人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:人

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【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
  
…………う、う……。



[ 間もなく頭に手が伸びていた。
 この洋館に来てから、彼が僕の頭に
 手を乗せる時が来るとは思いもしなかった。
 不思議な感覚に変な声が漏れてしまう。

 
 恥ずかしいから止めろ、と言いたかったけれど
 これが本当のタナトスなんだ、って
 今まで知らなかった姿を見ることが、知ることが出来て。

 ──何だか。]



  ふ、ふふっ……。
  ……ありがとう。 


[ 照れ隠しの笑みが、零れた。

 七年と魂を凍結させていた氷は、静かに融け始めた。
 まだ歩み始めたばかりだけれど
 初めて彼のことを“普通の”“一人の人間として”
 見ることが出来た、記念すべき時。*]

 
(85) 2022/12/23(Fri) 1:09:32

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 僕は僕だ、と言いながらも、
 文献に残っている記録、胸に刻まれた証が
 『教皇』との繋がりを断ち切れない。

 だから、もし君が要らないと言っても
 過去のことは、いつの日か謝るつもりでいる。

 この証を背負った者のけじめとして。
 過去の、運命の精算として。
 新たな一歩を進む為に。
 それが終わった日がスタート地点リバースデイなのだろう。

 もしかしたら、菜園の手伝いをする未来があるかもしれない。
 おすそわけを貰う日が来るかもしれない。
 実現するかは別として、今までまず有り得なかった話が
 有り得るようになるのかもしれない。

 ……でも。
 
 世界が滅んでしまえば
 全てただの絵空事になってしまうけれど。

 最後に和解出来て、世界と共に心中するのも悪くは無い。*]

 
(86) 2022/12/23(Fri) 1:09:40

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
[ 途中、ユグからの提案には>>4:157
 気遣ってくれているのだろう、と理解した上で]


  ふふ、気遣いありがとう。
  でも三つなら誰かがハズレを引いてしまうからね。
  誰が当たっても悲しいことになるから
  今回は普通のものにしようか。


[ 丁重に断ることにした。
 
僕の引きが悪いから逃げた訳ではない。
]


  そうだね。君が来た時には既に
  僕とタナトスは、お互い接触してはいけない、
  暗黙の了解があって。

  これでも、大分鎮静化した方だったんだよ。


[ ね、とタナトスの方を向き苦笑する。]
 
(87) 2022/12/23(Fri) 1:10:06

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
  うん、僕も君と言葉を交わすのは好きだったよ。
  最初に来た時から、徐々に生き生きするようになって。
  本を読みたいと言ってくれて、色々知ろうとして。

  ……こうして、君にも嬉しく思って貰えるだなんて。

  ありがとう。
  君も、タナトスも優しいね。

  ずっと仲介しようとしてくれてありがとう。
  君が途中で諦めてしまったら、
  僕達は何も進展しないまま
  分かり合うこともなかっただろうから。


[ ユグはタナトスが主に世話をしているのを知っていながら
 僕自身も面倒を見ていたり、やはり弟子のような感覚で。
 
 本当に、何故もっと早く歩み寄らなかったのだろうと
 今になって思えてくる。
 きっと君も、喜んでくれているだろうから。]
 
(88) 2022/12/23(Fri) 1:10:29

【人】 X『教皇』 カルクドラ

 
 
  随分遅くなってしまったね。
  時間取らせてごめん。

  改めて……ありがとう。
  君達と話せて良かったよ。


  …………おやすみ。また明日ね。


[ 明日、決断が下される日だが、最初に語った時以降、
 あえて話題も出さず、選択も聞かないことにした。
 
 水を差されたくなかったのが一番。
 気分の良いまま終わりたかったのが二番。

 何の変哲も無い日のように、二人にくすりと微笑んで
 手を振りその場を去っていった。*]    
 
(89) 2022/12/23(Fri) 1:10:40

【人】 [『 力 』 フォルス

 
   
―――這い寄る死神



[ 漏れ聞こえて来る声はよく知る二人の声
 扉を叩く前に気付けて良かったと

 盗み聞きをしたい訳では無いのに
 少しの間、そこから動けないまま――開く扉>>79 ]



   
!?




