、また演奏に耳を澄ませる。 懐かしい旋律に、ハーモニカの音色。 いつの間にか、目を閉じて聴き入っていた女は、曲が終わると今度は拍手をしなかった。 「……思うんですけどお。」 「プロに劣ったとしても、いいと思うんですう。」 「ニコロさんのハーモニカ、あたしはすごおく好きですよお」 素直な感想に、照れはない。 いつの間にかほとんど食べてしまっていたピザの最後のひとくちを、ぱくりと頬張って飲み込んだ。 「ごちそおさまでしたあ。」 #街中 #公園 (58) 2023/09/12(Tue) 16:25:18 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>38 テオドロ 「おわっ、テオドロか?」 まさか知り合いに独り言を聞かれてると思わず足を止めた。 そもそも後で連絡をしようとしていた相手だ、少しの都合など融通させるかいつもの店で会う約束を取り付けようと体を向ける。 「Ciao,その姿は久しぶりに見たが今日もいかしてるな。 しかし悪いなあ、温泉よりも三日月島に因縁があるもんだから一人ではお断りなんだ。 テオドロが一緒に付き合ってくれでもすれば話は別だがなあ。 こういう時は気を張るような女相手より、お前みたいなやつと行くほうがほうが気分が晴れる」 先程までのまごつきを誤魔化すように口の端を上げて調子良く話す。 あなたが行かないのなら行かない、とわかりやすい主張。機嫌良さげに植木鉢に向き合うその姿に目を細めた。 #街中 (62) 2023/09/12(Tue) 18:12:52 |
【人】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>56 ニーノ 場所を違えたような……いや、逆にこの場所にお似合いの。 微笑ましい光景を眺める影がひとつ。 路地裏の奥から現れたのは、こちらも場所を違えたような 子供人気の高い(当人調べ)先生だ。 モーテルからの近道を通った結果の遭遇に首を傾げた。 「(子供……、じゃないな。どこで見たんだったか)」 自分の容姿も大概、一部を除いて 子供並でしかないのに浮かぶ考えをぐにぐに捏ねて、 どこかで見た気がする姿をじっと観察している。 目元のクマは爆睡の結果幾らか薄まり、 へばりついた笑顔は常と変わらず。 ぱっと見は仔猫を警戒するような距離で、 路地裏からどう出ようか迷っている風にも見えるだろう。 #路地裏 (63) 2023/09/12(Tue) 18:39:31 |
【人】 Chiavica テオドロ>>62 ルチアーノ 「そんなあんたは、 紛うことなきルチアーノですね」 色男に褒めていただけるなんて光栄。誉めそやしと皮肉が半分。そんないつものにやついた笑みで応対して。 「……ええ?いや、気を張る相手よりかって気持ちは分からないでもないが……俺はあんたを散歩に連れ出す為に予定空けられるほど暇じゃないんですけど」 続いた言葉には困惑気味。嫌でもちゃんと休息は取れだのお節介な人たちの言葉を思い出すし。とはいえ言い出しっぺ。これできっぱり断るのも無責任というもの。 「そっちが俺の非番の時に合わせてください。着いて行かせたいんなら文句は言わせませんからね」 最初から向こうは『お前が行くなら』ということを示してる以上は然程不当でもない条件であるのに、あくまで譲歩してやる、というポーズは崩さない。 なんならエプロンと植木鉢が同じ画角に収まってる以上は最早親しみ易い仕草ですらあった。 #街中 (64) 2023/09/12(Tue) 19:10:46 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ>>59 黒眼鏡 「そう。まぁ、キミが繁盛してるお陰で僕もいい物に恵まれているんだから助かるけどね」 最近のノッテの幹部にしては話が通じる方で助かるが、やはり変わった男だと思う。 どうせ客の素性など隠していても調べていることだろう。客とはいえ、警察の自分に向かって倒れられたら困るなどとは、おかしな話だ。 