[ 遠くに居た筈の 目の前に居る男には
 びくりと震えたのがバレてしまったかな ]
 
(90) 2022/12/23(Fri) 1:12:20

【人】 [『 力 』 フォルス

 
 
  ………。
  タナトスはさ
  死神ってか、シノビじゃない?


[ びっくりしたー♡って戯けて>>80
 ちらりと奥を見れど シンの姿を見る事はないまま ]



  ――ヴェルトは、どう?



[ しまったままでいい
 相も変わらずな諦念めいた傍観者面
 わっと開けてくれたのは 親友だった。

 ずるいなあって 言葉はしまったけれど
 笑いながら ちょっと胸が熱くなった * ]
  
(91) 2022/12/23(Fri) 1:13:34

【人】 IX『隠者』 アリア


[ 夜更かししたくせに眠れなくて、>>3:424
 ぼんやりと意識が浮上する。

 無意識が目醒ましを欲して、
 ベッドサイドの鍵付きのチェスト。
 自分だけの時は開かれたままの引き出しに、
 収められた薬包をひとつ、水と飲み下した。

 回答は決まりきっていたから、
 元より順番が前後することに執着はなかった。
 人の見解で自分が左右されると思っていれば、
 そも今ではなく、昨晩と請うていただろう。

 思うより早く訪れた朝の気配に、
 鍵をかけて、ひとつ深呼吸をした。 ]

 
(92) 2022/12/23(Fri) 2:37:50

【人】 IX『隠者』 アリア


 
―― 回想:最後かもしれない朝




  おはようございます。


[ 耳慣れた声を聞く。>>50
 早かったですね、と事もなく。

 立ち話でも適当に座ってもらうにしても
 それを拒否する理由を私は持たないから、望むように ]
 
(93) 2022/12/23(Fri) 2:38:11

【人】 IX『隠者』 アリア




  ―― それが聞けて良かったです。


[ 語り終えるまで、じっと耳を傾けて
 そう口にすれば、薬師はにわかに表情を綻ばせた ]
 
(94) 2022/12/23(Fri) 2:38:30

【人】 IX『隠者』 アリア



  …… 本当のところ、

  私はこの世界、あまり好きではありません。
  生きてるだけで理不尽ですし。

  フォルの言う通りです。

  どちらに転んだところで、
  全員が幸せになれるということはきっとないし
  既に失われたものは戻ってこないし、
  世界はそう都合良くは転がらないと、思ってて


  …… でも、それでも、

  ひとつのきっかけくらいにはなるかもしれない。

 
(95) 2022/12/23(Fri) 2:38:52

【人】 IX『隠者』 アリア




      私は、

      そんな夢を見たいんだと思います。


   
[ それは他でもないこの人からの借り物で
         けれどそこにを見たのは、 ]

 
(96) 2022/12/23(Fri) 2:39:34

【人】 IX『隠者』 アリア


[ ―― まさかそう言われるとは。>>55

 予想の外にあったから、
 一瞬、きょとりとした顔をしてしまったけれど ]


  …… はい 是非とも

  あれに祈るのは癪ですが、
  そんな未来があることを祈っておきます。


  お話、ありがとうございました。


[ ひとつ笑みを返して、扉が閉じるのを見送った。 **]
 
(97) 2022/12/23(Fri) 2:40:27

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

―― 屋根裏部屋・夜明け ――

[ 呼ぶ声に応えるみたいに浮上する意識。
  寝てた頭で、それでも取りこぼさずに拾った音を、
  言葉として翻訳し直すのに随分と時間を要した。

  随分明るくなった部屋の中は改めて見ても
  長く過ごした塔の上に似ていて
  なんとなく懐かしさを覚えるこの場所に
  きみがいる違和感にすこしだけ混乱する。

  世界が終わるかもしれない日にも
  変わらず笑うきみの強さが眩しくて眩暈がする。

  きっとだいじょうぶ、って信じてるんだろう。 ]
 
(98) 2022/12/23(Fri) 13:56:14

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

 

  ……おはよう、ヒナギク。


[ 出来る範囲で笑い返してみる。
  上手く笑えているか、なんて心配は要らない。
  元から上手く出来ないことが
  今日ばかりは丁度良かった。

  だいじょうぶじゃないといいのに。

  強い朝の日差しが天窓から注ぎ込む。
  明るくなった部屋の中に、
  光の強さの分だけ夜よりも濃い影が落ちた。

  きみが大切にしたいものを大切に思えない
  罪悪感が澄んだ光に照らし出されてしまわぬように
  丁寧に隠して、飲み込んだ。 ]
 
(99) 2022/12/23(Fri) 13:58:21

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

―― 玄関ホール・夢の終わり ――

[ >>70きみの安堵の吐息の音に、
  同じ気持ちになれないぼくの心がざわめく。
  なんにもよくないのに。
  きみのその無防備さが不安で
  きみを隠さなきゃと云う思いが強まった。

  でも叶わないから。

  別の方法は案外すぐにおもいついて。
  あとはこの手を気付かれないよう離すだけで良いのに。

  >>71ふいに強い力で握り込まれた手に
  不思議に思って繋いだ手を見下ろした。
  『かみさま』が「さよなら」して不安なのかなって
  勘違いをして、安心させるように握り返した。

  みんなが『かみさま』を信じてそうなのは理解した。
  今こうして集まってるのがその証明みたいだった。

  ぼくには預言者を騙る詐欺師との違いが分からないけど
  みんながおもう『かみさま』と今の彼は似てるんだろう。
  『かみさま』、宗教信仰の対象として尊崇・畏怖されるもの。
  宗教に一切触れずに育ち、
  その概念を最近ようやく認識し始めた
  ぼくにはまだすこし難しい。 ]
 
(100) 2022/12/23(Fri) 14:00:31

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

 
[ 滅多に遭遇しなそうだなってことだけは感覚でわかる。
  何処か遠い存在。
  そう分類してしまえばかみさまも詐欺師もぼくのなかでは
  同じ引き出しに押し込んでしまえた。

  だから彼女の恐怖は理解出来なくて、
  何に怯えているかも共感する事も出来ず、
 
まさかぼくのことだなんて頭の片隅を過りもしなくて

  それでもこれが最後かもしれないから
  いつもぼくに寄り添ってくれたきみの心に
  すこしでもいいから、寄り添いたくて。 ]


  『だいじょうぶ』だよ。


[ 根拠のない嘘を吐く。
  彼女が繰り返したその言葉を不器用に真似て。

  重ねて乞うその願いを叶えることはできないけれど。
  大丈夫、ぼくが守るから。
  ぼくのそばをはなれて、きみがみつけた居場所で、
  きみが変わらず笑って居られるように。

  かおいろひとつ、こわいろひとつ変えずに
  きっと誰にも見破れない嘘を吐いた。つもりでいたのに。
  >>3:433きみだけが、ぼくの違いを見抜いている事に
  鈍いぼくはまだ気付いていなかった。 ]
 
(101) 2022/12/23(Fri) 14:03:34

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

 
[ 勿論減るのはぼくでなくたっていい。
  じゃあだれにする?なんて
  責任の伴う選択をきみに迫るつもりはない。
  それにきっときみは誰もえらべない。

  けどそれじゃだめなんだ。
  誰でも良い誰かにきみが選ばれる事のないように。

  誰でも良いならぼくでいい、ぼくがいい。
  きみを守るものになると決めた
  あの日の誓いを守り通す為にも。
  いちどでいいんだ、きみの役に立ちたい。

  そうすれば、
  生まれてから今迄何の意味も無かった人生を
  漸く誇れるような気がするんだ。 ]
 
(102) 2022/12/23(Fri) 14:05:05

【人】 ]Y『 塔 』 プロセラ

 
[ きみが安心するまで待って、けれど手遅れになる前に。
  それって何時だろうって考えて
  すくなくともこうして手を繋いでいる間は
  きみが危険に晒されても身代わりにはなれる筈だって
  あとすこしだけ後回しにした。

  ここにきても暫く、ぼくのそばからはなれなかったきみが
  すこしずつ外側に目を向けて行ったみたいに
  きみが落ち着いて、きみから手を離して
  他のだれかのもとに向うまで、もう少しだけ。 ]