まぁ、どうせ世辞のひとつではあるのだろうけれど。 「僕の方こそ、キミが居なくなるとそれなりに不都合がでてくる。 ワルい事をして検挙されないように気をつけてくれるとありがたいんだけどね」 マフィアは嫌いだ。 それでも、関係を絶てない事情もあるから多くは語らない。 互いに弁えられるからこそ、ありがたく利用させてもらってるわけだが……さて。 「忠告に従って車にも精々気をつけるとしよう。 あぁ……そうそう。情報の方もいつでも待ってるよ。腕のいい義肢装具士を探してるんだ」 その言葉を残すと、じゃあねと軽く手を上げて海風の香る道路へ向かう。 止められなければそのまま、乗ってきた車で引き返していくだろう。 #Mazzetto (65) 2023/09/12(Tue) 19:11:36 |
【人】 門を潜り ダヴィード>>54 イレネオ 食べ物は分かりやすく人間を幸せにしてくれて、それは時折愛情の代用品となる。 目に見えないものの代わりに煌びやかな宝飾品を贈ることもあれば、温かなスープの一杯を差し出すこともある。 そのあたたかさに男は貪欲だった。 小走りで駆けて行く間に考えは巡る。 貴方の好きなものはなんだろう。次は教えてくれるだろうか。 こんな話をするのは初めてだから、変に思われていやしないだろうか。 定番のフレーバーを用意してもらって、両手に感じる冷たさにまた急かされる。 誰に叱られるでもなく、人のために急ぐのはやっぱり好きだ。 「只今戻りました。 えーと、その通りです。レモンと、チョコレート。 どちらがお好きですか?それとも、両方?」 両方、と問う男の顔はいたずらっ子の顔だ。 勿論ジェラートのカップは小さいものだから、両方と言ってもあっさり食べられてしまう量だが。 #商店街 (66) 2023/09/12(Tue) 19:27:55 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>63 カンターミネ うと、うと、うと。 少しずつ船を漕いでいた男はもうちょっとで眠りの底に落ちてしまうところで──けれど唐突にぱっと顔を上げる。 重たい瞼に言うことを聞かせるように、何度か瞬きを繰り返してから。 「…………」 顔を向けた先には少々距離の開いた場所で立ち尽くす人影。 こちらは貴方に見覚えはない、ないので考えていた。 たまたまここを通った誰かか、それともスラムで生きる子どもか。 にしては服装が小綺麗なのでやはり前者か、というか子どもというには体付きが……いや、どちらにせよだ。 「……ごめん、猫苦手? でもこの子が先にここに居て、オレが邪魔しに来ちゃって。 だから場所代支払ってて〜……ええと、そう……」 笑みを浮かべてくれてはいるが、自分に、というよりかは子猫を警戒しているようにも見える。 なので無害ですよを伝えようとして口を開くも、先ほどまで寝惚けていた頭は上手く働かない。 「…………だいじょうぶ。 噛んだりしない、オレも……安心して、通っていいよ」 オレも……?それはそうだろ、何言ってんだ……。 チョイスミスに気が付いたのは言葉にしてから、適当に流してくれたらいいなとぼんやり思っていた。 ちなみに子猫はまだ元気にお食事中。 #路地裏 (67) 2023/09/12(Tue) 20:06:18 |
【人】 コピーキャット ペネロペ>>61 イレネオ 日暮れ頃、人気のない墓地。 「……あれっ、もしかして」 やや遠くから、ぱたぱたぱたと小さな足音。 手には掃除用具や草木の手入れ道具を持って。 人影がひとつ、あなたの方へやって来た。 「やっぱりイレネオさんですっ。 どなたかお墓参りですか?それとも私と同じで、 墓守のおじいさんの代わりに手入れをしに来たとか…」 暗くなりつつある中とはいえ、その声や顔に覚えはあるだろう。 どこかの店先であなたも見知ったもののそれ。 少女然と、マキシ丈のワンピースの裾を揺らしながら。 ここが墓地である以上、ある程度声は控えめに。 長身を目一杯見上げて、あなたに問い掛けを一つ。 #共同墓地 (68) 2023/09/12(Tue) 20:25:13 |
【人】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>67 ニーノ 顔を上げ、喋り始めてもこちらは何を言うでもなく。 噛んだりしない、オレも……の辺りでようやく反応があった。 「ぷふっ!あぁいや失礼、ククッ、なるほど、 いやいや、ふ……ふふ……か、噛まれる……ぐふっ……」 ばっちり聞かれたらしいその発言がどうもツボをついた。 しばらくの間ちょっと待て、と手の平を見せて震えている。 ややあってから大きな息を吐いて、にやけた面のまま。 「んんっ、失敬。猫も『オレ』も苦手じゃない。 どこかで見た覚えのある顔だったからどこだったか 思い出そうとしていただけでね…… まさか噛まれる危機があったかもとは思ってもなかったが」 ここでもう一度吹き出し、小さくせき込む。 「こほん。まあ、たぶん街のどこかで見たんだろう。 俺は良くあちこち歩きまわってるからな。 それで、こんな場所にオレくんは何の御用かな? 仔猫目当てならもう少し安全な場所がいいぞ。 お昼寝なら尚更。全身盗まれてもおかしくない場所だ」 仰々しく手を広げ、首を傾げてみせた。 白衣が靡き、仔猫には少し怖いかもしれない。 #路地裏 (69) 2023/09/12(Tue) 20:28:21 |
【人】 無敵の リヴィオ>>52 ニーノ 恥ずかしいと口にする君へ頷くのは、 その気持ちが"普通"であると知っているからこそだ。 「きっと似合うさ、楽しみにしているよ」 まるで君が自分へ見せてくれる前提に微笑みかけ。 綺麗なブロンドだ。似合わない色はないだろうとは思うが、 君の髪で輝く可能性の色を思い浮かべた。 そうこうしているうちに、小さな声で聞こえた「恋人」という言葉。 それに合わせて思春期のような反応に、珍しく男は吹き出した。 「…いや、残念ながら今はフリーだよ。 友人というのも違うね」 まるで勿体ぶるように言葉を選んで、指先を滑らし顎を撫でる。 言えない相手ではないし、可愛い後輩からの贈り物というだけだが、 面白い反応を見せられては素直に返すのも……というところ。 #街中 (70) 2023/09/12(Tue) 20:32:53 |
【人】 黒眼鏡>>65 エルヴィーノ 「そうだろうそうだろ、 持ちつ持たれつというやつ」 なんとも楽しそうに笑う。 若者と話すと楽しい、などと前にこぼしたことがあるが、 本気だったのだろうか。 「万が一俺がいなくなっても、 引き継げるようにはするがね。 そこは…アフターサービスだ」 物騒なことを口に出しつつ、 無害をアピールするように両手を挙げて。 店の扉をからん、と空ける。 「そうしてくれ。 情報もうちの商いだが、これはいつ入るかわからない。 気長に待っていてくれ」 よほど暇なのか、店の外まで出てあなたの車を見送る。 手を振るでもなく声をかけるでもなく、 あなたの姿が見えなくなるまで見送っていた。 #Mazzetto (71) 2023/09/12(Tue) 21:44:21 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>69 カンターミネ 今度は先程より重くない瞼を動かし何度も瞬きをしながら、ちょっと待てポーズの貴方を見つめていた。 じわりじわりと理解し始めたのは先ほどの言い間違いを流してもらえていないこと、それをはちゃめちゃに笑われていること。 「っち、ちが──言い間違え! 寝惚けてたの! オレは噛みつきません!」 で、突然さっきまで隣に居た人間が声を大きくしたので、子猫がびくっと震えた。 それにすぐに気が付き「あっ、ごめん…」と声を小さくすると同時に、なでなで。 落ち着かせるように額を指先で擦ってやったが、続く貴方の言葉にはまた声が大きくなりそうになった。何とか堪えた。 「危機はないってば、も〜…… ……オレはキミのこと見たことない。 でもよく街うろついてるのは一緒だから、見られてたかも。 というかオレくんじゃなくてニーノだかんな」 「あと子猫目当てじゃなくて、ただの里帰り……育ちがそこで。 