  そばにいるから。


[ もしも肉体を喪っても、
  きっと心だけはきっときみの元へ帰るから。
  だから怖がらなくて良い、って
  じゃれつくみたいに軽く凭れ掛かってくっついた。

  夢を見るのがへたくそなぼくが考えた割に
  すっごくすてきな夢を叶えるこの先に
  ちょっと浮かれるぼくとはまるで正反対に、
  >>72今にも泣き出しそうなきみの顔は
  ぼくのことばをまるで信じてくれなそうで
  どうしたら騙されてくれるかなって
  碌な気遣いも悪巧みもした事のない頭で真剣に考えた。* ]
 
(103) 2022/12/23(Fri) 14:07:18
キュリアは、クロに手を振った。
(a1) 2022/12/23(Fri) 15:38:52

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
── 自室/きみを望みて ──



  …………なに、これ。


[ 荷物整理というより、
 思い出を振り返るような作業の中。
 一番下の引き出し、その奥の奥にそれを見つけた。

 朱色の書類封筒。
 翠を混ぜた封蝋にはコールリッジの家紋。
 覚えがないままに一度握りしめたのか、
 悲鳴の様に僅か皺寄るそれに息が止まる。

 探った指先で膿んだ傷に触れたような、
 じくりと疼く痛みに、細く息を吐いて堪えた。

 ……多分、2年前に届いてたであろうそれは、
 記憶と共に奥深くに仕舞い込んだままのもので。

 一人で見るか、の逡巡は刹那。
 未練なく開封して、その紙束に目を通す。 ]
 
(104) 2022/12/23(Fri) 16:30:27

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ それは贈与契約書と未成年後見人の連絡先。
 契約書に目を通すと、
 予め捨てる算段でなかったのみ窺い知れて、
 笑えばいいのかわからない。

 手紙一つ同封されていないそれは、
 ただ最後の責任を果たすのみの手続きだ。

 いっそ恨み言の一つでも寄越してくれれば、
 なんて思うのは未練というより悔恨に近かった。
 結局自分で壊してしまったものに想いを馳せる。

 でも何も出来ない。
 溢れたミルクを元に戻すことは出来ないし望まない。 ]
 
(105) 2022/12/23(Fri) 16:30:32

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 

  はあ…………


[ しかしながら、だ。
 それ生前贈与は収めるものを差し引いても、
 人ひとりが一生を慎ましく生きるに困らない額。 
 この程度は苦もなく準備出来たのだろうとは、
 過去のコールリッジ家の財政状況から容易に想像出来る。

 ……なんだろう、これは。
 絶対素直に感謝する気持ちでないのは明白だけど。 ]
 
(106) 2022/12/23(Fri) 16:30:37

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 

  ………責任も縁、か


[ 自分が恵まれているのはわかっている。
 それでは足りずに“こう”なってしまったのは、
 全て私の咎であることも充分理解している。


 ……正直、一緒に生きたいと言いながら、
 ナハトの人生の足手纏いにしかならないのは
 わかりきっていた。

 身一つで手に手を取り合い旅立つなんて、
 上手くいくのは物語が終わった後が語られず、
 めでたしめでたしとなるご都合主義の世界だけ。 


 17歳の誕生日プレゼントは、
 夢の終わりを告げる鐘と、現実を生きる為の杖だ。

 ……最後の最後で、たとえ意図したものでなくとも、
 漸く贈り物を選んでくれたのだという皮肉には、
 少し傷付いたように笑ったかもしれない。 ]
 
(107) 2022/12/23(Fri) 16:30:44

【人】 Y『恋人』 クリスタベル


[ 先の不安は、
 連れ出すと認識しているであろうナハトの方が
 余程感じているに違いなくて。

 何もかも背負わせるなんてしたくない。
 でないと何の為に一緒に生きるのか、
 幸せにしてみせると誓ったのか。

 ……だから、生きる為に自分に何が出来るのか。

 跡なんて継げないことはわかっていたけれど、
 それでも家業の勉強をしたこともある。
 必要なもの、有用なもの、知りたいこと。
 望んだ教育を、充分な環境で受けさせて貰えたこと。
 身に付けたものが一つでも役に立つならいい。

 南の長閑な田舎町で、自宅で私塾でも開いたら…
 なんて思い付きには、
 南という選択が理に適っている親と同じだったことに一笑。 ]
 