昼寝は確かに……ちょっと気が抜けてたのは認めるけど。 っていうか、キミこそ猫は苦手じゃなくても『オレ』には苦手意識持ってた方がいいんじゃない、こんなところに座り込んでるやつ危ない人間かもしれないだろ」 『そこ』とスラムに続く道を指差しつつ、最後の言葉には「女の子だし」と付け加えた。いや勿論危機は無いんだけれども、意識としてこう……。 靡く白衣に関してオレくんは勿論怯えていないが、子猫は少し警戒したようで無害そうな大きいやつの後ろにぴゃっと隠れた。 #路地裏 (72) 2023/09/12(Tue) 21:56:31 |
【人】 陽光の元で ニーノ>>70 リヴィオ 「……う、うん」 「あッいや、"はい"、です!」 目の前にいるのは黒猫ピンを付けていてもかっこいいなと思える顔がいい相手。 微笑んでそんな風に言われるとなんだか気恥ずかしさが湧いて、瞬時の声は小さく砕けたものになってしまった。 が、すぐさま上司への返事としては相応しくないと気が付き、謎の訂正を加えている。 流石せんぱいは無敵だ……とまた謎の感心を抱いていたところ、恐る恐るの問いに返ってきたのはとりあえずの否定と。 でもなんだかちょっと含みがあるかのような言葉と所作で……。 「フリーだけど、友人じゃなくて……?」 「……も、もしかして今から可能性がある、みたいな…… それともえっと、なんか……ひみつのかんけ〜…」 なに、なんなのせんぱい、その反応と顎撫では……! とまでは流石に言葉にしないが、ぐっと握った拳には堪えた何かが現れている。 ぐるぐると深く突っ込むか葛藤して思考を働かせる中──気が付いたのはそうじゃないことで、そしてかなり今更の気付きだ。 「──はっ、リヴィオせんぱい仕事中じゃん! ごめんなさい!オレと話してたら平和を守れないですよね…!」 #街中 (73) 2023/09/12(Tue) 22:07:44 |
【人】 日差しにまどろむ ダニエラ「こんにちはー。」 仕事帰りのジェラート店。 この日注文したものはカップのピスタッキオだった。 いつもはコーンだけれど、こういう日がたまに存在する。 「いただきまあーす。」 スプーンでジェラートをひとすくい。 女の、たまの楽しみのひとつだ。 (74) 2023/09/12(Tue) 22:08:17 |
【人】 花浅葱 エルヴィーノ車を停めて紙袋を手に男は石段を上がる。 街中に入ってくれば美味しそうな匂いやら賑やかな声がそこかしこから伝わってくるが、興味を示すことはない。 風に靡いた髪を追って見上げると、頭上からひらひらと……蝶が飛んできた。 珍しいなと目で追うと、蝶は横に回り込んできて、男の肩に止まってしまった。 「僕は花でも止まり木でもないんだけど……」 足を止めたのもつかの間、再び動き出せば飛び去るだろうと歩いてみたが、何故か蝶は暫く動かない。 #街中 (75) 2023/09/12(Tue) 22:17:30 |
【人】 黒眼鏡カウンターで暇そうにタブレットを叩いている。 すると、メールが一通ポン、と鳴った。 「ん。おー……」 かたかた。返信を打ち込むと、立ち上がる。 壁際に張ったボードにかけてあった車のキーを手に取って、 ガレージへと向かった。 ついでに、カウンターに一枚のボードをかける。 『ちょっとドライブ』 ……営業中なのにドライブに行く男だ。 /*来客の方は気にせずいらしてください あなたが来る頃には戻ります (76) 2023/09/12(Tue) 22:36:16 |
【人】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>72 ニーノ 喉を鳴らして笑う。どうやらからかうと面白そうなタイプだ。 そう認識した事など、あなたも仔猫も知る由なし。 「男は狼というだろう?キミもベッドの上では存外 噛みつく男というものかもしれんぞ、くくく……」 白衣の袖で口元をわざとらしく隠し、空いた片手で裾をぱたぱた。 タイトスカートとニーソックスに挟まれた白い肉が良く見えた。 そして名前を聞いた瞬間、ぱちんと指を弾いて―― 「ああそれはそれはニーノくんここ育ちなら心配は要らないなそれに生憎俺に手を出す奴はそういないんだこの辺じゃ『先生』で通ってるもんでね目立つ見た目に評判もあれば余程じゃなきゃ手出ししたらあっという間におまわりさんのお世話になるって事想像がつくだろう?」 突然猛烈な早口でまくし立てる。 「ま忠言は素直に受け取っておこう思い出せた事だしなどこで見たかそれじゃ遠慮なく通らせて貰うとしようじゃあないか何せのんびり話してたら近道の意味がなくなってしまうからね!」 目の前を大股で歩きながら笑顔を仔猫とあなたに向けて、 路地裏を抜けていく……前に。 「ああ、名乗り忘れていた。カンターミネだ。 子供達に評判でもきいてみてくれよ、おまわりさん?」 ウィンクと投げキッスを残して、手を振ると去っていった。 #路地裏 (77) 2023/09/12(Tue) 22:39:29 |
【人】 渡りに船 ロメオ>>31 ヴィンセンツィオ 軽やかなドアベルの音、扉の開く音。 クーラーのリモコンを置いてカウンターへと戻る途中、 振り返りざまに「いらっしゃいませ〜」と緩く店員らしい挨拶を。 ──癖のように自分より下げられた視線は、 少しの驚きを以て開かれると同時に自分の上の方へと修正された。 なんせ自分より背の大きい人は珍しいもので。 「……今日のおすすめ。 あー、今日のパーネ・ディ・リーゾは米粉で焼いてるからいつもより食感がいい。チーズとハムのピッツァ・ビアンカもあるし、なんか旦那が朝からさくらんぼのパネットーネも焼いてる」 「場所はそこ、そこ、あとそこ。値段は札見てください」 その驚きも一瞬に、尋ねられればすらすらと答える。 表情も声の抑揚も愛想のいいものではないが、瓶底眼鏡の奥の視線だけはきちんと貴方に合わせられていた。 一つに束ねられた薄いレモン色の髪を揺らしながら定位置の席へと付けば、背は貴方よりも大分低くなる。 #パン屋 (78) 2023/09/12(Tue) 22:47:29 |
【人】 月桂樹の下で ニコロ>>58 ダニエラ 「そんなとこだな。 ニンナ・ナンナはガキの頃に聞いたことがあるし 何なら今もガキどもの前で吹く事もあるからな。」 そう言いながら、吹き終えて 貴方の言葉を聞けば、照れくさそうにするのだろう。 「そう言われんのは素直に嬉しいな。 Grazie.ダニエラ。それとお粗末さん。 また機会があればいつでも聞かせてやるよ。」 「さて、そろそろ仕事に戻らねえとどやされそうだな。」 二曲を吹いて、貴方がもう食べ終えそうならば 悪戯っぽくそんなことを言うだろう。 #街中 #公園 (79) 2023/09/12(Tue) 23:02:02 |
【人】 法の下に イレネオ>>66 ダヴィード 駆けて行って、駆けて戻ってきて。 まさか店先でUターンしてきたわけもないから、わざわざ走って、止まって、走ったのだろう。その過程を想像するとやはり微笑ましい。 まさか店先で足踏みを? と、それもまた想像しては笑いを噛み殺した。 「両方好きだよ。」 問われた言葉には、そんな答えを返して両手を差し出す。 笑んだ口元のまま、珍しく貴方より低い視線で続けた。 「と言えば、困るのはお前じゃないのか。」 おそらくは、分け合うつもりで来たろうに。 二つとも寄越せと言えばどんな顔をするのか、少し興味がある。興味があるだけで真意ではないと、そこまで見抜かれている可能性も、あるにはあるけれど。 #商店街 (80) 2023/09/12(Tue) 23:08:02 |
【人】 月桂樹の下で ニコロ夜も更けた頃 勤務を終えたのだろうか 酒場へと足を向ける男が1人 誰かが居るかもしれないし 居ないかもしれないけれどお構いなしに ドアを開けて中へと顔を覗かせた。 「ハァ、今日も疲れたぜ。」 さて、今日の酒は何にしようか。 #バー:アマラント (81) 2023/09/12(Tue) 23:13:52 |