(108) 2022/12/23(Fri) 16:30:49

【人】 Y『恋人』 クリスタベル

 
[ 変わっていく世界で自分たちがどうなるか、
 考えてもわからないことだらけだけれど。
 どう生きていくかは一緒に考えていきたい。

 自分に出来ること、出来ないこと。
 持っているもの、持っていないもの。
 置いて行ってもいいもの、手放せないもの。
 あなたに望むこと、して欲しくないこと。
 わたしに望んでいること、そうでないこと。

 ナハトは洋館には戻らないって勢いだったけど、
 帰る場所がひとつくらい多くあったっていいと思う。
 嫌いじゃないと思えるもの、人、居場所を、思い出を、
 ……持っていて欲しいと伝えたい。

 今までは彼がそれを選ぶならそれでいいかと思ってた。
 ありのままを許し受け入れ肯定するのが愛だと信じてた。
 けど、これからは、
 私も私なりに彼の為にと想うことをしたい。
 望みたい。

 押し付けたりはしたくないけど、向き合っていたい。
 一緒に生きるってそういうことだと思ったから。 ]
 
(109) 2022/12/23(Fri) 16:31:44

【人】 Y『恋人』 クリスタベル


 
[ 今夜、お茶に誘ってみよう。
 忙しく動いてくれているだろう彼を、
 お疲れ様っていつもみたいに撫でて労って、 
 あの日みたいに貝型の焼菓子と紅茶で語らいたい。

 もうあの頃みたいに、
 小夜鳴鳥の歌と共に帰ることはないし、
 朝雲雀が鳴いたって離れなくてもいい。
 夜の世界にあなたを返したくない。


  あなたが来てくれた日は、
  いつだって引き留めたかったって言ったら笑うかな?
  あの頃も夢見がちなわたしたちだったけど、
  それが馬鹿なことだってことはちゃんとわかってたよ



 私たちは絵本の世界の住人ではないし、
 めでたしで終わってもまだ先は続いていくから、
 一緒に選んで生きていく明日は不確かなものだけど。

 ── でも、繋いだ手だけは決して離さない。
 あの日の私たちの運命ものがたりを、
 長い人生の果てに幸せで閉じられるように。 * ]
 
(110) 2022/12/23(Fri) 16:32:08

【人】 『箱庭の神』 ヴェルト

 


  “ 醜い世界で暮らすのなど、御免だ ”



[ もう一度、皆のいる世界で暮らそうと誘われても>>26
  神は嘲笑うように拒否するでしょう。
  子ら以外の雑音など、
  神にとっては煩わしいものでしかありませんでした。 ]
 
(111) 2022/12/23(Fri) 18:46:36

【人】 『箱庭の神』 ヴェルト

 


  “ …………… ”



[ クロの言葉を、神は一先ず、黙って聞いていました。

  神には分かりません。
  あの世界を大切だと思う気持ちが。
  神にとって、あの世界の人間は取るに足らない存在です。
  けれど、子らは知ってしまったようです。
  箱庭から離れて、神と子ら以外の大切なものを
  得てしまったのでしょう。
  神は子らの創造主です。
  ですが――証持ちたちには、
  もう別に親がいるというように。

  しかしやはり、神には分かりません。
  絶対失敗する?
  どうしてクロが断言するのか、
  神には理解出来ませんでした。 ]
 
(112) 2022/12/23(Fri) 18:48:46

【人】 『箱庭の神』 ヴェルト

 
 

  “ お前は、わたしが間違っていると思うのか? ”



[ 自らの考えを否定され、
  諭すように言われ、
  神は苛立ったのでしょうか。 ]



  “ ……けれど、そうだと、言えるのかもしれないな ”



[ ――いえ、その顔は、薄く笑っていました。
  言われたことは、案外と嫌ではなく、
  受け止めることは出来ました。

  現実に神は、子らに否定されたのですから。
  神と子らの心はひとつではありませんでした。 ]
 
(113) 2022/12/23(Fri) 18:49:40

【人】 『箱庭の神』 ヴェルト

 

[ それが神はとても
悲しい
のです ]


 
(114) 2022/12/23(Fri) 18:51:13