【人】 無敵の リヴィオ>>73 ニーノ 砕けたところで指摘もしない。嫌な顔もしない。 むしろそのままで構わないというように微笑んでいる。 今までも例えその瞬間があったとしても、 同じように笑顔を見せていたはすだ。 引き続き面白い反応を見せる君に、 顎を撫でていた手を口元に運び、 普段は見せない真っ当そうな反応で声を上げ笑い始めた。 「ははっ……いや、からかってすまないね。 特に秘密の関係という訳でもないさ。 …ネタばらしをするとね、可愛い後輩からだよ」 笑い終えて深めの息を吸った後、 君とは反対に両手をパッと開いて簡単なネタばらし。 仕事についてはショーウィンドウを鏡にする時点で今更だ。 気にしないでくれと笑いながら変わらない平和な街を一瞥した。 #街中 (82) 2023/09/12(Tue) 23:14:21 |
【人】 日差しにまどろむ ダニエラ>>79 ニコロ 「ほんとおですかあ?やったあ。」 「それじゃあまたの機会を楽しみにしてますねえ。」 立ち上がり、口元緩く。 「美味しいピザと素敵な演奏、ありがとうございましたあ、市民さん。」 「また何かお困りのことがありましたらあ、本官にお気兼ねなくご相談ください〜」 …どうやらこの演技、気に入ったらしい。 ふふ、と笑いながら最後に軽く手を振って。 「また明日。お会いしましょうねえ。」 その『明日』、女が非番であることも度々あるのだが、そんなことは些細だと言わんばかり。 いつもとおんなじ挨拶を残して、その場を立ち去っていく。 #街中 #公園 (83) 2023/09/12(Tue) 23:29:32 |
【人】 門を潜り ダヴィード>>80 イレネオ さて、本当のところはどうだったのだろう。 走って行って、デートかとジェラート屋の主に揶揄われて、いいから早く用意してくださいなんて宣って、そこからまた走って戻ってきたのかもしれない。 そう離れた距離ではないが、こればかりは貴方の知らない話。 「いいえ?困りはしませんとも。 こいつが少し行き場を失うだけですよ」 ひらりと取り出したのはジェラート用の木匙。 よく見れば、差し出されているカップには木匙が添えられていない。 どちらも!と言えばジェラートだけが手に入ってしまいますよ、という意地悪……悪戯である。 #商店街 (84) 2023/09/12(Tue) 23:53:09 |
【人】 法の下に イレネオ>>68 ペネロペ 薄闇の中だ。こちらは何も歴戦の戦士などではないから、即座にその人となりを見抜くのは難しかったはず。もしや墓参りの徒かと手帳を閉じ、しかし呼びかけられた名前に怪訝そうに顎を引いて。それから徐々に近づく容姿で、ようやく得心がいったと身体の力を抜いた。 「ペネロペ」 声は柔和。知り合いに向けるそれ。 この男にとって馴染み深いのは、パスティチェリアの店員である貴方だ。まさかマフィアだとは思いもよらないが、そうでなくても、こんなところでまで手伝いをしているとは知らず。 「こんな時間まで仕事か?」 驚きと関心を込めて問いかける。かんばせは貴方に向かって俯いて、薄暗い中でも一層暗くなるだろうか。どうあれ、声から伺うに、恐ろしい形相をしているわけではなさそうだ。 #共同墓地 (85) 2023/09/13(Wed) 0:09:45 |
【人】 口に金貨を ルチアーノ>>64 テオドロ 「文句なんて言うもんか。 むしろそんな貴重な時間を貰えることが光栄だなあ」 表の顔は放浪息子、休みを合わせる方向にすんなり了承するし、あなたの言い分は正しいと心地よく言葉を返してみせた。 たとえ日付が遠い日になろうと、そこが温泉地でなくなったとしても、共に出掛ける為の口実が残っただけ上々である。 「酒か食事を奢るぐらいの礼は用意するさ。 デートできる日を待っているよ園芸の君、ああそうだ」 立ち去る前に思い出したとても大事なことを伝えておこう。 自分と違って貴方は真摯で真面目な男であるから、予め。 「俺の約束より女の誘いが入ったらそっちを優先させろよお。 前に聞いてきた贈り物を送りたい女の件でも、何でもな」 #街中 (86) 2023/09/13(Wed) 0:19:48 |